3月末で4校の小学校が閉校になり、それに伴い通学区域が変更となったため、新学期が始まる7日間、児童の通学安全の見守りを手分けして行った。
スクールゾーンの入口となる手押し信号が設置された某交差点を一週間自分も受け持つことになった。
腕章を付けアンパンマンの絵柄がついた黄色い旗を手に持って立っていると、行き交う車のドライバーは、一応こちらを見つけてスピードダウンする。
一定の効果はあるようだ。
春の交通安全運動の期間中でもあるせいか、パトカーが巡回し、「お疲れさまです」と通るたびにマイクを使って車の中から敬礼されると、ちょっと照れた。
初日は、「タグラグビーのコーチだ!」と言ってくれた子はいたが、ほとんどの子供たちは、
「なんだ、このおじさん」
と怪訝そうな視線を自分に投げつけていた。
それでもめげずに、「おはよーう!」とそこを通る小中学生全員に挨拶しようと決めた。
たぶんうざかったと思う。
うざがられても7日間だけなのだから、それでもいいと思った。
意識的に大きな声で「おはよーう!」と声をかけると、
「おはようございます」と声に出して返してくれる子、口だけ動いて視線を返してくれる子、うなずくだけの子、まったく無視の子、と反応は様々だ。
毎日子供たちに声をかけていると、3,4日目あたりから反応が変わってきた。
こっちが声をかける前に「おはようございます」と言ってくれる子が増え、うなずくだけだった子が声に出して挨拶を返してくれるようになり、完全無視だった子が目を合わせてくれるようになった。
こちらも調子にのってきて、ボタンを押して青信号に変わる少しの時間を利用して、「今日は寒いよね」とか「絵の具セットは重そうだなあ」とか「その格好はバド部でしょ」とか、と子供たちとのわずかな会話を楽しむようになった。
一人でうつむきがちに歩くあの子がそろそろ来るぞ。
小さな1年生の弟の手を引く中学生のあの娘、遅いな。
髪の濡れたいつも満面の笑顔のあの子、今日はギリギリじゃないか。
7時50分から8時20分までのわずか30分間。
それぞれの子供たちがいつころ通るのかもだんだんと分かってきた。
そして、だんだんと分かってきたと思ったら、7日目の朝が終わった。
昨日の朝は、通勤途中にあるその交差点の前を通らず、違うルートで職場に向かった。
どうして自分はその交差点を避けただろう。
はっきりと分からなかった理由が、寂しさと後ろめたさなのだと、今ごろになってやっと気づいた。
スクールゾーンの入口となる手押し信号が設置された某交差点を一週間自分も受け持つことになった。
腕章を付けアンパンマンの絵柄がついた黄色い旗を手に持って立っていると、行き交う車のドライバーは、一応こちらを見つけてスピードダウンする。
一定の効果はあるようだ。
春の交通安全運動の期間中でもあるせいか、パトカーが巡回し、「お疲れさまです」と通るたびにマイクを使って車の中から敬礼されると、ちょっと照れた。
初日は、「タグラグビーのコーチだ!」と言ってくれた子はいたが、ほとんどの子供たちは、
「なんだ、このおじさん」
と怪訝そうな視線を自分に投げつけていた。
それでもめげずに、「おはよーう!」とそこを通る小中学生全員に挨拶しようと決めた。
たぶんうざかったと思う。
うざがられても7日間だけなのだから、それでもいいと思った。
意識的に大きな声で「おはよーう!」と声をかけると、
「おはようございます」と声に出して返してくれる子、口だけ動いて視線を返してくれる子、うなずくだけの子、まったく無視の子、と反応は様々だ。
毎日子供たちに声をかけていると、3,4日目あたりから反応が変わってきた。
こっちが声をかける前に「おはようございます」と言ってくれる子が増え、うなずくだけだった子が声に出して挨拶を返してくれるようになり、完全無視だった子が目を合わせてくれるようになった。
こちらも調子にのってきて、ボタンを押して青信号に変わる少しの時間を利用して、「今日は寒いよね」とか「絵の具セットは重そうだなあ」とか「その格好はバド部でしょ」とか、と子供たちとのわずかな会話を楽しむようになった。
一人でうつむきがちに歩くあの子がそろそろ来るぞ。
小さな1年生の弟の手を引く中学生のあの娘、遅いな。
髪の濡れたいつも満面の笑顔のあの子、今日はギリギリじゃないか。
7時50分から8時20分までのわずか30分間。
それぞれの子供たちがいつころ通るのかもだんだんと分かってきた。
そして、だんだんと分かってきたと思ったら、7日目の朝が終わった。
昨日の朝は、通勤途中にあるその交差点の前を通らず、違うルートで職場に向かった。
どうして自分はその交差点を避けただろう。
はっきりと分からなかった理由が、寂しさと後ろめたさなのだと、今ごろになってやっと気づいた。