杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・紛争解決に「大人の知恵」を示したい

2010-12-11 00:43:15 | 平和問題
コスタリカという国、1948年に軍隊を放棄して、以来軍隊を本当に持たずに、60余年過ごしている中米の国です。
日本も同じ頃に、軍隊を放棄しながら、日本の現状はそれとはずいぶんかけ離れてしまいました。
このコスタリカを旗印に、平和をつくろうという市民運動を始めて、8年がたちます。

先日、会合あと忘年会で今年の反省なんかをしたのですが
8年続いたことを喜ぶべきではないだろう、
結局何も変えることができていないのだから。
だから、後何年も続ける、という目的はなしにしよう、と。

今年、コスタリカの方で親しくなった方が日本に留学され、いろいろとお話しする機会がありました。
その方の興味深いお話です。


「私は心理学者で、人間と動物について勉強していますが、動物の場合、相手より強くなることが大切。
基本的原理は人間も同じで、相手よりも強くなること。自衛のためだといっても、相手より強くなっておくことが必要だと思う。
これが戦争の始まり。

そのために、大事な時間と力をそのために莫大に費やす。
そうでないと、穏やかではないから。不安だから。

しかしながら、相手の持つ力を超えないと落ち着けないのは、チンパンジーの意識を超えていない状態。

人間である以上、まわりの動物を超えた精神状態たどりつきたい。
相手より少しでも強い武器を持つことによらなければ穏やかに暮らせないという、止めどない競争に
時間と力を使うのではなく、もっと他に時間などを使いたい。
不安を振り切る勇気、いざとなったら知恵を使うことで乗り越えようとする心構え。
動物を越えた人間になりたい」


よく似たことは私も、子どもの問題を見るときにもそう思います。
自分が我慢できないと相手を叩いたり、自分が辛いと相手にも同じことをしたりします。
力で仕返ししたりもします。

でもね、大人はそうではないんだよ、
考える力と、生きてきた経験があるからね、といいたいです。
そして、物理的な力に頼らない理性的な紛争解決のやりかたをみせてあげたい。

今の社会を見ると、とてもそう言えない状況にあるわけで、
大人の紛争解決の仕方を学ばなければ、見つけなければと、本気で思います。


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6 コメント

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ご無沙汰してました (鉄甲機)
2010-12-13 23:31:36
>相手の持つ力を超えないと落ち着けないのは、チンパンジーの意識を超えていない状態。

 何か優越感丸出しの表現ですね。
 仲間内で盛り上がる分には良いんでしょうけど、これで世間を説得しようとすると「ダチョウの意識を超えられない人に言われても…」とか言われますよ。(笑

 と言うか、コスタリカの非武装宣言自体が、アメリカを筆頭とする周辺諸国のチンパンジーぶりを利用した賜物だったと思うんですが。

>物理的な力に頼らない理性的な紛争解決のやりかたをみせてあげたい。
>大人の紛争解決の仕方を学ばなければ、見つけなければと、本気で思います。

 理想を現実化させるには、まず現状を見つめないと。
 抑止力理論や集団的自衛権。強大な軍事力で相手国を屈服させるという時代から少しは進歩しているということを、まずは認めていただきたいものです。
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ころころ変わる理想 (TT)
2010-12-14 23:57:42
かっての社会党などのサヨクは永世中立国であるスイスを理想に非武装中立を掲げていた。
しかし、スイスが武装中立国であるというあたりまえの事実が広く知れ渡るととたんになりをひそめた。
コスタ・リカは常設軍を持っていないと言うだけで、非常時に徴兵できる軍隊を肯定している国家であり、常設軍を持たない代わりに平時は米軍におんぶにだっこ、世界遺産の島を米軍基地に献上しており、他国の軍隊に準じる武力を持つ武装警察はマフィアと結託して海外メディアを謀殺しようとしたこともある腐敗ぶり。
その事実はいつまで隠し通せるのだろう?
ばれたらスイスの時みたいに華麗にスルーするんだろうな。
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こういう事は言いたくないけど (yasu)
2010-12-15 19:03:24
スイス・スウェーデンともに、永世中立でも立派に軍隊を持ち、武器も輸出してる。
特にスウェーデンは有名である。
戦闘機から潜水艦まで。
(第二次大戦ではナチスドイツの戦争経済にしっかりと組み込まれていた。という皮肉な事実がある)

この日本だって、核関連技術はたくさんある。だから北朝鮮がウラン濃縮技術は日本のを参考になんて言ったのだろう。

日本とコスタリカとでは、あまりにも置かれている立場も違うし、尖閣問題でも中国からしたら、海上交通路をふさぐ国みたいに見られてるのも一面の真実なんだろう。

こういう点を無視して、論じるのは、現実からの逃避と言われても仕方がない部分があると思います。

海保だって、他国では軍隊がやってる任務を日本では別組織がやっているということを考えると、事実上の準軍隊であるというべきです。

まわりを軍事大国に囲まれたこの国で、軍隊もたないというのは、ある意味無責任というのではとすら思います。

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yasuさんへ ()
2010-12-15 22:53:42
「まわりを軍事大国に囲まれたこの国」というのは、コスタリカのことですか、日本ですか?

「軍隊もたないというのは、ある意味無責任というのではとすら思います」ですが、
コスタリカにしても日本にしても
軍隊を持った方が、持たないより存在意義があると思いますか?素直に質問です。
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じゃあさ (TT)
2010-12-16 00:03:45
「物理的な力に頼らない理性的な紛争解決のやりかたをみせてあげたい。」
っていうのなら、下朝鮮に侵略された竹島を即刻取り返して見せてよ。
ソ連に侵略された北方領土を即刻取り返して見せてよ。
拉致被害者を即刻連れ戻して見せてよ。
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日本の地勢学的位置も考えましょう (yasu)
2010-12-16 09:17:22
>「まわりを軍事大国に囲まれたこの国」というのは、コスタリカのことですか、日本ですか?

日本の事です。
コスタリカの場合、アメリカしかないけど。
日本の場合は、中国、ロシア、アメリカと最低三つあって、どうもそのどの国にとっても
この国は、海の通行や影響力の行使にとって
死活的に重要らしいということが、開国以来の歴史を見てもよく判ります。

そういう位置にある国はたとえ中立を唱えていても、時には蹂躙されると言うのが、第一次大戦で証明されました。

そしてナチスドイツもスイスに攻め込もうと計画していたと、でも各種事情とスイスがナチの侵攻にそなえて軍備を増やしていたので
できなくなったと。

スウェーデンもやはり、ナチの侵攻に備えて軍備を増やしていた。

こういう事実を無視してはいけないと思います。

「世界」を読んでいても中国の人民解放軍の強硬論が日増しに増えてきてるなと。
 それだけに海上交通路を確保(というよりアメリカやインドに対抗したいと言う意味もあるんでしょうけど。)という強い願望が伝わってきます。
 
中国の空母保有がささやかれてますが、それも現実のものとなるのでしょう。

尖閣列島の問題もありましたので海上警備上の組織は必要です。でもそれは他の国では軍隊がやる仕事。
この国は、おそらく軍隊を作るアレルギーの強い事を考えて、海上保安庁のように、事実上の軍隊であるけど、別組織にしたんでしょう。終戦直後から機雷の掃海をしないといけないという事情もありましたし。
それも持たない方がいい。これは暴論だと思う。
最低でも、日本に手を出したらやけどするぞという程度の抑止力はいるとは思う。

陸自がたくさんいる北海道より。
(上は知事から、下は地元住民まで、現状維持をと叫んでます。生活かかってますから。
だから、最新の戦車が削減されない。北海道への影響が少ない、しかし火砲が減るこれは問題だなどということが新聞のトップに出る土地柄ですRT) 
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