笠松時代の予想紙
高松宮記念優勝時のパドック ( 中京競馬場にて )
「 天才野武士 」 オグリキャップ
東海公営で十二戦十勝 二着二回と
鳴り物入りで中央へ
初戦のペガサスは不安でいっぱいも
直線グーンと加速して
ラガーブラックを抜き去った
お世辞にも決して綺麗と言えない馬体は
まるでドブネズミみたいに汚れて見えた
荒削りながら闘志あふれる走りから
宮本武蔵を思わせる
ニュジーランドトロフィーで
鞭を持ち替えただけの反応は
天才的なものがある
それでいてクラシック未登録は
なんとも惜しい存在も
これがなかなか絵になって
天才野武士を作り出す
「 神話ふたたび 」 オグリキャップ
毎日王冠で
胸がつまるような激戦を演じた
オグリキャップ
将軍メジロアルダン
荒武者イナリワンと叩き合い
その渋太い走りは宮本武蔵の櫂のよう
力まかせにブッタ斬る凄まじいまでの闘志は
見ている者を魅了する
この日
西では京都大賞典を勝って名乗りを上げた
佐々木小次郎を思わせる
スーパークリーク
息の長いシャープな走りは
鞍上の武豊とマッチして
爽やかなイメージを醸し出す
同じ芦毛のタマモクロスと1、2着だった1988年 秋の天皇賞
「 白い天皇賞 」 タマモとオグリ
前を見ながら
そしてその速さを計りながら
自信を持って進んだオグリと河内
スタートをポンと出て
二番手につけた南井は
後ろから来る馬の音を聞きながら
気配をその背に感じながら進んだ
人気になった芦毛二頭の叩き合いは
直線 来るのを待って追ったタマモクロス
猛烈に追い上げその惰性で
一気に抜こうとするオグリキャップ
火の出るようなデッドヒートを演じた
史上まれにみるマッチレースは
ファンをうならせた
ここに天皇賞春秋連覇の馬あり
その名は おごることなかれ
タマモクロス
外国馬を相手に3着と健闘した1988年のジャパンカップ
ハイセイコーの増沢末夫が手綱を取った1990年 秋の天皇賞
引退レースの有馬記念で勝利したオグリキャップと武 豊
引退式のパドックにて
「 感動の美 」 オグリキャップ
想えば
涙したのは
悲しい馬ばかり
ハマノパレード
キシュウローレル
テンポイント
そして
サクラスターオーと・・・
だけどオグリは違う
いまオグリキャップは
悲しい涙ではなく
感動の涙を誘う
脈打つ感動をボクらに残して
ターフを去る
笠松時代の主戦騎手だった安藤勝己を背に笠松に凱旋したオグリキャップ
笠松から中央のチューリップ賞に参戦したオグリの妹オグリホワイト
種牡馬になったオグリキャップ
オグリキャップの初仔となったオグリワン
2010.7.4のスポーツ新聞には オグリの死を大きく報じた
父 ダンシングキャップ
母 ホワイトナルビー
生年月日 / 1985年3月27日
調教師 / 瀬戸口勉 (栗東)
馬主 / 近藤俊典
生産者 / 稲葉不奈男
産地 / 三石町
中央獲得賞金 / 88,830.0万円
地方獲得賞金 / 2,281.0万円
通算成績 / 32戦22勝 [22-6-1-3]
主な勝鞍 / 有馬記念(G1)
今夜10時25分からNHKのプロフェッショナルという番組で、
競走馬オグリキャップ 「 名馬の流儀 」 が放送される。
そのことを知って、急きょオグリキャップの写真を探したが、
あちこちのアルバムに紛れ込んでなかなか探し出せなくて、
以前出版した本に使用した写真などを使い回しにしたので、
サイズや色が釣り合わないと思うが、
そこのところは、ご了承願いたい。
中央初戦のペガサスステークスを観て、
とにかくその強さもだが、
宮本武蔵のような走りに心を鷲掴みにされてしまった。
ハイセイコーの時もそうだったが、
地方出身馬が中央競馬で勝ち続けることに、
地方出身者として勇気を貰った。
そして、魂の走りが多くのファンを魅了したオグリキャップだった。