ファンデーションが残り少なくなった。
これまでずっと、ほぼすっぴんで通してきた。
気の張る席に出る時や、気の張る人に会う時のみ、
フルメイクをし、あとはほぼすっぴん。
ところが、ここ最近すっぴんでいると
「どうした?大丈夫か?」などと言われることが続いた。
尊敬している女性の先輩から
「未亡人は、とにかく綺麗にしておかないといけないわよ。
みじめったらしく見られるのイヤでしょ?」
とのアドバイスもあり、
なるべくきちんとメイクをし、マニキュアをし、
コロンもつけている。
で、減りのスピードがあがってきたので
新しいのを買いに行くことにした。
今までは、ドラッグストアで適当に買っていたのだが、
せっかくだから多少高くついても、
デパートのメイクコーナーでじっくり自分に合う色を選んでもらい、
ついでにメイクのテクニックも伝授してもらうことにした。
もう何年も、デパートで化粧品を買っていなかったので、
今日とても驚いたことがあった。
なんか、へんな器具を顔にあてると、
モニター画面に私の肌が大写しになり(まあ、これぐらいは過去にもあったが)
私の顔と首の色合いにぴったりのファンデーションの色味の傾向が
分析されてくるのだ!
すげ~~っ!
いつも、適当に選んでは
白すぎたり、暗すぎたり、黄色すぎたりと、
困っていたのがウソのようだ。
で。
コンシーラでのシミの隠し方も、
リキッドアイラインのひき方も、
ハイライトのいれ方も、
私が今まで自己流でやっていたことが全然ダメダメだったことが分かった。
ああ、これまでムダにした化粧品の数々よ。
な~んだ、最初に言えよってかんじ。
あ、向こうにしたら最初に聞けよってかんじか。
今日は、メーカーのお姉さんに、
綺麗にフルメイクしてもらい、ご機嫌さんだった。
ファンデーションがきれいに肌にのり、
シミが隠れ、きりっとアイラインが決まり、
眉が形よく書き足されると、
なんだか顔がはっきりする。
ま、メイクをしたところが顔の基本造作は変わらない。
それが証拠に、その後たくさんの人に会ったが
誰も「あれっ、今日きれいね」とは言われなかった。
いいんだけどね。
でも、本人の気分が違う。
ちょっと背筋伸ばして歩いてみようかとか、
なるべく口角あげて微笑んでみようかとか思っちゃうのである。
メイクって、結構癒しになるということがよく分かった。
自分で下手くそメイクをしていた頃と雲泥の差である。
これはくせになりそうだ。
おしっ、来年から1歳ずつ若返って見せるぞくらいの気分で行く!
これまでずっと、ほぼすっぴんで通してきた。
気の張る席に出る時や、気の張る人に会う時のみ、
フルメイクをし、あとはほぼすっぴん。
ところが、ここ最近すっぴんでいると
「どうした?大丈夫か?」などと言われることが続いた。
尊敬している女性の先輩から
「未亡人は、とにかく綺麗にしておかないといけないわよ。
みじめったらしく見られるのイヤでしょ?」
とのアドバイスもあり、
なるべくきちんとメイクをし、マニキュアをし、
コロンもつけている。
で、減りのスピードがあがってきたので
新しいのを買いに行くことにした。
今までは、ドラッグストアで適当に買っていたのだが、
せっかくだから多少高くついても、
デパートのメイクコーナーでじっくり自分に合う色を選んでもらい、
ついでにメイクのテクニックも伝授してもらうことにした。
もう何年も、デパートで化粧品を買っていなかったので、
今日とても驚いたことがあった。
なんか、へんな器具を顔にあてると、
モニター画面に私の肌が大写しになり(まあ、これぐらいは過去にもあったが)
私の顔と首の色合いにぴったりのファンデーションの色味の傾向が
分析されてくるのだ!
すげ~~っ!
いつも、適当に選んでは
白すぎたり、暗すぎたり、黄色すぎたりと、
困っていたのがウソのようだ。
で。
コンシーラでのシミの隠し方も、
リキッドアイラインのひき方も、
ハイライトのいれ方も、
私が今まで自己流でやっていたことが全然ダメダメだったことが分かった。
ああ、これまでムダにした化粧品の数々よ。
な~んだ、最初に言えよってかんじ。
あ、向こうにしたら最初に聞けよってかんじか。
今日は、メーカーのお姉さんに、
綺麗にフルメイクしてもらい、ご機嫌さんだった。
ファンデーションがきれいに肌にのり、
シミが隠れ、きりっとアイラインが決まり、
眉が形よく書き足されると、
なんだか顔がはっきりする。
ま、メイクをしたところが顔の基本造作は変わらない。
それが証拠に、その後たくさんの人に会ったが
誰も「あれっ、今日きれいね」とは言われなかった。
いいんだけどね。
でも、本人の気分が違う。
ちょっと背筋伸ばして歩いてみようかとか、
なるべく口角あげて微笑んでみようかとか思っちゃうのである。
メイクって、結構癒しになるということがよく分かった。
自分で下手くそメイクをしていた頃と雲泥の差である。
これはくせになりそうだ。
おしっ、来年から1歳ずつ若返って見せるぞくらいの気分で行く!
ひとりで家でお酒を飲むのをやめている。
あまり良い酔い方をしないのが分かっているからだ。
外で、親しい人とわいわいと飲むだけにしている。
で。
そのかわりに、27年ぶりに煙草を吸い始めてしまった。
朝と夕方、辛い時間帯にため息をつくために。
1日に数本だけ。
夫と付き合う前に、やはり少しだけ吸っていた。
芝居ですぱすぱ吸う役を演じる時に、
普段から吸って慣れた感じを出すために吸っていた。
その舞台が終わっても、なんとなく続けていた。
夫と付き合い始めて、
「煙草臭い女とキスしたくない」
と叱られ、きっぱりやめた。
若かった私は、夫とキスしたかったからである。
もう叱る人はいない。
ということで、少し前から寂しい時や、
外でお酒を飲むときで
他に煙草を吸う人が同席した時限定で吸っている。
ほとんどの女友達は
「それぐらいしょうがないよね」とか
「実は私もひとりの時吸っているよ」と言う。
芝居仲間の男性たちは
全く煙草を吸わないある人は
「やめて下さいよ。絶対やめて下さいよ!」と言う。
また苦労して禁煙したある人は
「一生吸い続ける覚悟があるなら止めないけど、
そうじゃないなら依存するなら甘い物にしとけ」と言う。
禁煙が続かないある人は
「仕方ないよ。いいんじゃない。」と言う。
pecoちゃんに煙草は似合わないよと、
私が姉のように慕う人から言われているので、
それもそうかとも思ってみたり。
それぞれがそれぞれの立場でのアドバイス。
まぁ、結局は自己責任だと思っている。
夫が幽霊になって出てきて
「だから、煙草臭い女は嫌いだって言ってるやろ」
と言ってくれたら、多分すっぱりやめるような気もする。
出てこないけど。
せめて夢枕に立って言わないだろうか。
もしくは、豊川悦司とか内野聖陽みたいな人に
「やめろよ。」ととりあげられるのもいいかもしれない。
そんないい男は周りにいないし、
仮にいたとしてもとりあげてくれないだろうけど。
とりあえず本数が増えないようにしようという自覚はある。
あまり良い酔い方をしないのが分かっているからだ。
外で、親しい人とわいわいと飲むだけにしている。
で。
そのかわりに、27年ぶりに煙草を吸い始めてしまった。
朝と夕方、辛い時間帯にため息をつくために。
1日に数本だけ。
夫と付き合う前に、やはり少しだけ吸っていた。
芝居ですぱすぱ吸う役を演じる時に、
普段から吸って慣れた感じを出すために吸っていた。
その舞台が終わっても、なんとなく続けていた。
夫と付き合い始めて、
「煙草臭い女とキスしたくない」
と叱られ、きっぱりやめた。
若かった私は、夫とキスしたかったからである。
もう叱る人はいない。
ということで、少し前から寂しい時や、
外でお酒を飲むときで
他に煙草を吸う人が同席した時限定で吸っている。
ほとんどの女友達は
「それぐらいしょうがないよね」とか
「実は私もひとりの時吸っているよ」と言う。
芝居仲間の男性たちは
全く煙草を吸わないある人は
「やめて下さいよ。絶対やめて下さいよ!」と言う。
また苦労して禁煙したある人は
「一生吸い続ける覚悟があるなら止めないけど、
そうじゃないなら依存するなら甘い物にしとけ」と言う。
禁煙が続かないある人は
「仕方ないよ。いいんじゃない。」と言う。
pecoちゃんに煙草は似合わないよと、
私が姉のように慕う人から言われているので、
それもそうかとも思ってみたり。
それぞれがそれぞれの立場でのアドバイス。
まぁ、結局は自己責任だと思っている。
夫が幽霊になって出てきて
「だから、煙草臭い女は嫌いだって言ってるやろ」
と言ってくれたら、多分すっぱりやめるような気もする。
出てこないけど。
せめて夢枕に立って言わないだろうか。
もしくは、豊川悦司とか内野聖陽みたいな人に
「やめろよ。」ととりあげられるのもいいかもしれない。
そんないい男は周りにいないし、
仮にいたとしてもとりあげてくれないだろうけど。
とりあえず本数が増えないようにしようという自覚はある。
昨日、うちの母が圧迫骨折でまた入院した。
前回骨折した部分の真上のところを、
またまた圧迫骨折したのだ。
「絶対やめて」
と言ってあったのに、
敷き布団を移動させようとして骨折した。
ベッドに替えるよう何度も説得したのだが
言うことを聞かず、
布団を部屋の隅にたたんでおき、
寝るときにのばして使っていた母。
これくらいは自分でやらないと、
呆けるとか、身体がなまるとかいって、
やっていたのだが、
その敷き布団の位置をかえようと中腰でひっぱって、
激痛がはしったそうだ。
なんか、もう私は脱力状態である。
痛い思いをしている母は可哀相ではあるが、
自業自得とも言える。
また、看病生活がはじまる。
主治医が国分太一似の男前であること以外、
な~んもいいことなんかない。
入院準備も慣れたものである。
それもなんだかなぁ。
なんでこう、病院にばっかり縁があるんだろう。
自分が健康なだけ良しとせねばとは思うけど。
娘は、自立を目指して友人と市内のアパートに住んでいる。
正月もおそらく帰って来ない。
母は退院まで2~3ヶ月かかるらしい。
今年の正月は、多分ひとりぼっちの正月になる。
喪中なので、年賀状も、松飾りもなし。
ひとりだからおせちつくってもなぁ。
出かけても、家族連れとかカップルばっかりだろうし、
ひとり温泉旅行も考えてみたが、
余計みじめになるからやめたほうがいいと、
一人暮らしの長い先輩にとめられた。
家族連れで知人が訪ねてきたりしたら、
きっとうらやましくて身もだえしてしまいそうだし、
いっそ、正月限定バイトするとか…
いや、それもなぁ。
夫よ、正月限定で化けて出てきて私の相手をしてくれ。
前回骨折した部分の真上のところを、
またまた圧迫骨折したのだ。
「絶対やめて」
と言ってあったのに、
敷き布団を移動させようとして骨折した。
ベッドに替えるよう何度も説得したのだが
言うことを聞かず、
布団を部屋の隅にたたんでおき、
寝るときにのばして使っていた母。
これくらいは自分でやらないと、
呆けるとか、身体がなまるとかいって、
やっていたのだが、
その敷き布団の位置をかえようと中腰でひっぱって、
激痛がはしったそうだ。
なんか、もう私は脱力状態である。
痛い思いをしている母は可哀相ではあるが、
自業自得とも言える。
また、看病生活がはじまる。
主治医が国分太一似の男前であること以外、
な~んもいいことなんかない。
入院準備も慣れたものである。
それもなんだかなぁ。
なんでこう、病院にばっかり縁があるんだろう。
自分が健康なだけ良しとせねばとは思うけど。
娘は、自立を目指して友人と市内のアパートに住んでいる。
正月もおそらく帰って来ない。
母は退院まで2~3ヶ月かかるらしい。
今年の正月は、多分ひとりぼっちの正月になる。
喪中なので、年賀状も、松飾りもなし。
ひとりだからおせちつくってもなぁ。
出かけても、家族連れとかカップルばっかりだろうし、
ひとり温泉旅行も考えてみたが、
余計みじめになるからやめたほうがいいと、
一人暮らしの長い先輩にとめられた。
家族連れで知人が訪ねてきたりしたら、
きっとうらやましくて身もだえしてしまいそうだし、
いっそ、正月限定バイトするとか…
いや、それもなぁ。
夫よ、正月限定で化けて出てきて私の相手をしてくれ。
痩せた。
あと、4キロ痩せれば30代の時のベスト体重である。
体脂肪も順調に落ちている。
自宅でひとりでお酒を飲むのをやめたのと、
食事の分量が減ったのと、
バスを乗りついでやたら歩くようになったからだと思う。
まぁ、元が元だったわけだし
30代の時のベスト体重も、スタイル抜群というものでもないから、
それがどうしたと言われればそれまでだ。
しかも、バストが大変残念な状態になってしまい、
これなら以前の体型のほうが良かったかもしれないと思うこともある。
夫が亡くなる数日前私に
「……痩せろ」と言ったことがある。
年とると膝にくるし、成人病も怖い。
頑張って痩せて長生きして人生を楽しめと言った。
自分がいなくなってからのお前の人生は長いのだから、
痩せてスタイルを良くして、
若いいい男を捕まえろと
冗談とも本気ともつかないことを半笑いの顔で言った。
私は笑い飛ばした。
「あなたはそんなにすぐにはいなくならないし、
簡単には痩せられないし。
若いいい男は寄ってこないし。」
だいたい夫は自分が元気な時に、
ダンベル体操に励んでいた私に向かって
「いくら痩せてもブスはブス」と言っていたではないか。
この「いくら痩せてもブスはブス」という標語?は、
べつの口の悪い奴からも言われたことがある。
名言だと思う。腹立つけど。
実際、少し痩せたくらいで私の容貌や雰囲気は変わっていない。
それでも、成人病予防にはなるし、
膝の負担も軽くなるだろう。
骨密度は年齢にしたら120%の強さだとも言われている。
一応、夫の要望を満たしつつあるというところだ。
あとは、もう少し筋力をつけて、
強い身体にすることだな。
いくら痩せてもブスはブス。
でも、身体は丈夫。
これで行こうと思う。
あと、4キロ痩せれば30代の時のベスト体重である。
体脂肪も順調に落ちている。
自宅でひとりでお酒を飲むのをやめたのと、
食事の分量が減ったのと、
バスを乗りついでやたら歩くようになったからだと思う。
まぁ、元が元だったわけだし
30代の時のベスト体重も、スタイル抜群というものでもないから、
それがどうしたと言われればそれまでだ。
しかも、バストが大変残念な状態になってしまい、
これなら以前の体型のほうが良かったかもしれないと思うこともある。
夫が亡くなる数日前私に
「……痩せろ」と言ったことがある。
年とると膝にくるし、成人病も怖い。
頑張って痩せて長生きして人生を楽しめと言った。
自分がいなくなってからのお前の人生は長いのだから、
痩せてスタイルを良くして、
若いいい男を捕まえろと
冗談とも本気ともつかないことを半笑いの顔で言った。
私は笑い飛ばした。
「あなたはそんなにすぐにはいなくならないし、
簡単には痩せられないし。
若いいい男は寄ってこないし。」
だいたい夫は自分が元気な時に、
ダンベル体操に励んでいた私に向かって
「いくら痩せてもブスはブス」と言っていたではないか。
この「いくら痩せてもブスはブス」という標語?は、
べつの口の悪い奴からも言われたことがある。
名言だと思う。腹立つけど。
実際、少し痩せたくらいで私の容貌や雰囲気は変わっていない。
それでも、成人病予防にはなるし、
膝の負担も軽くなるだろう。
骨密度は年齢にしたら120%の強さだとも言われている。
一応、夫の要望を満たしつつあるというところだ。
あとは、もう少し筋力をつけて、
強い身体にすることだな。
いくら痩せてもブスはブス。
でも、身体は丈夫。
これで行こうと思う。
夫の車の売却が完了したとの連絡があり、
ローンの残高請求がきた。
思ったより残高が多い。嗚呼。
ほんとは、私が乗り続けるのが一番なのだが
それは絶対ムリっ!
と、仏壇に手を合わせ、追銭をしてまで売却することにしたのだ。
明日きっちり耳を揃えて全額いっきに振り込む。
これで、うちのローンは全てなくなった。
金利を考えるとちびちび払っていくよりは、
これから女一匹生きていくには手元の現金が少なくなったとしても、
借金のない身軽な身体のほうがいいと判断したからだ。
夫の携帯電話も四十九日が過ぎてすぐ解約した。
もしかして、夫の死を知らない方から連絡があるかもしれないと、
とりあえず四十九日までは電源をいれっぱなしにして様子を見ていた。
もしかして、愛人とか、隠し子とか、浮気相手から
電話やメールがあるかもしれない‥
と、ほんの少しだけびびりながら過ごしたのだが、
ど~でもいいダイレクトメールと、
私の携帯と間違えてかけてきた仕事関係の知人と
演劇関係の知人からの電話だけだった。
ほっ。
まぁ、信じていたんだけどさ。
万が一ってこともあるし。
意外と夫は私が考えているよりは、人気があったし。
結構イイ男だったので、もしかしてってこともないこともないかと。
案外おしゃれさんだった夫の質のいい服や持ち物は、
体格がほぼ同じの芝居仲間ふたりに形見分けした。
体格がほぼ同じの芝居仲間ふたりは、
夫の臨終に立ち会ってくれた。
臨終の際、夫が、あとは頼むと無意識にふたりを呼んだような気がしている。
事実、私はふたりに本当にいろいろ世話になっている。
そんなふたりに着てもらったり、使ってもらうことが、
何よりの供養になると思った。
身辺整理をするのは早すぎるのではないかとも思うのだが、
物を整理することで、気持ちも整理につながらないかという思いもある。
夫のことはいつも心のなかにある。
だから、ほんとに思い出の深い物以外は
なくても大丈夫だと思う。
と言いつつ、臨終間際まで夫がベッドに敷いていた
大判のバスタオルをまだ洗わずにしまってある。
泣きたいときは、それにくるまって泣くことにしている。
だんだん夫の匂いは飛んで、私の涙の匂いに変わりつつある。
それでもバスタオルは洗えない。
ライナスの毛布状態である。
これを洗って、青空の下に干せる日が、
本当に気持ちの整理が出来た日なのだと思う。
大丈夫。
きっとそのうち洗えるはずだ。
ローンの残高請求がきた。
思ったより残高が多い。嗚呼。
ほんとは、私が乗り続けるのが一番なのだが
それは絶対ムリっ!
と、仏壇に手を合わせ、追銭をしてまで売却することにしたのだ。
明日きっちり耳を揃えて全額いっきに振り込む。
これで、うちのローンは全てなくなった。
金利を考えるとちびちび払っていくよりは、
これから女一匹生きていくには手元の現金が少なくなったとしても、
借金のない身軽な身体のほうがいいと判断したからだ。
夫の携帯電話も四十九日が過ぎてすぐ解約した。
もしかして、夫の死を知らない方から連絡があるかもしれないと、
とりあえず四十九日までは電源をいれっぱなしにして様子を見ていた。
もしかして、愛人とか、隠し子とか、浮気相手から
電話やメールがあるかもしれない‥
と、ほんの少しだけびびりながら過ごしたのだが、
ど~でもいいダイレクトメールと、
私の携帯と間違えてかけてきた仕事関係の知人と
演劇関係の知人からの電話だけだった。
ほっ。
まぁ、信じていたんだけどさ。
万が一ってこともあるし。
意外と夫は私が考えているよりは、人気があったし。
結構イイ男だったので、もしかしてってこともないこともないかと。
案外おしゃれさんだった夫の質のいい服や持ち物は、
体格がほぼ同じの芝居仲間ふたりに形見分けした。
体格がほぼ同じの芝居仲間ふたりは、
夫の臨終に立ち会ってくれた。
臨終の際、夫が、あとは頼むと無意識にふたりを呼んだような気がしている。
事実、私はふたりに本当にいろいろ世話になっている。
そんなふたりに着てもらったり、使ってもらうことが、
何よりの供養になると思った。
身辺整理をするのは早すぎるのではないかとも思うのだが、
物を整理することで、気持ちも整理につながらないかという思いもある。
夫のことはいつも心のなかにある。
だから、ほんとに思い出の深い物以外は
なくても大丈夫だと思う。
と言いつつ、臨終間際まで夫がベッドに敷いていた
大判のバスタオルをまだ洗わずにしまってある。
泣きたいときは、それにくるまって泣くことにしている。
だんだん夫の匂いは飛んで、私の涙の匂いに変わりつつある。
それでもバスタオルは洗えない。
ライナスの毛布状態である。
これを洗って、青空の下に干せる日が、
本当に気持ちの整理が出来た日なのだと思う。
大丈夫。
きっとそのうち洗えるはずだ。
誘ってくれる人がいて、
とある舞台のスタッフとして参加することになった。
その作品は、夫の臨終に立ち会ってくれたうちのひとりが作・演出、
もうひとりが主演をする舞台である。
これまで夫と、芝居を造ってきたメンバーもたくさん参加している。
スタッフ、キャストの初顔合わせの日は、
本来なら朗読の指導が入っている日だった。
1ヶ月ほど前、私はその日をわがままをとおしてもらい、
お休みにしてもらっていた。
それは、その日が夫の誕生日だったからだ。
前日に偲ぶ会があり、翌日は夫の写真をもって、
ふたりでたまに行っていた知人のバーでひとりで飲む予定だった。
で、空けてあった。
その日が、初顔合わせの日。
バーで夫の写真を肴にひとりで飲むのと、
夫に縁のある人たちと一緒に新たなスタートをきるのと、
どちらが夫が喜ぶか、自分がやりたいことなのかを考えた。
スタッフで舞台にかかわるのは、20数年ぶりだったりするし、
おそらく現場では役立たずだろう。
キャストで参加したいと思った時もあったが、
今の私の体力と状況では難しい。
それなら、スタッフで自分のできることを探して
みんなといいものを創ってみようと思った。
顔合わせをし、稽古が本格的に始まった。
夫の写真は微笑んでいる。
とある舞台のスタッフとして参加することになった。
その作品は、夫の臨終に立ち会ってくれたうちのひとりが作・演出、
もうひとりが主演をする舞台である。
これまで夫と、芝居を造ってきたメンバーもたくさん参加している。
スタッフ、キャストの初顔合わせの日は、
本来なら朗読の指導が入っている日だった。
1ヶ月ほど前、私はその日をわがままをとおしてもらい、
お休みにしてもらっていた。
それは、その日が夫の誕生日だったからだ。
前日に偲ぶ会があり、翌日は夫の写真をもって、
ふたりでたまに行っていた知人のバーでひとりで飲む予定だった。
で、空けてあった。
その日が、初顔合わせの日。
バーで夫の写真を肴にひとりで飲むのと、
夫に縁のある人たちと一緒に新たなスタートをきるのと、
どちらが夫が喜ぶか、自分がやりたいことなのかを考えた。
スタッフで舞台にかかわるのは、20数年ぶりだったりするし、
おそらく現場では役立たずだろう。
キャストで参加したいと思った時もあったが、
今の私の体力と状況では難しい。
それなら、スタッフで自分のできることを探して
みんなといいものを創ってみようと思った。
顔合わせをし、稽古が本格的に始まった。
夫の写真は微笑んでいる。
先日の10日の夜、芝居仲間たち有志が、
夫を見る会を催してくれた。
過去の舞台(一番古いものは28年くらい前の映像)や、
出演番組(全国放送されたドラマのシーンや、レポーター役)
ローカルでの古いCM、企業ビデオなどを
ダイジェストにして、
20時少し前から上映し、12時すぎまでみんなで見た。
出入り自由にして、楽屋には飲み物や軽食を用意し、
夫の高校時代からの友人、これまで所属した3つの劇団の当時の仲間、
教え子、一緒に芝居を造ってきた仲間など、
たくさんの人が集まった。
古い映像を懐かしんだり、つっこみをいれたり、
それぞれがそれぞれの思いを抱いて大きなスクリーンに映し出される
夫の姿を観た。
当時はかなりイケていたダンスやファッションが、
今観ると強烈で、会場が笑いの渦になったものもあった。
夫は当時24歳くらいで、
なんと白い短パンにハイソックスという揃いのファッションに身を包み、
たくさんの劇団員たちとバック転を交えたダンスを踊っているのだ。
これはかなり強烈だった。
夫は、若い頃はマット運動が得意で、
バク転、バク宙、側宙などお手の物だった。
ダンスもうまかった。
しかし、いかんせんその振り付けは
今みるとどうかと思うような滑稽さがあった。
当時、ファンとして通い詰めていた子が
必死に「あれはあれで、当時は格好良かったんだから」
と、フォローしてくれたが、
その映像で一緒に踊っていた芝居仲間ですら
「わ~、どうなんだ、あのダンスはっ」と恥ずかしがっていた。
彼らももう40代。
おしもおされもしないおっさんである。
膨大なビデオをDVDに編集してくれた人、
私が持っていった夫の写真を額装し展示してくれた人、
会場の題字を書いてくれた人、
軽食の準備をしてくれた人、
上映のオペレーターをかってでてくれた人、
私が存分に映像を楽しめるように、
来場者に気を廻し場内整理や私への案内をしてくた人、
たくさんの人に支えられた会だった。
通夜や葬儀と違い、私は喪主の責任もなく、
ほとんどなにもせず、
懐かしい古い友人たちと思い出話をし、
抱えきれないほどのお花や、お酒、お菓子をプレゼントされた。
こんなに夫は、みんなに愛されていたのだと嬉しくなった。
最後に、今年の6月に出演したラジオのインタビュー番組を流した。
病気を抱えながら芝居や仕事に頑張っているということを、
淡々と話す夫の声は、
まだそこに夫がいるかのようだった。
12時をすぎ、日をまたいだので残っていた全員で
夫の誕生日を祝った。
みんなで声を揃えて、きっと会場のどこかから観ていたであろう夫に向かい、
「おめでとう!」と言った。
この世で祝えなかった53歳の誕生日は、
もしかして夫にとって最高の誕生日かもしれない。
翌日、来てくれた人から次々とメールをもらった。
そんな中に、
「いつも『嫁といると楽しい!』と、言ってましたよ」
というものがあった。
直接そういうことを、夫から言われたことがなかった。
生きてる時に言えよっ、と思いながら少しだけ泣いた。
先日出てきた、夫が一ヶ月ほどだけ記入していた日記のなかに
「過去を振り返るな。前に進もう。」
という記述があった。
夫自身が自分のために書いたはずのことばだが、
今となっては私へのメッセージになった。
「こんな時、夫がいたら…」とくよくよするより、
せめて「夫ならどうするだろう?」
と前向きに考える自分でありたいと思った。
夫を見る会を催してくれた。
過去の舞台(一番古いものは28年くらい前の映像)や、
出演番組(全国放送されたドラマのシーンや、レポーター役)
ローカルでの古いCM、企業ビデオなどを
ダイジェストにして、
20時少し前から上映し、12時すぎまでみんなで見た。
出入り自由にして、楽屋には飲み物や軽食を用意し、
夫の高校時代からの友人、これまで所属した3つの劇団の当時の仲間、
教え子、一緒に芝居を造ってきた仲間など、
たくさんの人が集まった。
古い映像を懐かしんだり、つっこみをいれたり、
それぞれがそれぞれの思いを抱いて大きなスクリーンに映し出される
夫の姿を観た。
当時はかなりイケていたダンスやファッションが、
今観ると強烈で、会場が笑いの渦になったものもあった。
夫は当時24歳くらいで、
なんと白い短パンにハイソックスという揃いのファッションに身を包み、
たくさんの劇団員たちとバック転を交えたダンスを踊っているのだ。
これはかなり強烈だった。
夫は、若い頃はマット運動が得意で、
バク転、バク宙、側宙などお手の物だった。
ダンスもうまかった。
しかし、いかんせんその振り付けは
今みるとどうかと思うような滑稽さがあった。
当時、ファンとして通い詰めていた子が
必死に「あれはあれで、当時は格好良かったんだから」
と、フォローしてくれたが、
その映像で一緒に踊っていた芝居仲間ですら
「わ~、どうなんだ、あのダンスはっ」と恥ずかしがっていた。
彼らももう40代。
おしもおされもしないおっさんである。
膨大なビデオをDVDに編集してくれた人、
私が持っていった夫の写真を額装し展示してくれた人、
会場の題字を書いてくれた人、
軽食の準備をしてくれた人、
上映のオペレーターをかってでてくれた人、
私が存分に映像を楽しめるように、
来場者に気を廻し場内整理や私への案内をしてくた人、
たくさんの人に支えられた会だった。
通夜や葬儀と違い、私は喪主の責任もなく、
ほとんどなにもせず、
懐かしい古い友人たちと思い出話をし、
抱えきれないほどのお花や、お酒、お菓子をプレゼントされた。
こんなに夫は、みんなに愛されていたのだと嬉しくなった。
最後に、今年の6月に出演したラジオのインタビュー番組を流した。
病気を抱えながら芝居や仕事に頑張っているということを、
淡々と話す夫の声は、
まだそこに夫がいるかのようだった。
12時をすぎ、日をまたいだので残っていた全員で
夫の誕生日を祝った。
みんなで声を揃えて、きっと会場のどこかから観ていたであろう夫に向かい、
「おめでとう!」と言った。
この世で祝えなかった53歳の誕生日は、
もしかして夫にとって最高の誕生日かもしれない。
翌日、来てくれた人から次々とメールをもらった。
そんな中に、
「いつも『嫁といると楽しい!』と、言ってましたよ」
というものがあった。
直接そういうことを、夫から言われたことがなかった。
生きてる時に言えよっ、と思いながら少しだけ泣いた。
先日出てきた、夫が一ヶ月ほどだけ記入していた日記のなかに
「過去を振り返るな。前に進もう。」
という記述があった。
夫自身が自分のために書いたはずのことばだが、
今となっては私へのメッセージになった。
「こんな時、夫がいたら…」とくよくよするより、
せめて「夫ならどうするだろう?」
と前向きに考える自分でありたいと思った。
200通近くの年賀欠礼はがきの宛名を
全て手書きで書いて投函したのが数日前。
汚い字ではあるが、心だけはこめて書いた。
仕事関係のところの100通は、
12月に出す予定だ。
ひとくぎりつけて、ぼんやりしているところに、
昨日、今日と立て続けに
年賀欠礼の葉書を見て
初めて夫の死を知った知人数人から電話をもらった。
夫の葬儀は、予想をはるかに超えるたくさんの弔問客だったとはいえ、
近年疎遠になっていた友人知人にまでは、
伝わっていなかったため、
葉書を見てショックをうけて電話してくださったのだろうと思う。
それは、いい。
皆さん一様に、
「いつから、どこのガンで、どのようにして死に至ったか」
を聞くのである。
軽くにごして言うと、
つっこんで聞いてくる。
なんで、そんなに死因や死んだときの様子を
私に説明させたいのかが分からない。
仕方がないので、
9年前から、悪性リンパ腫で、
数年ごとに再発を繰りかえし、
今回は一年前から腹腔内全部にできたため、
入退院を繰りかえしていたが、
抗ガン剤の副作用により、心臓が弱り、
肺に水がたまり、呼吸困難で、
苦しみながら逝った。
と、私はなるだけ淡々と事実を説明する。
説明するうちに、また夫の苦しんでいる姿が目に浮かぶ。
胸がきりきり痛む。
目の奥が熱くなる。
でも、悔しいから電話の相手には涙声を聞かせない。
声くらい、いくらでもコントロールできるんだぜ、私は。
電話の相手は、聞くだけ聞くと、
「そうですか。
どうかお力落としのないように。」
と決まって言う。
おい、おい。
と、私は思う。
お力を落としていたのを、
なんとか力業で持ち上げようとしていたところを、
おめぇが、私に辛いことを思い出させようと
いろいろ聞いてきたんじゃねぇか、あ~ん?
と思う。
遺族に死因や、亡くなったときの様子を事細かく聞くのは、
なんでなんだろうか?
ああ、自分は健康で良かったと安心するためか?
よよと泣き崩れる私を確認したいのか?
なんか、いやになった。
年賀欠礼葉書、そんな奴らに出すんじゃなかった。
疎遠になっていて、年賀状のやりとりだけになっていた人にも
一応お知らせと礼儀の気持ちで出したのが間違いだった。
疎遠になるには、疎遠になるだけの理由があるのだと
つくづく思った。
さて、あと何本こんな電話がかかってくるのだろうか。
私はそれに耐えられるのだろうか。
とりあえず、今は自宅の電話は留守番電話にしてある。
自衛手段はそれしかない。
てか、まじ、
デリカシーのなさに腹がたつ。
全て手書きで書いて投函したのが数日前。
汚い字ではあるが、心だけはこめて書いた。
仕事関係のところの100通は、
12月に出す予定だ。
ひとくぎりつけて、ぼんやりしているところに、
昨日、今日と立て続けに
年賀欠礼の葉書を見て
初めて夫の死を知った知人数人から電話をもらった。
夫の葬儀は、予想をはるかに超えるたくさんの弔問客だったとはいえ、
近年疎遠になっていた友人知人にまでは、
伝わっていなかったため、
葉書を見てショックをうけて電話してくださったのだろうと思う。
それは、いい。
皆さん一様に、
「いつから、どこのガンで、どのようにして死に至ったか」
を聞くのである。
軽くにごして言うと、
つっこんで聞いてくる。
なんで、そんなに死因や死んだときの様子を
私に説明させたいのかが分からない。
仕方がないので、
9年前から、悪性リンパ腫で、
数年ごとに再発を繰りかえし、
今回は一年前から腹腔内全部にできたため、
入退院を繰りかえしていたが、
抗ガン剤の副作用により、心臓が弱り、
肺に水がたまり、呼吸困難で、
苦しみながら逝った。
と、私はなるだけ淡々と事実を説明する。
説明するうちに、また夫の苦しんでいる姿が目に浮かぶ。
胸がきりきり痛む。
目の奥が熱くなる。
でも、悔しいから電話の相手には涙声を聞かせない。
声くらい、いくらでもコントロールできるんだぜ、私は。
電話の相手は、聞くだけ聞くと、
「そうですか。
どうかお力落としのないように。」
と決まって言う。
おい、おい。
と、私は思う。
お力を落としていたのを、
なんとか力業で持ち上げようとしていたところを、
おめぇが、私に辛いことを思い出させようと
いろいろ聞いてきたんじゃねぇか、あ~ん?
と思う。
遺族に死因や、亡くなったときの様子を事細かく聞くのは、
なんでなんだろうか?
ああ、自分は健康で良かったと安心するためか?
よよと泣き崩れる私を確認したいのか?
なんか、いやになった。
年賀欠礼葉書、そんな奴らに出すんじゃなかった。
疎遠になっていて、年賀状のやりとりだけになっていた人にも
一応お知らせと礼儀の気持ちで出したのが間違いだった。
疎遠になるには、疎遠になるだけの理由があるのだと
つくづく思った。
さて、あと何本こんな電話がかかってくるのだろうか。
私はそれに耐えられるのだろうか。
とりあえず、今は自宅の電話は留守番電話にしてある。
自衛手段はそれしかない。
てか、まじ、
デリカシーのなさに腹がたつ。
買っちゃった。
マジックボール……。
空気洗浄器。
ミストで空気を洗うので、
清浄器ではなく洗浄器だそうだ。
美川憲一がCMしてるあれ。
神田うのが、披露宴の引き出物につけたというあれ。
出始めの時に、夫とインテリアショップでデモンストレーションに遭遇し、
かなり心惹かれたが、本体価格と、必要な専用液のランニングコストを聞いて、
腰が引けた。
で、先日夫が亡くなってから初めて、
馴染みの美容院に行った時のこと。
このマジックボールが置いてあった。
『これ、どう?』
と聞くと、すごくいいと力説するマスター。
除菌、消臭、芳香、ムーディーなライト。
香りは10数種類もあり、
気分で変えられるし、無臭の専用液もある。
ライトの色も変えられるし、消しておくこともできる。
ほしくてたまらなくなった。
室内犬を飼っていると、
どうしても部屋が犬くさくなる。
天婦羅や煮物をすると、いつまでも所帯じみた香りがリビングから寝室にかけて広がっている。
私は前世は警察犬かというくらい鼻がきく。
様々なルームコロンや、消臭スプレー、
アロマオイルに、茶香炉、お香、
試しに試しまくったが、
どれも持続性がないし、火を使うものはやはり危ない。
外から帰った時に、自分の好きな香りで部屋が満ちていたら幸せだ。
花粉やバイ菌も消し去るのも嬉しい。
夫の仏壇に手を合わせて下さるために、
最近お客様が多い。
今月は、気の張る大切なお客様もいらっしゃることになっている。
え~い、買っちゃえっ!
今、わがやは淡いローズの香りに満たされている。
勢いで専用液は、ローズとマンデリンの2種類買ってしまった。
2日に一度水を入れ換え、液を足す。
ものすごい贅沢な買い物をしたけど、
後悔する日が来るかどうか、
今のところわからない。
値段?
うふっ、聞かないでっ。
頑張った自分にご褒美ということで、どうかひとつ。
て、私は誰に言い訳しているんだろうか。
マジックボール……。
空気洗浄器。
ミストで空気を洗うので、
清浄器ではなく洗浄器だそうだ。
美川憲一がCMしてるあれ。
神田うのが、披露宴の引き出物につけたというあれ。
出始めの時に、夫とインテリアショップでデモンストレーションに遭遇し、
かなり心惹かれたが、本体価格と、必要な専用液のランニングコストを聞いて、
腰が引けた。
で、先日夫が亡くなってから初めて、
馴染みの美容院に行った時のこと。
このマジックボールが置いてあった。
『これ、どう?』
と聞くと、すごくいいと力説するマスター。
除菌、消臭、芳香、ムーディーなライト。
香りは10数種類もあり、
気分で変えられるし、無臭の専用液もある。
ライトの色も変えられるし、消しておくこともできる。
ほしくてたまらなくなった。
室内犬を飼っていると、
どうしても部屋が犬くさくなる。
天婦羅や煮物をすると、いつまでも所帯じみた香りがリビングから寝室にかけて広がっている。
私は前世は警察犬かというくらい鼻がきく。
様々なルームコロンや、消臭スプレー、
アロマオイルに、茶香炉、お香、
試しに試しまくったが、
どれも持続性がないし、火を使うものはやはり危ない。
外から帰った時に、自分の好きな香りで部屋が満ちていたら幸せだ。
花粉やバイ菌も消し去るのも嬉しい。
夫の仏壇に手を合わせて下さるために、
最近お客様が多い。
今月は、気の張る大切なお客様もいらっしゃることになっている。
え~い、買っちゃえっ!
今、わがやは淡いローズの香りに満たされている。
勢いで専用液は、ローズとマンデリンの2種類買ってしまった。
2日に一度水を入れ換え、液を足す。
ものすごい贅沢な買い物をしたけど、
後悔する日が来るかどうか、
今のところわからない。
値段?
うふっ、聞かないでっ。
頑張った自分にご褒美ということで、どうかひとつ。
て、私は誰に言い訳しているんだろうか。
先日、小学校時代からの友人と飲んだ。
お酒は、ほんともう久々。
家でひとりで飲まないようにしているし、
外で大勢で飲むときも、1杯だけとか押さえている。
でも、その日は飲もうと決めて、
友人にもそういう旨を伝えて飲んだ。
と言っても元々が弱いので中ジョッキ1杯と
冷酒を2~3合くらいだと思う。
だと思うというのは、終わりのほうは記憶が曖昧だから。
とにかくぐいぐい飲んで、
ぼろぼろ泣いて、大笑いしたのは覚えている。
もちろん友人もいろいろ大変な人生を歩んでいるので、
一緒に泣いて笑った。
トイレが店の外にあったのだが、
どうやっていったか定かではない。
でもちゃんと自分の席には戻れたし、
身だしなみもそれなりにしていたし、
忘れ物もしなかった。
途中で仕事の電話がかかった時も、
きちんと応対した。ろれつは微妙だったけど、
ポイントは押さえてるとこがスゴイ自分。
それにしても生まれて初めて千鳥足というものを体験した。
まっすぐ歩けないというのはほんとに面白い。
ぶつかりたくもないのに、
向こうから来る人にぶつかる、ぶつかる。
天井がまわる、まわる。
ぼろぼろ泣き笑いしながら、
人とぶつかって千鳥足で歩く中年女は
かなりみっともなかったことだろう。
途中、鞄につけたクマのマスコットを道に落とし、
後ろから来た男性に
「落ちましたよ。大丈夫ですか?」と拾ってもらった。
ドラマなら、こういうとき恋が生まれるが、
現実は「ちっ、ぶっさいくな酔っぱらいおばはんかよっ」
的な顔をされただけだった。
しかもお勘定を友人と割り勘にするのを忘れ、
一銭も払わず千鳥足を友人に支えられ、
帰りはその友人の娘さんに車で迎えに来てもらい、
全くの反対方向なのに自宅まで送り届けてもらった。
翌朝、お金を払っていないことに気がつき、
あわてて謝罪メールを送り、
近日中に持っていくことにした。
何をやってるんだか。
こんないい友人を持っているのも、
私の人徳だと思うことにした。あはは。
お酒は、ほんともう久々。
家でひとりで飲まないようにしているし、
外で大勢で飲むときも、1杯だけとか押さえている。
でも、その日は飲もうと決めて、
友人にもそういう旨を伝えて飲んだ。
と言っても元々が弱いので中ジョッキ1杯と
冷酒を2~3合くらいだと思う。
だと思うというのは、終わりのほうは記憶が曖昧だから。
とにかくぐいぐい飲んで、
ぼろぼろ泣いて、大笑いしたのは覚えている。
もちろん友人もいろいろ大変な人生を歩んでいるので、
一緒に泣いて笑った。
トイレが店の外にあったのだが、
どうやっていったか定かではない。
でもちゃんと自分の席には戻れたし、
身だしなみもそれなりにしていたし、
忘れ物もしなかった。
途中で仕事の電話がかかった時も、
きちんと応対した。ろれつは微妙だったけど、
ポイントは押さえてるとこがスゴイ自分。
それにしても生まれて初めて千鳥足というものを体験した。
まっすぐ歩けないというのはほんとに面白い。
ぶつかりたくもないのに、
向こうから来る人にぶつかる、ぶつかる。
天井がまわる、まわる。
ぼろぼろ泣き笑いしながら、
人とぶつかって千鳥足で歩く中年女は
かなりみっともなかったことだろう。
途中、鞄につけたクマのマスコットを道に落とし、
後ろから来た男性に
「落ちましたよ。大丈夫ですか?」と拾ってもらった。
ドラマなら、こういうとき恋が生まれるが、
現実は「ちっ、ぶっさいくな酔っぱらいおばはんかよっ」
的な顔をされただけだった。
しかもお勘定を友人と割り勘にするのを忘れ、
一銭も払わず千鳥足を友人に支えられ、
帰りはその友人の娘さんに車で迎えに来てもらい、
全くの反対方向なのに自宅まで送り届けてもらった。
翌朝、お金を払っていないことに気がつき、
あわてて謝罪メールを送り、
近日中に持っていくことにした。
何をやってるんだか。
こんないい友人を持っているのも、
私の人徳だと思うことにした。あはは。








