Welt Online からエジルのインタヴュー記事です。
敗戦後二日目のインタヴューだそうですが、まだ心の傷も癒えないという時なのに、いろいろ意地の悪い質問されてます。そんなこと尋ねる前に、ご苦労様、お疲れ様の一言でも言えばいいのに!って思いました。
エジルも負けずに答えていますが、不快さが(顔は見えませんが)伝わってきました。
英訳はjenny jennkinsさん。
Mesut Özil - "We certainly weren't afraid"
エジル-もちろん恐れてなどいなかった
It was his picture of all things that symbolically stood for the misery of the german national team. Usually, Mesut Özil, 23, smiles. Not as wide as Lukas Podolski, but a shy, humble smile.
The picture, however, that many newspapers printed after the defeat by Italy shows Özil endlessly disappointed, his hand weakly raised in a last greeting at the departure.
ドイツ代表の痛みを象徴するのは、彼の写真だ。ポドルスキほどニコヤカにではないにしろ、エジルはたいていハニカんだ微笑みをみせている。
しかしイタリア戦後、多くの新聞に載ったエジルの写真は、永遠に続くのではないかと思えるほど失意に沈み、ピッチを去る時の挨拶も、弱々しく手を上げただけだった。
Welt am Sonntag: How big is your disappointment after two days?
Mesut Özil: As big as directly after the final whistle. We wanted to do a lot. And we had prepared the best way possible. It will take a long time till I'll be over this disappointment.
聞き手:
イタリア戦から2日経ちましたが敗戦の痛手から回復してきていますか?
エジル:
試合終了直後と変わりません。もっとやりたかった。準備も怠りなくしてきました。この失意から立ち直るには長い時間がかかりそうです。
Welt am Sonntag: How did you see the course of the game? Afterwards, people acted as if the Italians were the dominant team. Did you share the feeling on the field?
Özil: Football isn't figure skating. There's always an opponent who directly tries to destroy the game. We fought, but we gave a lot of chances away at the beginning. We were out of luck as well. And then the game totally developed in favor of the Italians. First chance, first goal. This can't be put down to their dominance, though, but to small mistakes. We had chances as well. That it looks weird at the end, when we run against them, and the opponent has the opportunity to counter attack, that's something different.
聞き手:
試合の経緯についてはどう見ましたか?試合後になって人々は、イタリアが支配した試合だったと言っていますが、同じように感じていますか?
エジル:
フットボールはフィギュア・スケートとは違います。いつも攻撃を仕掛けてくる相手がいる訳で戦いです。
僕たちは序盤に何度もチャンスを逃してしまいました。運もなかった。そして流れは完全にイタリア側にいきました。彼らは最初のチャンスで先制点を上げました。それは彼らが優勢だったからではなくて、小さなミスからでした。僕たちにもチャンスはありました。
試合終盤はなんだかヘンでした。僕たちが攻め上がっていくと、相手にはカウンター・アタックのチャンスとなってしまって、いつもと違いました。
Welt am Sonntag: What are the reasons for the defeat?
Özil: Like I already said: especially the course of the game spoke for the Italians. Small things decide on this level. And on this day the Italians didn't make any mistakes. We just have to recognize that on that day the opponent was better, and then we have to congratulate. That's part of the game as well. We can't expect to win every game. However, this doesn't mean that everything we did the last two years during the qualification and the EURO is bad.
聞き手:
敗因は何だったと思いますか?
エジル:
先程言ったように:試合の流れがイタリア側にありました。このレベルの試合では些細なことで勝負が決するんです。
この日、イタリアはミスを全く犯しませんでした。あの日はイタリアの方が良いプレーをした、と認めざるを得ません。そしておめでとう、と言わなければなりません。これも試合のうちですから。全ての試合に勝利することは期待出来ません。でもそれは、ボク達がこの2年予選と本戦でやってきたことが間違っていた、ということにはなりません。
Welt am Sonntag: The "Bild" newspaper writes about wussies against men. Was the german team too scared?
Özil: No, not at all. We fought till the end, we attacked during the second half, opened our defense on the risk of defeat. That's not being scared. That the Italians are more experienced and therefore play more sawy -- that's something different.
聞き手:
Bild紙が代表チームの意気地なさについて書いています。ドイツチームは怖がっていたところありますか?
エジル:
いいえ、全くありません。僕たちは最後まで戦い続けたし、後半は危険を冒してディフェンスを上げ、攻撃をしました。怖がっていた訳ではありません。イタリアは経験豊富なチームだから巧くプレーしました。--そこが僕たちとの差です。
Welt am Sonntag: Joachim Löw adapted his tactic to fit the opponent once more. Shouldn't a strong team like the german one not just play its game?
Özil: If it only were so simple. No team in the world can play on this level as if the opponent doesn't exist. You have to know how the other team plays and act accordingly in the semifinal of the EURO. Italy atuned their game to ours as well.
聞き手:
レーヴは相手に合せて戦略を変えてきました。ドイツのような強いチームは、それまで通りの試合をすべきだったのでは?
エジル:
そう単純だったらいいのですが。。。このレベルになると、あたかも相手が存在していないようにプレー出来るチームなんて、世界中探してもありません。相手チームがどういうプレーに出てくるか、見なければなりません。それに合わせて行動をとらないとなりません。イタリアもまた、僕たちのやり方に合わせて試合運びを調整してきました。
Welt am Sonntag: Another point of criticims is that the team lacks leading players. There's nobody who steps in and carries the team along in a defeat. Do you agree with that? Are there no chefs in the team?
Özil: That's way too simplistic. Who's a leading player anyway? Lampard? Van Bommel? Ribery? Where were they at the semifinals? There are now two teams in the finals who showed excellent team effort. We mustn't always look only at the result. We did win 15 games with the same team.
聞き手:
もう一つの批判はリーダー不在のチームだ、という点です。誰も役を買って出ず、そのままチームはズルズルと敗戦してしまいました。この件については、そう思いますか?チームにはリーダーがいないのでしょうか?
エジル:
それは単純化した言い方ですね。リーダー役のプレーヤーって一体誰のことですか?ランパードですか?ファン・ボメルですか?リべりーですか?準決勝の時彼らはどこにいたのでしょう?決勝戦に二つのチームが残りましたが、2チームとも素晴らしい ”チームとしてのパフォーマンス”を見せてきました。結果だけを見て話してはいけないと思います。僕たちは同じ仲間で15連勝してきたのですから。
(ランパードは出ていなかった・・かな^^)
Welt am Sonntag: What's the reason Germany was among the four best teams four times in a row, but never got the title?
Özil: Everything has to fit perfectly and you need luck to win the title. I'm against bad mouthing everything now: to be in the semifinal four times is an amazing feat. Of course we want to win titles, and we do everything for it. It's not that easy, though.
聞き手:
ドイツは大きな国際大会に4回連続で準決勝まで残りましたが一度もタイトルに手が届いていません。この理由は何だと思いますか?
エジル:
全てが完璧にピタッと合って、その上運にも恵まれて初めてタイトルに手が届くのでしょう。
今広がっている批判、扱き下ろしの全てにボクは反対します: 準決勝に4回進出は驚くべき成績です。もちろんタイトルを獲りたいし、そのためには何でもします。そう簡単なことではありませんが。
Welt am Sonntag: After the game, Joachim Löw was asked if he's stepping down. He denied, of course. How do you see that discussion?
Özil: Such a discussion because of a narrow result? We could have scored three times in the beginning. And now another coach is supposed to change that? Since I've been part of the team we get a lot of praise -- especially abroad. For many years. And now all of that is supposed to be wrong?
聞き手:
試合後レーヴは辞任するかを問われていました。彼はもちろん否定しましたが、この議論をどう思われますか?
エジル;
この結果だけでそんな議論が起こっているのですか?僕たちは序盤に3回スコアチャンスがありました。別の監督がこれを変えられるというのですか?僕が代表に入ってから、チームはずい分賞賛を浴びてきました--特に海外から何年にも渡って。
そして今、それらの賞賛は間違っていた、ということになるのですか?
Welt am Sonntag: The NT was completely shielded in its polish quarters. Is that really necessary?
Özil: That's not crucial. That's got nothing to do with if Pirlo saves on the line or not. When we go into the city and drink coffee, they're saying: They're drinking coffee -- but lose. We mustn't only look at the result. We had perfect conditions in Gdanks, were focused 100%. During all five games. But we didn't show our best performance during the 90 minutes against Italy -- and that's also due to the Italians.
聞き手:
ポーランドのキャンプ地では外部から完璧に遮断され保護されていましたね。あれは本当に必要でしたか?
エジル:
必要不可欠なことではなかったです。それはピルロがライン上でボールをセーヴしたのかどうか、とも関係ありません。
街中に滞在していた場合は、例えばコーヒーを飲みに街へ出たとします。で、彼らコーヒー飲みに行ったから負けたのだ・・・と書かれるでしょう。
結果だけみて語ってはダメです。僕たちのキャンプ地グダ二スクは環境がよくて、5試合の間、100%集中できました。
でもイタリア戦の90分間は僕たちベストのパフォーマンスを見せられませんでした。
Welt am Sonntag: Felix Magath said: "Who saw how fervent the Italians sang their anthem, those could fanthom the will." He says he missed that audible commitment, the devotion to give everything in the german team. Can you share that criticism?
Özil: With all due respect, but we gave everything. In all the matches.
聞き手:
フェリックス・マガトがこう言っていました。
『イタリア人選手達が彼らの国歌をどんなに熱意を込めて歌っていたかを見たでしょう。彼らの意志が計り知れました。ドイツチームには国歌に全てを込める、といった熱心さは聞こえてきませんでした。』
この批判には同調しますか?
エジル:
全てに然るべき敬意をこめて、出来ること全てをやり尽くしました。全ての試合においてです。
Welt am Sonntag: You've always said the win of the title is the goal. Was that phrased too offensive?
Özil: Another misunderstanding: We can't go to the EURO and say the semifinal is the goal. The title has to be our aspiration. However, everything can't fall apart if we don't reach that goal. Sports is like that -- you can't win everything.
聞き手:
タイトル獲得が目標である、ということに自信を持っていましたが、それが強い言葉すぎたのでは?
エジル:
それも誤解ですね。ユーロ出場が目標だとか、準決勝が目標だ、などとは言えませんよね。タイトル獲得こそが目標でなければならないし、そう言わなければ、。でもたとえ目指していたゴールに到達できなくても、全てが失敗だったということにはなりません。スポーツというのはそういうものでしょう。-いつも勝てる訳ではありません。
Welt am Sonntag: And your own performance?
Özil: No player can play perfect during all the games. I leave the assessment of my performance to others. I got more approval from abroad and from the coaches than from other sources. But to me it's important what the coaches say.
聞き手:
ご自分のパフォーマンスについてはどうでしたか?
エジル:
全ての試合にパーフェクト・プレー出来る選手など一人もいません。ボクの評価は評価する人に任せます。
海外から、そして監督たちからもっと大きな評価の言葉を受けています。自分にとっては監督たちが何と言っているか、の方が重要です。
Welt am Sonntag: In regards to the WM 2014: What does the team have to do to win the title?
Özil: The team did everything this time as well: We need that little bit of luck there and a bit more experience. But we're young.
聞き手:
ワールド・カップ2014についてですが、タイトルを目指すには、チームには何が必要でしょう?
エジル:
今大会でもチームは全力を尽くしました。僕たちに必要なものは、ほんの少しの運と経験です。僕たちは若いチームでした。
Welt am Sonntag: What are you going to do now? Vacation?
Özil: Yes. But vacation is something private, and I don't want to speak about it. I have a hard season behind me -- I'm looking forward to relax.
聞き手:
これからの予定は?休暇ですか?
エジル:
はい、でも休暇中はプライベートな事ですから、それについては話したくありません。厳しいシーズンを終えたところです--リラックス出来るのが楽しみです。
とはいえ、もうラス・ベガスでパパラッチされちゃってます(;)・・これ一枚だけにしておきます。
Welt am Sonntag: For which team are you crossing your fingers in the final? The Spains because you play in the Primera Division? Or the Italians, so Germany at least got kicked out of the tournament by the European champion?
Özil: Since I've been living in Spain for two years, and at lot of my teammates play for Spain, I'll cross my fingers for them.
聞き手:
決勝戦はどちらのチームを応援しますか?リーガ・エスパニョ―ラでプレーしているのでスペインですか?それともドイツをユーロから排除したイタリアですか?
エジル:
スペインに2年間住んでいて、たくさんの友人がスペインチームにいるので、もちろんスペインです。
(インタヴューここまで)
そしてチームメイト達は優勝杯を手にしましたね。おめでとう!(ハー・・・ため息)
エジルはフェイスブックで声援を送っていました。優勝後はきっと祝メール送ったのでしょう!
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ところで別記事で、またまたエジパパ・ムスタファの『エジル・プロジェクト』を知りました。
息子のエイジェントということで、ヘンな風にかき回すのは控えてほしいですね(ため息)。
でもムスタファ氏が前から訴えているように、ドイツ国内でのエジル報道は数が少なく、あるとすると『喫煙』とか『夜遊び』とかネガティブな報道が多い、という指摘は当たっているような。エジル自身もいつだったかそれを皮肉る発言をしていました。
また今回休暇中のラス・ベガスのプライベート写真を派手に伝えるのでしょうね(ため息)。
インタヴューもこんな思いやりのない形で読んでいてム、ム、ム、でした。
自国ドイツのプレーヤー達が頑張ってベストを尽くしたのに、まずは労うのが先でしょうにね。
自分がプレーした訳でもないのに、批判ばかりで、相手を苛立たせるような質問ばかりして。
エジルはよく耐えて答えています(感心)
なので最後にDFBテクニカル・ディレクター、マティアス・ザマー氏の言葉で自分を慰めておきます。
(独語→英語でテキトー訳です;)
We need to make sure that we encourage players who are a little bit different. We are doing that. You can see that in the examples of Mesut Ozil and Sami Khedira at Real Madrid. They are completely different in terms of the way they play but both of them have an unshakeable winning mentality.
Matthias Sammer, Technical Director of DFB (and 1996 UEFA European Footballer of the Year)
(Source: fifa.com)
違いを見せた選手達を力づける必要があります。私達はそれをやっています。レアルのメスト・エジルとサミ・ケディラに見られる勝利へのメンタリティがその例です。彼らはプレースタイルはお互い完全に異なるものですが、二人には揺らぐことのない勝利への執念がありました。
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イタリア戦敗戦後、フェイスブック更新されてます。
イタリアとの準決勝、ボク達は全力を尽くしたけれど、残念ながら十分じゃありませんでした。皆さんのサポートに感謝します。
メスト
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ユーロ決勝、結局優勝杯はスペインの手に再び渡りました。
ビジャ、プジョルがスタンド観戦していたというのに、この強さ(ため息)。
ともかく、皆さまおめでとう!!
どうしても敗者に目がいってしまいます。
バロテッリと
“Sono naturalizzato Italiano, ma di origini Ghanesi. Sono stato abbandonato da piccolo e adottato da due angeli. Soffro il razzismo ogni giorno. Sono il primo nero a indossare la maglia dell’Italia. Non sono arrabbiato, ma è solo che le esperienze che ho vissuto mi fanno agire in modo diverso da altre persone. Quindi, prova a imparare come sono prima di criticarmi. Io comunque mi sento italiano, amo l’Italia e giocherò sempre per la Nazionale Italiana.” Mario Balotelli.
“I am a naturalized Italian, but I’m from Ghana. I was abandoned by my parents when I was childe and adopted by two angels. I suffer with racism everyday. I am the first black to wear Italian shirt. I’m not angry, but my life experiences make me act differently from other people. Then, try to learn more about me before you criticize me. I feel Italian, only Italian, i love Italy and I will play only with Italian shirt.” Mario Balotelli.
『ボクはガーナ出身ですが、市民権を持ったイタリア人です。子供の頃両親に捨てられ、そして二人の天使のような人達の養子になりました。毎日毎日、人種的偏見に苦しみました。僕はイタリア代表のシャツを着た初めての黒人です。ボクは腹を立ててはいません。でも僕は自分の経験から、他のひととは違う行動をとってしまいます。それで、あなた達がボクを批判する前に、自分のことをもっと知ろうと努めています。
ボクはイタリア人だと、他でもないイタリア人だと感じています。イタリアが大好きです。イタリア代表のシャツだけを着てプレーするつもりです。』
(悪童などと呼ばれるバロテッり。そういう行動に走るには、それだけの理由がありそうです。)
ブッフォン・・・
決勝戦でも、目をとじて大きな声で国歌を歌う姿が印象的(笑)なんか可笑しみがあって緊張が緩みました。
バッジョの頃から聞き慣れているイタリア国歌は、勇ましい歌詞(意味は別として)で、大声で歌うのに適しているみたい。
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ユーロ2012最優秀選手は和み系イニエスタさんが選ばれてました。以下はベスト23に選ばれた面々。
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今月末にレアルに集合するまで、みんなそれぞれ休暇中。
思いっきりリラックスして、来季シーズンまで英気を養ってください!(ハメを外さない程度にね^^;)
来シーズン、この笑顔がたくさん見られますように!