おんらく館~のこぎりものには福がある~

のんびり・ぼちぼち・気の向くままに・・・

二級合格

2016-03-30 | 調律
昨年、日本ピアノ調律師検定の2級を受検しました。

実は3年前に1度受けていたのですが、調律でおっこってました。。。(^^;)
こんなんでいいだろう、とやってしまったら、点数が足らなかった。。。

一昨年は受ける気が起こらず放置しましたが、昨年、学科の再試験免除が最後の年となり一念発起して再チャレンジすることにしました。

調律は慎重にやったので大丈夫な手応えがあったんですが、実は張弦で失敗してしまい落ちたと思ってました。
アグラフという穴に通し忘れ、残り5分を切ったところでやり直したんですが、巻き回転がちょっと短くなってしまったのでした。

ところが最近結果通知が来まして、ありがたいことに合格してました。
数科目の試験があって、合格ラインが70点。どれかひとつでもそれを下回ると不合格となります。



もう受けなおしたくなかったので、本当にホッとしました。

1級は実技を浜松まで行かなければならず、受ける気さらさらなかったんですが、気が楽になったのでそのうち挑戦してみようかな?(笑)


ついでに、登録している調律師派遣サイトで、人気ランキング全国2位までいきました!



まあこちらは変動が激しい上に、1位の人が不動なので、2位キープも難しいでしょうけど、確実にご依頼も増えているので、気負わずに喜んでもらえる調律を続けていきたいと思います。(^^)








サイレントの修理

2016-03-28 | 調律
調律依頼のお客様から「ソの音がでない」と報告をいただきました。



アクションの不具合かな?と思ったんですが、話を聞いてみると

「サイレントの機械を取り付けていて、サイレントの状態にしたときに鳴りません」

とのこと。



うーん、これは電子部品の問題になってくるので「直せないと思いますよ」と伝える。



それでも「調律も必要だから」と呼んでいただいた。







実は、それまでサイレンともピアノの(弦を叩く)音だと思ってらしたので、上前板と鍵盤を何個か外して、サイレントの仕組みを説明しました。



で、そのとき鳴らない「ソ」の音のセンサーを見てみると、紙くずが間に入っているのが分かりました。



これはひょっとすると?と思い、ピンセットでその紙くずをつまんで取ったら、なんと直りました!



配線や回路の問題だったらお手上げでしたけど、こんなこともあるんですね!(^_^)



まずは直ってよかった!!








オルガン修理

2016-03-25 | 調律
実家に届いたオルガンの修理をしてみました。



製造番号は8055でした。

何年製だかわかる人いますか?


基本的にはオルガンは素人なのでお世話になっている工房に、オルガン修理の紹介をお願いしたんですが「自分でやりなよー」とあっさり言われてしまいました。(笑)


というわけで、挑戦してみることに!



とはいえ、どう手をつけていいのかわからないので、とりあえずできる限りに分解してみました。




鍵盤部分がごっそり取れました!


外れた鍵盤部分






そして、この外れたパーツをよく観察した結果、ここまで外したのは全く無意味だったことが判明!(苦笑)


また元に戻します。。。



再び組みなおして、ボタンをひとつずつ入れながら、音の出る出ないを確認します。


電話で問い合わせたとき「だいたいリードに埃が詰まってるケースがほとんどだから」と言われましたが、埃はありませんでした。

そうではなく、微妙にゆがんでいたので、そのバランスを直します。といっても勘ですが・・・


リード





おかげで運よくすべてのキーが鳴るようになりました。


といっても4本どうにも鳴らないキーもあるんですが、違うボタンを入れると同じリードの音だと思われるのにそちらは鳴る。ちょっと意味がわかりません。。。(^_^;)


もしどこかで情報を入手できたら、再度チャレンジしてみようと思います。

見方も分かったし!





古いオルガン

2016-03-22 | 日常
実家に行ってきました。

その近くの公園では、桜がもうそれなりに咲いていました。
満開ももうすぐですね。


さて、実家に行ったわけですが、最近祖父母の家から古いオルガンを引き上げてきたのでした。



曾祖母が子供のころに買ってもらったものだそうで、それが正しければ明治30年代ごろのオルガンになります!

鍵盤蓋を開けるとこんな感じ。


なんとヤマハ製です。



ボタンによっていくつか鳴らない音がありますが、おそらくリードの問題だけだと思うので、今度中を見て修理してみたいと思います。

それにしても、電子オルガンと違って、温かみのあるいい音です!




音響セミナー

2016-03-08 | 音楽・イベント
先週の金曜日の話ですが、「演奏家×音響」セミナーというものに行ってきました。

正月に知り合ったピアニストさんからのお誘いでしたが、演奏用に作られた空間にて、残響を変化させながらその音を聴き比べようという企画です。

ピアニストは上記の工藤さん。

ロシアで学んだということもあり、まずはムソルグスキーの展覧会の絵から「キエフの大門」の部分を何度も演奏してくれました。

ピアノの屋根を全開。同じく半開。
それぞれの状態で、客席でコートをひざに乗せた状態。更に吸音用の布をかけた状態。更に布とコートを回収した状態。

12畳ほどだけど天井はとても高い空間で、カワイのグランドを囲むように1階と2階に並んで鑑賞しました。


最初、始まる前に工藤さんに軽く弾いてもらって、1階と2階の差を聴かせてもらったので、場所によってだいぶ印象が変わることが事前に分りました。
自分は2階に座りました。こちらの方が聴きやすかったので。


それを差し引いても、変化の大きさに驚き、またそれが大変面白かったです。

タイトルでは「残響」とのみうたってますが、実際には倍音構成が変わってくるので、音色、音質を含めた印象の変化の方が大きかったです。


「調律師さんとして、感想を言ってくださいね」と事前に言われていたこともあり、その辺は遠慮なく陳べさせていただきましたが、その際に追加の実験提案もさせてもらいました。

吸音用の布を、全部ピアノの下に置いてもらう、ということです。


実は、リハのときにカーペットを1枚敷いてみたそうですが、その際には変化を感じなかったそうです。

しかし、布を大量に敷くと、やはり変化は大きくて、会場にいる全員がその違いに驚きました。


提案した僕はといえば、これもまた音質の変化に驚きました。

ペラペラとしたすごく安っぽいピアノの音になったんです。(笑)

違う見方をすれば、色んな方向に音をコントロールする可能性があるということではないでしょうか?

この実験では、1階に座ってる人からは、「布を敷いたほうが良い音だった」という感想が陳べられましたが、これも間違ってはいないと思います。
ノーマルの状態では、雑味もかなりダイレクトに飛んできて耳が痛いくらいの状態だったので。。。




そんな中でも一番驚いたのが、「アンク」という音響装置。
先頭の写真がそれですが、ようは直径が様々な木の丸棒を立てただけのものです。高さは2メートルほどです。

これは、細い棒は高い音、太い棒は低い音に対して、部屋のあちこちにランダムに拡散させる役割を持っているそうです。


過去にもこれを見たことはありましたが、具体的な用途も何も知りませんでした。
また、この説明を聞いたときも、「それでどれだけ効果があるっていうの?」と半信半疑でした。

今回、アンクは写真のものと、反対側にもう少し小型のものが2本。合計3本がありました。

まず最初に写真のものに布をかぶせ、小型のものは扉の外へ出して、「ない」状態で演奏。

なんともマットな感じで、表情の薄い印象になりましたが、再びアンクを並べた状態で弾いてもらうと、なんともブリリアント!(笑)
華やかできらびやかな音になりました!!

この日一番の衝撃でした。(^^)


その後、普通に2曲ほど通しで演奏もしてもらい、セミナーは終了。
工藤さんのピアノも、とても素敵で好きな音でした。


更に終演後は(会場ほとんどが音楽関係者だったようで)、あちこちで盛り上がっていました。

そんな中、キャスターの向きによる違い、という実験をしてみました。


キャスターを外向きのハの字に置く「杵淵式」。
その180度逆の内側向こう向き。
内股の「斉藤式」の3種類。

セミナー中は「杵淵式」で弾いてました。実は開演前に僕が許可をもらってそうしたんですが。

まずは向こう向きで聞き比べ。ピアニストはお客さんで来ていた男性。
ものすごく詰まった感じで、全員一致で「良くない」の判定。

そして「斉藤式」は、程よい響きで一番良い感じ。
その後「杵淵式」に戻したら、ピアニストから「遠くなった」との感想が。


この部屋では「杵淵式」は響き過ぎていたようです。

また、自分はピアニストではないので、客観的なところからしか響きを判断できませんでしたが、ピアニスト目線での印象の違いというのも知ることが出来て、大変充実したセミナーとなりました。


今後に活かしたいと思います!(^^)