大津日記 since 2004

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GSA大津克哉が送る愛と感動の現場日記

【まとめ】 第1回夏季ユースオリンピック大会@シンガポール

2010-08-23 | JOA (オリンピック関連)
今回IOCの新しい試みとしてスタートしたユースオリンピック大会について、ユース版「スポーツの祭典」をシンガポールで体験できるということであったが、日本では現地の盛り上がりがほとんど報道されていなかったように感じる。しかもYOGで重要な役割を担っている文化・教育プログラムについての活動状況は全く伝えられていない。ネームバリューのないこれからの選手を題材にすることは厳しく、結局のところ日本はトップ選手の勝ち負けしか興味がないということなのか・・・。

いくつかの国では選手を開幕から閉幕まで選手村に滞在させ、CEPに参加させるIOCの方針に難色を示していた。ゆえに必ずしもトップの選手が派遣されていない国もあろう。なぜなら、日本の例ではYOGがインターハイなど国内の主要大会と日程が重なり、各スポーツ競技団体(NF)に任されていた選手選考は困難だったということもある。YOGは、通常のオリンピック大会よりも競技に特化することなく、文化プログラムや教育目標とのバランスをとっている趣の異なる大会となっているわけであるが、では実際どれほどの選手がシンガポールに入る前の段階からオリンピズムやオリンピック・ムーブメントについて学習してきているのか事前教育の体制も疑問が残る。また、現地でも競技とCEPとの調整に課題が残る。実際、競技を控えている選手を各国の監督やコーチはCEPへの参加を勧めるだろうか。全選手が公平に参加できる方法も検討の余地がある。

さらに、選手たちが学習や交流をする際の語学の問題も今後の大きな課題として残るであろう。会場で表記されている言語以外の言葉を話す国からの参加者へのサポートが重要だ。出来る限りのサポートを講ずると組織委員会は言っていたものの、CEPに参加している日本人選手と会った際には、言葉が分からずCEPをあまり理解できていないのが残念だと漏らしていたのが気になった。ぜひとも今回参加した選手たちが自国に戻った際には、同世代のロールモデルとして活躍し、学んだことを伝えていく役割を期待している。おおむね大会は成功したようだが、このユースオリンピックの理念が浸透するにはまだ時間がかかりそうだ。

次回のユースオリンピックは、2012年に第1回冬季大会がインスブルック(オーストリア)で開催される。