先日、娘とお台場に行ったときのこと。
娘も私も「ゆりかもめ」には乗ったことがない。
もう、うッきうき気分でゆりかもめに乗り込んだ。
目指すは、おのぼりさんの定番フジテレビだ。
ゆりかもめの4人掛けの座席に座る
やけにハイテンションで若作りの私と、娘。
当日は晴天に恵まれ、車窓から見る景色は絶景だ。
私達の向かいの席には、
60前後で、とっても品が良くてセンスのいいご婦人が座った。
「やっぱ、都会にはこういうステキな熟年層がいるんだなぁ」
などと心で思いつつも、
娘とのバカ話しで盛り上がる私。
そのうち、ゆりかもめは大きくカーブを曲がり
なんと私たちが目指しているフジテレビのビルから
一見遠ざかったように見えた。
「え~~っ、どうしよう、どうしよう、
あたし達あっち行きたいだよね。あれ~?あれ~?」
と、娘と手を握り合う。
なんていうか、かなり私達はテンションがおかしかった。
箸が転んでもおかしいみたいなことになっていたのだ。
で、ご存じのようにゆりかもめは、
ちゃんと走路をもどし景色がまた近づいてきた。
「あ、よかった!なんでこう、一瞬遠ざかるかなぁ。
田舎もんをからかわんといてほしいよねぇ」
などと、娘と話していると、
あきらかにお向かいのオシャレなご婦人が
私達のやりとりを耳ダンボにして聞いて
微笑んでいらっしゃる。
それに同時に気がついた私と娘のスイッチが入った。
もうそこからは、阿吽の呼吸で
「田舎から出てきた未亡人の私を、
最近都会に出てきた娘が招待して東京案内をしている」
という状況をかなり大げさに演じた。
演じたというとウソになる。
実際、田舎から娘を訪ねてきたのは事実だし、
未亡人なのも事実だし、
娘が東京案内しているのも事実。
ただ、ちょっと誇張したくなったのだ。
ほんとは、東京には亡夫の元気な頃はちょくちょく来ている。
東京タワーとか、さほど珍しいとも思わない。
「お母さん、お母さん、ほら、あれ東京タワー!」
「あら~、すごいね~」
「お母さん、あれ、あれ、スカイツリー」
「あら~、あれがそうなん」
などと、やりとりをする。
そのたんびに、向かいのご婦人は静かに微笑む。
時折、娘と私のかけあいに、ぷっと吹き出したりもする。
「お父さんも乗りたかったやろうね、ゆりかもめ」
「そうやね、乗り物好きだったもんね」
「乗せてあげれんままになったね。」
「その分、お母さん楽しんで行くわ」
「そうやね」
陽気な母娘は、大切な人を亡くしていたのだ
というオチまでつけて
娘と私は、そのご婦人おひとりのために
ゆりかもめの座席でほんの数分で
プチ人生劇場を演じきったのであった。
多分、あのご婦人は家族か友人に
「ゆりかもめでさぁ、こんな母娘がいたのよ」
なんて話すんだろうな。
なんて、娘とほくそ笑んだ。
何やってんだかね~。
お台場での出来事話しは、
また後日。
娘も私も「ゆりかもめ」には乗ったことがない。
もう、うッきうき気分でゆりかもめに乗り込んだ。
目指すは、おのぼりさんの定番フジテレビだ。
ゆりかもめの4人掛けの座席に座る
やけにハイテンションで若作りの私と、娘。
当日は晴天に恵まれ、車窓から見る景色は絶景だ。
私達の向かいの席には、
60前後で、とっても品が良くてセンスのいいご婦人が座った。
「やっぱ、都会にはこういうステキな熟年層がいるんだなぁ」
などと心で思いつつも、
娘とのバカ話しで盛り上がる私。
そのうち、ゆりかもめは大きくカーブを曲がり
なんと私たちが目指しているフジテレビのビルから
一見遠ざかったように見えた。
「え~~っ、どうしよう、どうしよう、
あたし達あっち行きたいだよね。あれ~?あれ~?」
と、娘と手を握り合う。
なんていうか、かなり私達はテンションがおかしかった。
箸が転んでもおかしいみたいなことになっていたのだ。
で、ご存じのようにゆりかもめは、
ちゃんと走路をもどし景色がまた近づいてきた。
「あ、よかった!なんでこう、一瞬遠ざかるかなぁ。
田舎もんをからかわんといてほしいよねぇ」
などと、娘と話していると、
あきらかにお向かいのオシャレなご婦人が
私達のやりとりを耳ダンボにして聞いて
微笑んでいらっしゃる。
それに同時に気がついた私と娘のスイッチが入った。
もうそこからは、阿吽の呼吸で
「田舎から出てきた未亡人の私を、
最近都会に出てきた娘が招待して東京案内をしている」
という状況をかなり大げさに演じた。
演じたというとウソになる。
実際、田舎から娘を訪ねてきたのは事実だし、
未亡人なのも事実だし、
娘が東京案内しているのも事実。
ただ、ちょっと誇張したくなったのだ。
ほんとは、東京には亡夫の元気な頃はちょくちょく来ている。
東京タワーとか、さほど珍しいとも思わない。
「お母さん、お母さん、ほら、あれ東京タワー!」
「あら~、すごいね~」
「お母さん、あれ、あれ、スカイツリー」
「あら~、あれがそうなん」
などと、やりとりをする。
そのたんびに、向かいのご婦人は静かに微笑む。
時折、娘と私のかけあいに、ぷっと吹き出したりもする。
「お父さんも乗りたかったやろうね、ゆりかもめ」
「そうやね、乗り物好きだったもんね」
「乗せてあげれんままになったね。」
「その分、お母さん楽しんで行くわ」
「そうやね」
陽気な母娘は、大切な人を亡くしていたのだ
というオチまでつけて
娘と私は、そのご婦人おひとりのために
ゆりかもめの座席でほんの数分で
プチ人生劇場を演じきったのであった。
多分、あのご婦人は家族か友人に
「ゆりかもめでさぁ、こんな母娘がいたのよ」
なんて話すんだろうな。
なんて、娘とほくそ笑んだ。
何やってんだかね~。
お台場での出来事話しは、
また後日。