招きねこの手も借りたい

主婦のち仕事、ところによって母、時々芝居。

久々のちゃんとした読書

2008年05月29日 | 本 コミック
いろいろあって、気持ちが読書のほうに向かず、
ずっと小説本が読めなかったのが、
ようやくきちんと集中して読書できるようになった。

で、久々に購入した新刊本。
桐野夏生の「東京島」。
興味のある方は ここ をクリック!
あらすじとか読めます。

桐野夏生さんの作品は、
「OUT」「グロテスク」「柔らかな頬」「残虐記」「魂萌え!」
最近の作品はわりと読んでいる。

この人は、自分の小説に出てくる女性達への視点がとても意地悪だと思う。
女性作家の小説は、桐野さんだけではなく
かなり女性の書き方が辛口だ。
よくそこまで、女性特有のイヤな部分を
正直に書けるなぁと思うことが多い。
でも、それが面白くて私はわりと女性作家の作品を読む。

この「東京島」は、無人島に漂着した31人の男とひとりの女の物語だ。
で、このひとりの女は若くもないし、美しくもない。
リストラにあう前に2割り増しの退職金をもらって退職した夫と、
クルーザーで旅行中だったごく普通の、
ちょっと太り気味の46歳の女だ。
他の男性達は、
沖縄での過酷なバイトから逃亡してきた
それぞれわけありの20代の若い男たちと、
漂流してきたやけにサバイバル能力の高い11人の中国人たち。

さて、どうなるか。
小説の中身は、興味のある方はご自分で読んでいただくほうがいいと思う。

私の感想は、ちょっとげんなりした。
小説そのものは、一気に読ませる力強く強引な内容だし、
おお、そう来たか!
なんと、そういう展開かっ!
と、飽きることなく(ていうか、私は数時間で読破してしまった)
読ませる面白いものだと思う。

でも、げんなりした。

そういう極限状況のなかであれば、
多分私も同じことをしたかもしれないとか、
そういう行動をとらざるをえないかもしれないとは思う。
へんにきれいごとでまとめないのもいいと思うし、
理想のリーダー的存在が出てこないのも、ある意味リアル。

でも、げんなりした。

描写が生々しいのと
「食欲と性欲と感情を剥きだしに、
 生にすがりつく人間たちの極限状態を容赦なく描き」←本の帯より引用。
ということで、私のような柔な精神の持ち主にとっては、
「あ~あ」という気持ちになってしまうのである。

そして、ああなんて女ってしぶとく強いんだろう。
と、ラストのページをとじてため息をついた。

私はとにかく無人島で生き抜けない。
虫とか、ねずみとか、へびとか怖いし。
それらをタンパク源として見ることはまずできない。
野卑で粗野で無知な男たちとの共同生活も、
考えただけでめまいがしそうだ。

夫とクルージングには、絶対行かないと結論。
(そこかよっ、着地点)
てか、うちの夫船操縦できないから、
クルージングに行こうとは言わないし。

というわけで皆さん。
無人島に31人の男と自分。
やって行けます?
ご意見、大募集。




餃子店で恋に落ちそうになったわけ

2008年05月27日 | 日常
記事のタイトルが長い。
そして、記事そのものも長くなりそうなので、
用事をすませてからお読みください。


今日私は、お昼に入った餃子専門店で、
危うく恋に落ちそうになったのだ。

危ない、危ない。

さて。
なぜ恋に落ちそうになったかを説明するにあたって、
私の常日頃からの男性に対しての(あ、女性に対しても同じかも)
譲れないポイントについて書かないといけない。

それは食事の仕方。
食べ物に対する時の姿勢。

まず、まずそうにめんどくさそうに、
かったるそうに食べる奴、
あり得ないっ。
作った人、食べ物そのものにそれは失礼だろがっ!
と、怒りでわなわなしてしまう。

あと、好き嫌いの多い奴。
あれこれ文句を言いながら食べるとか、
「これ、嫌い」とか言ってお皿のふちによける奴。
子供かよっ。

それと、変にうんちくをタレながら食べる奴。
うるせえっ、黙って美味しそうに食え。
うんちくしゃべってるうちに料理が冷める!
つばが飛ぶ。
温かいものは温かいうちに、
冷たいものは冷たいうちに食べろ。
うんちくはいらん。

それから、平気で食事を残す奴。
食べられるだけ注文したり、皿にとったりできんのかっ!

要するに私は、好き嫌いせずに文句を言わず、
機嫌良く美味しそうに食事をする人が好きなのだ。
そして、できれば気持ちのいい食べっぷりだともっといい。
最近私も夫も、量はたくさん食べられないので、
人がもりもり食べるのを見るのは気持ち良くて楽しい。

これらをクリアした上で、大事なのは食べ方だ。
ぴちゃぴちゃ音をたてて食べる奴は残念ながら
どんなに美味しそうに食べていてもだめなのだ。

昔、水もしたたるいい男と食事をする
幸運な機会に恵まれたことがあったのだが、
音をたてて食べる様子を見て百年の恋もさめた。
生理的にだめなのである。

夫は昔々、これらを見事クリアしたのであるが、
今は病のため美味しそうにぱくぱく食べるというのは無理である。

で、今日は夫と私にどうしてもという仕事が入ったため、
外出許可をもらい2人で仕事をしてきた。
夫婦で鼻歌を歌うという仕事だった。
鼻歌で仕事が成立するというのもありがたいことである。
とはいえ、ディレクター、コピーライター、代理店、
クライアント等々総勢7人に見守られて
鼻歌を歌うというのもそれはそれで緊張した。

で、仕事が終わり夫が珍しく餃子が食べたいというので、
久しぶりにあの店に行った。


この写真は、以前テイクアウトしたもの。

薄味ぬるめの食事に辟易していた夫。
久々にご機嫌でぱくぱく食べていた。
それを温かい目で見守る優しい妻…私。

が、実は私の視線は夫を飛び越え、
夫の一つ置いて隣りに座った真っ白なTシャツに作業ズボン、
きりっとした横顔の坊主頭、
年の頃なら30くらい?の男性に釘付けだった。

この餃子店は、水餃子、蒸し餃子、焼き餃子、汁餃子などなど、
あらゆる種類の餃子が楽しめる。
だいたいみんな味噌汁か豚汁を組み合わせ定食にする。
ライスは大中小、選べる。

その青年は、味噌汁のかわりに汁餃子を注文し、
焼き餃子の大盛り、それにライス大という、
どんだけ食べるんじゃいっという量を前にして、
機嫌よくもりもりと、それはそれは美しい食べ方をしていた。
箸の持ち方もちゃんとしている。
あ、私箸の持ち方へんな奴もいらっとする。

こんなに美味しそうに、幸せそうに、
美しい食べ方をする人がいたとは。
ああ、す・て・き。
この人に、テーブルいっぱいのご馳走を作って食べさせたい!
一緒に焼肉店やお寿司屋に行って、
豪快になおかつ美しく食べる様子をうっとりと見ていたい!
あ、でもかなりお金かかりそうだな。
年齢的に言うと、どう考えても私がおごらないといかんもんな。
うむむむ。
このあたりで現実に引き戻された。
おっと、いかんいかん。
私の隣には、最愛の古亭主がいたんだった。

と、言いつつもまだ私の視線は彼を追っていた。
すると彼は、食事がすむときちんと手を合わせて
「ごちそうさまでした」とひとりでつぶやいた。
きっと、きちんとしたうちで育ったのだろう。
お店の人にお勘定を払うときも、とても良い笑顔で
「ごちそうさまでした」と言って
爽やかに出て行った。
まぁ爽やかといっても、餃子をたらふく食べた後なので、
きっとニンニク臭いと思う。
でも、素晴らしい。

理想の食べ方をする人に出会えたのだが、
こうして私の短い恋は終わったのであった。

私はもしかして食べ方フェチ(そんなのがあるかどうか知らんが)
なのかもしれないな。

みなさんはどうですか?






イヤな汗

2008年05月24日 | 仕事
今の仕事を始めてから20数年たつのだが、
実は生放送の仕事をしたことはなかった。

CMにしろ、番組にしろ、企業のビデオにしろすべて収録。
間違えれば、やりなおしがきく。
スタジオの狭くて暗いブースに入り、
えいっと瞬発力でこなしてきた。

そんな私に先日、地元のラジオ局から
突然降って湧いたように舞い込んだ仕事があった。

「サテライトスタジオで、2時間の生放送のパーソナリティーをしてくれませんか」

えっ?
え~~~~~~~っ!

レギュラーのパーソナリティーの都合が悪くなり、
急遽一日だけ代役が必要だったようである。
それにしても、私に声をかけてくるとは、
よほど誰も引きうける人がいなかったのだろう。

というのも、地元の番組のパーソナリティーのほとんどは、
かなり若い年齢の人達である。
特にサテライトスタジオだと、人目にもさらされるため、
どう考えても私のようなおばちゃんが
ちまっと座ってマイクに向かう図というのは、
あまり見良いものではない。

急な話だったため、原稿は全部ディレクターが用意してくれて、
私はそれを読むだけだという。
あとは、当日入ってきたスポーツニュースや、
曲紹介がスムーズにできればいいと、
「大丈夫、大丈夫」と、軽いかんじで依頼された。

あまりに軽いかんじで依頼されたため、
つい私も軽いかんじで引きうけたのだが、
だんだんあれこれ考えていくうちに気が重くなった。

生放送で、噛まずに長い原稿をすらすら読めるのか、
スポーツに全く興味のない私が、
ニュースを分かったような声で読めるのか、
洋楽とはほとんど縁のない生活をしている私が、
格好良く洋楽のアーティスト名と、英語のタイトルを読めるのか。

それでも、本番の日はすぐやってきた。

いつもの収録なら、最近の私はノーメイクに、
楽ちんな服装で行くのだが、
今日はサテライトスタジオということなので、
朝起きて原稿の下読みをした後は、
久々に丁寧にメイクをした。
服も、それなりにひと目を意識したものにした。
なんで声の仕事で、こんな見た目を気にしなきゃいかんのだ!
もう、やだ、やだ!
とかなんとか言いながら準備万端整え、スタジオ入りした。

オンエア中、小さな女の子が手を振ってきたり、
見知らぬおじさんがガラスにはりついて覗いてきたりと、
はじめてのことだらけだった。

しかし優秀なスタッフに助けてもらい、無事オンエアを終えた。

白いカットソーを着ていったのだが、
ふと脇の下に目をやると、
ものすごい広範囲に汗染みができていた。
こんなにイヤな汗をかいたのは久しぶりである。
濃い色の服を着ていかなくて良かったと思った。

ま、終わってしまえば達成感もあり楽しかった。
この年にして、始めてのことに挑戦するというのも、
わるくないもんだなぁと思った。
今度何か新しいことに挑戦するときは、
脇の下に汗とりパットは忘れないようにしなくちゃね。



散歩嫌いなわんこ

2008年05月23日 | わんこのこと
ちとせは元気だ。
ただし、家の中限定。
典型的な内弁慶。

嫌いなこと…散歩。
苦手なこと…外で走り回る。

外出許可をもらって帰ってきていた夫と一緒に
久々にリードをつけて外へ出てみた。



あきらかに不機嫌な顔。
尻尾は完全に下がっている。

しまいにこんな顔をして固まってしまう。



お前は、哲学者かっ。
それとも、縁側のばばあかっ。
と、つっこんでも頑として動かない。

リードをひっぱってみた。



意地でも動かない。
断固として動かない。
頑として動かない。
そこには、強い彼女の意思を感じる。

よし、ちとせの大好きな豆乳クッキーでつってみよう!



ほら、美味しいよ。
あげるよ、おいでおいで。
こっちまでおいで。

猫なで声で犬を誘う、中年夫婦夫婦の声が響き渡る、
昼下がりの住宅街。

どうだ、クッキーにつられてくるのか。
どうだ?


………あ、無視ですか。

可愛いチワワと、のどかに散歩する日が来るのはいつのことやら。
いつか野原を一緒に駆け回りたいと思っているのだが、
それはかなり贅沢な望みのようである。

家の中だと、駆け回ってるんだけどなぁ。









最近のテレビ鑑賞のしかた

2008年05月19日 | 日常
ひとりでぼんやりテレビを見ていると、
入院中の夫からメール。

「○チャンネル、見てみ」

チャンネルを変える。
お、可愛いわんこがいっぱいだ。

「かわいいね~」
と返信する。

「だろ?はじっこに真っ黒なコッカー・スパニエルいたの気付いたか?」

「まじで?気付かなかった」

などとたわいもないメールをテレビを見ながら延々続ける。

今日は旅番組を見ていた私からメールした。
夫も旅番組を見るのが好きだ。
同じ番組を見ていたようである。
番組の内容や、旅行の内容に2人でつっこみつつ、
結局退院して来て体力が回復してきたら、
どこか安いバスツアーに参加して、
そのダサダサ具合を楽しもうという結論に達した。

いつもなら並んでソファに座ってテレビを見て、
つっこみ合うのだが、
携帯メールがあれば多少の時間差に目をつぶれば
離れていても同じ番組を見つつつ
つっこみ合えるという便利さ。

とはいうものの、
やはり一緒に並んで見てるほうがずっと楽しい。
早く退院してこいっ。

嘆かわしい!

2008年05月18日 | 日常
先日バスに乗り合わせた小学校低学年の男女の集団。
騒がしいけど、友達同士であれこれ喋ったり、
男子対女子で言い合いしたりの様子が
なんだか懐かしく、
そして微笑ましくもあり、私は横目で観察していた。

するとである。
その中のリーダー格とおぼしき少年が、
おもむろに隣りにいた小柄な子分肌の少年と、
内緒話を始めたのである。
少し離れた席に座ったちょっと生意気そうな少女の方を
ちらちら見ながら右手で口元を囲んで。

おいおい。

こういうひそひそ話し、内緒話し、こそこそ話し、耳打ち?
これって小学生女子の専売特許じゃなかったのか?
男子がするのを私は生まれて初めて見た。

だいたい私はひそひそ話し、こそこそ話しが大嫌いである。
人に聞かれてまずい話しは、人前でするんじゃねぇっ!
と思っている。
そりゃあ私だって、うわさ話や愚痴など、
他人に聞かれてまずい話しをすることはある。
しかしその時は、周りに聞かれてまずい人がいないときにする。
もしくは、聞かれてもいいと腹をくくり、
自分の発言に責任を持つ心づもりで口にする。

残念ながら私の世代から初老の女性にかけて、
なぜか内緒話、ひそひそ話が好きな人が多いように思う。
そうすることで連帯感を得ようとするのだろうか?
べつに声をひそめなくてもいいような内容でさえ、
声をひそめ「ここだけの話しだけどさ」と、
あたりを伺いつつ話しかけてきたりする。
うんざりである。

そして一番許せないのは、この少年のように、
これ見よがしにターゲットのことを
ちらちら見ながらのひそひそ話だ。
相手をイヤな気持ちにさせようという作戦のひとつなのだろうが、
ほんとに腹がたつ。

こんなことをやっていると、
この子はろくな大人にならないのではないのかと思う。

ターゲットになっていたちょっと生意気そうな女の子は、
つかつかとそのこそこそ話し男のほうに行くと、
「ちょっと、言いたいことがあるんならちゃんと私に言いなさいよっ。」
と、仁王立ちになった。

私、心のなかでこの女の子に拍手。
嘆かわしきこそこそ話し男子2名は、
「べ、べつに~」とたじたじだった。

それにしても、世の中いったいどうなっていくのだろうと、
情けない気持ちになったできごとだった。

ハートマーク

2008年05月16日 | 夫ネタ
今回入院するまで、夫から私へのメールは
「了解」とか「確認よろしく」とか「必要なし」とか
電報かよっと言いたくなるほど
簡潔明瞭、単純明快、良く言えばシンプル。
悪く言えば味も素っ気もなかった。

しかし、娘へのメールには文中や文末に
やたらマークが飛び交っていたようだ。

まぁ、そんなもんだろう。
べつに私も、50をすぎた古亭主から
マーク満載のメールをもらっても残念ながらときめかないし。

ところが、この頃の夫からのメールは
マークの大安売りになっている。
一応毎日夫のところにおかずとフルーツを届けているので、
それを食べた感想にはもちろん、
朝のおはようのメールにも、寝る前のおやすみメールにも
必ずと言っていいほどはついている。

他の絵文字もかなりうまく使いこなし、
カラフルなメールを送ってくる。

私はをつけるのは、微妙に気恥ずかしいので
めったにつけない。
それでも夫からのメールにはムダにが、乱舞している。
これはもしかして私へのサービスのつもりなのか?

だから、べつにそれうれしくないし…
と言ってやろうかと思うのだが、
カドがたつのもなんなので放置してある。

どうも今回彼は入院してみて初めて気がついたことがあるらしい。
毎日女房がおかずを持って見舞いに来る入院患者は
そんなにいないということ。
これまで当たり前のように洗濯物を私にことづけていたが、
わりと自分で院内のコインランドリーで洗う患者が多いということ。

5回目の入院にしてやっと気付いたのかよっ
とつっこみたいところだが、
気がついただけ良しとすることにした。

一応感謝しているようである。
で、その感謝をどう表していいか分からない夫は、
メールにを大安売りすることで表しているつもりらしい。

は、使いすぎると価値が下がることに気がつかないところが夫らしい。


私はマークよりも、
先日私が帰り際に夫がふともらした
「もう帰るのか?」のひと言のほうがずっと嬉しかった。
そのあたりに気がつけ、夫よ。


リア・ディゾンを見て思い出したこと

2008年05月13日 | 思い出場話(懐かしの昭和編)
先日テレビでリア・ディゾンを見ていて
「どこかでこの子に会ったことがあるような…」
と言う気がしてならなかった。

もちろん会ったことなどあるはずもない。
なんでだろ?
う~ん?

あ。

中学の時の同級生に、リア・ディゾン似の子がいたんだ!

そう、ほんとそっくり。
お人形のような可愛い顔をした子で、
同性の私も「可愛いな~」
としげしげと顔を見たくなるような子だった。
とりあえずキョロ(仮名)としておこう。
初めてキョロと同じクラスになった私は、
世の中にこんなにきれいな顔をした女の子がいることに驚いた。
近所の社長さん宅のピアノの上に飾ってある
フランス人形にそっくりだと思った。
当時、度の強い黒縁メガネをかけ、
きっちり三つ編みをし、
学級委員や生徒会役員をして、
仁王立ちをしつつ
「こらっ、そこの男子っ!ちゃんと掃除してっ」とか
「自習時間中に騒ぐのはやめてっ」とか叫んでいた私とは
とても同じ女の子とは思えなかった。


キョロは、当然モテモテだった。
クラスの半分近くの男子がキョロを好きだったのではないかと思う。
キョロは、そういう男子にとても愛想が良かった。
そして上手に手玉に…おっと、あしらっていた。

掃除の時間、まじめに掃除しない男子と
きゃっきゃっとふざけていたキョロは、
教壇に飾ってあった花瓶にぶつかり落としてしまった。
もちろん花瓶は割れ、破片は散って、周囲の床は水浸しになった。

「きゃ~っ!どうしよう。
 割れちゃったぁ。」

可愛い顔に涙目になったキョロは、本当に可愛かった。

「大丈夫か?」
「ケガしてないか?」

男子が駆け寄る。
女子も心配して駆け寄る。

私は、とりあえず破片を拾い集め、
雑巾で床を拭いた。
小さい破片が指に刺さりちょっと血が出た。
「イタっ」
思わず声が出たが、誰も私のほうは見なかった。

ぶつかって花瓶を落としただけのキョロがケガをするわけはないのに、
みんな涙目のキョロを慰めるのに忙しそうだった。

だいたい当時の私は(まぁ今もさほど変わらないと思うが)
「大丈夫?」と心配してもらえるようなキャラではなかった。

きれいに後始末をし、
担任に花瓶が割れたことを伝え謝り、
代わりの花瓶をもらい、花を生け直し、
ひとりで保健室へ行き傷絆をはった。

かなり寂しい思い出だ。

今度生まれ変わるのなら、キョロような顔に生まれて
みんなにちやほやされたり、
心配されたりする人生を味わってみたいと当時は思った。

が、人生経験を重ねるうちに
キョロのようなキャラはキャラで
いろいろ大変なのだということが分かった。(負け惜しみではない)

30代後半の時に同窓会で会ったキョロは
相変わらず美しかったが、かなり波瀾万丈の人生だった。
しかし、男あしらいの腕前はさらに磨きがかかっていた。

その後私は同窓会には出ていない。
また会ってみたい気もする。











母の日後日談

2008年05月12日 | 日常
一日遅れの「母の日」プレゼント、
無事義母に渡してきました。

なぜ一日遅れになったかは 詰めの甘い私 (←ぽちっと)をお読みください。

義母大喜び。
ひと安心。

ちなみに私の母には、化粧水と乳液とクリーム。
ドラッグストアで買い、
自分でラッピングして渡した。
母はここ数年、面倒がって化粧はおろか
基礎のお手入れすらしていなかった。
それが、デイサービスに週3回通うようになり、
たまに口紅をさしたり、
残った牛乳を顔にはたいたりするようになったので、
それならばと、
昔母が使っていた資生堂のドルックス(懐かしい~)を買った。
もちろん嬉しそうだった。
いくつになっても女は女。
今朝は、「久々にナイトクリーム塗って寝たら、しっとりしたわ~」
と起きてきた。

そして私。
残念ながら、娘とは相変わらず関係が良くない。
当然今年も何もなし。
ということで、セルフ母の日を決行した。

朝一番で映画を観に行った。
「最高の人生の見つけ方」
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの共演、
スタンドバイミーの監督の顔合わせで面白くないわけがない。
ガンで余命半年と宣告された2人の物語なのだが、
本来ならこういう病気物、主人公が病気で死んでしまう話しは
今の私は絶対見たくないのだが、
この映画はとてもからっとしていて、
洒落た会話と痛快さがあり、
そしてたくさんのいろんなことを考えさせてくれた。
たくさん笑って、少し泣いて、
そして自分の人生を大事にしようと思った。
観てよかった!

で、夫の見舞いに行きおかずを届ける。
病室で一緒に食事をした後
私が行ったところは某ビジネスホテル内にあるスパ。
スーパー銭湯は、残念ながら車がないと行けないところばかりだが、
ここだと交通の便のいいところにあるのだ。

しかも携帯サイトのクーポン画面を見せると
なんと3時間500円で入れて、
なおかつ湯上がりにドリンクがついてくる。
ソフトドリンクのみかと思ったら、
グラスビールでもいいということで、
もっちろんグラスビールをオーダーした。

昼間からゆっくり大きいお風呂につかり、
小さいながらも露天風呂もあり、
休憩室で仮眠をとったり、雑誌を読んだりできる。
タオルもアメニティーも全部揃っていて、
着替えだけ持っていけばいい。

いやはや、極楽。

セルフ母の日、大成功でありました。

こうして自分を可愛がると自然と
他者にも優しくしようという気になるのが不思議。

これまで私が家族へのあたりが強かったりしたのは、
自分を犠牲にして尽くしてるのに、何よ、何よ感があったからだと思う。
これからも、自分を可愛がり、大事にし、自分の人生を楽しんだ上で、
家族に自然に尽くせるようにしたいと思った次第であります、はい。

不純な動機の罰

2008年05月11日 | 日常
先日、友人に勧められた接骨院に行ってきた。
これまで私は、接骨院というと、
むくつけき大男の先生(←ものすごい偏見ですが)が、
力任せにぐいぐい手足や頭をひっぱり、
痛くて苦しいイメージがあった。

交通事故やスポーツでケガや故障した人が行くところだと思っていた。
友人は、痛くないマッサージで気持ちよくなるという。
しかも、保険診療なので、
温泉のマッサージの何分の一かの金額ですむという。
で、友人の行っているところは、
腕のいい先生が仕上げをする直前までは、
感じのいいお兄さんが丁寧に丁寧に全身をほぐしてくれるという。

そりゃあ、行ってみる価値ありだ。

ということでいさんで行ってみた。
いさみすぎて、午後の診療時間の1時間も前に到着してしまった。
ま、いいか。
いっちば~ん!と、扉をあけると、
すでにそこにはじいちゃんとばあちゃんがちんまりと座っていた。
「おねえちゃん。」
ん?私か?私のことか?
市場以外でおねえちゃんなんて言われることなんてない。
戸惑いつつ
「はい?」と返事をする。
「あんた初めてかい?」
「はい。」
「じゃあ、そこの紙に自分の名前書いて」

常連とおぼしきばあちゃんは親切だ。
親切だが、耳が遠いらしく地声がすごくでかい。
もうひとりのじいちゃんもやはり耳が遠いらしく、
2人の会話はフルボリューム。
狭い待合室で、私はずっと
このおふたりが吉兆のおかみのことから、
福田総理の今後のこと、
山菜採りの穴場から、
孫の入学式の話しなどなどをするのを
耳にせざるをえなかった。

幸い、早めに診療が開始されおふたりの会話は終わった。

さて、私は本当は治療というよりも、
癒されに来たというのが本音なのだが、
小心者のせいで「どうされました?」の質問に、
ついつい出来心で
「昨年捻挫したところが、まだ時々痛んで正座がしにくいです。」
と答えてしまった。
ウソではない。
時々へんな違和感があるし、正座はできないわけではないが、
長時間はできない。

先生は丹念に私の足首を調べはじめた。
こ、このままでは足首だけになってしまう。
極楽全身マッサージは?
あわててまるでついでのように付け足す私。
「あ、肩こりも最近あるんですよ」

先生は腕を持ち上げ、いろいろ調べる。
調べるのだが、さほどのことはないと判断。
捻挫のあとのほうが気になる様子だ。

で、お弟子さんの感じのいいお兄さん…というか、
うちの娘のボーイフレンドに丁度いいくらいの、
若い青年が足や肩、背中をマッサージしてくれる。
ものすごく上手というわけではないが、
とても丁寧で気持ちいい。
もう少しで寝ちゃう…というところで、
「では足首、電気かけますね~」と言われた。

なにやら頑丈なゴムをぐるぐる巻きにされた。
この巻き方がやたらきつい。
そして、この電気が痛い。
ちりちりちりちりと刺激する。
気持ちよくはない。
これを15分かとうんざりする。
で、ようやく終わったと思ったら、
また電気。
「これはさっきのより痛いですけど、がまんしてくださいね」
と爽やかに言われる。
え~~~っ。

たしかに痛い。
遠慮がちに聞いてみる。
「あのぉ、電気ってかけたほうがいいんですか?」
「これやると、捻挫のあとの痛みがうすらいで行くんですよ」

薄らがなくていいから、この電気はやめてくれ。

と、心の中でつぶやく。
やっと終わったと思ったら、先生が登場。

「おいっ、もう少し続けるからはずすな」
と、弟子に命じている。

ま、まじっすかぁ。
これは何かの罰ですか?
それともバチですかぁ。
ごめんなさい。もうしません。堪忍してください。
と、心の中で謝り続けるうちにようやく終了。

隣りのベッドには、さっきのじいちゃんとばあちゃんが、
全身マッサージの気持ち良さにいびきをかいている。
いいな~。
私もこうなるつもりで来たのになぁ。

不純な動機?で来た私の整体初体験は、
気持ちよさ半分、痛さ半分の割合で終わった。

しかも、翌日は慣れないマッサージでもみ戻し?
全身がかったるくなったのだった。

次回は、捻挫のあとは劇的に治ったから、
肩こりと腰痛の治療をと言ってみようか。
などと不埒なことを考えている。
てか、私べつに腰痛もちじゃないから、
先生がちょっと触ったらウソだとばれそうだ。

これなら金額が高くてもスーパー銭湯とかの
マッサージさんを頼んだほうがいいのかもしれない。

でも、捻挫のあとの足首はたしかに楽になっていたりもする。
うむむむ。
どうしたものか。

詰めの甘い私

2008年05月10日 | 日常
ほんとは、初整体レポートの記事を書こうと思ってたのですが、
明日の母の日にちなんだ記事を先に。

夫ときまずくなった、義母への母の日のプレゼントの件。
今日、ひとりで行ってきた。
デパートの上のほうの階から順にうろうろして、
あちこち歩き廻って、めぼしいものを探した。
まず、義母は生花を飾らない。
「だって枯れるから」
おっしゃるとおり。
以前アレンジメントや鉢植えをプレゼントした時いわれた。

バッグを渡した時は、裏地が黒だったので、
「中のものを探しにくい。私は裏地は明るい色のバッグしか持たない」
と言われた。
なるほど。

しわになりにくい、旅行にもってこいだと思ったブラウススーツも
「私はスカートははかない。」
と言われた。
そういえば、お義母さんのスカート姿を見たことがない。

電子レンジをプレゼントしたときも
「使い方を覚えるのがめんどくさい。ご飯なら蒸し器で蒸したほうが美味しい」
と言われた。
そうかもしれない。

おしゃれなストローハットをあげたときは、
「たたんでしまえる布の帽子が好き」
と言われた。
義母の合理的な性格を理解していなかった。

と、このようにプレゼント失敗例は数々ある。


先日一緒に舞台を観に行った時に、
義母はペットボトルをナイロン袋にくるんで鞄にいれていたのを思い出した。
おしゃれな保冷式のペットボトルカバーにしようと思いつく。
ローラ・アシュレイの店に入り、
品のいい柄のペットボトルホルダーと、
ポーチ付きのエコバッグをセットにしてラッピングしてもらった。
可愛いカードも隣りのショップで見つけ、それも買う。

これなら、喜んでもらえそうだ。
義母は、歯に衣着せぬ人で、
きついことも言うが、お腹の中は真っ白で悪気がない。
家族の入院やら闘病でまいっている私をいつも励ましてくれる。
おかずのお裾分けを持って行く私に感謝してくれて、
しょっちゅうチョコだのせんべいだの、果物だのをくれる。
何より、健康で自分のことは凡て自分でこなし、
私たちを頼ることがない。
おかげで私は自分の母親の面倒を心おきなく見られる。
だから、義母には感謝しているのだ。
なんとか義母に喜んでもらいたい。

プレゼントが決まりほっとしつつ、
肩からショルダー、右手に夫の着替えが入った布バック、
左手にローラ・アシュレイの紙袋を持ち、市場へ。
夫がヒラメの昆布〆と、鶏もつの甘露煮が食べたいと言うので
魚屋と乾物屋と肉屋へ。
果物屋でりんご。
母が月曜日に墓参りに行きたいと言うので花屋へ。
墓参り用の花と、プレゼントに添えるカーネーションを買う。
もうこの時点で、私はものすごい量の荷物を抱えていた。

途中トイレにはいったりもし、
帰りのバス停のベンチにへたりこむ。
バスに乗り、またうとうとしかけた時に私ははっとした。

荷物がひとつ足りない。
そう、ローラ・アシュレイの紙袋!
え~~~っ!
どこで忘れた?
ど、どうしよう。
でも時間的に、バスを降りて引き返すわけにはいかない。
自分のバカ~っ。

なんて詰めが甘いんだっ。

うちに帰りデパートに電話する。
忘れ物が届いていないか確認。……届いていなかった。

市場の立ち寄ったところ一軒一軒に電話するのもなんなので、
市場の事務所に電話した。

届いていた。
カーネーションを買った時、花屋に忘れてきたようだった。

「これ、母の日のプレゼントですよね?せっかくなのにねぇ。
 どうします?明日はここお休みなんだけど、今からとりにいらっしゃる?」

むり。
結局月曜日にとりに行くことにした。
義母には一日遅れで渡すことになる。

とにかく見つかって良かったと思うことにする。

自分を可愛がる

2008年05月09日 | 日常
夫の機嫌が悪い。
すぐにむっとした顔をして黙りこむ。
逆ギレする。

ふだん穏やかで、悟りを開いた僧侶みたいな分、
機嫌が悪い時との落差が大きく私はとまどう。

原因は分かっている。
体調のせいだ。
抗ガン剤の副作用は、いれてから2週間後にピークを迎える。
それはもう何度も経験してきて、夫も私もよく分かっている。
粛々とその時を乗り越えるしかない。
それでも、もうじき来るぞ来るぞと
その副作用のピークを待っている時はきっとなおさらしんどいと思う。
すでに、ひどい目眩と倦怠感ははじまっている。
体調が悪いときに、にこにこ穏やかにしていろという方が無理だ。
それは良く分かっているので、
私も反論したり、へこんだりしないでおこうと思うのだが、
やはり腹がたったり悲しくもなる。

バスを乗り継ぎ、好物をたくさんバックにつめて会いに行ってるのに、
ちょっとした言葉の行き違いや、
考え方の違いで、大魔神の顔が変わるみたいなことになると、
がっくりくる。

ちょっとしたことだった。
明日、母の日の贈り物の買い物に行くのだが、
お義母さんには何がいい?と聞いただけだ。
「何もしなくていい」と夫は言う。
そういうわけにはいかないと私は言う。
「どうせ喜ばない。お前が予想するような反応はしない。
 それなら買わないほうがいい」

喜ぶか喜ばないかはあげてみないと分からない。
たしかに義母の好みは独特だし、
あげても使わなかったり、
こんなことにお金を使うのはムダだと叱られたこともある。
それでも、とても喜んでくれるときもある。

夫は私が義母と何か摩擦があると、
自分に火の粉が飛んでくるかもしれないのがイヤなのだという。

病床で嫁姑の愚痴は聞きたくないのは分かる。

これ以上この件で夫と険悪になるのがイヤで、
この話しはここでやめた。
黙って私がひとりで品物を選び、
お義母さんに渡せばいいだけのことだ。
相談した私が考えが浅かった。
そう思うことにした。

が、やはりなんか気持ちが波立ったままだった。

そこで、自分を可愛がってやろうと思った。
先日友人が教えてくれた、保険診療をする整体へ行って
マッサージをすることにした。
整体でのマッサージは初めての体験だ。

ということで、そのレポートは後日!

寝不足

2008年05月08日 | わんこのこと
連日寝不足である。
バスに揺られているうちに熟睡し、乗り越すことも多い。
これはかなり悲しい。
とくに、夫の見舞いからの帰り道
洗濯物やら読んでしまった本やら、買い物の荷物やらと
大荷物の時の乗り越しはがっくりくる。

バスで熟睡する中年女の図というのも、
あまり感心しないと思う。
気をつけようとするのだが、
たいてい乗って数分で寝てしまうほど眠い。
はっと目覚めると、
今何時で自分がどこからどこに移動しているのかも分からない時がある。
どんだけ眠いのだ、自分。

ここ10日間ほど、起床は午前4時とか5時である。
べつに早朝バイトをはじめたわけではない。

それは、こいつのせいである。
 


先日外泊許可をもらい帰ってきていた夫の足の間でのんびりするちとせ。
久々の写真掲載だが、彼女すくすくと育ち、
というか育ちすぎ、現在3.7キロ!もある。
本来チワワというのは、世界最小犬種で、
理想体重は2キロ前後らしい。
それでも最近は少しづつ大きい子も多くなり、
まぁそれでもせいぜい3キロあたり。

3月に避妊手術をする時点ではちとせは3キロだった。
で、今3.7キロ。
肥満傾向というよりも、骨格自体が骨太で大柄な血統なのだろうと
医師から言われたので、健康に問題はなさそうである。
問題なのはその性格である。

完全な内弁慶。
そして大の散歩嫌い。
リードをつけて外に出ても三歩しか歩かない。
これがほんとにさんぽである…
なんて駄洒落を言ってる場合ではない。
とにかく歩かない。
ぷるぷる震えてだっこをせがむ。
こんな顔で。



これは室内で私にすがっている時の写真だが、
外でもこんなかんじのおねだり顔をする。

夜は私の布団で、私にぴったりくっついて、
私の枕に頭を乗っけるか、もしくは私の腕枕で寝る。
いや、寝ていた。

さて、ここからが私の寝不足の原因の説明である。
前置き長すぎで申し訳ない。

とにかく甘えん坊将軍で、
かたときも私のそばから離れない。
私も一緒に寝るのは可愛いいのでまぁいいかと思っていたのだが、
2週間ほどまえから掛け布団におしっこをするようになった。
トイレの躾けだけは、人に自慢できるほど早く覚え、
絶対失敗しなかった。
それがなぜか布団でおしっこをする習慣ができてしまった。
現場を何度かおさえこっぴどく叱ったのだが、
治らなかった。

そこで仕方なく、以前のように
ケージの中のベッドで寝かすことにした。

そしたら、みなさん。
はじめの数日は、何時間でも声が枯れるまで
「ク~~~ン、キュ~ン」と泣き続けた。
ここで根負けしてはだめだと思い、
がまんすることまた数日。

今ではなんとか寝入りばなは静かになった。
まぁ、しゃあないわと彼女も腹をくくったようだ。
それでも、朝4時とか5時になると
「ね~、起きて、起きて。だっこして、遊んで」
というような内容を感じさせる甘えなきをしはじめるのである。

で、私はしぶしぶ起きるのだ。

ほんの少し相手をすると、彼女は速攻でソファの上で寝てしまう。

こいつは、一日寝て暮らせるからいいが、
私はそんなわけにはいかない。
2度寝したちとせを起こさないように、
台所へ行き、夫への差し入れのおかずや家族の食事の仕度をする。
早起きは三文の得とかいうが、
たしかに早起きするといろんなことがはかどる。
が。
夜は夜で、そんなに早寝もできないし、
昼寝する時間も今はとれないので、
私の睡眠時間は著しく短くなってしまったのだ。

バスで爆睡する中年女を見たら、
みなさんそれぞれ抱える事情を察して、
温かいまなざしで見守ってほしい。


砺波チューリップフェア その②(鮎料理)

2008年05月01日 | 美味しいもの
チューリップフェアを後にした私達が向かったところは、
鮎料理の専門店「鮎の庄」。

川金という旅館に隣接されている。
庄川には、鮎を食べさせるお店が何軒もある。
前にバスツアーで行った店は、
団体客専門のようなところだった。

ビールを注文したら、持ってくるときに「ビール!」と体言止めで
めちゃめちゃ勢いよくテーブルにどんっと置かれたし、
トイレはどちらでしょう?と訊いたら
「あっち」と、あごで教えられた。
まじか。
そして、一応着物を着ているお運びのおばさんの耳の上には
注文をメモするためのボールペンがはさまれていた。
耳の上にボールペンを挟んでいる女の人を見たのは
その時が生まれて初めてであった。
ここは、競輪場かよっ。

それに懲りて、今回は事前にネットでしっかりリサーチ。
そして選んだ店がここ。



お腹がすいたのか、私の事など見向きもせずに、
とっとと入っていく夫。

入り口はこんなかんじ。



いろいろ食べてみたいということで、
定食を一人分と、単品であれこれ頼むことにした。
ちなみに定食には、鮎の塩焼きが3本ついてくる。
これね。



この鮎は、こんなかんじでお店のご主人が焼いている。
あんまり美味しかったので、追加でもう1本頼んだ。



もちろん私はまずこれを注文。



昼間から飲むお酒って、どうしてこんなに美味しいのでしょうね。
あとは、うるかとか、鮎の甘露煮。



鮎と山菜の天ぷら。



鮎のみぞれ和えも頼んだけど、写真撮るの忘れた。

これは定食についてきた鯉のあらい。



〆には、初めて食べる鮎雑炊を注文



これが絶品だった。

で、この店の名物は他にもある。
それが、これ。



あまり美猫とは言えない、野良猫。
店の庭に所在なげに佇んでいるのだが、
窓際の席に座った私のような心優しく気弱な客を見つけると、
ものすごい目力でこっちを凝視する。
こんな顔して。



もう私にはこの子の
「その鮎くれ。頼むくれ。お願いだからくれ。」
という心の声が聞こえてくる。

で、塩焼きと天ぷらの鮎のしっぽや頭を投げてやる。
めっちゃ素早い動作で食べに行く。



猫は飼ったことがないので、どちらかといえば犬派なのだが、
ついつい猫と会話してしまった。

しかし、こいつちゃっかりしたもので、
私が全部の鮎を食べ尽くしたのを知ると、
さっさと他の窓に移動していきやがった。
なんとまぁたくましい奴だ。

鮎料理はどれもいい味だった。
病院食の薄味と適温という名のぬるい料理に飽き飽きしていた夫は、
どの料理にも舌鼓を打っていた。
私は手酌で冷酒に酔いしれ、猫をからかい、
いい気分でのんびり食事をした。

もちろんお運びのお姉さんたちはみんな親切で丁寧。
笑顔を絶やさない。

ここで食事をした人は500円で隣りの旅館のお風呂に入れる。
夫が病院以外での入浴禁止なため、今回は入らなかったが、
来年またゆっくり行きたいと思った。

若い頃は鮎のほろ苦さを受け付けられなかったのに、
今は大好きである。
ただ、甘露煮に関しては自分で炊いたもののほうが、
柔らかくて甘さも丁度いいと思った。
夫も同じ意見だった。
こうして外で食事をして、
私の料理のそれなりの良さを再確認してもらうのも
たまにはいいものである。
でも、あの鮎雑炊の味は多分私には無理だし、
塩焼きも店で焼いたものにはかなわない。

季節の美味しいものを楽しむ贅沢。
良い結婚記念日の食事となった。












砺波チューリップフェア その①

2008年05月01日 | 日常
行ってきました、砺波チューリップフェア。



晴天に恵まれ、気持ちのいいドライブ日和となった、4月30日。
ゲートをくぐると、見渡す限りチューリップ、チューリップ、チューリップ。
当たり前といえば当たり前。

こんなのや、


こんなの、


それからこんなの
 

            
 
もうね、圧倒された。
色の洪水に。
圧倒的なチューリップのエネルギーを感じた。

平日の午前中とあって、お年寄りが多かった。
老人施設の皆さんが団体で来ていらしたり、
車椅子のお年寄りもたくさんおられたが、
どの人も明るい花の気をもらって、
笑顔だった。

そしてびっくりするほど、チューリップにはたくさんの品種があるのを知った。
以下ご紹介するのはほんの一部。

乙女桜                              
 情熱の花火 

情熱の花火の隣りには月光の花火、魔法の花火、恋の花火というのもあった。

で、これがオレンジレディ。


そんで、これがアイスクリーム。


で、これがるんるんドロップ。


てか、どうなんだ?そのネーミングは。
るんるんて。
どんなドロップなんだ?と花につっこんでいると、
どうもこの○○ドロップはシリーズになっているようで、
他にはきらきら、うきうき、ぽかぽか、があった。
名前つけてて恥ずかしくはなかったのだろうか。

女性の名前をつけているものとか、
妙に乙女チックなものとか、
滑舌女王のこの私でさえもが舌を噛みそうなものとかに混じって
こんなの発見。

ブラックヒーロー!


いいね~、シンプル。

数年前娘と来た時は、
たしかこんなに品種ごとの花壇が充実していなかったように思う。
いやはや、もらったパンフレットを見たらなんと520種あるそうな。

全部覚えてる人いるんだろうか?
チューリップ博士みたいな。
ぱっと花をみただけですらすらと
「あ、それはクルシアナレディージェーン」
「それはアドリアントドミニック」
「こっちは桃太郎で、それが金太郎で、これは白雪姫」(←全部ほんとにある)
なんて答えられる人がいるとしたらすごい。

なんてことを夫と話しつつ、あちこち見て歩いていると
こんなのを発見。

まだ誰もやっていなくて、係の人が準備している状態だった。
面白そうなのでやってみる。



こういう状態にあるチューリップを自分で好きに選んで組み合わせ、
オアシスにさしていく。
ちなみに右はしに写っている手は私の手ではない。
頑張ればたくさんの花をさせるというので、
目をつりあげ必死になる私に、横で見ていた夫が

「おい、スーパーの食品詰め放題じゃないんだから、
 デザインも考えろ。」

と、クールに言う。
それもそうだ。花の数が問題ではない。
いかに美しくまとめるかだった。
しかし時すでに遅し。
結局、こんなかんじ。



なかなか楽しかった。
他にも押し花を使ったキーホルダー作りとか、
花びら染め体験などいくつかあったが、
時間がかかったりするので、今回は花かご作りだけにした。

そろそろお腹もすいてきたので、 
チューリップの前で記念撮影をして帰ろうとしていると、
老夫婦にシャッターを押すのを頼まれた。
もちろん快諾。
仲良しご夫妻のいい笑顔を撮ってさしあげた。
お返しに私達2人のツーショットもとってくださると言う。

私のデジカメをお渡ししたのだが、
なんだかそのおじいさんの手つきがおぼつかない。
その時点でうっすらと予感はあった。

そして予感的中。

おじいちゃんの指、写りこんでるし。
ま、いいか。

で、このあと鮎料理のお店へ。

その②へつづく。