杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・ちょっと「裁判」考 ~ 裁判の使い方

2010-02-13 21:41:50 | 法律・法制度
裁判といったときには、大きく分けると殺人罪とか強姦罪、窃盗罪とか業務上過失致死罪などのように、警察がその行為を犯した者を逮捕し、検察官が法廷で追及して、死刑や懲役などの刑を科す刑事裁判(最近では重い犯罪については裁判員が裁判に関わるという裁判員制度がとられるのも、この刑事裁判です。)と、貸した金を返せと返還を求めたり、交通事故での「損害を賠償せよ」と求める民事裁判があります。

刑事裁判は、被害者やその他の市民は警察や検察庁に対して、事件を捜査して裁判にして欲しいと申し立てること(告訴、告発)はできますが、実際に裁判をするかどうかは検察官に任されています。

これに対して、民事裁判は、個人が裁判を起こしたいと思えば、裁判所に所定の印紙と切手を納めて、裁判を起こすことができます。
通常、この民事裁判も、一方が相手方を敵対するものとして訴えることが多く、そのために、訴えられた相手方(「被告」といいます。)は、訴えた側(「原告」といいます。)とは、事実以上に非難しあうことも多く、また手厳しい証拠を出してくることもあります。

ところが、この民事裁判は、当事者の主導で行われるものであるため、実はそれ以外の効用もあります。
たとえば、親子間での争いで、子どもが親を大人になって虐待だと訴えるような場合、親は加害を反省し、あるいは裁判というしかるべき場所で判断されるという儀式を通ることで子どもの納得を得るために、あえて争うことに応じるという場合もあります。

裁判というのは、私たち市民にとってはやはり特別なことであって、「取るに足らない」と社会が考えるようなことでも、裁判所に訴えれば、裁判官は法律と持っている法的知識や経験を用いて、真剣に判断をしてくれます。
はやりその過程は真剣勝負です。

場合によっては、この裁判体験を経ることによって得る何かのために起こすこともあります。

いろんな紛争がありますが、とうていガチンコ勝負の裁判では勝てないと思われるときでも、相談していただけば、弁護士も自分の知識と経験を駆使して、依頼者のためにどうしたらいいかを工夫するものです。


<参照>

★被告と被告人
刑事事件の場合の犯罪を犯したとして裁判にかけられる人を「被告人」といいますが、民事事件の「被告」は、これとはまったく違います。
ところが、新聞などではどういうわけか、刑事事件の被告人のことを「被告」と書いていることが多く、とても違和感があります。

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1 コメント

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最近の大学生ってやつは! (ぶさめん)
2010-02-17 00:09:17

ちょっと言いなりになってあげるだけで
簡単に3万くれるとか、、マ ジ キ チ w

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