おかもろぐ(再)

趣味のブログ

<< ようこそ! >>

主な記事のインデックス
ゲーム関連
ゲームクエスト投稿文
クラシックCD紹介
旅行記
日野日出志作品紹介
   

ゼビウスと私

2012-04-22 22:55:11 | ゲーム
 今年はゼビウス発売30周年記念ということで、何やら動きがあるようです。発売当時からゼビウスは凄いという噂を聞いていたのですが、私がアーケード版をプレイするまで結構長い間がありました。それが、いつのことだったかは覚えていないのですが、場所は恐らく渋谷のデパートの屋上にあったゲームコーナーだったのではないかと思います。

 私が初めて触れたゼビウス的なものは、「タイニーゼビウス」です。友人がPC-6001mk-IIというパソコン(当時でいうマイコン)を持っており、そこでプレイさせてもらったのが最初です。このゲームは確かにゼビウス的なシステムを持ってはいるのですが、敵の配置や動きは全く異なるものでした。なんでも販売元の電波新聞社がナムコ許可を求めたところ、これはゼビウスではないということでこの名前になったようです。それでも友人の家に入りびたってプレイさせていただきました。



 動画で見るとわかるように、1ドットが非常に大きく、色も4色しか使えないという非常に性能の限定されたパソコンです。けれどもドットが大きく色数が少ないということは、逆に考えると扱うデータが少なくて済むというメリットもあったわけです。ローエンドマシンで(タイニー)ゼビウスがいち早く発売されたのは、そういう理由もあったことでしょう。ちなみにこのタイニーゼビウスの制作者は当時中学生だったとか。このプログラマーは後にタイニーゼビウスmk-IIを制作しますが、こちらはよりゼビウスに近いものとなっていました。

 タイニーゼビウス体験後、私もパソコンが欲しくなったのですが、買うのならばゼビウスがプレイできる機種がいいと考えていました。その時ちょうどX1版およびFM-7版ゼビウスの開発が発表されておりました。どちらの機種を購入しようかまよったのですが、ゼビウスの発売時期が早かったX1(C)を購入したのでした。

 X1版ゼビウスが発売された次の日曜日に渋谷のパソコンショップに買いに行ったのですが、既に売り切れとのこと。心当たりを何件か回ってみると、ようやく東急ハンズに残っているのを見つけたのでした。私が購入したのはテープ版でジョイスティック付き。このゼビウススティックは長い間お世話になったものです。



 X1版ゼビウスは画面写真はかなりのもので、アーケード版にかなり近い印象がありましたが、上の動画に見られるように、動きは結構遅くて粗く、キャラが重なるとちらつくものでした。それでも当時の8ビットパソコンのゲームの中ではかなりのできだったのではないでしょうか。スクロールは滑らかではなく4ドットスクロールになっています。スクロール背景はPCGと呼ばれるグラフィカルな文字で表現されていて、通常ならば一文字分の8ドットスクロールにするところを、半文字(4ドット)ずれた背景パターンを定義してテキストスクリーンを書き換えることで4ドットスクロールを実現しています。

 さて、このゼビウスをプレイするには大変な忍耐力が必要なのです。フロッピーディスクドライブが高価だった当時、テープでソフトを供給するのが普通でした。ソフトの起動には数分間の読み込みを待たなければならなかったのですが、ゼビウスはそれだけでなく4面以降は1面ごとにテープからデータを読み込んでいるのでした。その度に20~30秒ほど待たなくてはならなかったのです。16面をクリアするとテープが自動的に7面のデータの頭出しをしてから読み込んでいました。

 そんなゼビウスでしたが、私はひたすらやり込みました。隠れキャラのはしりだったソルをほぼ自力で全45本(ファミコン版は46本)探し当てたり、パソコンの電源を5日間つけっ放しで1000万点を達成したりして、随分と楽しみました。残機がある程度増えると、なぜか残機表示のアイコンが画面中に表示されるというバグも見つけたりしました。

 X1版をやりこんでゼビウスについては随分上手いつもりでいたのですが、後に発売されたファミコン版をプレイしてみるとスピード感と攻撃の激しさで苦戦しました。特に、X1版にはガルザカートから発射されるブラグスパリオ(誘導弾)が再現されていなかったため、非常に難易度が下がっていたことが判明したのでした。ファミコン版はさすが本家ナムコの移植だぜ、と悔しい思いをしながらも、でもX1版はアンドアジェネシスでスクロールするし、地上絵もあるし、と無理矢理自分を納得させていたのですが…。

 他機種のゼビウスも色々見ました。色使いが変なFM-7版、空中物が白一色のPC-8801版(エニックス製)、グラフィックの重ね合わせを活かしたPC-8001mk-II SR版、究極の8ビットゼビウスのMZ-2500版など、それぞれの機種に特徴があって面白かったですね。

 その後はぼちぼちアーケード版をプレイしたり、細野晴臣がプロデュースしたレコード「ビデオ・ゲーム・ミュージック」や「スーパーゼビウス」などを聴きまくったりしていました。この「スーパーゼビウス」のレコードには噂に聞いていたゼビウスの小説が着いており、なるほどゲームの世界観の設定がゲームそのものの設計に深く関わっているのかと感心したものです。それは舞台設定やグラフィックの質感や敵のアルゴリズムなどの必然性を与える資料とも言うべきものでした。登場人物のセリフもなく、小説としては非常に読みにくいものでしたが…。

 現在我が家にはプレステ版の「ナムコミュージアムVOL.2」および「ゼビウス3D/G+」に収録されたゼビウスがあります。ミュージアム版は若干違和感がありますが、3D/G版はほぼ完璧に再現されています。私の腕前の方は実はまったくのヘタクソで、2周目の10面あたり(1周は16面で、2周目は7面から始まる)でいつも終わります。いずれは1000万点出したいのですけどね。残機を溜めて9面頭で繰り返し稼ぐのがいいようです。

 私はパソコン版ゼビウスへの思い入れが深いのですが、ぜひ今でもプレイしたいと考えているのがMZ-700版の「タイニーゼビウス」です。これは売り物ではなく、「Oh! MZ」というシャープ製パソコンの雑誌に掲載されたものです。MZ-700というパソコンは非常にグラフィックが弱いのですが、それを補うために丸や四角や三角のテキスト文字をグラフィック的に使うのが常套手段でした。当時のその雑誌では「MZ-700に不可能は無い!」と言われており、「スペースハリアー」なども移植されたりしていましたが、このゼビウスもなかなかの出来です。



 素晴らしい!

日野日出志「地獄小僧」

2012-04-15 22:53:05 | 日野日出志
 

 日野日出志「ホラー自選集」の第15話は「地獄小僧」です。我が家には、ひばりヒットコミックスと日野日出志選集(いずれもひばり書房)の2冊があります。ヒットコミックスでは途中までの収録で、終盤は「地獄から来た恐怖列車」に収録されています。

 この作品は映画「フランケンシュタイン」「吸血鬼ドラキュラ」「狼男」など古典ホラー映画に大きな影響を受けたものと思われますが、それでいて日本的な湿っぽさも持ち合わせています。構成も変化に富んでいて、ハードでスペクタクルな要素もあって飽きさせません。

 字吾久(じごく)一丁目に住む円間羅雪(えんま らせつ)博士は天才的な医者。その息子、円間大雄(えんま だいお)は頭の良い美少年で、将来を有望視されていましたが、事故で頭に傷を負って亡くなってしまいます。ところが、謎の老婆がやって来て、大雄が生き返る方法があると言い出すのでした。その言葉に従い、入院している不治の病にかかった少年の命と引き換えに大雄は甦るのですが…。



 それは化け物の姿でした。吹き荒れる風の効果で、絵に異様なスピード感があります。そこへ老婆がやってきて博士をゆすろうとするのですが、甦った大雄少年に噛み殺されてしまいます。すると少年の姿は元に戻るのでした。ですが、少年は周期的に姿が変わって凶暴になるようになってしまい、座敷牢に幽閉されるのでした。



 凶暴化した少年は血をすすると元に戻るようです。しばらくは動物の血を与えていたのですが、少年はついに鍵を破って夜の町で人を襲うようになりました。毎晩のように何人もの人間を殺して血をすするのでした。さらには事件の匂いを嗅ぎ付けた花水という刑事に目をつけられてしまいます。

 少年の脳の傷が原因と考えた博士は、別の子供の脳と取り替えたりするのですが、凶暴化はまったく治まりません。



 印象的な1ページ。自分の子供を治すため、他人の犠牲も厭わないという決意をする博士。ところが凶暴化の原因は全く別のところにあったのです。円間家は代々地方を収めていた大名。年貢を厳しく取り立てていた当時の円間家に対する呪いによって、3代ごとに凶暴化が発症するとのことでした。事故は単なるきっかけに過ぎなかったのです。

 普段の少年は賢く明るいのですが、自分より成績の良いクラスメートに対して殺意がつい涌いてしまうようになり、そんな自分を必死に否定します。それなのに、夜に凶暴化するとそのクラスメートの首を食いちぎってしまうのでした。



 業を煮やした花水刑事は自らを囮にして少年に手傷を負わせます。少年は逃げ帰って元の姿に戻るのですが、傷が証拠となってついに正体がばれてしまいます。屋敷は民衆に火をつけられ、少年は落下してついに絶命します。

 ところがこれでは終わらないのでした。少年の目玉が下水の中に落下しており、その細胞から地獄小僧が誕生するのでした! 地獄小僧は世の中をさすらい、人間や悪霊と関わっていきます。邪悪な超能力少年と一時は仲良く暮らしていたのですが、あることがきっかけでお互い殺し合うのでした。



 日野日出志作品の中でもトップクラスに衝撃的な1ページ! この作品ではかなりの人数の首が落ちるのですが、このページの絵以上に凄まじいものはありません。これを掲載するのも躊躇したのですが…。

 そして地獄小僧は地獄に落ちますが、閻魔大王(本物)との取引で再び現世に戻されます。その取引は地上に逃げた無限地獄の亡者を狩るというものですが、そこでこの作品は終わります。この後に日野日出志作品でしばしば見かけた、人間のためではなく自分の都合で悪霊を倒すというダークヒーローもののはしりだと言えるでしょう。

 さて、作者はノリノリで描いていたに違いありません。そうでなければ、序盤で女性が大雄少年に襲われるシーンで、「漫画見るなら日野日出志!!」などと電柱に書くはずがありません! 映画を意識した構図やコマ割りも見られるし、映像映えもするであろう派手な火災のシーンもあって、作者の夢であった映画監督の気分で描いていたように思われます。

 もちろん作者の興味は映像的なものだけでは無かったでしょう。ハードな描写の裏側には地獄小僧や博士の哀しみが存在しています。回想シーンをからめたエピローグの哀しみは日野日出志作品随一かもしれません(なぜかヒットコミックス版では省略されていますが)。

 あまりに直接的な描写と哀しみの二面性を持つ本作で、なかなかトラウマ度も高くなっていますが、間違いなく名作の一つでしょう。


日野日出志作品紹介のインデックス

ロサンゼルス友人宅訪問 その3

2012-04-08 22:06:34 | 旅行
ロサンゼルス友人宅訪問 その2の続き

 ロサンゼルスでは色々食べました。YOSHINOYAは何かメニューに違和感を感じましたが、韓国料理の「スンドゥブ・チゲ」はおいしかったです。なんでもロスのコリアタウンで人気を博したとかで、店も賑わっていました。ラスベガスで寿司を握っていたように日本人になりすまさなくても、こういうオリジナルで勝負すればいいのにね。



 ロスでは中古ゲーム屋も覗いてみました。なぜか日本のゲーム(日本語版)がそれなりの幅を占めていました。日本人ばかりを相手にしているわけでもないでしょうから、日本語のまま楽しむゲーマーもいるということなのかも。



 この日は車で、ロサンゼルスの東へ約150km、砂漠のリゾート地であるパームスプリングスに向かいました。その途中では風力発電の風車がアホみたいに並んでいる地帯がそこかしこにありました。この辺りでは昼夜問わず一方向から風が吹いているのでしょうか。この写真はいまいちですが、なかなか壮観な眺めでした。パームスプリングスでは特に何をしたわけでもありませんが、砂漠の中ということでとにかく暑かったです。



 この風景、いかにもアメリカ西部です。そういえばこの辺りにもサンアンドレアス断層が走っているんですよね。



 西に帰る時、正面に見えた夕日。なんだか好きな写真です。



 次の日はロサンゼルスから南東に約150km、国境を越えてメキシコの町ティフアナまで行ってみました。ここはハイウェイの国境ですが、アメリカからメキシコに行くには全くのノーチェックで、誰でも勝手にアメリカを出ることができます。



 アメリカ側はのどかできれいな街並でしたが、メキシコに入ると急に街並が狭くなり、スペイン語の看板があふれてきます。この辺をGoogle Mapで見てみると、国境の両側で街並が全然違うので面白いですよ。



 街を一回り見物してアメリカに入ろうとすると、今度はパスポートを厳しくチェックされます。ハイウェイはチェック待ちの車でひしめき合っていました。その車のドライバーを相手にハイウェイの脇にはいろんな土産物屋がありました。



 友人が撮ってくれた写真ですが、アメリカ側に入って国境近くの様子。メキシコ国旗の根本手前に見えるフェンスが国境です。



 国境のすぐ北側はサンディエゴです。青く穏やかなサンディエゴ湾が印象的でした。奥には湾を横断するコロナド橋が見えます。



 湾の内陸側の岸にはアメリカ海軍基地があり、軍艦が見えました。



 帰国日、ロサンゼルス空港です。友人が成田に向けて出発し、1時間後に私が関西空港に向かいました。この旅行では友人達に随分とお世話になりました。西海岸は気候も温暖で、日本からもそれほど遠くなく、また何度でも行きたいところです。