こんにちは。
昨日の授業「環境と人間セミナー」の報告です。
この授業は、一人40分で環境問題に関する本を紹介し、その内容について質疑応答、討論をしていくものです。
昨日は、SYK君が『森が消えれば海も死ぬ』(松永勝彦著)、SYA君が『イワシはどこへ消えたのか』(本田良一著)でした。
(イニシャルがSYで同じため、上記のようにしました)
学生たちのレジュメを簡単にまとめると、以下のようになります。
『森が消えれば海も死ぬ』
・川の上流に木を植えると、その木が栄養分を作る。それが川に流れ込み海にたどり着く。それをプランクトンがえさとして食べ、さらにそれを魚が食べる繁殖する。
・現在世界の森林面積の割合は平均で30%だが、日本は70%である。
・日本の森林面積は2500万ヘクタールで1966年頃からそれほどかわっていない。
SYK君は一方的な発表と言うよりも、授業みたいに発表しました。
学生にあてたり、意見を聞いたり、黒板に文字を書いたり、とても上手だったと思います。
ただ、時間がおしてしまったので、討論を深めることができなかったのは残念でした。
グラフや表を自分でさがしてきて、補足説明していたところはなかなかだなと思いました。
SYK君は、わたしがわからずにぽかーんとしていると、わかりやすく説明してくれました。
『イワシはどこへ消えたのか』
・日本近海では「魚種交代」がおこっている。
・具体的には、イワシが1988年をピークにしだいに獲れなくなってきた。イワシはチリからペルー沖でよくとれるようになった。
・その一方、サンマの漁獲量が日本では増えているという。
・大気ー海洋ー海洋生態系という地球の基本構造が数十年の周期で転換するらしい。これを「レジームシフト」という。
・つまり1988年頃にレジームシフトが起こったと考えられる。
・サンマは比較的暖かい海を好み、、イワシは水温が低い海を好む。このことから、1988年のレジームシフトは水温が上がるレジームシフトであった。
・実際に、沖縄では0.7-1.3℃、日本海中部では1.3-1.7℃も上がっているらしい。
・このレジームシフトは、数十年の周期で起こるとされているが、環境破壊によって次はどのような形でおこるかわからない。
(つまりイワシが戻ってこないかもしれない)
SYA君は、写真や地図、そしてを割り箸につけた魚の絵で、皆の興味をひく努力をしました。
さんまといわしの缶詰をもってきて、話の導入につかっていました。
「濃度の高いものは下に沈む」というときに、「コップに水を入れてそこにカルピスをいれたら沈みますよね」などわかりやすい説明でした。
わたしは環境問題については素人なので、「ふむふむ、なるほど」と聴き、学生とともに質問をしました。
「レジームシフトが起こらなくなってイワシが戻ってこないかもしれない」と言われたときに、「私は、イワシよりサンマでいいよ」とぽろっと言ってしまいました。
こんなちょっとずれた感じで授業が行われました。学生はまともな質問をしていました。
今日も来てくださってありがとうございました。