杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・「駆けつけ警護」問題を風化させないために

2007-08-28 02:57:40 | Weblog
この問題、マスコミもだいぶ取り上げてくれました。この31日が佐藤氏の発言に対して送った質問状の回答期限です。

回答がでてくれば、その回答についての記者会見をしますが、回答されない場合には、こちらから機会を持たなければなりません。
これに備えての準備などをしなければならないと思っているところですが、Devlinさんが下記のようなアイデアをコメントで送ってくださいました。

・・・・・・・・・・・・・・記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そこで、「次の一手」というのと少しニュアンスは異なりますが、マスコミの反応を呼び起こすきっかけづくりについて提案をいくつか。

1. 記者会見をする。
2. 「駆けつけ警護はごめんだ!」のパフォーマンスをする(小規模でかまわないが同時多発が望ましい)。
3. 「駆けつけ警護」とは何かを考える学習会を開く(小規模でかまわないが同時多発が望ましい)。
4. 自衛官の家族に「駆けつけ警護」発言の感想を聞き、紹介する。
5. 以上のような活動の報告をブログなどに掲載する。
6. 「駆けつけ警護」を論じる著名な憲法学者、軍事問題研究家、反戦活動家、文学者、写真家を含むジャーナリスト、イラク問題に携わるNGO活動家の発言を収集してまとめ、それをブログで紹介する作業をする。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いずれにしても、多くの人がこの問題について理解し、批評することが必要です。ところが、この「駆けつけ警護」の問題性については、わりと理解しにくいという声もあります。
憲法の規定、イラク特措法などにも触れる丁寧な学習会を行うことも必要だと思います。

以前、コメントを下さっていた「崩壊家族さん」が自衛官のおうちの方だったですが、この佐藤氏の発言はどのように聞かれましたでしょうか?

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28 コメント

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民主党への期待 (Devlin)
2007-08-28 16:05:57
駆けつけ警護を追及する際、政党の役割も重要になってきます。今回の選挙で与野党逆転となった参議院に着目してみます。すると民主党の動向が特に重要です。民主党の小沢さんは、シーファー駐日米大使との初会談で日本の国際貢献について「日本の平和と安全に直接関係ない地域で米国やそのほかの国の部隊と共同の作戦はできない」と明言し、テロ特措法延長に対する協力要請を明確に拒否しました。

http://megalodon.jp/?url=http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/20070809/20070809_003.shtml&date=20070809190349
テロ特措法延長 小沢氏、米大使の要請拒否 軍事活動「国連の承認ない」(西日本新聞2007年8月9日、ウェブ魚拓キャッシュ)
「しかし、小沢氏は日本の国際貢献について『国際社会の合意に基づき、国連の活動に参加する』との原則を表明。その上で、アフガニスタン戦争に関しては『米国が国際社会のコンセンサスを待たずに独自に始めた』と指摘。要請を拒否する理由を『日本の平和と安全に直接関係ない地域で米国やそのほかの国の部隊と共同の作戦はできない』と説明した」


この発言はアフガニスタン戦争について述べられたものですが、「日本の平和と安全に直接関係のないイラクでオランダ軍の部隊と共同の作戦ができない」、と読み替えれば、小沢さんにとって駆けつけ警護も見過ごせない課題として浮上するはずです。オランダ軍が攻撃を受けたとき、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれ」、オランダ軍に協力し、武力を行使して敵を撃退するのは、共同作戦にほかなりません。何よりイラク特措法の趣旨からも自衛隊の任務は人道復興支援であって、武力行使ではありませんでした。「イラク特措法の法的枠組みが完全に破綻している」「政府が主張するイラク復興の目的に適った活動と言うには大きな疑念がある」と主張し、同特措法廃止法案を提出していた民主党、今のところ日和を見ながら機を窺うため沈黙しているのかもしれませんけれど、もし駆けつけ警護発言を黙殺・黙認するなら、道理が通りません(下記民主党の談話参照)。

民主党がこの問題で一声あげさえすれば、すべてのマスコミは一斉に飛びついてくるはずです。社民党と共産党および一部の無所属議員を除けば、「駆けつけ警護」とは何かを考える学習会は、民主党の議員の方々にこそしていただきたい、と言いたいところです。民主党・民主党議員へ助言できる立場の方は、ご検討くださいますよう。

参考文献:
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=10015
イラク特措法改正案の衆議院通過について(談話。民主党政策調査会長・松本剛明、民主党サイト2007年5月15日ニュース)
「民主党は、イラクに対する多国籍軍による武力の行使が元々正当性を有していないこと、また、いわゆる非戦闘地域の概念が虚構の概念であること等の理由から、イラク特措法の法的枠組みが完全に破綻していること、及び、延長の対象となる活動は、政府が主張するイラク復興の目的に適った活動と言うには大きな疑念があること等に鑑み、イラクに派遣されている航空自衛隊を直ちに撤退させるよう『イラク特措法廃止法案』を提出した」
「また、国際的にも既に多くの国がイラクから撤退し、イラク戦争の当事国である米英両国においてもイラクからの撤退を求める議論が高まっている。イラクの治安が悪化し、自衛隊員の安全確保を果たすことも困難な状況にあると考えられることも看過できない」

中村佑・島本慈子『この時代に生きること、働くこと 9.11犠牲者遺族とジャーナリストのメッセージ』岩波ブックレット、2007年6月5日、ISBN 4000094025
「たとえば、私は二〇〇五年にあるテレビ番組で、イラクへ派遣された自衛隊員の言葉を聞いて驚いたことがあります。治安の悪いイラクへ派遣されたその方はこう語っていました。
 『イラクに入ったとき、イラク人がみな敵に見えた』」(p.40。西日本新聞社会議室における島本さんの講演)
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佐藤氏の発言の観点とは違いますがお話させて頂きます。 (崩壊した家族から)
2007-08-29 21:29:49
杉浦様
お久しぶりです。
ご無沙汰して申し訳ありません。

>「崩壊家族さん」が自衛官のおうちの方だったですが、 この佐藤氏の発言はどのように聞かれましたでしょう  か?

 お話の前提としまして
 自衛隊が今、存在しPKOに派遣されている現状を捉えまして、PKOに派遣するために平時から部隊内にメンタルヘルスの態勢が確立していない現状では、今後PKOで派遣される隊員も精神疾患やPTSDになっても、ケアして貰えない問題があると思います。
 PKOに派遣するのならば、自衛隊員は機械じゃなく人間です。その人間に対するケアの態勢が整ってから、派遣を論ずるべきだと思います。
 現状では平時であっても、メンタルヘルスが不十分なため、十分なケアを受けられないでいる隊員もいると思います。

 佐藤氏の発言について、コメントされた方のご意見を拝見しました。
 右、左、中道とか路線は関係なく言いますと、コメントされた方の中には、どれだけ自衛隊の実情を知ってコメントされているのか疑問です。
 コメントは言論の自由で保障されていますが、どのコメントも、自衛隊員という一人の人間として考えているのかなと思います。
 佐藤氏の発言について、佐藤氏本人にお聞きしたいのは
①国会議員になって何をやるのか?
②自衛隊員では、やれないことなのか?
この2点をお聞きしたいと思います。
また、
駆けつけ警護で部下の隊員が負傷若しくは、PTSDになった場合、第一次派遣隊長として、どう責任をとられようとしていたのか。疑問です。
 自衛隊員は、使い捨ての駒では無いと私は思います。

長文になり済みませんでした。

 
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自衛隊員は駒ではありません! (杉浦ひとみ)
2007-08-30 00:12:30
崩壊した家族から」様
勝手にハンドルネームを指名してしまいましたが、お答えいただきありがとうございます。
お久しぶりです。お元気でしょうか。

憲法学者の小林節さんという、右よりと思われている学者さんが、
「これは、男・佐藤の武士道としては正しいかもしれないが、その結果、海外でわが国の部隊が憲法と政府の方針に反して勝手に戦争を始め(少なくとも「戦争に参加」し)てしまうことになる。

それは、国際社会で、「日の丸」が他国を公式に敵に回すことである。

しかし、そんな大権が派遣された自衛隊の「大隊長」(?)に与えられているはずはない。」

と書いておられます。

私も、個人的な気持ちで自分で処分可能な利益を賭けて行動されるならいいと思っていますが、その部下が巻き込まれることを何ら考えないその態度は、戦前の軍隊と何ら変わりはないと思います。
私たちも、「部下のことをどう考えているのか」の点について、佐藤氏に質問しています。

ひとり一人の人間が、皆同じように生活や家庭や将来やいろいろなものを抱えた存在であることを忘れるべきではありません。
その意味で、少なくとも自分が責任を持つべき部下のことに考えが及ばない同氏が、国民ひとりひとりのことを考えた政治ができるのか、大いに疑問です。
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大きな問題なのに! (イソップ)
2007-08-30 01:06:38
もうすぐ回答期限ですね。
これは希に見る大きな問題なのに、マスコミでもほとんど扱われていないし、議論にもなっていないのは不思議な気がします。
少し視点を変えて考えてみることも必要かと思い、城山三郎さんが「指揮官たちの特攻」で紹介された中津留達雄との比較で記事を書きました。
トラックバックしておきますので、読んでみてください。
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哀しすぎる中津留さんの死 (杉浦ひとみ)
2007-08-30 01:13:57
8月の終戦記念日の頃に、城山三郎の戦争に対する思いについての番組、私も見ました。
中津留さんが、飛び立ったあと終戦に気づき、あえて特攻の目標をはずして海に墜落したという話には泣けました。
良識のある人がそんな悲しい行動を採らねばならないような戦争は、どんなことがあっても繰り返してはいけませんね。
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「自衛隊員は駒ではありません!」と言って頂いて嬉しいです。 (崩壊した家族)
2007-08-30 11:40:01
>自衛隊員は駒ではありません!

 杉浦様から言って頂き嬉しく感じます。
 
 PKO派遣の是非を論ずる前に、
 やはり、
 部隊における自衛隊員のメンタルヘルスの基盤が
 出来てないのに、PKO派遣の是非を国会やこの
 様なブログで論ずるのは、自衛隊員を人間として
 見ていないのか軽視していると思います。

 
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防衛省大臣官房広報課 (すぺーすのいど)
2007-08-30 21:01:13
「駆けつけ警護」問題について防衛省にメールで質問したら返事が来ました。
下の方の私からの質問の内容は、某ブログの部分コピペ+αです。すいません、作文力ないので・・・。
~☆~☆~☆~☆以下転載~☆~☆~☆~☆

防衛省 広報課です。

佐藤参議院議員の発言につきましては報道された範囲において承知しておりますが、当該発言は佐藤議員個人の思いを述べたものと理解しております。なお、イラクに派遣された自衛隊部隊及び自衛隊員の活動につきましては、イラク人道復興支援特措法をはじめとした関係法令に定められた範囲内において実施されたことは当然です。

=======================
  Ministry of Defense Public Affairs Dev.
      防衛省大臣官房広報課
    Mail : infomod@mod.go.jp
=======================

> -----Original Message-----
> From: □□ □□
> Sent: Wednesday, August 22, 2007 10:17 PM
> To: info@dfaa.mod.go.jp; infomod; koike@yuriko.or.jp
> Subject: 佐藤正久氏発言についての政府、防衛省の見解を教えてください。
>
> 安部総理大臣殿
> 小池防衛大臣殿
>
> 防衛省広報課何某殿
>
> 元陸上自衛隊のサマワ先遣隊長であった佐藤正久参議院議員が、8月10日に放映されたTBSのニュース番組で、「他国の軍隊が攻撃を受けた時には駆けつけて援護するつもりだった。(これは日本の法律違反であっても)喜んで裁かれてやろうと・・・」と発言した件について、政府・防衛省の見解をお聞かせ下さい。
>
> 私はこの発言は極めて深刻かつ悪質であると考えます。
> シビリアンコントロールに服すべき自衛官の、しかもサマワ先遣隊長が、違法、違憲を承知の上で集団的自衛権のアリバイ作りをしていた事が、本人の口から明らかにされたのです。
> しかもその自衛官がいまや国会議員となり、堂々とその違憲性を公言しているのです。
>
>
> 佐藤氏の意図を政府や官僚が知らなかったのであれば、もちろんシビリアンコントロールの逸脱です。
> しかもその考えが佐藤個人の考えにとどまることなく幹部が了承した自衛隊制服組の組織的な考え方であったとすれば、これはシビリアンコントロールの逸脱を通り越して軍事クーデターです。
>
> インターネットではこれらが自衛隊としての確定的な方針であったことを裏付ける書面が確認されたとしています。
> 図解で、巻き込まれることによって、武器使用を行う方法を説明したものです。
> 自衛隊として、シビリアンコントロールを無視しようとしていたと疑われても仕方ないと思います。
> 資料⇒http://www.news-pj.net/pdf/2007/20070811-3-2.pdf
>
> 以上、回答をお待ちしています。
>
> □□□市 □□□ □□□□
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人間としてみていないのはどちら (TT)
2007-09-05 07:30:14
護憲派にとっては、自衛隊員は、人間ですらありません。

以下引用
========================
市民会館使用許可で抗議 自衛隊音楽会で九条の会
八重山毎日新聞 (2005-10-29 10:21:25)

「九条の会やえやま」の森田孫榮共同代表らメンバー6人は28日夕、石垣市役所で大浜長照市長に会い、自衛隊が来月10日に開く音楽会のために市民会館の使用を許可したことに抗議し、今後、市の施設などを自衛隊に使用させないよう要請した。

大浜長照市長は、使用申請を受け付けた市教委文化課が、前例があることを理由に使用を許可したあとになって、自衛隊が同会館を使うことになったことを知らされた経緯を説明し、「監督不十分だった。前例があるとはいえ、自衛隊がイラクに派遣されるなど、状況は変化している。庁議で答える(対応を決める)のが正しかったと思う。それができなかったのは残念」と釈明した。
========================

「九条の会」とは、すさまじいレイシスト集団ですね。

というか、裏でこのような活動を平気で行っている護憲派が、都合のいいときだけ、自衛隊員の事を考えろとは、これこそ、自衛隊員を駒にしているといえるのでは?


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自衛官を差別する教師たち (宇宙戦士バルディオス)
2007-09-05 20:59:17
 いささか人口に膾炙した話ですが、元警察官僚の佐々淳行氏が現役の頃の体験です。
 氏の子息が泣きながら小学校から帰ってきたので理由を聞いてみると、授業中に他の警察官や自衛官の子女と一緒に立たされ、担任教師から「この子たちのお父さんは、悪人です」(正確には記憶していない「人殺し」だか、とにかく子供の心を傷つけるような表現)と誹謗した。当然、この教師は日教組の組合員でした。
 激怒した佐々氏は、学校に乗り込みこの教師に対決し、最初は木で鼻を括るような対応をしていた教師も、最後には教育委員会に話を持ち込むとした佐々氏に対して「教師をクビになったら生活していけない」と土下座して謝罪したので、ようやく矛を収めたとのこと。

 さて、こういう差別事件に対して、日弁連は何かしたのでしょうか?自衛官は駒ではないと叫ぶ市民たちは?そして、当時、日教組に組織的支援を受けていたのは、どこの政党だったのでしょうか?
 自衛隊員は駒ではないという主張が本気なら、まず抗議に赴く先は、日教組であるはずでしょう。
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宇宙戦士さん (TOJC)
2007-09-06 22:15:36
>当然、この教師は日教組の組合員でした。
 抗議に赴く先は、日教組であるはずでしょう。

個人と組織の同一視はあくまで論理的にと拘るあなたらしくないですね。もし、自衛隊内でいじめがあったら、それは自衛隊員すべてをひとくくりにされることを認めていることになりますよ。現実にいじめは存在しるみたいだし。。。
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