日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(635)「パースの法則」と「含意の定義(Ⅰ・Ⅱ)」。

2020-06-02 13:10:12 | 論理

(01)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
12(4)     Q  13MPP
 2(5)    ~Q  2&E
12(6)  Q&~Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅱ)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   3RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
従って、
(02)により、
(03)
①   P→ Q ≡Pならば、Qである。
② ~(P&~Q)≡PであってQでない。といふことはない。
に於いて、
①=② であって、この「等式」を「含意の定義(Ⅰ)」とする。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1    (1)    P→ Q   A
 2   (2)    P&~Q   A
 2   (3)    P      2&E
12   (4)       Q   13MPP
 2   (5)      ~Q   2&E
12   (6)    Q&~Q   45&I
1    (7) ~( P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨ Q)  A
   9 (9)   ~P      A
   9 (ア)   ~P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨ Q)&
          (~P∨ Q)  7ア&I
  8  (ウ)  ~~P      9イRAA
  8  (エ)    P      ウDN
    オ(オ)       Q   A
    オ(カ)   ~P∨ Q   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~P∨ Q)&
          (~P∨ Q)  7カ&I
  8  (ク)      ~Q   オキRAA
  8  (ケ)    P&~Q   エク&I
1 8  (コ) ~( P&~Q)&
          ( P&~Q)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨ Q)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨ Q   サDN
(ⅱ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨EE
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(04)により、
(05)
①  P→Q≡Pならば、Qである。
② ~P∨Q≡Pでないか、または、Qである。
に於いて、
①=② であって、この「等式」を「含意の定義(Ⅱ)」とする。
従って、
(03)(05)により、
(06)
① P→Q≡~(P&~Q)
② P→Q≡ ~P∨ Q
に於いて、
① を、「含意の定義(Ⅰ)」とし、
② を、「含意の定義(Ⅱ)」とする。
然るに、
(06)により、
(07)
「含意の定義(Ⅰ)」である所の、
①   P→Q ≡ ~(P&~Q)
の「両辺」を「否定」すると、
③ ~(P→Q)≡~~(P&~Q)
である。
然るに、
(07)により、
(08)
「二重否定律(DN)」により、
③ ~(P→Q)≡(P&~Q)
である。
従って、
(08)により、
(09)
③ ~(P→Q)  ≡(P&~Q)
の「両辺」に、「∨P」を加へると、
③ ~(P→Q)∨P≡(P&~Q)∨P
である。
然るに、
(10)
「含意の定義(Ⅱ)」により、
③ ~(P→Q)∨P は、
③  (P→Q)→P に「等しい」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
③(P→Q)→P≡(P&~Q)∨P
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(11)により、
(12)
③(P→ Q)→P≡(Pであるならば、Qである)ならばPである。
④(P&~Q)∨P≡(PであってQでない)か、または、Pである。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(12)により、
(13)
③((P→ Q)→P)→P≡((Pであるならば、Qである)ならばPである)ならばPである。
④((P&~Q)∨P)→Q≡((PであってQでない)か、または、Pである)ならばPである。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(14)
(ⅲ)
1    (1)((P→ Q)→P)→P A
 2   (2) (P&~Q)∨P    A
  3  (3)  P&~Q       A
   4 (4)  P→ Q       A
  3  (5)  P          3&E
  34 (6)     Q       45MPP
  3  (7)    ~Q       3&E
  34 (8)  Q&~Q       67&I
  3  (9)~(P→ Q)      48RAA
  3  (ア)~(P→ Q)∨P    9∨I
    イ(イ)        P    ア∨I
 2   (ウ)~(P→ Q)∨P    23アイウ∨E
 2   (エ) (P→ Q)→P    ウ含意の定義(Ⅱ)
12   (オ)           P 1エMPP
1    (カ)((P&~Q)∨P)→P 2オCP
(ⅳ)
1    (1) ((P&~Q)∨P)→P A
 2   (2)  (P→ Q)→P    A
 2   (3) ~(P→ Q)∨P    2含意の定義(Ⅱ)
  4  (4) ~(P→ Q)      A
   5 (5) ~(P&~Q)      A
   5 (6)   P→ Q       5含意の定義(Ⅰ)
  45 (7) ~(P→ Q)&
          (P→ Q)      46&I
  4  (8)~~(P&~Q)      57RAA
  4  (9)  (P&~Q)      8DN
  4  (ア)  (P&~Q)∨P    9∨I
    イ(イ)         P    A
    イ(ウ)  (P&~Q)∨P    イ∨I
 2   (エ)  (P&~Q)∨P    349イウ∨E
12   (オ)            P イエMPP
1    (カ) ((P→ Q)→P)→P 2オCP
従って、
(14)により、
(15)
命題計算」の「結果」も、
③((P→ Q)→P)→P≡((Pであるならば、Qである)ならばPである)ならばPである。
④((P&~Q)∨P)→P≡((PであってQでない)か、または、Pである)ならばPである。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(16)
④((日本人であってアメリカ人でない)か、または、日本人である)ならば日本人である。
といふ「命題」は、言ふまでもなく「真(本当)」である。
然るに、
(17)
例へば、
④ テニスの大坂なおみ選手は、「(日本とアメリカの)二重国籍者」である。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
④((日本人であってアメリカ人でない)か、または、日本人である)ならば日本人である。
④((日本人であってアメリカ人である)か、または、日本人である)ならば日本人である。
といふ「命題」は、両方とも「真(本当)」である。
従って、
(15)(18)により、
(19)
④((P&~Q)∨P)→P≡((PであってQでない)か、または、Pである)ならばPである。
といふ「命題」自体は、
④ Q が「真(本当)」であって、
④ Q が「偽(ウソ)」であっても、いづれにせよ、「真(本当)」である。
従って、
(15)(19)により、
(20)
③((P→ Q)→P)→P≡((Pであるならば、Qである)ならばPである)ならばPである。
といふ「命題」自体も、
③ Q が「真(本当)」であっても、
③ Q が「偽(ウソ)」であっても、いづれにせよ、「真(本当)」である。
然るに、
(21)
③ Q が「真(本当)」であっても、
③ Q が「偽(ウソ)」であっても、いづれにせよ、
③((P→Q)→P)→P≡((Pであるならば、Qである)ならばPである)ならばPである。
といふ「命題」自体は、「真(本当)」である。
といふことは、
③((P→Q)→P)→P≡((Pであるならば、Qである)ならばPである)ならばPである。
に於ける、
③        Q は「無視」しても、構はない。
といふ、ことである。
(22)
③((P→Q)→P)→P
が「偽」であるためには、
③((偽→Q)→偽)→偽
に於いて、
③((偽→Q)→偽)
が「真」でなければ、ならない。
然るに、
(23)
③((偽→Q)→偽)
が「真」であるためには、
③ (偽→Q)
が「偽」でなければ、ならない。
然るに、
(24)
③ (偽→Q)は、
③    Q が「」であれば、「」。
③        Q が「」であっても「」。
従って、
(22)(23)(24)により、
(25)
③((P→Q)→P)→P
といふパースの法則」は、「」ではあり得ず、それ故、「恒真(トートロジー)」である