おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ロシアのテキストあれこれ#3

2018年08月01日 | 楽譜の話題
昨年10年振りにドイツ人の知り合いに会いました。

その時にチラッと「ロシアンメソッドの楽譜がある」と言っていて、ドイツにもあるのかと思いましたが、その時は指揮者の話をしていたもので話の流れから訊きづらく詳しいことは何も聞けぬまま終わりました。

そのドイツ人は教会音楽家をしている人物で(ドイツでもその職業を説明するのは難しく、バッハと同じ仕事と言っているそうです)、ピアノ教師でもないのにロシアンメソッドの事を知っているということはそれだけ注目されているメソッドということかと勝手に解釈しました。

ロシア国内のテキストを探索しておりましたのでドイツのその話はすっかり忘れておりました。

ところが最近、ドイツで使われているロシアンメソッドのテキストがあると教えていただきました。

Die Russische Klavierschule - Band I
Die Russische Klavierschule -Band II

3巻まであるようで模範演奏のCD付もあります。

目次を見てみましたらこれまで見てきたロシアのテキストにある曲がチラホラあります。

1巻は聞き覚えや歌いながら弾くことから始まり、ノンレガート、スタッカート、マルカート、テヌートなど目的別に曲が並んでいます。

2巻は小品、ソナチネ、変奏曲、ロンド、エチュード、連弾と並んでいます。

やはり内容が良いと思います。

日本ではバスティン、トンプソン、グローバー、ラーニング・トゥ・プレイ、アルフレッド、最近ではピアノアドヴェンチャーなどアメリカのテキストが使われることが多いと思います。

硬くないのは良いのですが深みはありません。レッスンしていて飽きてきます・・
私も子供にはこのくらいの内容が適しているのかと思って使ってきました。
しかし、ロシアの子供たちの演奏を聴いていて、子供だからこのくらいで良いということはない!と思いました。

音楽を聴かせる時も子供向けのものを大人は選びがちですがそうではありません。

昔、シューマンの幻想曲を演奏会で弾いた時に、一番前に座っていた4~5歳のお子さんが終楽章が終わってお辞儀をした時に眼をぱっちり開けて私を見ていました。
演奏会の1曲目を弾く時に「随分小さなお子さんがいるな・・途中で騒がないかな・・」と内心思いました。しかし、一度も騒ぐことなく、小さなお子さんがいることも忘れ演奏し、最後の曲が終わった時にそのお子さんを見てそのお子さんがいたことを思い出し、「ずっと聴いててくれたんだ。寝てたかもしれないけど、でもそこにずっと座っててくれたんだ」と思いました。その時に子供だからわかりやすい曲を聴かせるなんてことはない!と思ったのでした。

話が逸れましたが、日本にも良いテキストはあります。

私は楽器店で稼働している関係で今はシステムが変わったのですが、以前はグループレッスンを受けている生徒さんのピアノ個人をピアノ科の講師がレッスンしておりました。
そこでは「ピアノスタディ」というテキストを使わなければなりませんでした。
そのテキストは半年で1冊終えるのですが、バロックから現代までの曲と連弾曲がありました。その当時は知らない曲が多いと思いましたが、ロシアのテキストを少しばかり知った今思い返すと、同じ曲があることに気付きました。

現在はピアノスタディのシリーズが一般に販売されており誰でも入手できます。
昔と曲は変わりましたが(レパートリー)、ポリフォニーの要素を早くから入れてあるので初めは大変ですが、そこで生徒さんは鍛えられます。
アレンジはヤマハの得意分野ですのでどれも素敵です。
カラーの絵やその色が美しく、楽譜に書き込むのがもったいないくらいです。
ただ1巻は、音の高さを覚えにくいので最初に使うテキストとしては適していないと思います。

NEW ピアノスタディ1 レパートリー (ピアノスタディ) 楽譜 – 2012
一般財団法人ヤマハ音楽振興会 (著)
楽譜をクリックしていただくとAmazonのサイトをご覧いただけます。

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