データイーストのシューティング『Bウイング』はもともとアーケードゲームでした。同社の『ザビガ』が原型になっていると思われますが、無機的なグラフィック、轟音のサウンド、特徴のあるパワーアップシステム、各面のボスである「重機動要塞ゴブナス」の巨大さ(と打たれ弱さ)が印象的で、大味さと緻密さが共存したようなゲームバランスでした。
これがアーケード版ですが、とにかく「ヴィーーーンン、デュクデュクデュク、デュクデュクデュク、ギュオンギュオンバインバイン」といった感じの重厚で渋いゲームでありましたが、ファミコンに移植されるにあたって随分と軽快でポップな雰囲気になりました。
そしてこちらがファミコン版。最初にファミコン版をプレイした時はあまりの違いに面食らいましたが、スピード感を抑えて陽気な音楽を追加したことで、誰でも楽しめるバージョンになったのではないでしょうか。音楽はとても耳に残り、仕事中でも頭の中でリフレインして困ったこともあります。
パワーアップは、牽引されているウイングを解放し合体することで様々な攻撃が可能となるシステム。大抵はシチュエーションに合ったウイングが出るのですが、時々マッチしないウイングを装着してしまって無駄に苦戦してしまうこともあり、それもまた楽しかったりします。
被弾するとウイングが外れてしまい一気に不利になりますが、飛行高度を一時的に下げる緊急回避ができるようになります。回数は無制限なので、丸腰の場合は多用しましょう。アーケード版では緊急回避時に地上に障害物があるとミスになりますが、ファミコン版では障害物はありません。ひたすら逃げ続けてウイングと合体できた時の解放感は病み付きになります。
各ステージに何回か空中に障害物が現れます。これらが結構邪魔で、限られたウイングでしか破壊できない場合もあるので要注意。障害物にぶつかるとウイングがあっても即ミスになります。場合によってはウイングをあえて分離する判断も必要です。そして丸腰の時はとにかく緊急回避。
ウイングは通常10種類で、さらに3種類の隠しウイングがあります。隠しウイングはどれもそこそこ万能で強いですが、やはり通常ウイングで戦う方が確実。特に、高高度へ放物線を描いて攻撃するJ(ジャンプ)ウイングと、横方向に攻撃するS(サイド)ウイングは逃さずに取りたいところ。これらでしか弱点を攻撃できないボスがいるので、もし装着していなかったらかなりヤバイです。ボスで粘っても自爆も逃げることもしてくれないので、一か八かの特攻しかありません。自機がやられても、1秒ほど弾を撃つことができるので、ボスの弱点に重なるように特攻するのです。この技でボスを倒せたら残機を減らさずに次の面に進めるので、習得して損はありません。
ステージ冒頭でウイングを選べる時があり、攻略法を知らないとどれを選ぶか迷ってしまいますが、そんな時は攻撃範囲が最大のSウイングを選べばなんとかなります。ファミコン版オリジナルで攻防一体のH(ハンマー)ウイングも万能で強いですが、鉄球がイマイチかっこ悪いので、私はあまり使いません。
ファミコン版の独自要素は他にもボスの耐久力が高く設定されていたり、ボスにカエルとか蜘蛛がいたり、ウイングを自由に選べるアイテムやワープがあったりします。アイテムとワープは攻略の上で重要です。なんせ全30面の長丁場ですから(ちなみにアーケード版は45面)。
攻略としては、基本的には細かく左右に動いて敵を狙い撃ち、危なくなったら左右の無限スクロールを利用してどちらかに大きく逃げるのがいいでしょう。
私はノーコンティニュークリアを目指していたのですが、ワープ無しで最終面でゲームオーバーになった時には99万5020点でした。その後クリアを達成した時は94万250点でしたが、一回ワープをしてしまっていたので100万点に到達しませんでした。非常に悔しいので、またチャレンジしたいですね。ワープ無しだと1時間半くらいかかるので大変ですが。
エンディングはボスの紹介に続いてプレイヤーへのメッセージ。当時話題になったらしいです。
ドライでハードなアーケード版とは別物っぽいファミコン版ですが、これはこれでユルユルと楽しむことができる一本です。オススメしたいところですが、連射ができる環境が必要かもしれません。