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大学院授業「社会科授業研究」その3(2015.6.25)

2015-06-25 11:07:37 | 日記


こんにちは。
今日は、「社会科授業研究(大学院)」の報告です。
授業名は、「日本国憲法ランキング作り」です。(tは教員、sは生徒)

9:18 
t「クイズをだします」(国旗をホワイトボードに貼る)「アメリカが6回、中国6回・・・この数は何でしょうか?」
s「戦争の謝罪の回数」     
s「憲法改正の回数」
t「これは憲法改正の数です。ドイツは59回もやっています。日本は何回だと思いますか」
s「0回」「1回」
t「日本は一度も変えられていないのです。それはどうしてなのでしょうか?なぜ他国はこんなにかわっているのでしょうか?」

9:22
t「今日本では憲法改正の動きが起きていますけれど・・・。そこで、今日の課題は『21世紀に残したい条文はどれですか?』です。」(→ホワイトボードに課題を書き、プリント配布「日本国憲法ランキングシート」「日本国憲法」)




t「では4分とりますので、自分なりに考えて、ランキングシートに書いてください」
s(記入中)

9:30
t「いまから交流してもらいます。隣の人だけじゃなくて、全部の班のひとと交流してください。移動してやってください」
s(交流中)





9:37
t「では聞いてみましょう。これがもっとも大事だと思うものを発表してください」
s「25条です。これがあれば生活を維持できるからです」
s「11条です。基本的人権だと思います。侵すことのできない永久の権利というところがいいと思いました」
s「25条です。老後をよろしくお願いしたいです」
s「老後・・・(笑)」
s「11条です。将来を考えてもらえるのはいいです」
s「26条です。教育は大事です」
s「9条です。戦争したくないです」

9:48
t「いろいろ意見があってそれでいいですし、なにが大事なのかを決めるのはむずかしいです。こうやって考えることが大事だと思います」(おわり)

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「  」は観察者の発言、(   )は授業者の発言 

「やることがシンプルで、わかりやすかった」
「内容がおもしろかった。条文がむずかしいのではないか。実際生徒は理解できるかなと思った。変えたいことをきくのもおもしろいと思った」(迷ったが、変えるほうが難しいと思った)
「どの条文も大切だなとわかる。それで改憲回数が0・・・というつながりにしなくていいのか?」
(特に残したい条文は・・・などいろいろまよった。改正ありきになってしまうのはまずいと思った)
「じゃあ、日本国憲法はどうしてかわらなかったんだろう でよかったのではないか?」
(変えることがいいわけではないが、変えるという視点も与えたかった)
「なかなか変えにくいという性格もあるのではないか?」
(かえにくいからかえないのか、内容がいいからかえないのか)
「歴史の要素がない。何年にあったのか?とかいれないと歴史の要素がない」
(憲法そのものの始まり、大日本帝国憲法との歴史的なことを比較するなどアイディアがあった。イギリスの憲法との比較というアイディアもあった)
「回数は、参政権の関係でこうなったといったが、改正の重みが違うのではないか」
(中身にふれないと厳しいかもしれない)
「ドイツは憲法の範囲がひろく、日本でいう法律みたいなものが多い。だから変わることが多い。今回の授業では統治権、集団的安全保障など難しいことばは大丈夫かなと思った」


 改正の中身を検討しないで回数だけをあげると、改正しないのは世界からみたら遅れている、という考えになるのは危険だと思います。歴史の要素も薄かったかなと思いました。
 しかし、この授業はシンプルで25分間で行えますので、公民の授業で使えると思います。


 今日も来て下さってありがとうございました。

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