ピアノの先生とか、ミュージシャンとか、そういうお宅に調律に伺う機会もずい分増えてきました。
そんな中「どんな音がいいですか?」とたずねることもしばしば。
先方から言ってくることもありますが。
もちろん完璧にお応えできるわけでもないし、そう思ってもいませんが、なるべくご希望に副うように努力は続けています。結局それが上達への道ですし・・・
先日チェコのグランドピアノを調律しました。
数年前に日本に持ってきて、その後調律していなかったということです。
当然音は狂っていましたが、ヨーロッパらしいキラキラとした華やかな音が鳴るピアノでした。
ところが持ち主は、子供の頃からカワイの音に慣れていて、ベートーベンの単調のソナタが好きだからこういう華やかな音は好きじゃない。と言います。
そこでご期待に副うべく高次倍音はなるべく消して基音の低いところをなるべくずっしりと出すように調律しました。その他にもそうなるようにタッチも多少ですが調整してます。
調律が終わって自分で音のチェックをしたところ、「日本の音だ~!」と思わず自ら唸ってしまいました。(笑)
お客さまにも「日本の音になりました」と伝えて試し弾きしてもらったら「カワイの音になった!」といたく喜んでもらいました。
喜んでもらったのはとても光栄なんですが、調律師として内心ちょっと複雑な心境でした。。。何しろヨーロッパらしさを消してしまったので・・・
そのすぐ後日、今度はカワイのアップライトを使っている先生のお宅へ。
こちらは逆に「カワイの音は嫌いで、もっとカンカンいうくらいの音がいいです」とのリクエスト。
タッチもずい分重たくなっていて(昔ご自信が習っていたときのピアノの先生に「重いほうがいい」と言われて調整したらしい)、しかもそれがあまり良い調整ではなかったのでその辺もあわせて調整。
調律はチェコのグランドとは真逆に、高音のキラキラをなるべく出すように揃えていきました。
結果、ヨーロッパの音にはなりませんが(そもそもそういう成分がない)、ヤマハの音くらいにはなったと思います。
タッチも「軽くなった」と喜んでもらえたので、これも良かったです。
ジャズピアニストさんからは、「タッチをもっと重たく」とリクエストされました。
最初電話でお願いされたんですが、その時調律の作業中であまり手を離せなかったので「オモリを入れる作業でしたら工房を紹介します」と言ってしまいましたが、それはあくまで最後の手段なのでその日の夜に改めて謝罪をしつつ一度調整作業をさせてください。とお願いしました。
ヤマハのグランドで、決して軽くないし、どちらかというと既に重い感じがしましたが、整調でグッと弾き応えのあるタッチを目指しました。
音もドンと太く鳴るように調律しました。
一応納得してもらえて、それで様子を見てもらうことに。
また一番最近では、「音が金属的で硬いので、こもってもいいからもっと柔らかい音に」とリクエストされました。
ヤマハのグランドですが、前任者が諸事情で来られなくなってしまったため新規に頼まれました。
この方は毎年ちゃんと調律をしてましたが、割と調律師さんを探して変えていたようです。
記録を見ると過去の調律師さんも整調とか色々作業をしていたようです。
ところが、実際に作業を始めてみると、とにかく整調がバラバラ・・・
全部は出来ないので最初に感じた違和感を元に、優先順位をつけて何項目か調整しなおしました。
その後の調律は、キンキンしないようにも頭に入れつつですが、特に手を加えずノーマルな調律をしました。
それでも「こういう音が欲しかったんです!」と喜んでいただけました。
ちなみに本来のヤマハの音かな?と思います。
お断りしておきますが、ハンマーには手を加えてませんが整調を変えることによって弾き方も変わるのであわせて音も変わります。
ヨーロッパピアノがカワイの音になったのは、我ながら衝撃的でした(苦笑)が、これをきっかけにより音色に関心をもちながら調律をするようになったと思います。
これからもマイペースですが、楽しく精進していきたいものです。。。
そんな中「どんな音がいいですか?」とたずねることもしばしば。
先方から言ってくることもありますが。
もちろん完璧にお応えできるわけでもないし、そう思ってもいませんが、なるべくご希望に副うように努力は続けています。結局それが上達への道ですし・・・
先日チェコのグランドピアノを調律しました。
数年前に日本に持ってきて、その後調律していなかったということです。
当然音は狂っていましたが、ヨーロッパらしいキラキラとした華やかな音が鳴るピアノでした。
ところが持ち主は、子供の頃からカワイの音に慣れていて、ベートーベンの単調のソナタが好きだからこういう華やかな音は好きじゃない。と言います。
そこでご期待に副うべく高次倍音はなるべく消して基音の低いところをなるべくずっしりと出すように調律しました。その他にもそうなるようにタッチも多少ですが調整してます。
調律が終わって自分で音のチェックをしたところ、「日本の音だ~!」と思わず自ら唸ってしまいました。(笑)
お客さまにも「日本の音になりました」と伝えて試し弾きしてもらったら「カワイの音になった!」といたく喜んでもらいました。
喜んでもらったのはとても光栄なんですが、調律師として内心ちょっと複雑な心境でした。。。何しろヨーロッパらしさを消してしまったので・・・
そのすぐ後日、今度はカワイのアップライトを使っている先生のお宅へ。
こちらは逆に「カワイの音は嫌いで、もっとカンカンいうくらいの音がいいです」とのリクエスト。
タッチもずい分重たくなっていて(昔ご自信が習っていたときのピアノの先生に「重いほうがいい」と言われて調整したらしい)、しかもそれがあまり良い調整ではなかったのでその辺もあわせて調整。
調律はチェコのグランドとは真逆に、高音のキラキラをなるべく出すように揃えていきました。
結果、ヨーロッパの音にはなりませんが(そもそもそういう成分がない)、ヤマハの音くらいにはなったと思います。
タッチも「軽くなった」と喜んでもらえたので、これも良かったです。
ジャズピアニストさんからは、「タッチをもっと重たく」とリクエストされました。
最初電話でお願いされたんですが、その時調律の作業中であまり手を離せなかったので「オモリを入れる作業でしたら工房を紹介します」と言ってしまいましたが、それはあくまで最後の手段なのでその日の夜に改めて謝罪をしつつ一度調整作業をさせてください。とお願いしました。
ヤマハのグランドで、決して軽くないし、どちらかというと既に重い感じがしましたが、整調でグッと弾き応えのあるタッチを目指しました。
音もドンと太く鳴るように調律しました。
一応納得してもらえて、それで様子を見てもらうことに。
また一番最近では、「音が金属的で硬いので、こもってもいいからもっと柔らかい音に」とリクエストされました。
ヤマハのグランドですが、前任者が諸事情で来られなくなってしまったため新規に頼まれました。
この方は毎年ちゃんと調律をしてましたが、割と調律師さんを探して変えていたようです。
記録を見ると過去の調律師さんも整調とか色々作業をしていたようです。
ところが、実際に作業を始めてみると、とにかく整調がバラバラ・・・
全部は出来ないので最初に感じた違和感を元に、優先順位をつけて何項目か調整しなおしました。
その後の調律は、キンキンしないようにも頭に入れつつですが、特に手を加えずノーマルな調律をしました。
それでも「こういう音が欲しかったんです!」と喜んでいただけました。
ちなみに本来のヤマハの音かな?と思います。
お断りしておきますが、ハンマーには手を加えてませんが整調を変えることによって弾き方も変わるのであわせて音も変わります。
ヨーロッパピアノがカワイの音になったのは、我ながら衝撃的でした(苦笑)が、これをきっかけにより音色に関心をもちながら調律をするようになったと思います。
これからもマイペースですが、楽しく精進していきたいものです。。。
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