招きねこの手も借りたい

主婦のち仕事、ところによって母、時々芝居。

長いもグラタン

2007年04月30日 | 料理
ゴールデンウィークのまんなかの今日、
千歳が血便を出したので、朝から病院に走った。詳しくはここをぽちっと

結局、たいしたことはなかったのだが、
他のことで頭を抱えたくなるようなできごとがあった。
それに関しては、ここに書くのはやめておくことにした。

今の私にはすぐにはどうすることもできないことなので、
今できることをひとつひとつやっていく他ない。

重苦しい気持ちを切り替えるには料理を作るのが一番である。
とくに初めて作る料理に挑戦するのがいい。
余計なことを考えずに、集中できる。

で、このクソ暑い日になぜか長いものグラタンを選んでしまった。
だって、先日生協で長いも箱買いしちゃったから。

ホワイトソースのかわりに、
すりおろした長いもに塩と牛乳を加えたものを使う。
具は、しいたけとエリンギ、グリーンアスパラ、ベーコンにした。
できあがりはこれ。
   

たけのこご飯と、若竹汁、新玉葱のサラダ。
和洋折衷で、いっただきま~す。
     




こどもの日の飾り

2007年04月29日 | 日常
ちとせを迎える準備やら、なにやらでばたばたして、
この私ともあろうものが、玄関の飾りが「桜パターン」のままだった。


下にひいてあるのは、桜柄のてぬぐい。
ちりめん細工のうさぎの隣りにあるのは桜型のせっけん。
うさぎ以外は、よっちゃんからのプレゼント。

あとは、昨年試してみて好評だったこれ。

随分長い間、楽しませてくれた。
夜桜の手ぬぐい額もあったが、写真撮影に失敗。



で、これらを片付け毎年恒例のこれをだした。
1枚目の写真は昨年とったもの。


あとは、桃太郎と金太郎の絵。
  

絵はがきも額にいれてみた。
      

おっと、忘れちゃいけない手ぬぐい額。
これも桃太郎。大きな犬にまたがる桃太郎と小さいけど、さるときじもいる。


これで、端午の節句の準備OKである。
あとはちまきと柏餅と、菖蒲湯ね。
桃の節句では、はまぐりのすまし汁とちらし寿司が定番だけど、
端午の節句のときの食事って、何だろう?
皆さんの地方は、何を食べてます?

今晩のおかず

2007年04月28日 | 料理
昨日から、ちとせの食事の様子に一喜一憂しているのだが、
人間たちの食事もおろそかにはできない。

ということで、朝市に行き、朝堀り竹の子を買ってきた。
今年の初物。
小ぶりのを3本買って、なんと600円。安っ。
まずは定番の煮物。

木の芽があれば良かった!
これって、毎年言ってるな、私。
鉢に山椒の木を植えておけばいいんだけどさ。

昨日、作っておいたワカサギの南蛮漬けがいい感じ。
新玉葱のスライスをたっぷり一緒に漬けておいた。


あとは、山芋と牛肉のいためもの。
炒めた山芋の食感がなかなかである。
にんにくも使っているので、スタミナもつくはず?


あとは、ワカメとキュウリの酢の物。
これは写真をとりわすれた。

さ、食事のあとはみんなでちとせと遊ぶぞ~。


結婚記念日を前に

2007年04月27日 | 日常
来たる5月2日は、私たち夫婦の結婚記念日である。
昨年は、こんなことがあった(ぽちっとしてね)

今年はどうしたものかと、かなり前から相談してきた。
というのは、今年は銀婚式なのである。

あ、今とっさに私の年齢を計算した
そこのあなたと、あなたと、あなた!
ムダな計算はしないように。
私は戦国武将の姫君のように5歳で嫁いできたのだ(嘘)
だから銀婚式を迎えて、ようやく30歳(大嘘)

で、銀婚式といえばやはりかなり大々的にお祝いしたいもんだと思い、
銀婚旅行を企画していた。
そのための積み立て貯金もし、行く先の候補もあがっていた。

1 台湾で(昨年の台湾ドラマロケでお世話になった通訳さんに案内してもらい)
  博物館と、うまい中華料理三昧の旅

2 バリの高級ホテルに泊まり、エステとマッサージ、ヨガ、で癒しの旅

3 韓国で、焼肉とロッテワールド、買い物の娯楽中心の旅
        ↑
  ロッテワールドが休業中のため、行くなら秋以降

ここまで予定をたてていた。
が。
母は、ひとりで何日も留守番できないと言う。
たしかにその気持ちは分かる。
心臓の悪い母は、もし誰もいないときに体調が悪くなったら…
と思うと不安なのだろう。
ということで、旅行は中止にした。

そして、そのかわりに記念に「あるもの」を買おうと夫が言った。
最初私は反対した。
それでも、夫は辛抱強く私を説得した。
何度も店に私を連れていき、とうとうその気にさせた。
その「あるもの」とは、これ。
ジャ~ン





で、結婚記念日を前にして、
今日からこの子が家族に加わった。

チワワの千歳(ちとせ)。
3月1日生まれの女の子である。

みやびが逝ってまだ半年もたたないというのに、
次のわんちゃんを迎えることにとても抵抗があった。
しかし、寂しさでだんだん暗い表情になっていく母のためにも、
時折思い出して涙ぐむことのある私のためにも、
次のわんちゃんがいたほうがいいと夫は考えたようだ。

結婚25年。
ひとつの大きな節目を迎え、
もう一度夫婦で協力してこの小さな命を育てていこうと言う。
千歳は、多くの年、数え尽くせないほどの年という意味である。
今までも、そしてこれからも
家族で末永く生きていこうという気持ちをこめて
私が名付けた。

候補として、銀婚式にちなんで
「銀」はどうかという話しもでたが、
彼女のルックスとあまりにもかけ離れた響きということで却下した。

そんなこんなで、うちの次女「千歳」をどうかよろしく。


千歳の成長記録専用ブログ 「ウチワワンダフル」をはじめました。
こちらのほうもどうか訪問してみてね。



子どものいいところを3つ

2007年04月26日 | 日常
びーさんが家庭訪問で、お子さんのいいところを3つあげてくださいと言われたそうだ。

たしかに自分の子どもの短所は、
いくらでもすらすらと出てくるが、長所をあげてみてくださいと言われると、
なかなか思い浮かばない。
それは、謙遜が美徳とされる風土で育ってきたからということもあるだろうし、
自分の子どもには、ぜひこうあってもらいたいという
親の理想や希望があり、
本来のその子の良さがなかなか目に入らないということもあると思う。

反省。

そこで、ちょっと私も考えてみた。

うちの放蕩娘のいいところ。

1. こうと決めたら一途にその目標に向かって努力し続ける。
    その継続力と、頑張りは誰にも負けないと思う。

2. 感受性が強く、ピュアな心をもっている。
    音楽や芸術、小説など、豊かな感性で独自の見方をするセンスがある。

3.目上の人からとても可愛がられる。
    これもひとつの才能だと思う。
    ありがたいことに周囲の年上の方々にいつも可愛がられている。

先日帰省していたときに、子どもの頃の写真を載せてもいいか、
一応了解をとったので、初公開。
放蕩娘6歳の頃。




娘は、娘で私にたくさん不満があるようである。
私は娘の理想とする母親にはなれない。
これまで娘を自分の理想の娘にしようとしたのは、
大きな間違いだったと気づき、
あるがままの彼女を受け入れようとしているが、
それは一朝一夕にはできない。
娘が私のあるがままを受け入れにくい気持ちもよく分かる。

お互いの思いがすれ違うことの多い今は悲しいが、
いつかきっとお互いを認め合える日が来ると信じている。
何年後かは分からないが、仲良く旅行にでも行ける日が来るように、
私自身も少しずつ変わっていこうと思っている。

ぐっすりについて

2007年04月25日 | 夫ネタ
駅前に、「ぐっすりクリニック」という
睡眠時無呼吸症や、いびき、
そのほかあらゆる眠りに関する症状を治療するクリニックがある。

ここ近年、体型がビッグサイズになったせいもあり、
私はいびきをかいているらしい。
いや、最近は「らしい」から「いる」と言い切ってもいいようになった。
というのも、自分のいびきの語尾に驚いて目覚めることがあるのだ。

「んごっ」とか
「うがぐぐっ」とか。

サザエさんのラストの決まり文句みたいなことになっている。
あんまりである。

夫は、昔かなりいびきをかいていた。
なぜか私がいびきをかくようになると、夫のいびきはやんだようだ。
夫がいびきをかいていた頃、私はあまりにうるさいと、
枕をゆらしたり、聞こえよがしのため息をついたり、
軽くむこうづねに合図を送ったり(ひとはそれを蹴りをいれるという)
手の甲にタッチしたり(ひとはそれを叩くという)していた。

しかし、夫は私にそんなことはしない。
朝目覚めたときに
「お前のいびきがうるさくて眠れなかった」
とじめ~っと文句を言うくらいである。
じめ~っと文句を言われるくらいなら、
いっそ爆睡中に起こしてくれたほうが私はいいのだが、
夫はそれをしない。

じめ~っと文句を言われたくないので、
「『ぐっすりクリニック』に行こうかな?」
と言うと夫は
「おれが通院してぐっすり寝たいわい。」
とひとこと。

なるほど、ぐっすりクリニックとは当人がぐっすり眠るためではなく、
家族がぐっすり眠るためのクリニックなんだ!
ほ~。

カーブス、2回目

2007年04月23日 | 日常
先週入会した「カーブス」のトレーニング
(カーブスではワークアウトと呼んでいるようだ。意味は分からない)に行ってきた。

店内に入ると、にこにこしたスタッフのお姉さんの爽やかな
「おはようございます!」の声につられて、
私もいつもより気持ち爽やかめに
「おはようございます」と言っていた。

会員証のバーコードを、PCにぴぴっと読み取らせる。
このへんは、現代的なのだが、
会員証と一緒にカウンターに提出する出席カードには、
スタッフのお姉さんが手押しでちっこいスタンプを押してくれる。
夏休みのラジオ体操のようだ。
詳細は忘れたが、スタンプが何個かたまるとポイントになって、
抽選ができて、当たりが出たらオリジナルグッズとかがもらえるらしい。
「いらねぇよ」
と心の中で思ったが、一応横目でショーケースを確認。
ハンドタオルとか、ボールペンとか、ちっさいビニールの人形?が並んでいた。
これのことか?
やっぱりいらない。
でも、スタンプを押してもらうのはなぜか楽しい。
A型気質なのかどうか分からないが、
いったん集めると決めたものはきちんとずらーっと並ばないと気持ち悪い。
ボールペンとか、キャラクターの人形はいらないが、
スタンプはほしいと思う。

サーキットに入るときには
「よろしくお願いします」
と一声他の皆さんやインストラクターのお姉さんに
ご挨拶して入ることになっているらしい。
いまいち、まだ要領をつかめていないので、
軽く挙動不審気味な私。

私より、絶対ひとまわり以上は年上のオバサマの、
マシンとマシンの間にやる
ステップボードの上での運動量のすごさに圧倒される。
飛び跳ねてるし。
笑ってるし。
すごい。
動きなれていない私は、久々の運動に身体が驚いているのと、
いったいどんな顔をしてトレーニングすればいいのか分からず、
妙に顔がこわばっている。
インストラクターのお姉さんが、まんべんなくサーキット内の私たちに話しかける。
「調子はどうですか?」
「○○さん、今日のTシャツステキですね」
「あ、いい感じですよ。その調子」
「△△さん、腕はまっすぐにしましょう」
このお姉さんは、もしかしたら頭の後ろにも目がついているンじゃないかと思うくらい、
まんべんなく、くまなく声をかけ、
入店してきた人に挨拶をし、他のスタッフとも時折雑談をし、
その合間に自分もステップを踏む。
インストラクター業界の聖徳太子かっ。
ほえ~。
お姉さんを見ているだけで、こちらまで疲れる。
ていうか、動いているから疲れるのは当然なんだけどね。

トレーニングの途中、
壁にはられた健康についての三択クイズ2問を答えるように言われた。
運動神経はないが、ムダに知識はあるので、
2問とも正解した。
「わ~、すごいですね。では、ポイントつけておきますね」
いや、ポイントはべつに…
と思ったが、断るのも感じが悪いので、曖昧に微笑む私。
インストラクターのお姉さんは、こうしてサーキット内の皆さんひとりひとりに、
声かけの合間にクイズも出題していた。

私だったら、誰が全問正解で、誰が不正解で、
ポイントは誰にあげるのかなんてこといちいち覚えていられないのだが、
帰る時にちゃんと、出席カードの間にポイント券が挟まれてあった。

すげ~っ。
でも、いらないけど。

ストレッチも丁寧にゆっくりやると、痛きもちいい。
適度に汗をかく気持ち良さを味わった。

カーブスのジムの中に漂う独特のノリにまだついていけないが、
それなりに楽しんでいる。
ちなみに、大きい姉ちゃん(先月の、女三人駆け足珍道中のメンバー)も、
なんと私が入会したのと同じ日に別の場所のカーブスに入会したという。
なんたる偶然だ。
おそらく、大きい姉ちゃんもこの独特なノリに軽く引き気味になりつつも、
汗を流していることだろう。

さぁ、どちらが早くひきしまったボデイを手に入れることができるだろうか。
皆様、応援のほどよろしくお願いします。

第二の劇団時代(波瀾万丈変)番外編その③

2007年04月22日 | 芝居
ロボットさんの部屋を飛び出した私は、階段を駆け下りつつも、
もしかしたら追いかけて来てくれるのではないかという
淡い期待を抱いていた。

階下の劇団の稽古場につづく階段の踊り場で、
ふと立ち止まったりもしてみた。
しかし、後ろはシーンと静まりかえっていた。
がっくりと肩をおとし、とぼとぼと稽古場の前をとおると、
とばしやとサスペンダーがいた。
稽古は休みだが、自主練習に来たようだ。

「お、pecoちゃんも自主練習に来たの?」
稽古熱心なサスペンダーが聞く。
「何、やぼなこと聞いてるんだ、ロボットさんとこに来てるに決まってるだろ?」
「あ、そうか。買い物でも行くの?」

私は、堰を切ったようにとばしやとサスペンダーに、
ほんのさっきロボットさんの部屋で起きたことを涙目で訴えた。

「ひどいなぁ」
「そりゃ、あんまりじゃないか!」
2人は、まるで自分のことのように腹をたててくれた。
なんだか、それでかなり溜飲が下がる単純な私。

「ちょっと、ロボットさんを甘やかしすぎだよ、pecoちゃんはさぁ。」
「そうそう、がつんと言わなきゃ。」
「もう一回、部屋に戻って言ってやれ、言ってやれ。」
2人に後押しされ、もう1度部屋に戻って、
文句を言うことにした。
一緒になって憤慨してくれているとばしやとサスペンダーも後ろからついてきてくれた。

ドアをあけると、ロボットさんはお湯を沸かしていた。
今からやってくるファンの女の子2人にお茶を淹れるためなのだろう。
むかむかと腹がたつ。
しかし、ロボットさんは全く悪びれた様子もなく、
「忘れ物?」
と聞きやがッた。
これで、完全に戦意は喪失である。
この男は、さっき飛び出していった私が
どれだけ悲しかったかとか、傷ついたかとか、
そういうことに全く気付いていなかった。
人の感情に無頓着な奴なのである。

後ろで、とばしやとサスペンダーが私をつついている。
後ろの2人に気がついたロボットさんは、
「お~、お前ら丁度いいや。
 悪いけど、pecoちゃんを家まで車で送ってやってくれないか?」
と、しれ~っとした顔で頼んでいる。

あっけにとられるとばしやとサスペンダー。
とばしやが聞いた。
「pecoちゃん帰して、自分はファンの女の子を部屋によぶわけ?」
ロボットさんは、
「おお。うちに来たいって言ってるしな。ファンは大切にせんといかんやろ。」
「それにしても、それpecoちゃんが可哀相じゃないか?」
サスペンダーが言った。
「え?なんで?」
なんでって、あんた…。
だめだこりゃ…私はドリフのコントのいかりや長介のようにつぶやいた。

こうして私は、とばしやの車に乗せてもらい、家まで送ってもらうことにした。
心配したサスペンダーも一緒に車に乗り込んだ。
「じゃあさ、今から気張らしにどっか遊びに行くってのはどうだ?」
とばしやが言う。
「とことん付き合うよ」
サスペンダーも言う。

しかし、彼らはほんとは自主練習に来たはずである。
迷惑をかけるのは悪い。
それに、2人にはそれぞれ劇団内につきあっている彼女もいる。
彼女たちに誤解されるのも、本意ではない。

「いいって、いいって。大丈夫。私を送ったら戻って稽古して。ありがとう。」
そう言うととばしやは、
「じゃあさ、俺ら時々ロボットさんの部屋の様子チェックするから」
と真顔で言う。

いや、そこまでしなくていいから。
とりあえず、あれだけしれっとしていたロボットさんは、
やましい気持ちのかけらもないだろう。
しかもファンの女の子は2人で来るわけだし。
とばしやとサスペンダーの気持ちだけ、ありがたく感謝した。

このファンの女の子は、この後3回ほど登場し、
私の心をかき乱すことになるのだが、
そのたびごとにロボットさんは無神経ぶりをいかんなく発揮する。
それはまた、べつの機会にお話ししたいと思う。



第二の劇団時代 (波瀾万丈編)番外編その②

2007年04月21日 | 芝居
第二の劇団時代(波瀾万丈編) 番外編その①の続きを書く前に、
今朝のできごとをちょっと。

夫が手書きで文章を書いていた。
最近夫は考えをまとめる時は、手書きにしている。
しかし、何度も何度もひとつの字を書いては消し、書いては消している。

「どうしたん?」

のぞき込むと、「妻」という字が書けないという。
最初は「毒」と書いて、違う違うと思い書き直すのだが、
どうしても妻と毒の中間みたいな字になるというのだ。
全然違うやん!
なんで間違うのかが理解に苦しむ。
「やっぱり、妻=毒なんじゃないかなぁ」
つぶやく夫の後頭部を軽くはたいておいた。
失敬な奴だ。

そう、これから書く思い出話は、
この失敬で失礼で、とんでもなく無神経なオヤジの
若かりし頃の失敬伝説?である。

            

さて、日曜日の朝足取りも軽くロボットさんの部屋に行くと、
相変わらずそこは地獄絵図のようなすさまじい散らかしようであった。
たしか先週の土曜日にきれいに片付けておいたはずである。
いったいどうやったら1週間でここまで汚すことができるのか不思議なくらいだ。
しかし、そんなことでめげるような私ではなかった。

ゴミと脱ぎ散らかした服と万年床の部屋の真ん中で、
優雅に煙草をすうロボットさんを、物干し場に移動させ、
戦闘開始である。
煙草と湿気とほこりが絶妙にブレンドされたよどんだ空気を
窓とドアを全開にして追い出し、
ゴミと洗濯物を選別し、
散乱したものをそれぞれあるべきところに納める。
洗濯機をまわしつつ、掃除機をかけ、
拭き掃除をする。

掃除がすんだら、流しにたまった食器を洗う。
狭いロボットさんのアパートはあっとういう間にきれいになった。
その間、ロボットさんはゆったりと煙草をふかしているだけだ。
「ちょっと、あなたも手伝ったらどうなの!」
今の私なら確実にぶちきれるところだが、
当時の私は違った。
さぁ、このきびきびとかいがいしく働く私を見て~
という健気さ全開、いや健気さというよりも戦略的意図が大きかったかもしれない。
とにかく、地獄絵図のようだったロボットさんの部屋は
楽園に(ちょっと大げさではあるが)早変わりしたのである。

さ、このあとどうしよう。
買いだしに行って、お昼ご飯を作って食べて、
その後ドライブにでも連れていってもらおうか?
それともたまには贅沢して映画に行くのもいいかしら?
などと、まるで芸当をしたあとご褒美を待つ子イヌのような顔をして、
見えない尻尾をぶんぶん振り回してロボットさんの前に行く、
可愛い女(私のことである。お間違えのないようによろしく)がひとり。

すると、ロボットさんはこの可愛い女に向かって言い放った。

「もう、帰っていいよ」

え?どういうこと?
帰っていいよって、いいよって、べつに帰りたいわけじゃないし。
ていうか、これで帰ったら私はダスキンお掃除サービスのお姉さんじゃないか。
いや、お掃除サービスのお姉さんはまだ賃金が貰えるが、
私は完全無料奉仕である。
何を言ってるんだ、この人は。
納得できずに、顔中に?マークを浮かべて佇む私に、
ロボットさんは言う。

「ちょっと人が訪ねてくるんだ」

私はいたらだめなの?
どういう人?何しに来るの?

私からの質問にはなんだかもごもごと歯切れが悪い。
しかも、私を家まで送っていると間に合わないので、
自分でバスで帰れとまで言う。
あんまりだ!と思いつつも、そこまで言うなら仕方がないと
すごすご帰り支度をしていると、
ロボットさんは台所においてあったお揃いのスリッパの
私の分だけを押し入れにしまった。
私用のピンクのマグカップも一緒にしまった。

ここで私はやっと気がついた。
「女の人が来るのねっ。」

図星をつかれたロボットさんは、しどろもどろになりながら、
「やましいことはないんだ。しかもひとりじゃなくて2人でくるんだ。
 ほら、pecoちゃんも知ってるだろ?劇団の常連さんでぼくのファンで
 いつも花とか差し入れとかくれる‥」

その子のことなら知っている。
当時、サスペンダーにも、とばしやにも、ジュリーにも、
それぞれかなり熱烈なファンがいた。
そういう存在はとても大事だ。
しかし、いくら大事なファンとはいえ
何も一人暮らしのこの部屋に招きいれることはないではないか。
百歩譲ってそうするのならば、私に掃除をさせるというのは、
あまりにもひどい仕打ちである。
そして、私と付き合っている痕跡を隠そうとするなんて!

「帰るっ」

私はロボットさんの部屋を飛び出した。

つづく。
(じらしてすみません。多分次回でこの番外編は完結です)






いつもと違うことをやってみよう!シリーズ第三弾

2007年04月20日 | 日常
先日久しぶりに岩盤浴に行くと、
「あなたの血管年齢を測定します」という機械があった。
私は健康だけが取り柄である。
献血に行くと、丈夫な血管だと誉められ、
血液の成分もとてもいいと喜ばれる。
最近、少々太り方に拍車がかかっているとはいえ、
コラーゲンのおかげでお肌もつるつるぴかぴかで、
社会人になった娘がいると言うとみんな驚く程度に若々しい(つもり)だ。

自信満々で測定。

結果。

…血管年齢は、自分の年齢プラス12歳!だった
まじで?
これ、機械が壊れてるんじゃないの~。

冷静に考えてみると、献血はこの1年していなかった。
そういえばこの1年でかなり体型も変わった。
それでも、体調が悪いわけでもないので全く気にしていなかったが、
身体のなかではいろいろ変化があったようである。
健康診断もしていない。

近くに、今流行りの女性専用30分サーキットトレーニングのジム
「カーブス」ができたことを思い出す。
身体、動かしてみようかな。
何年か前、夫とジムの会員になった時は、
夫の車で行かないといけない場所にあり、
なかなか予定がうまい具合に合わないこともあって数ヶ月で辞めた。
自分で通える場所にあり、たった30分ですむのなら、
私にも続くかもしれない。

ということで、昨日自らそこの門を叩き、
説明を聞き、その日のうちに会員となった。
頼みもしないのに、私のサイズをてきぱきと計測する
ちょっとハイテンションなお姉さんにとまどいつつも、
まな板の上の鯉状態の私はされるがままである。
体脂肪や骨格筋率などいろいろ計測した結果、
私の『身体年齢』なるものが算出された。
身体年齢は私の実年齢プラス10歳であった。

要するに私は、見た目はそこそこ若々しいが
身体のなかはすっかりおばちゃん(もしくはおばあちゃんの入り口)ということである。
体重や体脂肪率なんて、絶対ここには書けないような数値だった。
ここ数ヶ月体重計に乗っていなくて、現実逃避していた私。
今さらスタイルをよくして見た目をよくしようなどという野望はないが、
このままではおそらく近いうちに成人病にかかると思う。
それだけはいやだ。
健康で体力のある、人生をなんとか送りたい。

昨日は軽く体験だけだったが、
今日から本格的に全てのマシンを使う。

カーブスは、30秒間のマシントレーニング(筋トレ)と、
30秒間のステップ(有酸素運動)を繰り返すことで、
効率的に身体に効くということらしい。
円形に置かれた8種類のマシンを、参加者みんなでぐるぐる廻って使う。
中央には元気で明るいトレーナーのお姉さんが手拍子で勢いをつけてくれている。
それを3周したら、最後にクールダウンのストレッチ12種類をして
おしまい。

動きなれている人には物足りないかもしれないが、
私のように長い間運動と無縁にきている中年にとっては、
うっすらと汗をかき、心拍数もそれなりに上がる。

迷った末、会費はお得な1年分前払いにした。
「会費がもったいない」
この基本精神がないと続かないような気がしたからである。

1ヶ月に一度、頼みもしないのに各部分の計測があるそうで、
大幅なサイズダウンをした人はイニシャルではあるが、
店内に張り出されるらしい。

さぁ、このいつもと違うことをやってみよう!シリーズ第三弾の効果はあがるのか?
大の運動嫌いの私が続けて通うことができるのか?
そして、シリーズ第四弾はあるのか?

乞うご期待!



第二の劇団時代(波瀾万丈編) 番外編その①

2007年04月19日 | 日常
私自身、波瀾万丈編を書いていて、
このエピソードは付き合いだす前だっけ、後だっけ?とか
これって、結婚決まってからのできごとだっけ?
と遠い記憶の糸をたぐりよせてみるけど、
その糸の先はぷっつり切れていて覚えてないっ
てことが多くなってきた。
いろんな出来事が多すぎて、それらを時系列に並べるのが
まだるっこしくなることもある。
てなわけで、気分転換も兼ねて、
ちょっと、今日は時間をとばして番外編。
私たちが付き合い出してしばらくしてからのできごと。



月1回の新作上演という無謀かつ、斬新なやり方が功を奏してか、
結成から1年ちょっとで
固定ファンというものがついた私たちの劇団。
ひとつの公演を6公演ほど上演するのだが、
何度も通ってくれる人もいる。
口コミで、友達を誘って見に来てくれる人も増えた。
劇団員が揃って、別の劇団の公演を観に行ったりすると、
「あ、○○さんと、××さんだ!」
「わ~、△△さんもいる!」
と他のお客様から噂されるようにもなった。

とはいえ、地方都市の小さな劇場で細々とやっているため、
観客動員数はたかが知れていた。
相変わらず財政難の自転車操業で、
稽古場の維持費や公演の運転資金にまわすため、
劇団員は相変わらず、毎月
当時にしたら大金の1万円を団費として支払っていた。
公演の際にもノルマというかたちではないにしろ、
とにかくチケットを頑張って売らねばならなかった。
芝居で食べていけるようになるという、当初の目標は
まだまだ達成されそうになかった。

そんななか、ロボットさんと私は付き合っていた。
とにかくいつもお金がなかった。
ロボットさんは新しい服など買う余裕もないし、
食費も切り詰めてアパートで自炊していた。
デートでこじゃれたお店に行くことなど皆無だったし、
プレゼントを交換することもなかった。
稽古にあけくれる毎日で、改めてどこかに行くということがなかった。
夜のポスター貼りのためのドライブか、
公演のちらし配りに行った先で、せいぜいカレーを食べるとか、
稽古場で一緒に過ごすとか、
稽古の前後にロボットさんの部屋で一緒に過ごすのが
デートと言えばデートだった。

ロボットさんの部屋は汚かった。
安普請のぼろアパート、そこへもってきてロボットさんは
掃除と整理整頓が苦手だった。
流しには、何食分かの食器やコップが放ったらかしになり、
ゴミはあふれ、ホコリは舞い、洗濯物もたまりまくっていた。

お掃除の達人松居一代や、収納の達人近藤典子が見たら、
「き~~っ!」となりそうな、
まぁ、不精者の独身男性にありがちな部屋だった。

そういう汚い部屋に慣れていなかった私は、
ロボットさんの部屋に行くと、とにかくまず掃除をしてからでないと、
落ち着くことはできなかった。
とにかく散乱した服や、雑誌や、ゴミや、食器を片付けないことには、
座る場所を確保するのも難しいため、
好むと好まざるに関わらず、掃除をし、洗濯をした。
当時の私は、ロボットさんの役にたつことがうれしかった。

土曜日の稽古が終わった深夜、ロボットさんが
「明日の午前中に部屋に来てくれないか?」
と言った。
翌日の日曜日は、珍しく稽古が休みだった。
1日一緒に過ごそうというのだろう。
もちろん私は元気よく
「いいよ~♪」と答えた。

晴れた日曜の朝、私は足取りも軽くロボットさんのアパートに向かった。
この後自分に起きることなど、全く想像もしていなかった。

つづく。



第二弾

2007年04月17日 | 日常
いつもと違うことをやってみよう!シリーズ(ほんとにシリーズなのか?)第2弾。


朝食に、豆乳スープを作ってみた。
実は私は豆乳を飲んだことがない。
飲みやすくした豆乳も飲んだことがないので、
成分無調整豆乳なんてとんでもない。
な~んか抵抗があったので豆乳鍋が流行っても作ったことがなかった。
放蕩娘用に買った(娘は緩やかなマクロビオティックに凝っている)
賞味期限がきれそうになった豆乳を冷蔵庫のすみで発見。
このままだめにするのはしのびない。
で、ネットでレシピを検索して作ったのがこれ。


300ccの水に、コンソメ1個をいれ、
ありあわせの野菜(今回はキャベツ、たまねぎ、人参)とベーコン少しを
柔らかくなるまで煮る。
仕上げに豆乳を300ccを加え(沸騰しないように気をつけて)温める。
塩胡椒で味を調えてできあがり。
夫は、食べるときに黒胡椒を挽いていれていた。
美味しかった。
新しい献立に慎重な母も美味しいと言っていた。
ふむふむ。
豆乳、飲めなくても料理に使えばいいわけだ。
食わず嫌いは人生の損。


で、仕事に出かける段になり、
いつもはコンタクトレンズなのだが久々に(ひょっとして数年ぶりに)
メガネをかけてみた。
視界が狭くなるのと、
温かいものを食べたり温度差があるところにいくと思い切り曇るのがいやで、
ずっと片付けてあったのだが、
買った時はかなり気に入って買ったメガネだ。
最近変えた赤いファイルと何気にいい感じにあうじゃないか。




で、今日のお昼ご飯は仕事の都合で外食。
いつもなら迷わずうどん屋さんか蕎麦屋さん、
もしくは和定食の店に行くのだが、
いつもと違うことをしようということで洋食。
これね。



これ、半トンライスという。
この地方独特の洋食らしい。
チキンライスの上にオムレツをのせ、白身魚のフライをのせて、
ケチャップとマヨネーズをかけてある。
高校時代、学校帰りによく食べた。
チキンライスのかわりにケチャップで炒めたスパゲッティ
(パスタじゃなくてスパゲッティね・笑)にして、グラタンでとじた、
スパゲティ半トングラタンも大好きだった。

高校時代、部活の合間にうどんを食べ、
学校帰りにこれや、ラーメンを食べて帰り、
夕飯を普通にたいらげ、夜はおやつを食べていたのに、
私はがりがりに痩せていたっけ…
半トンライスの味が、様々な思い出を呼び起こした。

懐かしい味に舌鼓をうつ。
半トンライスを食べたのは、もしかして高校卒業以来初めてかもしれない。


いつもと違うことをすると、なかなか面白い発見があるものだ。
皆さんもいかが?


どうよ、どうよ。

2007年04月16日 | 夫ネタ
私達夫婦の知り合いに、
いつも旦那さんの言うことに
にこにこと「はい。」と言ってけっして逆らわず、
どんなに旦那さんがつまらん冗談を言おうと
「面白いわ~」とウケ、
周囲の人には「うちの人、ステキでしょ?」とか「格好いいでしょ?」
とぬけぬけと言う奥さんがいる。
すこぶる男性陣からは評判がいい。

いつもと違うことをやってみよう!シリーズ第1弾として、
今日一日その奥さんの真似をして過ごすことにしてみた。


毎朝夫は起き抜けに「お茶。」と言う。
はっきり言って、大のお茶好きの夫がいれたお茶のほうが、
寝ぼけまなこの私がいれるお茶より数倍美味しい。
それでも夫は私に「お茶。」と言う。
だいたい、この「お茶。」と体言止めで命じられるのも腹がたつ。
せめて「お茶いれて。」と頼まれれば、
機嫌良くいれようと言うものだ。
だから最近は、「お茶。」と言われると、
「いや~~~っ。」とか「いやなこった。」と反射的に応えている。
とはいうものの、身体は条件反射でお茶をいれている。

で、今日は一日知り合いの奥さんの真似をすると決めたので、
「お茶。」と言われたらすぐ「は~い」と言ってみた。
驚く夫。
しかし、私の身体は動いてはいない。
「は~い」とにこやかに返事だけして、他のことをしている。
しかし夫は「早くしろよ」とか「まだ?」とは言わないのである。
黙って待っている。
おかげで私は、自分の用事を優先させてからお茶をいれた。

え?そうなの?
返事さえ良ければいいわけ?


朝食後、夫が出かけるために着替えた。
夫は自分の服のコーディネートが下手くそである。
いつも上下がちぐはぐだったり、
持ち物のバランスが悪いことが多い。
そういうとき私は
「わっ、ださっ。あり得ない。」「みっともない。」「おかしいよ、絶対。」
などなど罵詈雑言を浴びせつつ
速攻で別の組み合わせの服を出している。
今日も、おいおいそれはどういうコンセプトなんですか~~っと
つっこみたくなる取り合わせをしたのだが、
知人の奥さんの真似を心掛け、
「あら~、それじゃああなたの格好良さが出ないよ。もったいないわ。」
と歯が浮いて、全部抜け落ちそうなことを言ってみた。
しかし、私の身体は動いていない。
パソコンに向かったままである。

夫は素直に「お、そうかな?」と言って、
珍しく自分でクローゼットを探して着替えを出した。

あらら。
こんなんでいいなら、このほうがらくじゃないか?
口先で優しげなことを言ってれば、ことはスムーズに運ぶのか?

つまらんオヤジギャグも、いつもなら
「それでは笑えんね」とか「センスゼロ」
ときっちり正直な感想を言うのだが、
今日は「あはは」とか「うまいっ」とか「さすが」
とおだてておいた。
がぜん機嫌が良くなる夫。
気付けよ、おい。
そんなつまらんギャグが面白いと思って、
外で言ったら恥をかくのはあんただよっ。
私はいつも外で恥をかかないように、
面白いものは面白い、つまらんものはつまらんと、
正しいジャッジをしていたのに、
夫に必要なのは、林家パー子のような反応だったのか…。

私はてっきり早い段階で夫に
「お前らしくない」とか
「気持ち悪い。なんか魂胆があるのか?」
とつっこまれるとばかり思っていた。
つっこまれなかった。

う~む。
ちょっとがっかりだった。
てっきり夫は私の悪口雑言の裏にある
あふれんばかりの愛情(ちょっとおおげさ)を
理解しているとばかり思っていただが、
やはりそこらの単純な男性陣と変わらず、
いかにも良妻風なしとやかで穏やかな妻像を求めているということなのか。
な~んだ。


え?明日からどうするかって?
どうしましょうかねぇ。


指定バトン

2007年04月15日 | バトン
naataさんと、ジェニさんから『指定バトン』がまわってきました。
この際、一緒にやりま~す。

naataさんからの指定は「芝居」
ジェニさんからの指定は「お料理」です。




『指定バトン』♪ 

※ 注意   
 いつ回ってくるかのバトンなので、指定者以外は絶対にやらないでください。

※ ルール 
 まわしてくれた人から貰った【指定】を【 】の中に入れて答える事。


1 最近思う【芝居】

若いときは、やりたい芝居と出来る芝居と見たい芝居が一致していたけど、
最近はそのへんがばらばら。
ま、その分守備範囲が広がったと思えばいいのかな?とようやく思えるようになった。


1 最近思う【お料理】     
  
  ようやく、そこにある材料でなんとか臨機応変に対応できるようになった。
  しかも、ネットのおかげで初めて使う素材の下ごしらえ法や、
  なじみの材料の新たな使い方なんかもすぐ分かるようになった。
  とてもありがたい。

 

2 こんな【芝居】には感動!

  技術的には未熟でも、創り手の情熱が感じられるもの。
  もしくは登場人物にきっちり感情移入できるもの。
  または、浮き世の憂さをすっきりと晴らしてくれるような、
  ゴージャスで美しく夢の世界に連れて行ってくれるもの。

2  こんな【お料理】には感動!

  結構、お料理関係では感動しやすい私(笑)
  人が作ってくれたお料理には感動することが多いし、
  外食で初めて食べる食材を初めての調理法で出されると、
  それが口にあえば感動する。

 
 
3 直感的な【芝居】
 
  ん?これは芝居に対するイメージってことでいいのかな?
  一期一会。一回こっきりだから。
  全く同じことはできないし、やり直しもきかない。 
  その瞬間瞬間が、かけがえのない一瞬。

3 直感的な【お料理】 

  愛情のかたち。


4 好きな【芝居】

  大笑いしているんだけれども、それが涙に変わり、
  胸にしみる大切なメッセージを感じられる芝居。
  登場人物たちが愛しくなるような(ダメな奴はダメななりに)芝居。
  ま、基本、私は松竹新喜劇の寛美の芝居育ちですから。

4 好きな【お料理】

  作るんなら、ありきたりな家庭料理が好き。
  外に食べにいくんなら、自分では作れないものや
  食べたことのないものを食べたい。


5 こんな【芝居】は嫌いだ!

  創っている人たちだけが楽しい、自己満足な芝居。
  「これが分からない人は程度が低い人」的な
  上から目線のわけの分からん御芸術な芝居。


5 こんな【お料理】は嫌いだ!

  やたら高級食材と、耳慣れない(そこらの店で手に入らないような)スパイスや調味料を使って、
  あり得ないほどの手間暇をかけないと作れない料理。
  そんなんはプロに任せとけばいいと思う。
  あとは、真新しさを追求するあまり、
  ムリムリな食材と調理法の取り合わせをしたレシピとかは試す気にならない。
 

6 この世に【芝居】がなかったら?

  造る(笑)

6 この世に【お料理】がなかったら?

  え~~っ?それはあり得ないでしょ。
  全ての食材をそのまま食べることになるもんね。
  ムリ、ムリ。
  ま、めちゃめちゃ新鮮ならお塩つけて食べるだけでも美味しいかもね。
  でも、お塩をつけることも大きな意味ではお料理の範疇だと思うな。


  


7 次にまわす人6人(【指定】付きで)

  6人も思いつかないので、おふたりに。
  
  まだお会いしたことはないけれど、きっとお話しが合いそうなbunnyさんには【ペット】
  
  お会いして、やはり私の目に狂いはなかったと確信したたまこさんには【お笑い】


お暇なとき、ネタがないときにでもお願いします。
  

   






今晩のおかず

2007年04月14日 | 料理
午前中は、夫と映画へ行った。
「東京タワー」である。
2人で、目を真っ赤にして泣いた。
感想は、まだ初日で未見の人も多いので詳しくは書かないけど。
おかんの息子に対する愛情や、
ボクのおかんや、おとんに対する思いはもちろん感動した。
当たり前だ。
東京の大学へ行き、親から仕送りをしてもらっていた夫は、
私よりももっと身につまされたようである。

私は、親からの仕送り経験がないのでそのへんは実感がなかった。
それより親の立場として、
おかんが食べきれないくらいの料理を息子のために用意したり、
死の床で「なすびの味噌汁をぬくめて食べなさい」というところで
嗚咽をもらしてしまった。
大人になったこどもに母親がしてやれるのは、
美味しいものを食べさせてやることぐらいなのである。


あとは、おかんの抗ガン剤治療のリアルなシーンで、
いろんな思いがこみあげた。
以前にも何度か書いたが、夫は3度の抗ガン剤治療の経験がある。
吐き気が強く、何も食べられなくなったり、
放射線治療で唾液がいっさい出なくなり、
口や喉が荒れてものを飲み込めなくなったり、
味覚がほとんどなくなり、何を食べても美味しいと感じない時期が続いた。
髪の毛だけでなく、眉も、まつげも、体毛も、全て抜け落ちつるつるになった。

そのことを思い出した。
映画のおかんは、薬があわず年齢的なこともあり、
体力的な限界がきて、あまりの苦しさに治療をやめる。

夫は、全ての治療を耐えた。
しかも、絶対に私に辛いとか、苦しいとは言わなかった。
「大丈夫」「たいしたことはない」「思ったほどではない」
私を安心させるために、私の前ではいっさい弱音を吐かなかった。
正直私は、最近の薬は副作用も思いのほか軽いのかと思ったこともあった。
そんなはずはない。
2度目の病気の際、先生のほうから
「もし良かったら、麻薬をつかって苦しさを押さえてもいいですよ」
とまで言われた。
普通の人なら、耐えきれず麻薬(多分モルヒネ)を使うところを、
夫はがまんした。

映画のなかのおかんが苦しむ様子を見て、
病気の症状は違えども、抗ガン剤治療の厳しさを改めて思い知った。
そして、それを私にぶつけずひとりで耐えた夫を尊敬した。

今、夫は美味しく食事をすることができる。
なんてありがたいことだ。

家に帰って、張り切って晩ご飯を作った。

これは冷しゃぶサラダ。

塩とお酒をいれた熱湯にくぐらせた豚肉を、熱いうちにタレにつけるのがポイント。
たれは、醤油とごま油とみりんと、にんにくのみじん切り、生姜のすりおろし、
ネギのみじん、しその千切り、白ごま。
あら熱がとれたら、レタスを混ぜ込む。

山芋のオリーブオイル焼き。
オリーブオイルに、ベーコンをいれ、
そこに山芋の輪切り。味付けは塩こしょうと、しあげにちょろりと醤油。
さくさくの歯触りが美味しい。

昨日の残りの天ぷらを天つゆでさっと煮たもの。
これ、てんぷらの翌日のお弁当のおかずによく入っていた。
ごはんがすすむ。

きのこのおひたし。

お酒をいれた熱湯で茹でて出汁醤油であえて、すりごまをふっただけ。

自分のためにセロリの漬け物(夫は漬け物がきらい)
これは市販品。私と母の大好物である。


美味しいものを美味しいと感じながら
家族で一緒に食べることができる幸せを噛みしめた。