招きねこの手も借りたい

主婦のち仕事、ところによって母、時々芝居。

手の抜き方

2008年03月31日 | 日常
ここ最近の平均的な私の一日。

6時半起床。
水筒につめるほうじ茶を沸かしつつ、
今日一日の予定の確認をする。
しなければいけないこと、したいことを書き出し、
効率のいい順番を考える。

夫に差し入れるポタージュスープと、
ミルクセーキやバナナジュースなどを作る。
現在夫は、固形食が禁止である。
病院で出る食事は、毎食判で押したように、
重湯と味噌汁の上澄みと牛乳とオレンジジュース。
あとは、点滴で栄養剤をいれている。
重湯と味噌汁は毎食同じ味。
食欲がわくはずもない。
先生と看護士さんに確認をとり、
毎日私は、カボチャや人参やジャガイモ、コーンなどで
ポタージュスープを作り持っていくことにした。
夫は喜んで飲んでいる。

明日から薄いおかゆがOKになるそうだが、
まだしばらくはポタージュスープの差し入れは続きそうだ。

自分の昼食用に、おにぎりをにぎり、
自分と娘の朝食を用意し(母は朝食のみ自分で用意する)
母と娘の昼食も用意し、
ざざっと掃除をし、洗濯機をかける。

このところやたら元気になった母は、
食器洗いと、洗濯物を干しておいてくれるので、
夫への差し入れと、替えの下着やタオルをバッグにつめ、
バスを2本乗りついで夫の病院に向かう。

小一時間、夫と話しをしていると、お昼すぎ。
病院のバス停で、もそもそとおにぎりを頬張り、
仕事に向かうことが多い。
外食するのは、時間とお金のムダと判断した。
ただし、おにぎりを外で頬張るのは、最初かなり勇気がいった。
固形物が禁止の夫の前で食べるのは申し訳ないので、
病院を出てからバスや迎えの車を待つ間に、
外で食べるのが一番合理的なのだ。
今までの私だとあり得ない。
でも、慣れれば結構美味しく食べられる。
毎日が遠足気分だ。


なるべく仕事は午後にまわしている。
仕事が午前中になった場合は、病院へは昼過ぎに行く。
仕事でスタジオをまわるのは、
事務所の後輩に頼んで運転手になってもらっているので、
助かっているのだが、
それにしてもなかなかハードな毎日である。

これに、日によっては母の通院や娘の通院の付き添いがプラスされる。

フルタイムで働くお母さんからみればたいしたことはないと思う。
私は今までラクをしすぎてきたため、
結構これくらいでへとへとしてしまうのだ。
年齢も年齢だしね。

掃除は毎日きれいにするのを諦めた。
風呂掃除も、入りたい人が入る時にすることにした。
洗濯も、いろいろ分けて洗うのは諦めて、
どばっと一気に洗濯機につっこんでいる。
帰りが遅くなった日や疲れた日は、
迷うことなくお総菜コーナーでお総菜を買うことにした。
今日なんか、カレー屋さんでルーを買い、
スーパーのコロッケを添え、
あとは野菜サラダを作っただけだった。
娘にも、超簡素なおかずを出した。
今までの私ならあり得ない。

でも、きっちりやらなくてもなんとかなるものだ。

夫にだけは、手作りのちゃんとしたスープや、
ジュースを飲ませたいので、そこは手抜きしない。

夜は少しだけお酒を飲んで、
チワワのちとせを抱きしめつつ眠りにつく。
ちとせは私の腕まくらで寝るようになった。
この子がいて良かったとつくづく思う。

明日は、これプラス請求書作りと、
支払いのための銀行めぐりが待っている。

頑張れ私。

今一番大変なのは、夫なんだから。







意外な展開

2008年03月30日 | 芝居
以前ここで、2年間継続して
地元でとある講座を受講していると書いた。

その講座が今日で終了した。
それは、戯曲を1本書いてみようという講座だった。
私は役者として地方の演劇にかかわってきたが、
戯曲を書くなんて思いも寄らなかったし、
書こうという気もなかった。
それでも、芝居の台本というのは、
いったいどういう過程を経て生まれるのかという、
その経過をつぶさに自分の目で確かめてみたいという好奇心はあった。

しかも、その講師を私が大好きな作家が担当するという。

よし、戯曲は書かなくても聴講生として参加しよう!
ということで参加した。
ところが、講座の中身があまりに面白く楽しいのと、
講師の乗せ上手なのとで、気がついたら2回目の講座から
正式な受講生として戯曲を書く側にまわっていた。

直接原稿にアドバイスをもらいながら、
何度も練り直し、最終稿を提出。
昨日、長編を提出した7名の中から1席と2席が決定した。
1席になった作品は、地元の演出家と役者によって、
地元で上演される。

戯曲を書いたのは、生まれて初めてだったので、
最後まで書き上げられただけで大感激だった。
そして、その上私の作品は2席となった!
嬉しかった。
題材は、自分の亡き父親への思いをとりあげた。
自分の心の奥にあるパンドラの箱を
おそるおそる開けて、
それと向き合う作業は正直辛い部分もたくさんあった。
それでも、「書くことでお父さんを許してあげればいいじゃないか」
と言ってくださった講師の後押しで、
書くことで実際父のことを理解できた(もしくはしようとする)気になった。

講師や、ともに受講していたメンバーがいたからこその
結果だと思う。

「このままこのグループを終わらせるのはもったいない」という
講師の薦めもあり、
その中の有志で定期的に集まりを持ち、
書き続けることにもなった。

書くという作業は孤独だし、
所属する劇団を持たない私のような人間にとって、
同じことを続ける仲間の存在は貴重である。

互いの作品を持ち寄り、合評しあう同人のようなグループが生まれた。
戯曲賞に応募しようとか、
いますぐ自分の作品を上演しようとか、
劇団をたちあげようという気持ちは
まだ私にはおそれおおくてない。
それでも、自分の思いを戯曲に託す作業は、
今の私にとって必要なことだと痛感した。

もう少し、頑張ってみようと思う。



個性

2008年03月27日 | 仕事
昨日と今日のお仕事のはなし。

昨日の1本目は、
固い固い伝統工芸の説明DVDのナレーション録り。
これは、私の十八番だから難なくこなし、
お昼休憩をはさんでの仕事は、地元某店舗のCMナレーション。
ごっついおばちゃんのアニメの吹き替えである。
一応レギュラーということになるのだろうか。
前回と同じ雰囲気でいいのかと思ったら、
ディレクターからいきなり
「pecoさん、エドはるみって知ってる?」と言われた。

「知ってますよ。グ~!の人ですよね」

「そうそう。で、今回はそれでよろしく」

いや、それでよろしくって…。
知ってるというのと、
それができるというのは別次元ではないのか。

たしかに私はこれまで、
「『大奥』のナレーションをしている岸田今日子風で」とか
「レポーターの東海林のり子風で」とか
「大映テレビ「赤いシリーズ」のナレーションの来宮悦子風で」
などというオーダーにそれなりに応えては来た。
しかし、エドはるみなんてやったことないし。

ローカルCMの現場では、
もちろん質の高いオリジナルな面白いものも
たくさん作られているが、
こんなふうにパクリ的なものも多い。
そんな時私達に要求されるのは、
自分の個性ではなく、小器用に要求に応えることのできる
瞬発力だったりする。

「できません」「やりたくありません」
なんて仕事を選んでいたら残っていけないと思う。
私達はアーチストではなく、職人なのだ。

仕事をはじめたばかりの頃は、
私自身の個性を求められない仕事の時は、
軽くプライドを傷つけられた感を感じていた私だったが、
今ではなんでもやれることが私のプライドに変わった。

で、やりましたよ、エドはるみの声。
似てるかどうかはよく分からない。
とりあえずその場にいた人みんながOKを出したので、
大丈夫だと思うことにした。

そして、今日の仕事はデジタル絵本の収録だった。
桃太郎のお話しで、
ひとり12役(ナレーション部分を含むと13役)をこなしてきた。
七色の声と言われた中村メイ子さんを
役の数だけでは超えたぞ。

そんなこんなを乗り越えて、生き残っていかなくちゃね。
これが私の個性だいっ。







メモ魔

2008年03月25日 | 日常
なんだか集中力が落ちていて、
食事の支度をしていても、何を作るつもりだったっけ?
みたいな情けないことになる。
年のせいか?
疲れてるだけか?

とりあえず、百均でホワイトボードを買ってきて、
冷蔵庫に貼り付けた。

で、どっかの定食屋みたいに、
本日のメニューを書いてから仕度にとりかかることにした。

「鰆の味噌漬け
 かぼちゃの煮物
 厚揚げと小松菜の煮浸し
 きんぴら牛蒡」

みたいなかんじで。
書いているときは、昔よく見ていた「料理の鉄人」の道場六三郎気分。
道場さんみたいに、筆で巻紙にすらすらというのにはほど遠いし、
書いてるメニューも思い切り家庭料理なんだけどさ。

で、余白には買い足すものをメモ。

薄口醤油 だし昆布 アルミホイル

なんてふうに。

で、朝起きるとその日しなければならないことを全部書き出す。
そして、優先順位をつけ、
何からするのが効率がいいか考え、
やる順番を決める。

できたことからチェックをいれて消していく。
優先順位が下位で、その日できなかったことは
翌日に持ち越す。

以前は、とにかくなぜかいつも急いでいた。
少しでもたくさんのことをこなすのがいいと思っていた。
でも、今はそれができないし、
そうしたいとも思わなくなった。

今のような状況の時は、ゆっくり時間をかけて、
着実にやるほうがかえって能率が上がったりもする。

できなくても落ち込まず、
明日やればいいと思うことにする。

でも、メモ用紙に連なるのはしなければならないことばかりだ。
それだけだとなんだかしんどくなりそうなので、
時々「やりたいこと」「やってみたいこと」なんかも書き出してみる。
ほしいもの、食べたいもの、会いたい人なんかも書いてみる。
今できなくても、そのうちできると信じて。

今日も私はメモをとる。

元気になる食べ物

2008年03月24日 | 美味しいもの
どうにもこうにも疲れ果て、
気持ちも下向きの時に食べると
元気になれる食べ物ってありますか?

私は、これ。



イチゴにお砂糖をかけてつぶしたところに
どばっと牛乳をかけたやつ。
ふだんはしない。
「果物にお砂糖なんて邪道よ」
「自然の甘さを楽しむものよ」
などと気取っている私だが、
へこたれると決まってこれ。

最近のイチゴは、そのままでも充分甘いが、
私の子供の頃は酸味の強いものもよくあった。
最近の甘いイチゴでするのはもったいないが、
なぜかこれを食べると幸せな気持ちになる。

このピンクの色も可愛い。
お砂糖と牛乳の甘さも心と身体に優しい。

さ、元気だして明日も頑張るぞ!


遠くを見ない、後ろを見ない

2008年03月20日 | 日常
昨日のいいこと3つ。

 ①図書館のこどもコーナーで流す、絵本の読み聞かせCDの
  ナレーションの仕事が入った。
  こういう仕事は、楽しくてやりがいがあり、役にも立つ。
  原稿はまだもらっていないが、楽しみだ。

 ②某社の宅配便のうちの地区担当の人が交替したようだ。
  これまでの人が、のそっりしていてなぜか私にため口をきく
  さえないおっちゃんだったのが、
  はきはきテキパキしたイケメンお兄ちゃんになった。
  これで、安心してネットで本を購入できる。

 ③お気に入りのメーカーのおせんべいの
  割れせん(作業工程で割れたり欠けたりしたやつね)が出ていた。
  見かけは悪いが味は同じ。そして格安。


夫は、昨日の朝入院した。
検査の結果、かなりいろんな数値的に弱っているようだ。
治療に耐えられるか心配だが、なんとか乗り切ってほしい。
何も考えず、ゆっくりベッドの上で身体を休められるといいのだが、
担当している劇団の次回公演の演目を選ばねばならないという。
今日は今から、台本を数冊持って様子を見に行く。

活字を読む気力があるだけよしとしなければ。
私のほうは、こうして自分のブログの更新や、
皆さんのブログを読むことはできるし、
もちろん仕事の原稿もすらすら読めるのだが、
なぜか小説や新聞などが読めなくなった。
全く集中できないのだ。
楽しみにして買った松浦理恵子の新刊「犬身」も、
最初の数ページのところにしおりがはさまったままである。
困ったものだ。

先々のことをあれこれ心配しても仕方ないし、
過去の良かった時のことを思い出して懐かしんでいても仕方ない。
一日、一日、今日だけのことをしばらくは考えようと思う。


心の準備

2008年03月18日 | 日常
本日のいいこと3つ。

 ①夫のために朝炊いたお粥の塩加減がばっちり決まって、
  とても美味しいお粥になった。
  お粥の塩加減はむずかしく、いつもイマイチだったので嬉しかった。

 ②母が、次兄と一緒にお彼岸のお墓参りに行くことができた。
  しかも2ヶ所もまわった後、帰宅後洗濯物を取り込んだり、
  茶碗を洗ったり、元気に家事をしていた。
  ここまで回復できるとは、母自身も私達も思っていなかった。

 ③ちょっと遅いホワイトデイのお菓子をいただいた。
  桜をイメージした可愛いお菓子で、ほのぼのした気持ちになった。


入院の準備をし、足りない物を買い足した。
夫が不在のあいだの、事務所の経理について引き継ぎをした。
そういう準備をしながら、
私自身、夫が不在になる心の準備もしていた。

ここを読んでくれている友人から、
簡潔ながらも心強い、温かいメールをもらった。

私は他者に対して甘えベタなところがあった。
自分の弱さを見せられないというのと、
いったいどんな風に他者に頼っていいのか
その加減が分からないのだ。
そのためせっかく周囲の人たちから
「できることがあったら言って」とか
「なんでも言ってね」と言ってもらっても、
それに甘えるのを躊躇していた。

でも、もうそれはやめることにした。
幸い私の周囲の人たちは、とても私を気遣ってくれる。
今回は、それにどっぷり甘えることにした。
すでに、昨日から2人の友人に頼み事をした。
もちろん2人とも快く引きうけてくれた。ありがたい。

私に余力ができた時に、恩返しすればいいんだもの。

弱音も聞いてくれる人には吐いてみよう。
吐くだけ吐いたら、
あとはポジティブな考えに切り替えればいいだけのこと。

自分のかっこ悪さや、弱さや、情けなさを
受け入れてくれる人に上手に甘えてみることにした。
少しは変われるかな、私。





いいこと、わるいこと

2008年03月17日 | 日常
本日の良いこと3つ。

 ①たまりにたまっていた、古新聞と古雑誌。
  ようやくちり紙交換車とのタイミングがあって
  めでたく全部持って行ってもらった。
  専業主婦ではない人は、どうやって処理してるんだろう?
  時間があって家にいるときに、交換車が来ることはめったにない。

  
 ②体型の変化でファースナーすらあがらなくなっていた、スカート。
  今日試しにはいてみたら、ファースナーがするするあがり、
  ホックもボタンもすんなりかけられた。
  
 ③明後日から夫は入院することになったが、
  ベッドがあいていてこちらもすんなり手続きがすすんだ。


というわけで、夫は水曜日から
1ヶ月から1ヶ月半の入院となった。
抗ガン剤治療の後、退院して放射線治療をする。


明日以降も、その日のいいこと3つを探し続けられますようにと、
自分の内なる神様に祈っている私がいる。

おだやかな日曜日

2008年03月16日 | 日常
昨日のいいこと3つ。

① 夫の知人から、トマトリキュールというのをいただいた。
  炭酸水で割って飲むと爽やかで美味しいらしい。
  初めてのものを試す楽しみができた。

② デイサービスに行くのを最初は負担に思っていた母が随分慣れて、
  表情も明るくなった。
  痩せていることを指摘されるのをとても嫌がっていたのが、
  昨日は「あら、でも太って不健康よりましですよ。おほほ。」
  と、笑って反論までしたらしい。
  お友達も少しづつ出来てきたようで、ほっとした。

③ とてもいいお天気だったので、かねてから洗いたいと思っていた、
  ソファカバーをきれいに洗って干して乾かせた。すっきり!


本日のいいこと3つ。


① 時間がたくさんあったので、忙しくなりそうな来週のために、 
  椎茸と昆布の佃煮、牛蒡の含め煮、こんにゃくの金平、煮豆、ひじき煮物、
  などを作り置きした。どれも美味しくできた。

② 家族全員が思い思いの場所で昼寝した。静かな日曜の昼下がり。
  私はリビングのソファの上。ここが一番特等席だと思う。

③ 必要なものをドラッグストアに買いに行ったら、
  そのほぼ全てが特売になっていた。ラッキー。

明日は、夫のCT検査。
体調は残念ながらあまりよくない。
今日はほぼ一日横になっていた。
夕飯はとうとうお粥少々とお味噌汁だけしか食べられなかった。
お腹をこわしたり、便秘したり、安定しない。

検査結果が出て、治療が始まればきっと良くなる!
そう信じるしかない。



大丈夫。平気、平気。

2008年03月15日 | 日常
昨日のいいこと3つ。

 ①ホワイトデーで美味しそうなお菓子をたくさんいただいた。
  食べたことのないものばかり。

 ②なくしたと思っていた、お気に入りの名刺入れが
  思いがけずカゴの下のほうから出てきた。

 ③仕事でどぎつい大阪のおばちゃん風のCMナレーション録りをしたら、
  その場にたちあっていたクライアント、代理店、その他関係者全員が、
  私の一声でみんな満足そうな笑顔になった。
  仕事は、人に喜んでもらえるのが一番うれしい。


夫はここ1週間ほど、食欲がほとんどなくなり、
お腹が張って苦しそうだった。
本来は4月のあたまに、精密検査をして、
5月か6月に副作用のほとんどない抗ガン剤治療をする予定だったが、
あまりの体調の悪さに耐えかねて、
昨日予約なしで病院に行った。

すぐ胃カメラで検査をしたが、胃のほうは何も問題はなかった。
触診で、腸のほうに残っているガン細胞が
大きくなったか、増えたかしたようだと言われた。
月曜日に、CT検査をして、その結果を見て治療方針を決めることになった。

どうも、予定していた抗ガン剤だけでは効き目が弱いようだ。
放射線治療になるか、副作用を覚悟の上で強い抗ガン剤治療をするのか、
今の段階では分からない。
放射線治療も、副作用はいろいろあるようだ。
入院になるのか、通院治療になるのかも分からない。
引きうけてある仕事をどの程度こなせるのか、
日常生活にどれほど支障があるのか、
治療の効き目はどれほどなのかも分からない。

分からないことをあれこれ想像して
心配したり、嘆いたりしてはダメだと言うことだけは分かっている。
治療の方法がないわけではないのだし。


ただ、いつもは
「ぼくは必ず治る。元気になる。」と言っていた夫が、
「ぼくにはもうあまり時間がない。」
とよく口にするようになった。

娘に
「お母さんは、ぼくが死んだらやっと、
  いかに自分が大事にされていたかが分かるはずだ」
とも言っていたという。

夫のそんな言葉を聞くと、私まで弱気になってしまう。

今も夫は、倦怠感で起き上がれずに横になっている。

大丈夫。大丈夫。
平気、平気。

何度も何度も言ってみる。




いいことを3つ探す

2008年03月13日 | 日常
本日は、しんどいこと辛いこと、いやなことのてんこもりだった。
仕事も、夫との関係も今日は最悪だった。
夫の体調がかんばしくなく、定期検診を待たずに、
急遽明日診察を受けることになった。
そんな夫を気遣えず、逆に口論をしてしまった。
ずしんと胸が痛む。

で、こんな日はとにかくなんとかその中でも良かったこと、
嬉しかったことなどポジティブなことを探して、
思い出してから寝ることにする。

以前、Lady Eさんがこんなことをご自身のブログで書いていたので、
見習おうと思っている。

その① 婦人科の定期検診で、
    イソフラボンのサプリメントの効果のためか、
    動脈硬化の検査結果とコレステロール値が
    とても健康な状態になっていたこと。
    
その② ものすごくしんどい仕事で、クライアントの態度で
    不愉快な思いももたくさんしたが、
    担当のディレクターが私好みの素敵な大人の男性だったこと。
    そして終了後、私の仕事ぶりをほめてくれたこと。

その③ 予定した時間に仕事が終わらず、
    食事を作る元気もなかったので、
    閉店間際のデパ地下に駆け込んだら、
    美味しい店の品物がみな投げ売り価格になっていて、
    思ったよりたくさん種類を買えたこと。

お、結構いいことあったじゃん。
お風呂にもゆっくり浸かったし、
これから先日しこたまレンタルショップで借りてきて、
携帯の中にとりこんでおいた
お気に入りの曲を聴いてぼんやりすることにした。

明日の仕事は、午後7時にCM録りと、
8時から10時まで番組のナレーション録りと、
夜に集中している。

くよくよしている場合ではない。
きっと、明日はいいことがあるはずだ。
そうに決まっている。





身体に良さげな総菜

2008年03月12日 | 料理
仕事で、久々に腹にすえかねることがあった。
ここに書いて、すっきりしようかと思ったが、
書くことで腹がたったことをまた改めて思い出すことになる。

書いてすっきりというよりも、新たに怒りを増幅させそうなので、
『大人の働く女』の私は(←つっこんでいいよ・笑)
きれいにすっぱり忘れることにした。

そのさなかにいる時は、
「これ、絶対今日のブログのネタにしよう」
という思いだけに支えられて仕事をこなした。
それはそれで、怒りを原動力にかえられて良かった。

ということで、本日のブログネタを他に考えていなかった。

で、以前に作った料理を紹介することにした。



夫が、マクロビオティックの料理本を
勝手にネットで一挙に3冊も注文しよった。
私は私で、普段から身体に良さげなお総菜を作っているつもりなのだが、
まだ足りないというのか。
と、届いた当初はほんの少しイラっとした。
「いいよ、お前が作りたくないんなら僕が作ってみるから」
などと夫は言い、一番簡単そうな青菜の番茶しゃぶしゃぶを作ったきり、
夫はページを開きもしない。

で、結局私が少しづつ挑戦しはじめている。

ここ数年、ついついだしは市販のだしの素や、
めんつゆに頼っていた。
たまに気が向いた時にだけ丁寧にだしをとる程度だった。
それを、きちんとマクロビオティックの本のとおり、
干し椎茸と昆布、または昆布のみのだしをとることにした。
使った昆布と椎茸は貯めておいてある程度の量になったら佃煮にする。
マクロビオティック的には砂糖はNGだそうだが、
どうもそれでは口に合わなかったため、
佃煮に関してはいつもの自分の好みの味で炊く。

で、その丁寧にとっただしを使った料理2品。



高野豆腐のピーナツ揚げである。
隣りのサラダの見栄えが悪いのはこの際目をつぶっていただきたい。
時間がなくて、大雑把に盛りつけしたのを撮った。

もどした高野豆腐を、そのだしに軽く味付けをして煮る。
冷めたら軽くしぼって、ピーナツ衣をつけて中温で揚げる。
香ばしくて美味しかった。
私は本格的なマクロビオティックをするつもりはないので、
味付けや材料に関しては、本のとおりではないが、
かなり歩み寄って作ってみた。



で、これが蓮根団子のスープ。
蓮根と人参は皮をむかずにすりおろす。
塩で味付けし、小麦粉をいれまぜて、
中温で揚げる。

干し椎茸と昆布のだしに、白菜ともどした干し椎茸をいれ、
塩と醤油で味付けて煮る。
最後に蓮根団子をいれて、あさつきを散らして完成。

蓮根団子がもちもちして美味しかった。
肉団子に負けない勢いだった。

しかし、ぶっちゃけ手がかかるものが多い。
電子レンジを使うのも、NGらしい。
なんで~、便利なのに~。
と、思うが仕方がないので
玄米ご飯の温めは、蒸し器でする。

あまりがちがちになると続かないので、
やれるところからやっている。
で、やれないときや時間がないとき、
味をみて口に合わないときは、
自己流にしてとりいれている。
本格的に作っている人から見たら、
つっこみ処満載だと思うが、
とりあえずやってみることが大事だと言い訳している。





舞台サイズにおさまりきれない男の話

2008年03月09日 | 夫ネタ
先日、夫がエキストラ出演する歌劇「カルメン」の舞台を
娘と一緒に観てきた。
メインキャストを東京から招き、
重要な脇役はオーディションで選び、
その他は地元の合唱団の老若男女で構成し、
舞台美術や衣装、キャストのヘアメイクなどは、
地元の学生達が参加して造りあげたものである。

夫はもちろん歌えないので、
動く装置としての役割との認識で参加した。

夫にふられた役は煙草工場の前にいる「オレンジ売り」と、
酒場の「ギター弾き」と、
闘牛場前で観客を整理する警官役である。

正直な話し、夫の舞台での活躍には全く期待していなかった。
だって、土俵が違う。
メインキャストの邪魔をしないように、
衣装をつけて舞台空間を埋めることに専念するのが仕事だ。

しかし、夫は自分の役を私達に説明するのに、
「情熱のオレンジ売り」とか
「さすらいのギター弾き」とか
「厳格な警官」などといちいち余計な枕詞をつけていた。

なんだ、その情熱のオレンジ売りって。
さすらいのって、なんなんだ。
私は一抹の不安がはしった。

で、幕が上がると、その不安は的中した。
舞台のはじで、やたら大きなアクションで
オレンジを売って売って売りまくる
身体の大きなスキンヘッドを発見したからだ。
意識してかしないでかは知らないが、
ひんぱんにライトの当たっているエリアに入り、
高々とオレンジを持つ手をかざして、
周囲の人にアピールするおっさん。
スキンヘッドにライトがあたり、ぴかぴかと輝いている。

何もそんなに必死にオレンジを売らなくても…。
舞台前面で、キャストたちが唄い始めても、
上手花道から主役のカルメンが登場しても、
私と娘の視線は、舞台の隅で
情熱的にオレンジを売りまくるおっさんに釘付けであった。
よくあれで、演出家に「ワル目立ちするからやめてください」と
言われなかったものだと、
娘と手をとりあって心配する私。

しばらくしてオレンジ売りが舞台を去ってくれたおかげで、
ようやく私達母娘は舞台に集中することができた。

休憩をはさんで2幕。
酒場のシーンの幕が上がると、
またまた私と娘は後ろにのけぞった。
舞台中央、カルメンの横にぴったりついて、
背中に哀愁を漂わせつつ
ギターをかき鳴らす夫を発見したからだ。
ギターは本当に弾いていないのが客席にバレルと困るので、
終始後ろ向きで…との演出と聞いている。
夫は、その後ろ姿にムダに余計な哀愁を漂わせ、
「このギター弾き、何かあるんじゃなかろうか?」
と、思わせるほど存在をアピールしている。
あくまでメインは、カルメンなのだが、
これでは、もしかしてこのギター弾きが
後々ストーリーに大きくかかわってくるんじゃないか
ととれるほど背中で何かを語っている。
雄弁すぎる後ろ姿。
曲が盛り上がるにつれ、
ついにはイス立ち上がりギターをすごい勢いでかき鳴らす。
あとで聞いたら、後半は立ち上がって出来る限り派手にやってほしいと
演出家に言われたとのことだったが、
見ていた私と娘は「わ~~~っ、お父さんやっちまった!」感が強かった。

で、本人はそのさすらいのギター弾きのドラマを自分で造りあげ、
物語の中心で無言ながらも叫んでいるのだが、
残念ながら衣裳の帽子のサイズがあっていない。
頭の大きな夫のスキンヘッドにちょこなんと乗ったつば広の黒い帽子。
鬘の用意もしてもらってないため、
スキンヘッドの襟足が丸見えの後ろ姿。

格好つけても、ある意味滑稽なのである。

ギター弾きの短い出番が終わると、私はほっとした。

最終幕で、警官で出てきた時も、
ひとりきびきびと細かい小芝居をいれつつ、
舞台を縦横無尽に動きまわり、観客役の子供たちを整理している。
ちょっとはじっとしてたらどうなんだ。
私ははらはらして見守っていた。

娘は
「お父さんの芝居は昔から大きいと思っていたけど、
 近年ますます大きくなってきたよね。」
と、感想を述べる。
そういえば、以前東京の演出家に
「その演技は、キャパ150人の舞台では大きすぎるよ」
とダメ出しされたことがあった。
カルメンの舞台はキャパ2000人の舞台なのだが、
それでもおさまりきれていない。

いったい夫の芝居はどこでならちょうどいいんだろう。

「お父さんは、舞台が好きだから『水を得た魚』状態になってるんだよ」
と私がムリムリにフォローしたら
「う~ん、『水を得た魚』と言うよりも
 『陸にうちあげられた魚』が、びちびちと飛び跳ねてるかんじ?」
と、娘が言った。
なるほど。うまいこと言う。

テレビや映画の仕事でもいつも「芝居が大きい」とか
「ムダな小芝居をやめて」とか言われる夫。
派手なオペラでならそのその大きさがマッチするかと思ったのだが。

なんだか別の意味でハラハラドキドキした
カルメンだった。
ま、こんなに余計なことを考えつつ見てたのは
おそらく私達母娘だけだったと思うけどね。









プロ根性

2008年03月06日 | 仕事
今日、明日とやたら忙しい。
明日は朝6時半から、夜10時まで、仕事&観劇で留守にする。
というわけで、今日は仕事の合間を縫って、
今晩のおかずと、明日のための作り置きのおかずを準備していた。

いつものワカサギの南蛮漬け、
煮豆、椎茸の含め煮、ひじきの煮物、
里芋と薄揚げの味噌汁、キャベツとキュウリの即席漬け。

夕方の仕事へ行くぎりぎりまで、
台所であたふたし、着替えもせずに飛び出した。
クライアントのたちあいもないし、
慣れ親しんだスタジオでの収録なので
カジュアルスタイルでOKなのだ。

今日の仕事は、とってもオシャレな施設の
ものすご~くロマンチックなCMのナレーションだった。

私は、映像の仕事でのストライクゾーンがとても狭く、
元気、陽気、はつらつ、おちゃらけな主婦役がほとんどだ。
しかし、声の仕事となるとやたらその範囲は広い。
可愛いキャラクターものから、小動物、魔女、
色っぽいもの、かっちりと固いアナウンサー調、
市原悦子ばりの日本昔話風、
岸田今日子の「大奥」ナレーション風、
ほぼなんでもやる。

で、今日の仕事はその中でも特別よそ行き声で、
ロマンチックに語りかける内容だった。

原稿を受け取り、ブースに入る。
とっておきのイイ声を出そうとした瞬間のことである。
どこからともなく、生臭い匂いが漂ってきた。
狭くて窓もない締め切ったブースでは、
前に使っていた人の残り香を強く感じることがある。
しかし、これはいやに生々しい。
ロマンチックなムードに包まれようとしていた私は、
一気に所帯臭いムードに包まれた。
なんだ?この生臭さは?
匂いの元を、辿ったらそれは自分だった……。

ワカサギと、玉葱をブレンドした匂いが、
私の指先から漂っていたのだ。
そして、揚げ物をしたそのままのセーターを着ているため、
身体からは天ぷら油の匂いまでしてくる。
かすかに、煮物の醤油くさい匂いまでするような気もする。

「美味しい定食、おふくろの味、○○屋!
 ××町に、オープン。食べに来てね。」
みたいなCMなら、ぴったりな状態の私だった。

ま、私も一応プロですから、
そんな所帯臭い臭いを漂わせながらも、
なんとかプロ根性を発揮して、
声だけはロマンチックムード満点な甘いささやき声を出して、
仕事をこなしたさ。

でも、香りって大事だわ。
仕事に行くぎりぎりまで台所に立つのは、
次回からは考えもんだとつくづく思った。

さて、明日は久しぶりの撮影の仕事。
これに関しても、語りたいことがたくさんあるので、
また記事にしたいと思います。

では、朝が早いのでもう寝ます!
皆さんのブログになかなか遊びに行けないのが寂しいけど、
土曜日あたりにゆっくりおじゃましたいと思います。

じゃがいも納豆お焼き

2008年03月05日 | 料理
最近のマイブーム。
じゃがいも納豆お焼き。
随分前、テレビで見たレシピ。




一人分はじゃがいも1個に納豆1パック。ニラまたはねぎ。
皮を剥いたじゃがいもをすりおろし、
そこへ納豆をいれ、醤油大さじ半分ほどをいれて混ぜる。
ニラを切ったのも混ぜる。
フライパンにごま油を温めて、
両面こんがり焼くだけ。
たったそれだけなのに、もっちもち。

酢醤油に胡麻油、からしで食べる。

この他に、長いもと蓮根をすりおろし、
みじんに刻んだ蓮根も混ぜ込み、
ごま油で焼いて、
醤油を塗って、かつおぶしをかけて食べるのも好き。

シンプルイズベスト。