招きねこの手も借りたい

主婦のち仕事、ところによって母、時々芝居。

本日の名言と、私の本音

2009年07月31日 | 日常
本日の、年下の友人の名言。


「王子さまだと思ってついて行ったら、殿様だった。」


その殿様を知っているだけに、うけにうけてしまった。

王子さまと殿様の違いが分かる人は、
かなりの苦労人。

しかし、私はその友人と違い、王子さまにはあまりそそられない。
王子さまは、遠くから見ているものだと思う。
もちろん殿様もめんどくさそうだからイヤダ。


で、そんな私は多くの人に

「pecoさんは面食い。」と言われている。

否定はしない。
正直、夫はいい男だったと思う。
たまたま好きになったのがいい男なだけ…
と、以前は言っていた。

違う。

ぶっちゃけ、夫のことは
初めて観た夫の舞台上の姿にひとめぼれした。
顔とスタイルと演技に、完全にもっていかれた。
その時点で、夫の性格や内面なんて知らなかった。
顔とスタイルから入って、じっくり観察するうちに、
内面の良さにも気がつき、
同じ劇団で一緒に芝居を創るうちに、価値観も同じだとわかり
ますます好きになったのだ。

もし、夫が自分好みの顔とスタイルではなかったら…
と考えると、微妙である。

夫は私のどこが良かったのだろうか。
娘が先日、
「お父さんが元気なときに、私
 『お父さんは、お母さんのどこを好きになったの?』て、聞いたんよ。」
と、言った。

「で、で、お父さんなんて言ってた?」
前のめりで訊ねる私。

「『お前にはわからん、いい所があるんや、あれで。』て、言ってた。」

て、おいっ。
具体的に娘に説明しておけ、夫よ。

あれでって、どうよ。

娘は言った。
「ま、そこでお父さんに『身体…』とか言われても、娘としてはドン引きだけど」

言うか、そんなことっ。







アマルフィ 女神の報酬

2009年07月30日 | テレビドラマ・映画
先日観て来た、アマルフィ 女神の報酬。

イタリアの観光ビデオかっと、つっこみたくなるほど
これでもか、これでもかと広がるイタリアの美しい風景。

そして、「そんな完全無欠な男はおらんやろ~」というほど、
かっちょいいヒーロー織田裕二。
残念ながら私は織田ファンではないので、
織田裕二がキメまくるたび、
「ふ~ん」とひきぎみにポップコーンを頬張った。

ストーリーは、一応どんでん返しというか、
「そうだったのか」的な展開があるとはいえ、
残念ながらそのキーマンが登場したとたん
私には「うむ、多分この人悪者だよね」と分かってしまった。
私ですら分かるのだから、多分8割方の人が分かるだろう。
だから、そこはこの映画の見所ではないのかもしれない。

ヒロイン天海祐希は凛として美しく、
そしてふと見せる儚さや、弱さ。
夫を亡くし、女手ひとつで一人娘を育てているのだが、
人に頼れないと、ムリに強がって生きている。
その彼女が、極限状態で見せる弱さや、強さ。
これぞ、未亡人の鑑っ。
つめの垢を煎じて飲みたいと、
コーラを飲みながら思った、
凛ともしてないし、美しくもなく、儚くもない熟年未亡人の私。

私は人に頼りっぱなしだしなぁと反省もする。


で、この映画に関しての私のツボ。

大好きな佐藤浩市が、ヒロインに言う台詞。
正確には覚えていないのだが、
ヒロインが窮地に陥っているときに言う

「こんな時ぐらい、僕を頼ってください」

あああああ~~。
言われたい。

このシーンで私は、身もだえしていた。


あと、ヒロインが精神的に限界近い状況で
夜のホテルの部屋のバルコニーでタバコをふかす。
織田裕二が自分のコートを持って部屋から出てくる。
後ろからコートを肩にかける。
その手にふれるヒロイン。
こらえきれなくなって泣く。
それまで、自分に心を開かず強気でいたヒロインの涙に驚きながらも、
やさしく後ろから抱きしめる。
後ろ向きだった姿勢から、織田の胸に倒れこみ、
号泣するヒロイン。

ああああ~、うらやましい~。

思わず手にしたポップコーンを、落としてしまう私。

べつに織田裕二に抱きしめられたくはない。
その状況がうらやましい。
自分を受け入れてくれる人の胸で号泣ほど気持ちのいいものはないと思う。

夫の胸で号泣するのは、ほんとに気持ちよかった…。

ま、未亡人のツボをちゃんと押さえた演出だね。


あと、福山雅春がガリレオの時とまったく同じ芝居だった。
かっこいんだけどさ。
中井貴一が声の出演しかしてないのがすごく残念。

イタリア警察があまりにも不甲斐ないのが、どうよと思った。
いくらなんでも、そんな読みの甘い行動するか?とか
刑事のくせに、弱っ!とか、
そんなたくさん人がいるのに、なんで取り逃がすかとか、
そんな簡単にハッキングってできるんかいっとか、
ご都合主義の展開がたくさんあり、
そのへんが私には物足りなかった。

とはいえ、美しい映像と、いい男、
あと子役が小ざかしい演技をしていないのは良かった。

まだ見ていない人のために、ストーリー展開に触れないように
感想を書いてみたがいかがだったでしょう?

千円で観るなら満足だけど、
定価で観るとちょっと不満。
かといってDVDで観たら、せっかくのイタリアの風景の美しさが半減という、
微妙さだった。

さぁ、あなたはどう観るか。

クマのぬいぐるみ

2009年07月29日 | 日常
夫の11回目の月命日。
やっぱりまだ命日はきつい。
だからあえて、美容院に行ってみた。
たまたまメールした年下の友人が、休暇をとっていて、
帰りは美容院に迎えに来てくれてうちまで送ってくれた。
後日お喋りする約束もした。

昨夜、イマイチ元気のない私に深夜まで付き合ってくれた年上の友人は、
「でっかいクマのぬいぐるみにしがみつきたいけど、うちにあるのは埃かぶってて抱きつけない」
という私のために、そのぬいぐるみを手洗いし、
彼女の職場の業務用洗濯機で脱水し、乾かして今日の夕方持って来てくれた。


夫が気に入って、病院でも点滴がない時は良く着ていたTシャツを着せてみた。

クマを抱くと夫の香りがした。


そして、私を四方八方から支えようとしてくれる友人たちに感謝した。

キャパシティ超え

2009年07月28日 | 日常
この週末は、大幅に私のキャパを超えるできごとを
なんとかかんとか乗り越えた。
いや、正確に言うと超えてはいないが、
とりあえずやり過ごした。

自分で自分をほめてやることにした。

えらいぞ、自分。
すごいぞ、自分。

が、少々疲れた。
これから仕事。
あとひと頑張りだ。


久々のふたりの夕食

2009年07月23日 | 日常
写真を撮っておけばよかった。

本日の夕食、まぐろ中おち丼が激うまだった。
つけダレが勝因だ。
醤油とみりんを煮きってさましたところへ、
卵黄とごま油。
そこにまぐろの中おちを30分くらい漬け込んだ。

ユッケ的な、美味しさ。

わけあって、娘が帰省している。
しかし、そのわけありの娘、まぐろ丼大絶賛。

このあたり独特の車麩の卵とじもいい味になった。
美味しい料理は、少しだけ人を元気にする。

誰かのために料理をするのは、本当に楽しい。

娘が、
「おかあさん、恋をすれば。
 あたしは平気だよ。
 むしろ、誰かご飯食べに通ってくれる人がいたらいいのにって思うよ」
と、やたら物分りのいいことをまぐろを頬張りながら言った。

あんたと違って、おかあさんもてないから
簡単に恋なんてできないんよ。
と、応えたら
「そりゃ、そうだろうね」
と、即答されたのがむかついた。

くそ、今に見ていろ。

夫の思い出話しもたくさんした。

いろいろあった娘と私は、
夫が亡くなって、初めてちゃんと向き合えた気がする。
夫が生きていたら、こんな夜は来なかったのかもしれない。



大人のいい女への道

2009年07月22日 | 日常
ブログには、がんがん愚痴や弱音を書いちゃえばいいんだよ
という助言をもらったので、
ちょっとだけ今日しんどかったことを書く。

ほんとは自分のキャパシティを超えているのに、
とりあえず乗り越えなければならないことをなんとか
こなす覚悟をつけた。
腹はすわった。
が、実行まで日にちがある。
それが逆にちょっとしんどかったりするが、
私がしっかりしないと、だめなので踏ん張ってみる。
えらいぞ、自分!

で、そんな日にかぎって、仕事でありえないくらい
めんどくさいことが起きた。
本来なら数分ですむ仕事に2時間半かかった。
今日はいろいろあって朝食を食べたきり、
21時頃まで何も食べていなかった。

一日で1キロ痩せた。
白髪も増えた気がする。

が、とにかく自分にふりかかることを、
自分の決断と言葉と覚悟でさばけたという実感はある。

ちょっと見た目やつれ感はあるが、
内面的には大人のいい女に一歩近づいたような気がしている。

誰か私の内面に気がついておくれ~。





効いているのか?

2009年07月18日 | 日常
辛気臭い記事を書きたくないので、
あえてお気楽なことを。

生まれて初めてシリーズ。
いつのまにかシリーズになっている。
先日おひとりさま焼肉を体験したのだが、
その前に生まれて初めて○○を体験している。

それは。

新聞折込広告の通販サプリメントを注文した。

いつも、新聞折込広告のダイエット食品や健康食品、化粧品なんかは
「使ってみてびっくり!」とか、
「もっと早くに出会っていたら」とか、
「みんなに、若返ったねと言われるんです」みたいな
使用者のコメントも、
けっ、胡散くせぇ~。
どうせやらせコメントだろっ。
と、斜めに読んでいた。
旬を過ぎた感のあるB級タレントがモデルとなって
「私も使っています」
と微笑む写真もうそくさい。

でも、何をとち狂ったのか気の迷いか、
一日一粒飲むだけで、お口と汗腺からほんのりとバラの香りが…
というサプリメントを、注文してしまった。

多分、最近自分に加齢臭がするんじゃないかという謙虚な気持ちからだ。
自分で自分の体臭や口臭は分からない。
正直に指摘してくれる人もいない。
集まりがあって、なかなか私の隣に人が座らないときとか、
バスでかなり混み合ってきているにもかかわらず
私の隣に誰も座らないときとかに、
もしや私は臭いのか?と不安になってくる。

風呂やシャワーはこまめにしているし、
もちろん下着も服もこまめに替えている。
歯もきちんと磨いているし、
出かける予定があるときは匂いのきつい食品は食べていない。
つけすぎのコロンが嫌がられることも分かっているので、
めったにつけない。

それでも、不安になる。

で、買ってしまった。
初回は半額ということもあり、とりあえず1ヶ月使ってみようと思った。

で、それが効いていてほんとに自分から
ほんのりバラの香りがしているかどうかが分からないのだ。

夫がいれば、絶対私は脇とか耳の後ろの匂いを嗅いでもらい、
「ね、ね、バラの香りする?ね、する?」
息を思い切り吐きかけて、
「息は?ね、臭くない?バラの香りする?ね、ね。」
と、ひつこく訊いたはずだ。


ああ、気になる。
私はどんな香りがしているんだろうか。
バスでは相変わらず、隣に座る人は少ない。
やっぱ臭いんかなぁ。

今は風呂上りなので、入浴剤と石鹸とボディジェルがブレンドされた香りだ。
パジャマからはお気に入りの柔軟剤の香り。
われながら良い香りだと思う。

ただ、私が目指したいのは
こういう表面からつけ足した香りではなく、
自分の中から自然に良い香りが漂う状態なのだ。
自分の中から今自然に香るのは、
どうもおばちゃん臭い体臭の気がしてならない。

愛犬ちとせは、当然鼻が利く。
こいつが言葉を話せたら、正直な意見が聞けるのになぁ。

「かあちゃん、バラの香りはしてないよ。
 来月は買わなくてもいいんじゃない?」

ちとせが言ってくれたら思い切れると思う。
どや、ちとせ?
ちとせに「はーっ」と息を吹きかけたら、
首をかしげやがった。
それはどういう意味なんだ。

羽をやすめる場所

2009年07月17日 | 日常
昨晩帰宅して、ブログの記事を更新したところで、
急に寂しさがこみあげてきた。

で、酔った勢いでどうしても今声を聞きたい人に
思い切って
「今、電話してもいいですか?」とメールしてみた。
最近パソコンへのメールの返事が来ないので、
これで返事がなかったら、もうその人を頼りにするのをやめようと思った。

杞憂だった。
その人は、すぐ電話してきてくれた。

寂しい、心細い、能力以上のことを求められるとつらいだの、
という私のめんどくさい泣き言と弱音と愚痴に
延々1時間半つきあってくれた。
途中相手の携帯の電池が切れて、電話がきれたのだが、
わざわざコンセントに差し替えて、
再度電話してきてくれた。
途中、何度か笑わせてもくれた。
ずいぶん救われた。
おかげで夜は久しぶりに熟睡できた。
朝食もしっかり食べられた。


そしたら、今日昼ごろ
また私の手に負えそうにない難しい問題がもちあがった。

どうしてこう次から次にいろんなことがあるんだろう。

ちょっと私が気を抜くと、現実に立ち返れとばかりに
何かことが起きるのだろうか。

おそらく世の中の一見幸せそうにのんきそうに暮らしている人も
大変なことを抱えているのかもしれない。
それを大変だといわずにさらりとかわして
生きているのかもしれない。
だとしたら、すごいことだと思う。

私はさらりとはかわせない。

昨夜の電話の相手は、
「周囲にもっと、私はしんどい。つらい。大変だ。と言いまくればいい。
 気をまぎらすために、世間体とか体裁を気にせずがんがん遊べばいい。」
と、言った。
それはなかなかできない。

そして、やはり人を頼らずに自分の力でなんとかしなければいけない状況だ。

いくら愚痴や泣き言につきあってくれても、
私をまるごと引き受けてくれるわけではない。

やるだけやって、どうしようもなく疲れたときに、
ちょっと羽を休める場所としていてくれればいいと思うことにした。

昨夜、電話で話していない状態で、
今日のできごとが起きていたら、
きっと私はここまで腹をくくれなかったと思う。

さて、やれることからこつこつとやっていくしかない。
そう、べつに命をとられるわけではないのだ。
乗り越えられない現実なんて、そうそうない。

夫が亡くなったときのことを思えば、
全然たいしたことはない。
いざとなったら放り出すという手もある。
なるようにしかならない。

やるだけやって、疲れ果てたら、
私には頼りがいのあるたくさんの女友達と、
昨夜の電話の人が付いているのだから。





おひとりさま焼肉

2009年07月16日 | 日常
人生初 「おひとり様焼肉」。
夫や娘としょっちゅう行っていた、和牛専門のちょっと他とは違う美味しい焼肉店。

明らかに水商売のお姉さんが、お客さんと同伴で来ていたり、金融関係らしきちょっと胡散臭いおじさんさんがいたりする。

そこにひとりで入るのはかなり勇気がいる。
ここのレバ刺しは絶品だ。
肉の質の良さも半端ない。

たまにしか焼肉を食べない私は、どうせ食べるなら一級品を食べたい。


というわけで、2年数ヶ月ぶりにひとりでやって来た。

女将さんは、最初私を覚えていなかった…。
平日の早い時間にひとりでやって来た中年女は、ある意味金融関係らしきおじさんより胡散臭いのかもしれない。
気持ち扱いが雑だ。


レバ刺し、ネギタン塩、カルビ、ロース、サンチュ、水茄子の糠漬け、生中。
夫と私の定番を注文し、女将さんに
「覚えてますか?」と、夫や娘の話しをふってみた。

最後に来た時から私は十数キロ痩せているため、女将さんは分からなかったようだ。
夫と娘の話しにはすぐくいついてきた。


あら、今日はご主人は?
当然聞かれた。

もしかしたら私は聞いて欲しかったのかもしれない。

昨年亡くなったこと、娘は東京にいることなどを話す。

あんなに仲のいい父娘は見たことなかったと女将さん。

奥さんひとりでも また気軽に食べに来てと営業と親しみの中間の微笑みを浮かべて女将さんは言った。


夫と来た時の思い出が しみついた焼肉店は まだ私にはきつかったかもしれない。

けれど、スタミナ不足だった私に久しぶりの焼肉はかなり効いた。

まっすぐ帰るのをやめて、これまた夫と飲みに出た時のしめの定番、芝居仲間がやっているバーに行った。

夫はビールか、水割りだったが、今夜の私は桃のカクテルにした。

ひとりで飲むのも悪くない。

夫との定番コースをひとりでまわった夜は、小雨だった。

罪なきインチキ

2009年07月15日 | 日常
いろんな人に「痩せたね~」
「身体にメリハリがついたね」
と言われ気をよくしている。
サイズが変わったのをきっかけに洋服も、
今までの雰囲気とガラリと変えたものを着ることが多くなった。

何人かに、
「pecoさん、痩せたのにバストのボリュームは変わらないよね」
と驚かれた。

「まぁね」

軽く流しておいた。

実はボリュームは変わっている。
当然だ。
太るときは腹から、
痩せるときはバストからと相場は決まっている。
私も例外ではない。

そして、引力に対してものすごく素直に従う私のバスト…。

で、どうしたかと言うと、
寄せて集めて持ち上げての、三拍子そろった下着をつけることにした。

今までは、とにかく楽で締め付けないものばかりだった。
そんなことを言っている場合ではないと、
残った脂肪をバストに向けて
総力を結集して集めて持ち上げるタイプの下着をつけている。
脇の脂肪も、腹の脂肪も、カップの中に集めてしまえば、
それはもうバストだ。
誰がなんと言おうと。
いや、言わせない。


このムリムリバストに心惹かれて言い寄ってくる人がいたとしたら、
そして、その人に本来の姿をさらすことになったとしたら、
それは詐欺とか騙しになると思う。

寄ってこないし、さらさないので、
「罪なきインチキ」だ。

罪はない。

進歩していない自分について

2009年07月13日 | 日常
秋の公演に向けての、7月の集中稽古が終わった。

10年来のお付き合いのある演出家からうけたダメだしは、
10年前はじめて演出を受けたときに注意されたことと
ほとんど同じだった。

自分のあまりの進歩していなさにあきれた。

10年変わらないということは、
今後も変わる可能性が低いのではないかとも思う。


ただ、こんな進歩しない私を
それでも毎回重宝がって使ってくれているという
その点だけが救いである。

そこにきちんと応えていきたいと思う。
ただ、舞台に立つことは私にとって楽しみの分野だ。
そこでストレスを感じたり、
悩んだりはしたくない。
そうすると、進歩したい変わりたいというところと矛盾する。

うまくそこのバランスをとりながらやっていく方法を探したい。

人間関係も難しい。
舞台はたくさんの人たちと作る。
全員とうまくやっていこうとするのは無理がある。

こういうとき、ひとりで楽しめる趣味、
絵画とか楽器とかだったら楽だったろうなとも思う。
それでも、自分が選んだのは
たくさんの人と共に創る演劇なのだから、
めんどくさいこともうっとおしいこともひっくるめて、
引き受けていかないといけないのだ。
いいかげん、腹をくくらないといけないなぁ。










年齢

2009年07月12日 | 日常
芝居仲間には年齢不詳な人が多い。

女性は、5歳~10歳くらい若く見える人が多いと思う。
プロの女優さんたちと違い、
ほとんどの人が年齢を隠しているわけではないので、
古株の私はみんなの年齢をだいたい把握している。

で、若い子が「○○さんて、いったいいくつなんですか?」
と、こっそり聞いてきたりする。
直接本人に聞いても、べつに隠したりしないと思うのだが、
聞いたら悪いのかと思って、私に聞く。

○○さんは、私の1歳下だと言うと、
え~~~~っ!見えないっ!と驚く。
たしかに、○○さんは若く見える。
それは私も認める。
○○さんだけでなく、2歳下の☆☆さんとか
同い年の△△さんとかみんなほんとに年齢不詳でかっこいい。
しかし、私の年齢基準で説明してその驚き方をされると、
「おいっ、私はっ」と思う女心…。

私は年下男性からよく
「僕のような若輩者が…」とか
「pecoさんは大先輩だから」とか言われる。

たしかに、いきなりため口きかれたり、
なめた態度をとられると腹がたつのだが、
そんなにへりくだられるといたたまれない。


ま、あくまで理想だが、
年齢より10歳くらい若く見られて、
ため口で喋っていて、あとで実際の年齢を聞いて
えっ!と驚かれる…
というのがいいなぁ。

声だけなら20歳はさばよめるんだけどなぁ。
くそっ。

似ているもの

2009年07月08日 | 日常
久しぶりに、写真を提出しなければならない仕事があり、
撮影のためにちょっと頑張ってメイクした。

最後の仕上げは、先日買ったチークだ。


鏡に写った自分の顔を見ていて「ん?」と思った。
何かに似ている。
誰か、ではなく、何か、に似ている。



……オカメインコだった。

真ん丸い目、ちょっととんがり気味な唇
そして、気合が入ったチーク。

オカメインコによく似ている。

がっかりだよっ。

とりあえず、チークを薄くし、
目はまん丸ではなく、切れ長に見えるように
アイラインを引きなおしてみた。

メイクの途中でなぜ気がつかなかったのだろうか。
どうも、自分を客観視するのが苦手だ。

楽しいこと

2009年07月07日 | 日常
気持ちの浮き沈みは相変わらずだが、
とりあえず秋の公演のための連日の集中稽古の読み合わせは
がっつり楽しみながら参加している。

心底楽しいと思える。

今回は20名近くの大所帯のカンパニーなので、
はじめのうちは正直、人の多さに酔いそうになった。
ようやくここへ来て、慣れてきた。

げらげら笑ったり、人に突っ込んだり、
人生の先輩の演技につくづく感心したり。
心が動く瞬間がたくさんある。

役者をするということは、心のリハビリかもしれない。
ただし、私のリハビリに付き合わされる共演者とお客さんは
たまったもんじゃないと思うので
自分本位なひとりよがりにはならないようにしている。

演出家が、ちゃんと自分を見ていてくれる。
やっていることを評価してくれる、
何をやってもほぼ許してくれているという安心感は
とても私を自由な気持ちにしてくれる。
ありがたい。

私はほめられ、おだてられて伸びる子なのだ。
あ、子じゃないか。


仕事先の古い付き合いの人たちと、
今度飲みに行く話しも出た。
ひとまわり年下の彼らは、
絶対私が行かないような穴場中の穴場、
隠れ家的な面白い店に案内してくれるという。
どんな店なんだろう。

生きていればつらいことや、悲しいこと、寂しいこともあるが、
楽しいことだってこうして必ずやってくるのだ。
大丈夫。
私は孤独ではあるが、孤立はしていない。

そんなことを感じた一日。



分かってはいるけど、できないこと

2009年07月06日 | 日常
ああ、ここに今夫がいればと思う瞬間が何度もある。

それはつらいときや、寂しいときだけでなく、
楽しいときも、うれしいときも同じである。

いないもんはいないのだと、もうそろそろ納得して、
歩き出してもいい時期に来ていると思うのだが、
やはりまだだめだ。

ほかの人に、夫の代わりを求めてもいけないし、
何かで紛らわせてもいけない。

それは分かっている。
でもだめなのだ。

今、秋の公演に向けて短期集中稽古が行われている。
稽古は楽しい。
久しぶりに役者として舞台に立つのも楽しみだ。
しかし、やはりああ今ここに夫がいればと思ってしまう。

それは、稽古中にふと思ったり、
稽古が終わって電気のついていない部屋に戻ったときだったり、
仲間とわいわい飲んでいたりするときだったりする。

突然そんな思いがわっとこみあげて、
気持ちがすとーんと落ちていく。
もちろん、稽古で集中しているときはそうでもないのだが、
ふと気を抜くとだめなのだ。

集中稽古はあと6回。
あとは、直前一ヶ月で仕上げる。
だから1回1回の稽古は大切にしなければならない。

それなのに、夫のことを思い出す。
これでは夫も安心して成仏できないではないかと心配だ。

あ、だからゴキブリに姿を変えて、
私の肩にとまったりするのだろうか。

ちなみに、今回私は
離婚して出戻ってきて、看護婦をしながら
実家で娘ふたりを育てる母親役だ。
料理をしたり、娘と話をしたり、
少し前まで自然とやっていた普通の生活だが、
今のずぼらで怠惰な生活を続けている私に、
その普通の愛情を表現できるかも大きな課題だったりする。
きっと夫がいたら、ちょっとしたヒントなんかを
アドバイスしてくれただろう。

ま、そしたらそれはそれで、
「うるさい、芝居が大きすぎたりいらん小芝居する奴に言われたかないわ」
というのだろうか。

夫の好物だった豆大福と、桃をお供えしながら
いろんなことを考えている。