招きねこの手も借りたい

主婦のち仕事、ところによって母、時々芝居。

ものまね

2009年08月31日 | 日常
野菜ジュースのCMのYOUの声を聞いていて、
真似できそうだと思ってやってみた。

……似ている!

仕事で、岸田今日子の「大奥」のナレーションのまねとか、
大映テレビの来宮悦子のまねとかはしてきたが、
余興でまねをすることはなかった。

てか、まぁ披露する機会もないし。

夫は、「歌まね、声まねがうまい奴は芝居もうまい」
といつも言っていた。
で、当の本人は苦手だった。
「僕は例外。
 僕は、まねされる存在。」なとどごまかしていた。

で、なんで私が唐突にひとりでテレビ見てて
YOUのまねをしようと思ったかと言えば、
夫がYOUのファンだったことを思い出したからだ。

今ほど、YOUがイイ女扱いになるもっとずっと以前から夫は
「あの子はかわいい。色っぽい。頭もいい。」
と大絶賛していた。
夫は八千草薫とか、宮沢りえとか、鈴木京香とか、
着物の似合う、まったりした人が好みだとばかり思っていたのだが、
そのカテゴリーに入らないYOUのことが
なぜそんなに好きなのか謎だった。

結局謎のまま、夫は亡くなってしまったわけで。

とりあえず、喋り方と声くらいまねしてみようと思いやってみた。

自分、うま~っ。

ああ、夫に聞かせてやりたい。
多分喜ばないと思うけど。

そういえば、私がラーメンズのライブを見ていると、
決まって夫はテレビの画面の前に立ちはだかり、
ぜっんぜん似ていない片桐仁のネタをまねしていた。

私も夫も、ライバル意識から来る物まねか?

それにしても、私はいったいひとりで何やってんだかね~。


料理

2009年08月30日 | 日常
自分のためにどうしても、手のこんだ料理を作ることができない。

で、ものすごくずさんな食生活になる。
掃除や片付けも一生懸命やらなくなり、
やたらずぼらな生活に流れてしまう。

栄養のバランスをとるためと、
掃除と片付けのモチベーション維持のため、
私は定期的に人を食事に招待する。
今日は、かねてからうちにご飯を食べに来たいと言っていた
芝居つながりの男子を昼ごはんに招待した。

メニュー。
茄子と海老の煮浸し。
豚の角煮。
冷しゃぶサラダ韓国風。
手羽先と大根の薬膳スープ。
焼き椎茸のホタテ缶マヨ和えのっけ。
水茄子の辛子漬け。
シラスのごま油あえ薬味添え丼。

私は昼間から日本酒を冷やで一合。

いやはや、作った作った。
食った食った。
喋った喋った。

親子ほど、年の違う彼と好きな劇団が同じだったことが判明し、
盛り上がった。

結局、晩ご飯としてきつねうどん(さすがにこれは冷凍もの)を出して、
滞在時間は8時間を超えた。

うちにいったん人が来ると滞在時間はみんな長い。
朝10時に来て、夕方6時までいた人。
ランチに行って、喋り足りず夕食の材料を買ってうちに戻り、
深夜2時までいた人。
鍋パーティーをしたときは、27時までみんないた。


私からひきとめオーラが出ているのだろうか。

夫は、人を呼ぶのがそんなに好きではなかった。
「みんな長っちりねんて。」とよくこぼしていた。
しまいには、体調が万全にもかかわらず、
お客さんがいるのに、
「寝るわ」と、とっと寝室にはいっていった。
それでも気にせず滞在できる猛者限定でご飯を食べに来た。

ひとりになって、心ゆくまでみんなに長っちりしてもらえるのが、
良いことといえば良いことだ。

さて、今度は誰を招待しようかな。


ついに出た

2009年08月26日 | 日常
明け方、久しぶりに金縛りにあった。
目が覚めているのか眠っているのか、微妙な感じ。

そしたら、寝室に人の気配を感じた。
悪い気配ではなかったので、「誰?」と聞くと

「僕。」
と、亡夫の声がはっきり聞こえた。
目をあけて姿を見ようとしたが、どうしても目があかない。
けれど、はっきりと夫の気配は感じる。

「眠れないんか?」
と、また夫の声が聞こえる。

うん。と応えると、
「そばにおるぞ」
と、夫。

顔、見たいよ。
と、言うと
「見えんか?おるぞ、そばに」
と、また聞こえて、今度はふぁ~っと掛け布団をめくる感覚。
私はなんとか、目をあけ手をさしのべようとするのだが、
どうしても身体が動かない。

布団がめくれて、すっと添い寝する感覚ははっきり伝わる。

でも、やたら寒い。
冷凍庫を開けた時のような冷気が伝わる。

ああ、幽霊だから仕方ないんだなとへんに納得する私。

顔を見たい、触れたいと思うがどうもそれはできないようだ。

ちゃんといつもそばにいてねと伝えると、
わかった、わかったと聞こえた。

で、ぱっと目があき金縛りがとかれた。
……掛け布団はめくれていた。

本当に、幽霊になって逢いに来てくれたのか
単に夢を見たのか、
そんなことはどっちでもいい。

とにかく、はっきりと夫の声を聞いた。

不思議と怖くも悲しくもなく、
かといって特別うれしいわけでもない。
当たり前なこととして、夫はそばにいるのだと
自然と納得できた。

3日後は、祥月命日。

聞き間違え

2009年08月25日 | 日常
50歳~70歳の皆さんと、演劇ワークショップをしていた。

「声のキャッチボールをしますよ~」と私が言ったら

「え?恋のキャッチボール!」と、みんなが色めきたった。

たしかに、恋のキャッチボールのほうが面白いかもしれない。

しかし、それだと私には教えられない。

すんませ~ん。

勉強しなおしてきますっ。

大御所

2009年08月24日 | 日常
ちょっと、ある意味ショックだったので、
本日2回目の更新。

仕事でおつきあいのあるスタジオの若いプロデューサーに
「pecoさんたち大御所の皆さんに云々~」
と、言われた。

大御所って。

うれしくないし…。

大御所を辞書でひくと、
①親王および摂家、精華、大臣、将軍家の隠居所。
 転じて、その人の尊称。
 通常「おおごっさん(大御所様)」と称。
 江戸時代には、特に徳川家康、家斉に多く用いる。
②隠退はしているが、なお隠然たる勢力を有するもの。
③その道の第一人者として、大きな勢力を有するもの。

①はべつとして、②か③かでも意味合いが違う。
③ならまだましだが、②は悲しい。
隠退って…。

ぶっちゃけ、地元の同業女性のなかでは
年齢は多分ナンバー2かもしれない。
だけど、大御所と呼ばれたくはない!

いつまでも、現役、下っ端がいいのに。

気がつけば、一緒に仕事をするスタッフは、
うちの娘と同世代だったりする。
私と同世代の昔なじみのスタッフは、
現場から退き偉いさんになってたり、
仕事を始めた当初、
かわいがってくれていた年上の人たちは
定年で嘱託になってたりするわけで。

私は、目指せ「生涯、現役っ!」

携帯メールの絵文字のこだわり

2009年08月24日 | 日常
私の年代になると、携帯メールで絵文字を
どれくらのバランスで使うかはかなり迷うところだ。

好きに使えばいいじゃん。
という声も聞こえなくもないが、
やはりいい年をして絵文字満載のメールは
頭がお花畑だと思われるのではないかと不安だったりする。

同性の同世代の仲良しには、
なんの気兼ねもなく、使いたいときに使い、
面倒くさいときには使わない。
同じく、同性の年下の仲良しにもそうだ。
で、同性の年上の仲良しには、
ちょっと控えめにしている。
先方がよく絵文字を使う人なら使うし、
使わない人には私も使わない。

同性同士でのやりとりでも、や、なんかを
いっぱい使う友人もいる。
私は、自分が好きなものの説明をしたり、感想を書くときには
ノリでをつけたりすることもあるが、
相手への親しみの意味ではつけない。
というかつけられない。
なんかこう、恥ずかしい。

同性に対してですらそうなのだから、
もちろん異性に対してマークはありえない。
亡夫が入院中にやりとりしたメールで時々使ったくらいだ。

そんな私がひんぱんに同性、異性かまわず使うのは
と、ピースマークの顔(gooブログの携帯絵文字にこれがなかったのはどうしてだろ?)。
これは、私にとってかなり便利な絵文字だ。
私なりに精一杯の親しみをこめている。

で、最上級の親しみがだ。
これは、私にとってのに近い。

そんな私のこだわりは、他人には知るよしもないわけで。
先日、私にとってはかなりメールのやりとりがうれしい相手からのメールの文末に
がついていた。

わ~~~~っ。
と、ひとり照れまくった後われに返った。
私のこだわりと相手のこだわりは違うということに気づいた。
多分、相手は誰彼かまわずをつけているのだと思う。
とはいえ、最初のころは絵文字はなかった。
がつくようになり、とかも使うようになり、
で、だった。

肝心なのは絵文字ではなく内容なのだが、
内容は実になんてことないわけで。

こんなことであたふたするアラフィフな自分が、
なんだか愛しかったりもする。


つくづく

2009年08月21日 | 日常
待つのが苦手だ。
待ち合わせ場所には、必ずといっていいほど
先に行って待つのだが、
それは自分が待つのが苦手だから、
相手にその苦痛を味あわせたくないと思い、
気を使ってなるべく先に行くようにしているからだ。

それでも、待ち合わせはほぼ確実に来ると分かっているから
なんとか待てる。

確実ではないものを待つのはきつい。

夫の生前、帰るコールをしない夫にしびれをきらして
よく電話やメールをこちらからした。
すると、「今○○の交差点だから!」とか
「うちの駐車場に今着いたとこっ」
と半ギレの夫の返事が返ってきた。
「お前はなんでそう、あとちょっとが待てないんだ」
いつも言われた。

夫は確実に帰宅するのだが、
「事故に遭ったのではないか」とか
「もしかして、私に隠れて何かしているのではないか」
などと思ってしまうのだ。

そして、今。
夫の帰りを不安な気持ちで待つことはなくなったが、
今度はほかのことで待つことに苦しんでいる。

いつになったら、安心して待てるようになるのだろう。
それは相手が誰に変わろうと、
私自身が変わらないかぎりムリなのかもしれない。

余裕の微笑みを浮かべ、
待つことを楽しめるようなそんな人生を送りたい。



上から目線

2009年08月19日 | 日常
かなり乱れた食生活をしている。

ちょっと危機感を感じた。
とりあえず今夜は、ガスを使う調理をした。

トマト卵炒め。
卵をといて、鶏がらスープの素少々、塩少々、胡椒少々。
油を熱したフライパンに卵をいれて半熟になったら、
皮をむいてざく切りにしたトマトもいれて
ざっと炒めておしまい。
簡単で、超美味しい。

レタスとツナのサラダ。

なすのからし漬け。

濃い目のハイボールを3杯。

あとは明太子ご飯。シソを散らすときれいで美味しい。

満足、満足。

久々に料理らしい料理をした。
自分のために料理を作るのはなかなか面倒くさい。

自分自身の栄養補給も兼ねて、
底なしにたくさん食べると評判の芝居仲間を
月末にご飯に招待してみた。
返事はまだないけど、多分お腹をすかしてやってくると思う。

まじで、会員制の居酒屋でも開こうかと思う。

会員資格は、女性は私と2時間以上喋ってても飽きなければOK。
男性の場合は、
「話が面白い」「何か秀でた才能がある」「聞き上手」「イケ面」 
このどれか2つ以上をクリアすること。
そして、必ず女将の私をちやほやするのが条件。
……なんてね。
どんだけ、上から目線なんだ自分!




知られざる内面

2009年08月18日 | 日常
先日受講した身体表現系のとあるワークショップで
講師にさらっと言われたひとこと。

「意外と攻撃的な性格なんですね」

えええっ~~!

温和で柔和で乙女ちっく(ちょっとだけここつっこんでいいよ~)、
争いごとは極力避けたいから、
守りの態勢のみでなんとかしようとするタイプだと自分で思っていたが、
即興的な動きに本来の性質がどうやら出るらしい。

一緒に受講していた年上の友人からは
「かなりストレスがたまっているんだなぁって思った」
と指摘された。
ストレスはたしかにたまっているのだが、
攻撃的な性格というのが自分でよく分からない。
そしてその攻撃的な性格はどこに向けられているのだろうか。


ま、攻撃的な性格が悪いと言われたわけではない。
けど、ああそうなんだぁという不思議な感覚。
自分では気がつかない内面は、
もっとあるのかもしれない。







幸せ

2009年08月17日 | 日常
実は仕事がひまだ。
例年とおり8月はひまといえばそれまでだが、
不景気なのと、私自身の年齢とかいろんなこともあってのひまさだと思う。

先々を心配すればきりがない。
とりあえず、雨露しのげる家があって、
三度のご飯の心配はないので
仕事が少ないことをくよくよせずに、
時間をお金で買っているくらいに思うことにしている。

東野圭吾の小説を一気読みできたり、
(赤い指を読んだ。ラストで泣いた)
思いつきで映画に行ったり、
友達とランチに行ったり、
カーテンを洗ったりとか、
優雅な日々である。

今日は病院に行った帰り、
古い洋食屋さんにはいった。
ランチについてきた茗荷の甘酢漬けがほんとに美味しかった。
洋食屋さんで、茗荷の甘酢漬けというのも珍しい。
思わずグラスビールを注文。
昼間からビールを飲める幸福。
カウンターに座ったので、
お店の人に茗荷の甘酢漬けのコツを教えてもらったりした。

それにしても、昼間からビールを飲むと
「ざまみろ」という気分になるのはどうしてだろう?
そして、このざまみろは誰に向かって言ってるんだろう?

多分、明日も昼間から飲むと思う。
でも、夜はちゃんと仕事するから。
……って、誰に言い訳してるんだろうか。



墓参り

2009年08月15日 | 日常
亡夫の劇団仲間と墓参りに行ってきた。

たくさんの女子に囲まれて、多分亡夫はご満悦だったと思う。

で、おそらくご満悦であろうあの世の夫に、
先日、とある飲み会で
飲みすぎて調子に乗った私が、
ちょっとタイプなかんじの人に
軽くべたべたしたこととかを謝っておいた。
機嫌のいいときに都合の悪いことを謝るのは、
私のずるいところである。

謝りつつも、
文句があるなら、夢でも、化けてでもいいから出てきてよね。
と、言っておいた。

ま、多分夫はあの世で苦笑しているだろう。


案ずるよりなんとやら

2009年08月13日 | 日常
先日、待てができないと悩んでいた懸案事項は、
無事解決した!

先方から電話があり、
しかも打ち合わせであれこれ喋っているいるうちに、
先方からの信じられないほど好意的な提案があり、
私が考えていたことよりも
もっとずっといい企画になりそうだ。

準備やなんかで、ちょっと大変な部分も増えそうだが、
それもまた楽しそうだ。

ああ、うれしい。
このうれしさをどう表現したらいいだろう。
スキップしながら街を練り歩き、
投げキッスしてもいいくらいにうれしい。
しないけど。

私にもいろいろ運が向いてきたような気がする。
この運に乗っていくぞ~。

待て

2009年08月12日 | 日常
何度も自分の前世は犬ではないかと思うことがある。

妙に、そしてムダなくらいに鼻が利く。
いったん、その人を自分のリーダーと決めたら、
ひたすら信じてついていく。
自分に少しでも好意をしめしてくれる人には、
正直にしっぽ(愛想)をふりまく。
集団行動が苦にならない。などなど。

最近は、集団行動が苦にならないというのは
ちょっとあてはまりにくいが、
とにかく犬っぽいなぁとつくづく思う。

しかし、前世で犬だったとしても、
きっと「待て」のできない犬だったような気がする。

つくづく機が熟すのを待てないのだ。
早く、早くと結果を求めすぎて台無しにしたことが何度もある。
せっかち。
早とちり。
気を回しすぎて失敗。
勝手に自分のなかでストーリーを組み立て、
まだ何も起きていないのに「ああ、もうだめだ」と
あきらめてしまうこともある。
ちなみに亡夫の日記に書かれていた、
昨年の私の努力目標(元旦に家族で話し合った)は
「焦らない」だった。
ぜんぜん達成できてない。
生涯の努力目標かもしれない。


今も、とある案件を進めようとしているのだが、
先方の返事を待っているこの数日が待てない。
なんで返事が来ないのかといらいらしたり、
どこか落ち度があったのかと不安になったり、
相手にとって自分はその程度の軽い扱いだったのか
と悲しくなったりする。

提案したのは月曜日の夜。
まだ水曜日の朝。
たったそれだけがもう待てない。
あの件、どうしますか?とひつこく再度連絡をいれそうになる。
それをしたら台無しだということは身にしみているのでしないだけだ。

待てないのは、相手を信用していないからだと指摘されたことがある。
そうかもしれない。

このへんが、ぜんぜん犬っぽくないところだ。



HACHI 約束の犬 観てきました

2009年08月09日 | テレビドラマ・映画
娘と「HACHI 約束の犬」を観てきた。

一周忌を終えて、なんだか腑抜け状態の私は、
ハチ公の話は分かっているくせに、
リメイク版のHACHIで、
教授が急死するところで「!!」となってしまった。

単に、犬と飼い主の愛情物語を観に来たつもりでいたのに、
死別という今の私にはきついシーンが予期せず(予期しない私が悪いのだが)
出てきてそれでもう号泣。

完全に私はHACHI視点で映画を観ていた。

前世はやはり犬だったのかもしれない。

てか、リチャード ギア演じる教授の奥さんが、
夫が亡くなって、即効荷物を処分し、
思い出がいっぱいつまった家を売り払い引っ越してしまうことが
理解不能だった。

ラブラブだった夫婦なのに。
いや、ラブラブだったからこそ、
思い出の詰まった家にいるのが辛かったのかもしれないが、
私にはまねができない。

10年後、HACHIは駅で教授を待ち続けるのだが、
奥さんは墓参りに訪れた帰り道、
教授の親友と腕を組んで歩いていたのも
なんか「ふ~ん……」というかんじだった。

私は、HACHIのように
帰らない主人を、帰ると信じて待ち続けることはできない。
夫は死んだ、帰って来ないということは身にしみているから。
けど、わざわざ亡くなった旦那の親友とそういうことにならなくても…
とは思った。


とはいえ、完全に涙のスイッチが入ってしまい、
オイオイ泣いて、娘にドン引きされた。


帰宅後、夫が好きだった
天婦羅や、ひじきの煮物、サツマイモの檸檬煮を
娘が教えてくれというので、一緒に作った。

ふたりで、少しお酒を飲みながら食べた。
なんか、泣きたくなって夫が亡くなってから初めて娘の前で
声をあげて「お父さんがいないよ~」と泣いた。
娘も泣いた。
娘は、葬儀以降父の死を受け止めるのが怖くて
泣いていなかったと言う。
ずっと見せていなかった夫の闘病中の日記を娘に見せた。
娘を心配する記述や、淡々と日常をつづるなかに、
はっとするような言葉が書いてある日記に、
以前私は読んでいるにもかかわらず、
娘とふたりでまた泣いた。

HACHIを観てきたことで、
悲しみのスイッチが入ったのだが、
それはけして悪いことではなかったと思う。

母娘で一緒に泣いたことは、とても大切な時間だった気がする。

これで本当に一周忌をすませたといえるのかもしれない。


一周忌法要

2009年08月08日 | 日常
無事終わった。
一周忌法要。

ちょっと贅沢をして、料理の美味しいところにした。

以前、ここで劇団と事務所合同の新年会をした。
劇団のみんなには、サプライズで、
劇団名の刺繍が背中に大きく入ったつなぎを
お年玉として渡した。
事務所のみんなには、
たしかくじ引きでプレゼントとかした記憶がある。

夫は少しだけ背伸びをして、
ムリしてでもみんなにおごったり、
プレゼントするのがすきだった。
見栄っ張りというのとも違うと思う。
ほんの少しやせ我慢して、
みんなが喜ぶ顔や驚く顔を楽しみたい人だった。

一周忌は、そんな夫を見習って
今の私にはちょっと分不相応だけど、
同じお店で美味しいものを食べてもらった。

長兄が、「こんな贅沢をするな。もう少し先々を考えろ」
と耳打ちしてきたが無視してやった。

夫の写真を持参し、陰膳を用意してもらったのだが、
その夫の顔がふっと笑ったように見えた。


とりあえず、ひとくぎりである。
明日は、頑張ったご褒美に娘と映画を見に行くことにした。