小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて18年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

済生会

2024-06-04 06:02:54 | 小樽

整形外科でいつも受診している済生会病院だが、そもそも済生会ってどういう組織なのだろう。

恩賜財団というのだから、皇族になんか関係があるのかな。

漠然としていた疑問がHPを見ることで理解することができたので、以下、自分用メモとして。

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済生会の理念
済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立。
100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開。
403施設・435事業を運営し、64,000人が働く、日本最大の社会福祉法人。
全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組む。
40都道府県で、病院や診療所などの医療機関をはじめ、高齢者や障害者の支援、更生保護などにかかわる福祉施設を開設・運営。
巡回診療船「済生丸」が瀬戸内海の53島の診療活動に携わる。

済生会の三つの活動目標
■生活困窮者支援の積極的推進
済生会設立の目的は、生活に困っている人を医療で助けることです。
生活保護受給者をはじめ、経済的に困っている人の医療費を無料にしたり減額したりする「無料低額診療事業」を積極的に行っています。
令和4年度は延べ200万人が対象となりました。
済生会生活困窮者支援「なでしこプラン」を実施しています。
対象者をホームレスやDV被害者、刑務所出所者、外国人等へも広げ、訪問診療、健康診断、予防接種等を無料で行う事業で、令和4年度は延べ20万人に実施しました。事業名の「なでしこ」は本会の紋章に由来しています。
さらに、済生丸が離島を回って診療を行う瀬戸内海巡回診療など、離島やへき地での医療にも力を注いでいます。

■最新の医療で地域に貢献
済生会は、いのちの面から地域を支えます。最新の医療機器、高度な技術、手厚い看護。超急性期から亜急性期、慢性期・リハビリと段階に合わせて対応し、常に患者の立場に立った医療を提供します。災害時には地域を越えてスタッフを派遣。救命救急から慢性期、そして生活再建に向けた心のサポートまで、緊急時も段階に合わせた支援活動を展開しています。

■医療と福祉、切れ目なく
医療と福祉は密接な関係にあります。済生会は医療・保健・福祉を総合して提供できる団体です。全組織が連携し、施設・設備・人というすべての資源を動員して切れ目のない、シームレスなサービスを提供しています。
そして、高齢者や子どもたち、障害者が当たり前にその一員となり、共に生きる地域づくりに貢献します。

 

済生勅語とは
『済生勅語』とは、明治44年2月11日、桂太郎総理大臣を御前に召し、「医療を受けることができないで困っている人達に施薬救療の途を講ずるように」とのご趣旨で、ご下賜金150万円とともに明治天皇より賜った勅語のことです。

朕惟フニ世局ノ大勢ニ随ヒ國運ノ伸張ヲ要スルコト方ニ急ニシテ經濟ノ状況漸ニ革マリ人心動モスレハ其ノ歸向ヲ謬ラムトス政ヲ為ス者宜ク深ク此ニ鑒ミ倍々憂勤シテ業ヲ勸メ敎ヲ敦クシ以テ健全ノ發達ヲ遂ケシムヘシ若夫レ無告ノ竆民ニシテ醫藥給セス天壽ヲ終フルコト能ハサルハ朕カ最軫念シテ措カサル所ナリ乃チ施藥救療以テ濟生ノ道ヲ弘メムトス茲ニ内帑ノ金ヲ出タシ其ノ資ニ充テシム卿克ク朕カ意ヲ體シ宜キニ随ヒ之ヲ措置シ永ク衆庶ヲシテ頼ル所アラシメムコトヲ期セヨ

私が思うには、わが国は世界の大勢に対応して、国運の伸長を急務としてきた。経済情勢はようやく改まったが、国民の中には考え方を誤る者も出てきた。政治を預かる者は、動揺する人心を考慮して、これに十分な対策を講ずる必要がある。勧業と教育に意を用い、国民の健全な発展に尽力しなければならない。もし、国民の中に頼るべきところもなく、困窮して医薬品を手に入れることができず、天寿を全うできない者があるとすれば、それは私が最も心を痛めるところである。こうした人々に対し無償で医薬を提供することによって命を救う「済生」の活動を広く展開していきたい。その資金として皇室のお金を出すことにした。総理大臣はこの趣旨をよく理解して具体的な事業をおこし、国民が末永く頼れるところとしてもらいたい。

 

明治天皇は、「済生勅語」で救済する対象者を「無告の窮民」と例示しています。無告の窮民とは、極貧にあえいでいることを自分の代わりに誰かに訴えてくれる身寄りがいない人、つまり訴えるすべすら持たない困窮者と言う意味です。その人たちに目を向けよう、「済生」しようというのが勅語の主旨です。
当時はそのような極貧の人たちがたくさんいました。しかし、新憲法下、経済の発展に加えて社会保障制度が充実し、確かに一時、生活困窮者は減りました。そのため、「施薬救療」の精神を現代に生かしている無料低額診療制度はその重要性を失い、無料低額診療事業を存立の根幹としている済生会は危機を迎えました。しかし、さらに時代は進んで現在に至り、社会の困窮はその様相を変えながら、むしろ広がっています。
済生会は新しい貧困のかたちに対応した生活困窮者支援事業を「なでしこプラン」と名付け、平成22年度から実施しています。生活保護受給者にとどまらず、ホームレス、刑務所出所者、DV被害者、外国人、独り暮らしのお年寄り等、対象をすべての「末野の小草」(撫子)に広げて支援を続けています。

済生会は明治天皇の「済生勅語(さいせいちょくご)」に基づき創設されました。勅語は天皇陛下が口頭で公的に述べられるお考えです。現在で言えば「おことば」に当たりますが、当時、国権は天皇陛下にあり、勅語はそのまま国の方針となりました。社会に増えた生活困窮者である「無告の窮民」に無償で医療を行い、それによって生(いのち)を済(すく)おうというのです。そうした活動をする団体を設け、長く困窮者の寄る辺とするようにと時の桂太郎総理大臣に命じ、その資金の一部とするよう私的なお金を下賜されたのです。
桂総理は当初、名称を天皇陛下からいただいたという意味の「恩賜財団(おんしざいだん)済生会」としておうかがいしました。しかし、天皇陛下は「済生の事業は天皇と国民が一緒になって行うのだから、皇室だけが先行するような恩賜財団は適当ではない」と、お許しになりませんでした。桂総理はいったん下がって、後日、「恩賜財団済生会」と「恩賜財団」を小さく2行に分けて組み文字にし、目立たないように表記することでやっとお許しがありました。
「済生」の意味は中国の古典に由来します。「済」は「すくう」で、「生」は「いのち」です。そして「生」はその語通り「命」ですが、同時に「民草=国民」の意味もあります。さらに「繁栄」の意味も込められています。つまり、「生」とは「国民の生命と繁栄」をさすのだと伝えられています。
皇室には代々、施薬(無償で薬を施すこと)救療(無償で治療すること)によって国民を救済する伝統があります。古くは、聖徳太子が難波(大阪)に建立された四天王寺に併設の「施薬院」「療病院」「悲田院」があり、代々、医療のみならず常に民草の生活を案じて慈恵救済を行ってきました。明治天皇の「済生勅語」も、その伝統の流れにありますが、さらに明治期に日本に入ってきた「慈善」という西洋の考え方を取り入れたのではないでしょうか。皇室の伝統に加え、「済生」を国民全体の活動にしていきたいとのお考えがあったことが、この表記のエピソードからうかがわれます。
戦後、済生会は財団から社会福祉法人に変わりましたが、明治天皇のお志を決して忘れないようにと、「社会福祉法人恩賜財団済生会」を正式名称としています。

病院長あいさつ(HPより)

済生会小樽病院は急性期一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、重症心身障がい児(者)病棟からなる、総病床数378床の地域密着多機能病院です。
地域ニーズに特化した15診療科が急性期から回復期まで切れ目のない、一貫した医療を提供しています。中でも整形外科は、小樽・後志2次医療圏の運動器の外傷・救急医療、変性疾患、スポーツ障害の中心的存在です。消化器を専門としつつ、幅広い内科疾患を診る内科・消化器内科、認知症やパーキンソン病など様々な神経疾患を診る脳神経内科、がんや心不全の緩和医療を行う緩和ケア内科は当院の強みです。また、「みどりの里」は、重い障害を持つ方々の、治療と生活の場です。済生会小樽病院は医療・福祉・介護を一体的に提供し、街づくりにも寄与する、地域医療の最前線に立つ病院です。
 済生会は、近接する大型商業施設ウイングベイ小樽、行政、小樽商科大学などと連携し、障害を持つ方、社会的に弱い立場にある方を社会の一員として支えあう街づくり(済生会ウエルネスタウン構想)に取り組んでいます。病院内から移転した地域包括ケアセンターによる地域住民の生活支援、買い物リハビリをメニューに取り入れた新型ディサービス、商業施設内ウオーキングコースを利用した生活習慣改善プログラム、児童発達支援事業「キッズてらす」、就労継続支援事業「ぷりもぱっそ」、フードバンク、過疎地支援などの多種多彩な事業を展開しています。今年度中には保健所などの行政機関の移転も予定されており、福祉の街づくりという方向性がより明確になるのではと期待しています。
 本年、済生会小樽病院は創立100年という節目の年を迎えます。地域の皆様が真に求める医療を提供し、健康を守ると同時に、人口減・少子高齢化に悩む小樽の再生、活力のある街づくりに参画するのが済生会小樽病院の次の100年の使命と考えます。当院の理念は「かかって良かったと思う病院。働いて良かったと思う病院。地域と共に歩む病院。」です。理念のもと、最高の病院づくりを目指しスタッフ一同尽力して参ります。

令和6年4月

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端的で取組が分かりやすい。

 

以下、雑感

済生会は40都道府県で病院や福祉施設を運営しているが、北海道では小樽だけにあるのだなあ。

正式名称は、社会福祉法人恩賜財団済生会支部北海道済生会小樽病院。(ながっ)
今年、創立100年とは知らなかった。

手宮から築港に移転という大事業を断行し、築港地区で関係機関と連携しながらウエルネスタウン構想を実現する。
小樽の福祉・医療を切れ目なく支える、実行力のある組織という印象。
済生会のない小樽の医療体制なんて、もはや想像もできない。
小樽市にとっては、済生会様々なのかも。

 

ちなみに、社会福祉法人恩賜財団済生会の総裁は秋篠宮皇嗣殿下です。
ははーm(_ _)m