照射灯の沖に標柱が見える
照射灯が照らす麦瀬にある標柱
松ヶ鼻由来の碑
松ヶ鼻麦瀬照射灯は、白色塔形のコンクリート造の照射灯で、
頂部までの高さが10.5m、平均水面から灯火までの高さは14.74mとなっている。
灯質は不動白光で照射灯は松ヶ鼻の南方約180mの麦瀬上の標柱 ( 黒色柱形 )
平均水面からの高さ3.9mを照らす。
現用灯器はLMー30を使用。
初点は昭和60年3月18日となっている。
「 松ヶ鼻 」 の由来
壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落人で「蔵人行綱」という武将が、
薩摩から牛深の深海へと落ち延び、
後に、「蔵人神社」として祀られている。
一方、妙齢で美人の 「 松より姫 」 というお方が、
行綱の後を追ってこの岬にたどり着いた。
時は晩秋も暮れ。南西の方角、愛する人の待つ深海の方に、
まさに沈まんとする深紅の夕陽を見つめ、
姫の想いは募るばかりであった。
しかし、旅の疲れからか姫は病に倒れ無念の死を遂げてしまった。
しばらく時を経て、一隻の大きな帆船がこの岬に接岸した。
船には男衆に交じり一人の娘が乗っていた。
その娘が古木の根元近くを指差した場所を男たちが掘ってみると、一体の屍が現れた。
船頭の話によれば、蔵人神社を毎日清めているこの娘の夢枕に行綱が現れ、
「 最愛の人が大道というところに眠っているので、わしと一緒に祀ってくれぬか 」 と頼んだという。
それで、松より姫の遺骨は、娘たちの手によって深海の蔵人神社に納められたという。
死してなお二人の想いは絶えることなく、深い絆で結ばれていたのである。
この岬に立ち、夕陽が沈む深海の方角に向って愛する人を想えば、
その願いが叶えられるとも言われている。
松より姫の最期となったこの岬は、その後「松ヶ鼻」と呼ばれ、今に至っている。
松ヶ鼻へのアクセス
国道266号線沿いの大道中学校と上天草総合病院の中間にある峠付近が 「 松ヶ鼻 」 になる。
( 熊本県上天草市龍ヶ岳町松ヶ鼻 )