作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 ハゲタカ (3) 】

2007-03-03 21:22:13 | 02 華麗な生活


「私の人生の折り返し点は、とっくに過ぎました。
しかし自分を偽りながら過ごすには、長すぎます」

「格好良いな。お前は何時も格好が良い。
だから駄目なんだ」

偽りながらは、他の言葉だったかも知れない。

こうして、悪徳重役の縛りから、やっと抜け出た
エリート銀行員が一人、銀行の出世コースから
離れた。
のみならず退職させられた。

辞表を出したからといって、悪徳に叛いた以上、
銀行には残れない。

ここにある銀行は、それが土建会社にも、他の業種
にも置き換えが出来る。

組織のため、会社のため。

この言葉一つで、悪徳が優秀な社員を一人づつ、
廃人同様に追いやるのだ。

最後まで残りえた者が、次の悪徳となる。

「この仕事が出来るのは、当行ではお前だけだ」

「お前が当行のエースだ」

「他に誰がいる。お前以外に人材はいない」

「それで、当行の名前が出ることはないな」

ドラマ「ハゲタカ」は、会社という名の組織の
恐ろしさを、見事に描ききっている。

                                 パパゲーノ



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【 腰痛治療日記 (12) 】

2007-03-03 18:24:05 | 08 腰痛治療日記


木曜日の「神経ブロック」注射もうまくいった。

そりゃ刺す場所が場所だから、ハリの痛みは
ハンパじゃない。

だけど、いくら痛いったって、鉛の溶けたのが
無理やり狭い血管に押し入ってきたり、大きな
ペンチで脚を捻りあげたりはしないから、まあ
我慢できる範囲内です。

これで3連敗の後の2連勝。

ここに通い始めてから、もう11ヶ月経った。
ボクに施されている注射液に、ステロイドは
入っていないという。昔は使ったことがある。
だけど今は使いません。

ステロイドは色んな病気に、それこそ劇的に効く。
効きはするが、なんたってホルモン剤だから、
副作用があって当たり前。

良い先生に当たって良かった。

なるべく歩きなさい。

そう言われて、なるべく歩いている。

週3回の透析通いに使っていたタクシー利用も
2月を限に辞めました。
自分で運転して通うことにした。

身障者一級になって10年経過。
今回初めて、駐車禁止除外のマークを貰った。

これで行動半径が大幅に拡がります。
まだ使っちゃいない。

近所の駐車場を見つけては、そこから歩く。
なるべく歩きなさいを実行しています。



                                   パパゲーノ


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【 透析生活10年目 (19) ボクの葬儀のやり方 】

2007-03-03 15:36:22 | 09 透析生活15年目


昨日の透析のベッドでの会話。
相手は婦長ともう一人のナース。
かなり真面目なハナシです。

ボクは婦長のことをママと呼ぶ。
最近ではナースたちもママと呼び出したみたい。
「ママに聞いてきましょうか」なんて使っている。

「ねえママ、ボクがここで死んだらどうなんの」

「救急車を呼びます」

「もう死んでいるのに、なんで救急車?」

「だって、ここじゃ看取れませんよ。一応一式
揃えてはあるけど」

「救急車で何処へ運ぶ」

「多分市民病院か、ひょっとしたら赤十字かな」

「そこで死亡確認をするわけ?」

「そうね、それまでは必至に心臓を動かそうと
努力を続けます」

「せっかく、もう死んでいるのに?」

「ところで、市民病院かどこかで、死亡の確認が
出来たら、後はどうすれば良い?」

「そこからは葬儀社の仕事でしょう」

「病院で棺おけに入れるのかな?」

「さあ、そのままご自宅に送るのじゃない」

「どんな格好で?」

「寝たままで、担架に乗せてじゃなかったかしら」

「寝たままじゃなくて、死んだままでだろう」

「葬儀社は、やっぱ必要なんだろうな」

「そりゃ必要でしょう。ご家族だけじゃ、どうにも
ならないわ。先ず市役所に届け出したり、お寺に
連絡したり、ご家族はもう大変よ」

「それを、なるべく大変にしないように、今聞いてん
だ。ボクは無宗教で弔って欲しいしな。寺の坊主なん
て、トンでもない」

「でも、お通夜の、たとえ密葬でも祭壇は要るし」

「最低のヤツでいいや、マンションの共用部分に
和室も洋室もあるから、あれを使わせてもらうよう、
今から頼んでおこう」

そうなんです。ボクは無宗教でこの世におさらばしたい。

どうしてもというなら神道だな。寄付してボクの名前の
石柱が建っている、二つの神社のうち、弓弦羽の方
はヨメさんが、えらいケバイから、あそこは避けて
本住吉の方がいいかも知れん。今度行って、葬儀
引き受けてくれるか聞いてみよう。

あらためて墓石なんか要らない。そのために神社の
境内に名前入りの石柱がある。

戒名なんてとんでもない。名前は生前も生後も一個
で良い。特にこの名前、気に入っているし。

なんたって、司馬遼太郎さんの記念館の中庭に、
銅版に名前が掘り込まれたのが建っている。
あんな立派な戒名は滅多にあるもんじゃない。

暫くしてから、友人知人集まってもらってモーツアルト
とベートーベンを主体にフェアウエル・コンサートを
やる。

立食にして水割りの一杯も飲んでもらう。写真も飾ら
ないし、献花もやらない。もちろん御供物の儀は固く
お断り。

坊主が現れたり、少しでも香の匂いがしたら、祟ってやる。

                                     パパゲーノ



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【 歴史エッセイ (54) 関ヶ原の謎が解ける 】

2007-03-03 13:30:18 | 05 歴史エッセイ


東西合わせて16万の大軍の勝負が
たった半日で決する。

そんな不思議な戦争に終わった影には、
如水の仕掛けがあったと思えば謎が解ける。

ただ一人のバカ者、小早川秀秋だけが、
如水の仕掛けを守れなかった。
意外なことに家康から鉄砲を打ち込まれ、
怖くなって動いてしまった。

吉川広家が、如水の指示に従って、
毛利軍を動かせないようにした。
長期にらみ合いに持ち込むために。

毛利輝元が大阪城から動かなかったのも然り。

上杉・佐竹の連合もまた然り。

前田が隣国丹羽と戦争ごっこでお茶を濁していた
のも、皆んな、如水の仕掛けを守っていたと思えば、
不思議がすべて、不思議でなくなる。

あらためて思う。
黒田長政は不肖の息子。
そして福島正則は、本当の阿呆。

                                                       パパゲーノ

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