杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・いじめオンブズマンの提案

2007-12-05 02:13:54 | Weblog
小・中・高生で、明らかにそうでないという場合をのぞいて自殺があったときには、学校内に、「いじめオンブズマン」が直ちに入るというのはどうでしょうか。
学校の校長はじめ教員は3日くらいは出勤禁止にして自宅待機。
オンブマンは、児童・生徒に対して、いじめの意味を説明し、いじめたことを罰したりつるし上げるのではないことを話した上で、その子の自殺について思い当たることを子どもたちに無記名で書かせる、あるいは、何か伝えたいことのあるこの話は個別に聞く。あるいは、討論の場を持つ。
ここで、徹底的に真実を確かめる。そして、子どもたちが一番ショックを受けて心がやわらかくなっているときに、大切なことを考える時間を持つ。

学校は、ショックを受けている子どもたちに悪影響がある、とかいうかも知れませんが、これまでいくつもの事件があったあとの学校の対応が、子どもたちにいい影響を与えているでしょうか。

子どもたちが実はいじめの存在を知っているのに、校長たちが「いじめはなかった」と保身に必死になる姿は、不誠実、信頼できない、人を大切にしない、そんなこと教育しているようなものだと思います。
変に箝口令を敷いて事実をのみ込ませる。事実を隠蔽して、「いじめなし」を言い張り、ご遺族だけでなく子どもたちにまで大人の不誠実を見せつける。
こんなことが良いはずはありません。

でも、学校は現在、すべてをさらけ出して反省をするだけの勇気を持っていません。保身に走らざるをえない状況に置かれているのでしょう。

それなら、学校側が隠すことを防ぐために、現状凍結して、子どもたちをそのオンブズマンに託すことの方が、子どもたちには屈折した記憶や心の傷が残らなくていいと思います。
まずは、直ちに真実を調べることであり、明らかになった事実をもとに課題を検討していくべきだと思います。

問題はオンブズマンの人選ですが、これを公選にしたら、子どもを持つ親や、教育に問題意識を持つ方たちは、真剣になって問題を拡げて伝えていくのではないでしょうか。市区町村での議会議員ほどの人数を選ぶなら、1000~2000人程度の投票で当選するのではないでしょうか。選びたい人を選ぶことが可能なラインではないかと思います。

そして、このオンブズマンには、ボランティアではない程度の費用を払うことにする。重大ないじめ自殺問題には、この程度のお金はかけなければなりません。



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3 コメント

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教育委員会の再生に (志村建世)
2007-12-05 11:58:44
この提案は、教育委員がオンブズマンになることで、教育委員会のリフレッシュと連動できないでしょうか。私の地元の中野区には教育委員の準公選制がありましたが、一般の関心が低くて続きませんでした。教育委員会がそのような活動をするのなら、公選制の復活もできるかもしれません。
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教育委員会がいいでしょうか (杉浦ひとみ)
2007-12-05 19:14:44
志村さん、さっそくコメントありがとうございます。
今日も学校事故の裁判があり、傍聴に来てくださったいじめ自殺の遺族の方とお話をしたのですが、学校でなく直ちに子どもに接する中立的な人・機関の存在を強く求めておられました。

教育委員会がいいでしょうか。
公選でうまく機能させることもむずかしいのですが、東京の場合には、教育員会員にも片寄りがあるように思われます。誰が行うかによって魂が入るかどうか、ということになりますものね。

でも、真剣に迅速に考えるべき問題だと思っています。


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現実的ではないです (ken)
2007-12-05 21:13:34
 この提案は、学校への不信が前提ですが、そこからはじめるのはいかがなものでしょう。
 いじめがあるとわかれば、直ちに対策をとるでしょう。自殺した子どもでそういう事実があれば隠すことはないでしょうし、なければ、いじめを把握していなかったということです。わかっていて放置していることはないでしょう。

 教員を追い出して、知らない人たちが学校を占拠して、いったいどうなるでしょう。子ども達は恐怖に陥るだけで、自由に話すとは思えません。また、その後、教員に対する不信を植え付けられ、以後の教育活動に支障をきたすでしょう。

 いじめが隠れてしまうのは、被害者自身が訴える先がないことです。学校に被害を届けて何とかなりそうならそうしているでしょう。警察に訴えて加害行為をやめさせてくれるならそうするでしょう。
 相談窓口はありますが、何かをしてくれるわけではありません。自分が頑張ればいいような内容なら、カウンセラーに相談して勇気をもらえるでしょうが、いじめを相談して励まされても解決しません。
 実効ある行動ができる相談窓口を作ることが必要です。そこで実際に、いじめ行為を解決し、事例を発表していけば、いじめに悩んでいる子ども達が相談に訪れるようになるでしょう。
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