「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

熊本県上天草市 「 松ヶ鼻麦瀬 ( まつがはな むぎせ ) 照射灯 」

2012-06-25 21:30:06 | 熊本の灯台

















照射灯の沖に標柱が見える



























照射灯が照らす麦瀬にある標柱







松ヶ鼻由来の碑











松ヶ鼻麦瀬照射灯は、白色塔形のコンクリート造の照射灯で、
頂部までの高さが10.5m、平均水面から灯火までの高さは14.74mとなっている。
灯質は不動白光で照射灯は松ヶ鼻の南方約180mの麦瀬上の標柱 ( 黒色柱形 )
平均水面からの高さ3.9mを照らす。
現用灯器はLMー30を使用。
初点は昭和60年3月18日となっている。


「 松ヶ鼻 」 の由来


 壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落人で「蔵人行綱」という武将が、
薩摩から牛深の深海へと落ち延び、
後に、「蔵人神社」として祀られている。
 一方、妙齢で美人の 「 松より姫 」 というお方が、
行綱の後を追ってこの岬にたどり着いた。
時は晩秋も暮れ。南西の方角、愛する人の待つ深海の方に、
まさに沈まんとする深紅の夕陽を見つめ、
姫の想いは募るばかりであった。
しかし、旅の疲れからか姫は病に倒れ無念の死を遂げてしまった。

 しばらく時を経て、一隻の大きな帆船がこの岬に接岸した。
船には男衆に交じり一人の娘が乗っていた。
その娘が古木の根元近くを指差した場所を男たちが掘ってみると、一体の屍が現れた。
 船頭の話によれば、蔵人神社を毎日清めているこの娘の夢枕に行綱が現れ、
「 最愛の人が大道というところに眠っているので、わしと一緒に祀ってくれぬか 」 と頼んだという。
 それで、松より姫の遺骨は、娘たちの手によって深海の蔵人神社に納められたという。

 死してなお二人の想いは絶えることなく、深い絆で結ばれていたのである。
この岬に立ち、夕陽が沈む深海の方角に向って愛する人を想えば、
その願いが叶えられるとも言われている。
松より姫の最期となったこの岬は、その後「松ヶ鼻」と呼ばれ、今に至っている。


松ヶ鼻へのアクセス
国道266号線沿いの大道中学校と上天草総合病院の中間にある峠付近が 「 松ヶ鼻 」 になる。

( 熊本県上天草市龍ヶ岳町松ヶ鼻 )



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