ミスタープロスペクター ほりあてくん(プレイステーション)
2002年3月14日掲載、句読点を修正
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「ほりあてくん」は変なゲームです。
横視点の鉱山を掘り進み、252種類ものお宝をほりあてるのがゲームの主旨です。
1回のプレイは、ほりあてくんが鉱山に向かうところから始まります。
鉱山の中には敵がいてほりあてくんの邪魔をしますが、弱い相手には接触しただけで勝てます。
岩盤をくり抜くように掘ると落盤が起こり、ほりあてくんが弱いうちはプレイ中断になります。
プレイ中断になると、そのプレイで手に入れた宝箱は一つだけ残して没収されます。
無事に生還すると、たくさんのお宝が手に入ります。
ところが、お宝の中には「気の抜けたコーラ」などのゴミもあります。
お宝を身につけパワーアップしたり、コスチュームに統一性を持たせたりすることもできます。
メーカーはこの「ほりあてくん」をRPGだと言っているようですが、どうでしょう。
確かに、経験値によってほりあてくんがレベルアップし、強い敵に勝てるようになります。
そんな表面的なことなのでしょうか。
ところで、僕が考える「RPGにあってはならないもの」は2つあります。
それは、「主人公のバックボーン」と「ストーリー」です。
性格付けや生立ちの設定がなされた主人公は、プレイヤーの意思と無関係に行動します。
決められたストーリーは、主人公を操作する理由を奪います。
現在のRPGは、多くが「ヒーロー育成シミュレーション」か「自分探しの旅ムービー」では?
プレイヤーの性格・意思こそが主人公のキャラであって欲しいと思います。
探索中に起こった出来事の連続こそがストーリーではないでしょうか。
強敵に挑んで瀕死になりながらも勝利し、宝箱からレアアイテムを手に入れた、というのを楽しみたい!
そう考えると、主人公の成長とはRPGの必要条件では無く、深い探索をする手段に過ぎません。
さてこの「ほりあてくん」、本質的にRPGのような気がしてきました。
始めのうちは一部の敵に勝てず、逃げながら掘削をしたりします。
変な掘り方をして、落盤に巻き込まれることはしょっちゅうです。
ところが、大規模な落盤に耐えられるようになると、がぜん面白くなってきます。
「強い敵を避けて、最低限の掘削」とか「隅から順に大空洞の掘削」などのスタイルも自由です。
そして、新たなお宝を掘り当てると純粋にうれしい!
先日やっと全種類のお宝を掘り当てました!
「ほりあてくん」は変なゲームですが、オーソドックスなRPGのようなプレイ感覚が味わえるでしょう。