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【ゲームクエスト】剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章

2010-11-14 19:46:47 | ゲームクエスト
剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章(プレイステーション)

2007年3月30日掲載、不明瞭な部分を修正

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「武士は食わねど高楊枝」という言葉があります。空腹という個人的な都合についていちいち泣き言を言わない、という武士の高い精神性を規範として示しているのでしょう。そこで私も高楊枝としゃれこみ、あまり評判の良くない本作「剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章」をじっくりプレイし、面白さを考えてみました。

 本作についてよく言われるのが、頻繁に仕切り直しになるということと、ポリゴンが粗いということでしょう。

 仕切り直しについては、武士道のあらわれと考えられます。強力な連続技でメッタ切りにするのが武士道とは思えません。相手が倒れたら、起き上がって構えるのを待つのが武士ではないでしょうか。そして、派手な切り合いではなく、一瞬の剣の交差が勝負を決めるのが武士の戦いであると思います。初代サムライスピリッツの精神を最も強く受け継いでいるのが本作かもしれません。

 本作を「武士の戦い方を楽しむゲーム」であると考えれば、その面白さがわかってきました。しばらくプレイしていると本作だけが持つ独特のリズムが感じられます。特に、最後の仕切り直しの後の緊張感は他のゲームでは味わえません。他のゲームと違うからこそ楽しいのです。

 ポリゴンは確かにカクカクですが、私は○と×だけの画面のゲームでも楽しめるので、あまり気にしません。もし気になるのでしたら、プレイヤーが技と動きと戦い方でキャラを補いましょう。

 格闘ゲームにおけるキャラの魅力の意義とは、端正で躍動感のあるポリゴンモデルが動かせる、ということではないはずです。そのキャラの生き様を投影した戦い方を体現する、ということだと考えます。その結果として、キャラの魅力がゲーム性に反映されていることが重要なのです。本作はそういった意味で、ポリゴンはカクカクでも十分にキャラが立っているのです。

 ・・・本作を再評価する人が増えてくれればと思っていたのですが、なんかもう本作自体が「高楊枝」を決め込んで超然としているようです。まことに武士のゲームです。