作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 地域統一通貨の難しさ 】

2013-03-21 13:13:11 | 04 時事ニュース

欧州の大半の国が統一通貨を持つユーロの発想が
でた時点で、国力の強弱がいずれ問題に成る予感は
あった。

この場合の国力とは、財政力であり、貿易力であるとも
言える。ドイツが圧倒的に強いとは、初めから分かっていた。

ボクは当時、銀行から盛んにデリバティブ商品の購入を
勧められており、ドイツマルクがユーロに参加すると決める
までは、頑として拒否していた。

マルクが最終的にユーロ参加と聞いた時も、その事実を確認
するのに時間を掛けた。

ドイツの輸出力は圧倒的に強力だ。それは日本の自動車市場
を見るだけで分かる。ベンツ・BMW・フォルクスワーゲンは
いずれも日本での市場を勝ち取った。

プジョー・シトロエン・フィアット等は、滅多に見ることはない。
同じく米国車も、日本が関税をゼロにして長いのに、あまり見ない。

販売力にかけても、また販売後のメンテナンスや、中古車市場の
整備などにも、ドイツ車は力を割いている。
米国車は、そこらの整備を考えないから、関税に関係なく、日本で
市場を奪えない。

自動車に限らず、機械類や工業製品などの面でも、ドイツ製品には
定評がある。ドイツはユーロに加盟しなくても、充分に強い通貨で、
あり続けたであろう。

それがユーロの一員となって、日本円の孤高高放置も重なり、日本が
輸出市場で中韓に脅かされる中を、ドイツはより有利なユーロが幸い
して更に輸出能力を発揮していった。

同一通貨を用いる地域の中に、こんな強力な国が現われたら、反面に
弱い国々が出てきて当然である。

キプロスという、人工80万人余の島国が、ユーロ圏に参加していたとは
今回の騒ぎで始めて知った。この島の帰属をめぐりギリシャとトルコ間で
紛争が長かった。ギリシャはユーロ圏入りを果たしたが、トルコは入れて
貰えない。イスラム教徒が多いから、キリスト教国連合のEUにも加盟が
許されない。なのにソ連時代の脅威に対抗するNATOはトルコの軍事力
を必要としている。勝手なものだ。

ギリシャの財政破綻が話題に成っているなと、思っていたら、キプロスに
飛び火して驚いた。キプロスの銀行金利が幾らか知らないが、預金者に
とって良い金利が得られるのであろう。

欧州中銀が、キプロス援助の条件に、預金額に対しての課税案は流石に
拒否された。ロシア人の預金もかなり有ったらしい。それが幸いした。

キプロスは、いずれ破綻するだろう。それはギリシャの破綻を招き、イタリア
やスペインといった、大国の破綻をも呼びかねない。欧州中銀は果たして
イタリア・スペインの銀行預金者にも、課税を求めえるだろうか。

アベノミクスの前途に、ユーロという厄介な黒雲が現われた。

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