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良いお年を

2010-12-31 12:11:05 | 日記
 2010年も最後となりました。現実世界の2010年は素晴らしいことが起こるなんてことはありませんでしたが、中国や北朝鮮や民主党が日本の危機を招いた1年でした。今回は2010年最後の更新ということで、よくあるネタですが「2010年個人的10大ニュース」を記して今年1年を振り返ります。


1. 仕事やめた
 とある研究所に9年以上勤めていましたが、どうしても製造業等のものづくりの現場に飛び込みたくて、8月いっぱいで思い切って仕事やめてしまいました。次の仕事探しは難航していますが、いろいろと勉強する時間を持っています。そうしているうちに、製造業以外の分野でも働いてみたいという気にもなってきています。ちなみに「あなたの天職は?」のようなサイトで自分の天職を調べてみると、大抵は「教師か教祖」という結果になります。それもいいかも。

2. ブログ始めた
 仕事やめて何か生活のリズムになるようなことをしようと考え、ブログを始めました。ゲームクエストが終了して投稿した文章がもったいなかったということと、引き続き何か書いていたいという気持ちも合わせていいタイミングでした。そのおかげで、元ゲームクエスト投稿者の皆さんと交流を持つことが出来ました。このブログでは日記という側面は希薄ですが、長く続けてデータベースのようなものができればいいなと考えています。

3. やせた
 仕事やめて太るかなと心配していましたが、逆にやせました。やめる前は68kgだったのが、現在は64kgです。特に顔の幅が小さくなりました。仕事していた時は夕食が8時とか9時だったのですが、現在は6時に食べています。早めに食べて、寝るまで飲み食いしないのが良いのかもしれません。

4. 奈良に多くの人が来た
 今年は平城遷都1300年祭が開催されていました。近所の平城宮跡では半年ほど賑わっていました。私は奈良に住んでもうすぐ10年ですが、結構気に入っています。京都もいいですが、ちょっと「京都どすえ」と構えている雰囲気に近寄りがたいものを感じています。奈良は自然体というか無頓着というかマイペースなのがいいです。ただ一つ、「せんとくん」だけは私の生理に合いません。

5. 夏が暑かった
 奈良は盆地で夏はいつでも暑いのですが、今年は特に暑く、その期間も長かったです。8月には昼休みにわざわざ公園に出かけて日陰で昼寝をしていました。夏は昼寝は出来ても、熱帯夜では眠れないのが不思議です。

6. インドネシアに出張した
 前職での最後の海外出張になったのがインドネシアのジャカルタとバンドンです(仕事をやめなければ9月にはアムステルダム出張が入っていました)。徹夜でプレゼンの準備をして、午前4時に家を出たのが良い思い出です。最初にジャカルタからバンドンに移動しバンドン工科大学でミーティングをした時点で私の出番は終わっていたのですが、ジャカルタに戻って日本とインドネシアの両国政府の関係者が列席した会議に成り行きで出席したりして、結構大変な出張でした。そんな中、インドネシアでは日本の影響力が大きいことが実感できました。わかりやすいところでは、車道が左側通行だったり、日本への留学生が多かったり、「味の素」が日本土産で喜ばれるという話を聞いたりしました(原材料の関係でイスラム教の国で製造・販売できないため)。日本の統治時代にはバンドン工科大学も「Kogyo Daigaku(工業大学)」という日本語名だという話も聞きました。日本も中韓とではなく勤勉な東南アジアの国々と政治的にも経済的にも強く連携すべきです。

7. 民主党にブチ切れた
 もうね、小沢の政倫審出席とか仙石の進退とかそういう次元ではありません。民主党をこの日本から消し去るために私が出来ることってあるでしょうか? 野党として存在するのも忌々しいです。民主党は東シナ海の向こうへ消えろ。民主党は前からひどい寄せ集めだと感じていましたが、なんで仙石が前原の後見人みたいな立場なのかがわかりません。監視役ってことかな?

8. プレイしたゲームの数が少なかった
 1~7月は「ガンダム無双2」ばかりプレイしていました。転職のことで頭がいっぱいで、あまり複雑なゲームをする気力が無かった時期でした。ただしこのゲームをプレイし尽くそうと思ったら膨大な時間が必要であることも事実でした。その割には単純な内容なのですけどね。8~11月は「ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット」をプレイしました。ダラダラと遊ぶことも出来るし、目的を決めてプレイすることも出来るし、懐の深い作品でした。12月は「眠ル繭」と「零 ~刺青の聲~」を購入して少しずつ進めていました。主にこの4作だけの1年でした。

9. ゲームクエスト終了した
 始めはダメージが大きかったのですが、ブログを始めて相対的に順位が下がりました。ゲームクエストについてはいずれまとめたいと考えています。

10. 兄がネットゲームにはまっていた
 実家の兄から最近メールが来ないなと思っていたのですが、久しぶりに実家に帰ってみると兄がネットゲーム「イースオンライン」にはまりまくっていました。しかもギルド(パーティーより強固な結束)のマスターとしてメンバーを鍛えつつ率いていました。兄は現実世界では派手なことはしない控えめな人物ですが、ゲーム内ではとても頼もしく、積極的に行動していました。かっこいいぜ、兄者!


 こんな2010年でした。2011年もじっくり事を進めたいと考えております。また、このブログにもおいでいただけると嬉しく思います。年明けは1月1日のゲームクエスト投稿文の再録からスタートです(ローテーション通り)。

 それでは皆様、良いお年をお迎えください。


おまけ:近所の小川で見かけた白鷺の群れ(12/30撮影)

【ゲームクエスト】シュタールフェーダー

2010-12-30 20:01:48 | ゲームクエスト
シュタールフェーダー(プレイステーション)

2008年4月28日掲載

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 私にとっての面白いゲームの条件とは、「名プレイが生まれうること」です。

 プレステ初期に発売されたオリジナル縦シューティングの「シュタールフェーダー」は、何の特徴も無いとか、ポリゴン演出がしょぼいとか、簡単すぎるとか、展開が単調とか、その筋では割と有名です。誰もが認める名作かどうかは知りませんが、私の中では面白いゲームなのです。

 操作はレーザーとワイドとボンバーの単純なものです。 デフォルトの難易度はイージーで、これが本当に簡単です。ライフ制のシステムで、ステージクリアごとにライフが全て回復します。敵の攻撃も非常にユルいです。

 難易度ノーマルまでは初プレイクリアも余裕で可能です。難易度ハードにしてようやく手ごたえが出てきます。ステージクリア時のライフ回復は無し、ダメージを受けるとパワーダウン、敵の攻撃も激しくなっています。

 そのようなゲームのどこが面白いのかと言えば、それはハイスコアの追求なのです。プレイを続けていると、早い段階でハイスコアのおおよその限界値が見えてくるのです。

 ダメージを受けるとステージクリアボーナスが大幅に下がるので、まずはノーダメージクリアが第一歩です。次はボンバーの節約です。最終的には敵の全滅パターンを詰めることになるでしょう。そこまでできればパーフェクトです。

 難易度が低めなだけに、本作は「パーフェクトプレイに手が届きそうなゲーム」なのです。パーフェクトプレイを極めたら、それは名プレイに違いありません。そういう理由で、この「シュタールフェーダー」は面白いゲームであると私は主張するのです。

 ハイスコアにはノーダメージボーナスが高い難易度ハードが必須ですが、ハイスコア狙いのプレイをしたことのない人はまずイージーを極めてみるのもいいでしょう。このように、初心者にも名プレイが狙えるゲームなのです。パーフェクトを目指すと難易度イージーでも緊張感が出ますよ。

 ついでながら、最後にもう一点。初心者にオススメのゲームの条件とは、「簡単なゲームであること」です。ただし、「簡単にクリアできるゲーム」ではなく、「簡単なルールと簡単な操作のゲーム」という意味です。そう考えると、多くの2Dシューティングは初心者にオススメと言えるでしょう。

ロングイェールビーン出張 その6

2010-12-29 20:08:41 | 旅行
ロングイェールビーン出張 その5の続き


ボートトリップの日は夜0時過ぎまでワークショップのプログラムがありました。
これはちょうど午前0時に撮影した太陽です。
写真では逆光のため周囲が暗く見えますが、実際は普通に明るいです。
24時間太陽が沈まないという見事な白夜でした。


町外れには犬ぞり用の犬たちが囲いの中で暮らしていました。
夏の間は暇のようですが、やたらと元気でした。


芝には白い花が咲いていました。
何の花でしょうか。


ホテルのロビーです。
ワークショップ最終日で、みんな帰り支度をしています。
右奥にはシロクマの剥製が立っています。


ロングイェールビーンで最後に撮った写真。
車で10分程度で空港に到着です。
出発するのが名残惜しいです。


飛行機でオスロに戻り、空港近くのホテルから撮った一枚。
5日ぶりの夜でした。
次の日にフランクフルト経由で関空に戻りました。

世界の果てに来たような5日間で、素晴らしい体験でした。
もし次に行くことができるなら、秋か春がいいですね。
雪があったりオーロラが見えたりしたら最高です。

追加

【ゲームクエスト】メタフリスト μ.X.2297

2010-12-28 19:37:30 | ゲームクエスト
メタフリスト μ.X.2297(プレイステーション)

2008年3月28日掲載、何でしょうねこれ

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 こんなもの売って金をとるなんて詐欺じゃないのか!?(笑)

 それは「メタフリスト μ.X.2297」、いちおう(笑)シューティングだ。そして、私が今まで買ったゲームのうちで最も不愉快(笑)なものである。

 ゲームは「シネマパート」「戦略パート」「シューティングパート」に分かれている(笑)。シネマパートでストーリーが語られ(笑)、戦略パートで戦況と指令が示され(笑)、シューティングパートで敵を撃つ(笑)。こう聞くともっともらしいが、ところがこの3つのパートはお互いほとんど関係がない(笑)。ストーリーに関係なく(笑)戦況が進むし、どこに行って何をせよという指令を受けてもただ敵を撃つだけだし(笑)、ステージクリアしたところでストーリーは戦闘とは関係のない部分だ(笑)。

 シネマパートはほとんど止め絵で(笑)、キャラクターはシルエットだから誰が何言ってるのかわからないし(笑)、わかったところで「コンピュータの疑似人格が…」という陳腐きわまりない話だ(笑)。こんなもののためにディスク2枚組とは資源の無駄使いだ(爆)。

 戦略パートでは攻め込む星を選ぶのだが、シネマパート発生の選び方がわからず(笑)、延々とプレイすることもある(笑)。アイコンの説明も書いてないし(笑)、順調に攻めこんで勝ってしまうとバッドエンドだし(爆)。

 シューティングパートはさらにひどい(笑)。敵やボスのグラフィックがしょぼい(笑)のはいいんだけど、アイテムを取ったら画面中が自機の弾で埋まって(笑)、敵弾が見えない(笑)。地形の影になって敵弾が見えない場合も多い(笑)。時々画面が合わせ鏡(笑)のようになって、自機や弾が画面に溢れて見づらい(笑)。無意味な技術(笑)を導入しないで欲しい(爆)。ステージ構成などなく(笑)、幾つかのパターンがひたすら繰り返されるだけ(笑)。ノーマルモードは簡単過ぎてやる価値ない(笑)。それよりひどい(笑)のはエキスパートモードで、敵弾が多いだけでなく(笑)スクロール方向が(笑)定期的に(笑)ランダムで変わるのだ(爆)。だからといってプレイ内容や攻略には関係なく(笑)、首を傾けてプレイするのと同じことだ(笑)。つまり、コントローラの上方向が常にスクロール方向ということだ(笑)。しかもほとんど横向きに進む場合もあって(笑)操作に混乱する(笑)。さらに、自機のレベルがあがるほど、より画面が傾く(笑)。「画面の傾きで難易度調整するな!」と声を大にして言いたい(爆)。

 よくわからんのが、ゲームの最初に宇宙ラジオ(笑)のメカDJ(笑)が現れて、面白いゲームのベスト5を発表するのだが(笑)、その第1位がこのメタフリストということになっている(笑)。ゲームのストーリーとも関係がないし(笑)、何がやりたいのか全く理解ができない(笑)。

 どうもこのゲーム、同人ソフトみたいな雰囲気なのだ(笑)。タイトルの「メタフリスト μ.X.2297」というのも下手な(笑)同人ソフトにありがちな自己満足(笑)を感じる(笑)。趣味で作ったシューティング(笑)に、趣味で書いた小説(笑)をストーリーとしてくっつけたようなふしがある(笑)。作り手が楽しむのは結構だが(笑)、プレイヤーのことは何も考えてない(笑)。自分らが楽しむためだけに作ったものを金を取って売るんじゃねえ!!(爆)

 ゴミ同然(笑)のゲームだ(笑)。実際私は数年前コレ(笑)をゴミ箱に捨てた(爆)。私がゲームを捨てるなんてよっぽどのことだ(笑)。だが笑い飛ばすために(笑)また買ってやった(笑)。いいか(笑)、ゲーマーを馬鹿にするな!(爆) シューティングを馬鹿にするな!(爆) ゲームを馬鹿にするな!(爆)

(注)あまりにもひどい文章になったため、雰囲気を和ませるために随所に(笑)を入れてみました。なお、(爆)は「爆笑」の意味です。

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲全集

2010-12-27 19:11:28 | CD


セルゲイ・プロコフィエフ:
・ピアノ協奏曲第1番 変ニ長調 作品10
・ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品16
・ピアノ協奏曲第4番 変ロ長調 作品53「左手のための」
・ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26
・ピアノ協奏曲第5番 ト長調 作品55

ピアノ:ヴラディーミル・アシュケナージ
指揮:アンドレ・プレヴィン
ロンドン交響楽団

ポリドール: POCL-3715/6



 私は協奏曲というジャンルが苦手です。実は聴き方がよくわからないのです。協奏曲は独奏者のテクニックに音楽性の多くを負っています。もちろんテクニックとは指さばきという意味だけではなく、音楽の分析力だとか表現力も含まれるでしょう。そして独奏楽器とオーケストラの掛け合いの妙とか、独奏楽器の持ち味を活かした演奏とかが協奏曲の聴きどころになるでしょう。そうなると、独奏楽器に対するある程度の知識や、身近で演奏を多く聴いた体験がないと十分に曲の素晴らしさが十分にわからないのではないかという気がします。協奏曲に多いのはピアノとヴァイオリンですが、私は両方ともできないし、家庭内に楽器もありません。私が理解できないのも不思議ではないでしょう。

 などと書いてきましたが、上記のようなことを考える必要は全くないということはわかってはいます。聞こえてきた音楽に素直に反応すればいいのでしょう。いい曲だ、楽しい曲だと私が感じる協奏曲も少なからずあるわけですから。

 ところが、私が何度聴いてもがちゃがちゃしていて何が何だかわからないのがこのプロコフィエフのピアノ協奏曲です。実際にこのディスクのライナーノーツから、少し引用してみましょう。

 「プロコフィエフのピアノ協奏曲全曲演奏というのは、ピアニストにとって苦行に近いものがあろう」
 「超絶的なテクニックを要求するわりには音楽内容が今一つ冴えない」(第4番、第5番)
 「『狂人のしわざ』『まるでアクロバット』と酷評」(第1番)
 「同席した画家が『何という猛獣だろう』と評した」(第2番)
 「余りに高度なピアノ技巧であったため演奏者に拒否されてしまい、お蔵入りとなってしまった」(第4番)
 「構成や技法の点でやや充実感に欠けているのは否めない。」(第4番)
 「初演の準備をしていた作曲者みずからピアノ・パートを覚えるのが一苦労だともらしているほどだった」(第5番)

 第1番や第2番については必ずしも否定的とは言えないのですが、第4番や第5番はひどい書かれようです。難しいだけで聴き所が無いと言われているに等しいです。私の協奏曲恐怖症がまた悪化しそうです。聴いてみると確かにその通りで、第1番は勢いはあるのですが、どうにも作りかけの料理のような音楽です。それでも第2番や第3番はエキサイティングで、名曲と言われるのは実感できます(がちゃがちゃしてはいますが)。第4番と第5番は、これらは年末の大掃除か何かでしょうか?

 プロコフィエフの音楽には企画倒れや練り込み不足の要素がそもそも多く、そういう異様な強引さと微妙なアカデミズムとのブレンドが特徴です。大作曲家のくせにお茶目なおじさんです。でも作曲者のこういう側面と協奏曲の性質って相性があまりよくないような気がします。複雑さを追求し、技巧を要求したものになりそうだから。協奏曲はやっぱり単純でスカッとするのがいいのかもしれません。



 名曲の第3番の第1楽章の動画。ピアノ演奏はアルゲリッチ。こういう現代的な音楽はアルゲリッチにぴったり。この曲は演奏効果も高くエキサイティングで、プロコフィエフの特徴がいい方に振れた作品でしょう。そういえばこの曲はナクソスのCD「魔法革命プロコフィエフ ~ヒロイン風クラシック名曲集」にも収録されているようで、買ってみたい気もします。


クラシックCD紹介のインデックス

【ゲームクエスト】ハッピージョギング in ハワイ

2010-12-26 18:45:48 | ゲームクエスト
ハッピージョギング in ハワイ(プレイステーション)

2008年3月4日掲載

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 ジョギング系ソフトは最近の「Wiiフィット」のような直球ド真ん中のものから「お遍路さん」のような場外大暴投級のものまであり、過去にもいくつか散見される存外と幅の広い分野である。

 この「ハッピージョギング in ハワイ」はプレステ時代に発売されたシリーズものの一つだ。別売の専用ステッパーコントローラを使って、ポリゴンで再現されたワイキキビーチ周辺をジョギングしながらダイエットができるソフトだ。

 数年前、このソフトを投げ売りワゴンの中で見つけた時、妙に気に入って買ってしまった。私は一度ワイキキビーチに行ったことがある。そのせいだろうか。

 専用コントローラは持っていないが、アナログスティックを左右に入力すると、両足の動きに対応して前進することができる。テレビの前で足踏みしながらプレイすることにしよう。コースは3つあり、長さはそれぞれゲーム内で3km、6km、12kmだ。また、フリー走行モードもある。

 3kmコースを走っただけで汗がにじむ。12kmコースは完走まで30分程度もかかり、汗だくになるだけでなく股関節も痛くなってくる。真面目にプレイすれば専用コントローラがなくてもかなりの運動量じゃないか。それに、これ、意外と楽しいぞ!

 ところが数日間プレイしたのち、あることに気づいて愕然とした! 足踏みしながら「ウィザードリィ」でもプレイしたほうが楽しいのではないか、と! プレイするモチベーションが消滅したその時、私は力尽きた───。

 そんないきさつから一度は中古屋に売った本作を、最近また買ってしまった。

 ハワイの風景を楽しみたいのなら、Xbox360のリアルなレーシングゲームでもプレイすればいい。私がこの「ハッピージョギング in ハワイ」に惹かれるのは、人の熱気を感じるからなのかもしれない。もしリアルな画像でのリメイクが実現するのなら、こんな出会いがプレイ中にあってもいい───。

 ワイキキビーチを軽く走りながら常夏の太陽を満喫していた私の目にとまったのは、パラソルの下で物思いにふけっているビキニ姿の美女であった。恋人や友達と一緒の様子もない。都会の生活に疲れたのか、あるいは失恋の痛手をこうむったのか、物憂げな雰囲気が気にかかる。気晴らしににぎやかな場所に来たものの、かえって孤独感が増すというのはよくあることだ。

 普段の私では考えられないのだが、リゾート気分にほだされたせいか、彼女に声をかけることにした。

 「やあ、きみ一人? へえ、ロサンゼルスから来たのか。もっと話を聞きたいな。今晩一緒に食事に行こう。どこに泊まってるの? ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ホテルだね。あとで迎えに行くから着替えておきなよ。7時にロビーで待ってて!」

 その後しばらく会話し、彼女といったん別れて自分のホテルへと戻った。昼間の汗を洗い流し、身じたくをして外に出たときにはもう6時50分だった。彼女の泊まるホテルに急ぐとしよう。

 目標地点:ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ホテル
 走行距離:3km
 制限時間:10分

 Push Start!

ザ・マスターズファイター

2010-12-25 19:26:04 | ゲーム
聖なるクリスマス邪悪なソフトを紹介しますよ!



ザ・マスターズファイター(プレイステーション)
シネマサプライ
ジャンル:パチモノ格闘

 今更な紹介で恐縮ですが、略して「ザマス」と呼ばれている本作は、あの「修羅の門」とか「フィスト」とか「ファイティング・アイズ」とか「超人学園ゴウカイザー(プレステ版)」とかのような格闘ゲームが面白そうに見えてくるような出来です。そんな「ザマス」の負の魅力を語ります。

いろんな奴に激似のキャラ
 上のジャケット写真を見ればわかるかと思いますが、どこかで見たことのある連中ばかりです。主にネオジオ格闘シリーズが多いですが、部分的には「ストリートファイター」シリーズ等も含まれています。ざっと以下に挙げてみましょう。

・キム・カッファンそのまんまの主人公「北沢タクヤ」(テコンドー使いであるのもそのまんま)
・胴体がジャック・ターナーで顔がビッグ・ベアの「ビル・ガーデス」
・胴体がジョン・クローリーで顔がMr.BIGの「アザール・ウィッツ」
・ほとんどタン・フー・ルーの「カン・ティ・コン」
・ほとんど柳生十兵衛の「坂本辰之助」
二階堂紅丸の「J」
・ほとんどMr.KARATEの「Mr.DEATH」
・ほとんど(「龍虎の拳」時代の)ギース・ハワードの「カイン・ザハート」

 まるでどこか異世界の「ザ・キング・オブ・ファイターズ」です。
パラレルワールドは本当にあったんだ!

スーファミ以下のグラフィック
 キャラグラフィックを見ると、ものすごく画質が粗いのです。どうも小さい絵を無理矢理拡大しているようです。おかげでロード時間が比較的短いのですが、それが本作唯一の長所でしょうか。

キャラパターン全てパクり
 で、キャラがちょっと見で似ていたり画質が粗いというだけならまだいいのですが、例えば主人公タクヤの動きは「龍虎の拳」のリョウそのままです(テコンドー使いなのに)。ひょっとして製作者はゲーメストムックか何かに出ている技のグラフィックを模写してデータにしたのではないでしょうか。しかも想像される通り、動きも粗いのです。もちろんタクヤだけではなく、全キャラ何かの手動コピー&パッチワークです。

やる気のねえボイス
 代々木アニメーション学院の学生も吹き込んでいるようです。「ミシェール」という女キャラの声がそうですが、「らいとにんぐかったぁ~」「や、や、や、や」など脱力どころか全身の骨が抜かれたようなボイスが吹き込まれてしまったようです。

狂った日本語の勝利メッセージ
 主人公タクヤの勝利メッセージは
「あなたにテコンドーを教えてやろうか」
です。丁寧なのか粗野なのかどうにもわかりませんが、きっと今、皆さんはこう考えたでしょう。
「あなたに正しい日本語を教えてやろうか」と。

なくてもいいのに複雑なバックストーリー
 解説書のストーリー部分は「世紀末世界アメリカ」という言葉から始まっていますが、いきなり意味不明です。我慢して読んでみると、なんだかアメリカに渡ってきた主人公が組織に狙われてあーだこーだするというサウスタウンのような設定があるようです。そんなのどーでもいーし、と侮ってはいけません。なんとこの「ザマス」は小説やCDなども存在するのです。小説は読んだことありませんが、CDは(クソゲーマニアの)友人から聴かせてもらいました。そこにはCDドラマも収録されています。その冒頭のナレーションでの一言、「世紀末都市アメリカ」、って意味不明なだけでなく設定も統一されていません。そもそもアメリカが「世紀末」ならどこも同じだし、アメリカは「都市」じゃないです。

それでいてストーリーが語られるのはエンディングのみ
 別にいいんですけどね。特に知りたくもないし。ステージ間のデモまで手が回らなかったのか、頭が回らなかったのか、技術が回らなかったのか。

見たことのあるような人物相関図
 これもゲーメストムックによくあるようなやつです。しかも異様に複雑です。別に知らなくてもどうということもありません。でもこれだけ設定で盛り上げようとしているのに、ゲーム本編はえらく淡白です。

恋人がさらわれる主人公
 「龍虎の拳」主人公のようですね(妹がさらわれる)。コピーはキャラパターンだけではありませんでした。

ギースもどきの大切なものが「己自身」
 ジャケット写真最上段中央のキャラは敵組織のボスであるカインで、見た目だけでなく、動きももちろんそのまんまギースです。そしてカインもギースも大切なものが「己自身」です。あれ、やっぱりギース様ご本人ですか?

ギースもどきの嫌いなものが「キュウリ」
 そんな世界征服を目論む男カイン様が、「キュウリ」が嫌いって…。これはザマス制作者のオリジナルなセンスでしょうが、それにしてもなんというハズしっぷり。うっかりキュウリを食卓にでも出そうものなら、「ビリーよ、私がキュウリを嫌っていることを知らぬお前でもあるまい…。貴様の命で償ってもらうぞ」とか言われそうですが、ビリー・カーン関係ないか。

ボスが「チョイ・ボンゲ」+「ブランカ」
 キュウリが嫌いなカイン様、実は最終ボスではありません。最後は変な改造人間みたいなのが出てきます。見た目が「チョイ・ボンゲ」で、動きが「ブランカ」です。倒すとプレイヤーキャラとして使えます。やったね! ちなみにその正体は、二階堂紅丸が探していた弟です。このへんは「龍虎の拳」のキングの設定(足の不自由な弟がエンディングで回復)より救いがありませんね。

無意味なCPU観戦モード
 それを誰が求めているのでしょう? 「誰得」ってやつですね。

キャラが動かないオープニングアニメ
 キャラのイラストをスクロールさせたり、画面分割してみたり。編集ツールに慣れた人なら、元のイラストがあれば10分くらいで作成できるようなアニメーションです。しかも画質がすこぶる低いです。

嫌がらせに等しいボタン配置
 プレステのコントローラのボタン配置は
 △
□ ○
 ×
ですが、「ザマス」の初期ボタン配置は、□(弱P)、○(強P)、△(弱K)、×(強K)です。一応キーコンフィグもありますが、せっかくだからこのままでプレイしています。

正誤表が同梱
 ケースを開けると解説書の誤植の正誤表が入っていて、プレイ前から残念な気持ちになります。誤植をほったらかしているよりはいいのですが、せめて一度くらい校正したらどうよ?



あそらくって何だよ…。

正誤表すら間違っている技コマンド
 上の正誤表で顔壊拳(ヒドい名前だ)コマンドで大Pとありますが、小Pでも技が出ます。ちなみに解説書には大P小Pだけでなく強P弱Pなどの表記の揺れもありますが、本来は強P弱Pが正しい気がしますね。

「高速で瞬間移動」するという必殺技
 解説書にはこう書いてあったのですが、じゃあ「低速で瞬間移動」ってのもあるのでしょうか。他にもミシェールの技の「ライトニング・カッター」の解説には「軽くジャンプしながら足からソニックブームを出し、相手にぶつける」とありますが、ガイルの技を前提にするくらいなら、もう「ソニックブーム」でいいじゃないか。

 解説書ネタでもう一つ。ステージ紹介ページに「道場の地下神殿」とあります。私は武道のたしなみは全くありませんが、道場には地下神殿が設置されるものでしょうか?

起き上がりに重ねられる投げ
足払いだけでクリアできるゲームバランス
 こんなんだからクリアするのは簡単です。難易度上げても変わりません。格ゲーが苦手な方もプレイしてみてはいかがでしょうか。もっと苦手になるでしょうが。

ダサダサのタイトルロゴ
 上のジャケット写真のタイトルロゴを見てわかるように、昭和40年代くらいのセンスではないでしょうか。これもネオジオ系ロゴデザインを目指した雰囲気はありますが、あまりにも至らなすぎです。

わかるようでわからんタイトル
THE MASTERS FIGHTER
 私は英語がかなり不自由なのでどなたか教えてほしいのですが、この赤字で示した複数形の「S」の意味が分かりません。所有の「'S」だとしても分かりませんが。

おまけ:無意味なテクスチャ補間処理
 プレステ2にはプレステソフトに対してテクスチャ拡大時の粗さを補間処理する機能がついています。「ザマス」で補間機能オンにすると、ゴジゴジだったキャラグラフィックがボケボケになりました。やはり元々小さいキャラグラフィックを拡大して表示していたことが科学的に証明されました!



 動画もどうぞ。ちなみにこの動画ではKOしても試合が続行しているように見えますが、KO後も1秒くらいは操作可能なのです。なぜそのような仕様なのかは知りません。

 私がこれを買ったのはもう十年以上も前ですが、もともと「ゲーム批評」という雑誌で「最高・最低のゲームは?」という記事で複数のライターが最低側にその名を挙げていたのが気になったのが始まりです。「あまりの酷さに手放す気にならない」と書いてありまして、その気持ちを十二分に理解してしまいました。

 ところで、プレステオフィシャルサイトでは「アメリカやヨーロッパで大人気であった「MASTERS FURY」が、今、プレイステーションに「MASTERS FIGHTER」としてリメイク発売! 海外で作られたビッグスケールなキャラクター! 華麗な背景だけでも一見の価値あり! 3Dではだせないアニメーション感覚。連続攻撃の快感。さらに一打逆転の超必殺技も取り入れ爽快感も倍増!」などと書いてあります。エンディングを見てみると何ヶ所か「UNICO」というメーカー名がありました。このメーカーを調べてみると、韓国のUnico Electronics(現在はコナミ傘下となりKonami Koreaに社名変更)というところのようです。「アメリカやヨーロッパで大人気」というのはウソだとして、「MASTERS FURY」とやらが実在するかどうかも別として、情報を総合して推測すると、韓国製のパクリキャラグラフィックを使って日本側がでっちあげた、ということになりそうです(そうでないと、メディア展開や音声などが説明できません)。韓国のパクリはいつものことですが、「ザマス」制作は主導した日本側の罪が重いでしょう。

 「デスクリムゾン」「里見の謎」に匹敵するクソゲーといわれる「ザ・マスターズファイター」。ところが「デスクリムゾン」も「里見の謎」も愛すべきクソゲーなのに対し、この「ザマス」には情けなくなってきます。あそらく製作者達はネオジオ格闘が好きだったのでしょうが、ノウハウも無く技術が追いつかなかったのでしょう。それでもクオリティーが低いのは許せます。ですが、
志が低いのは許せません!
だから、負の遺産として永遠に笑ってやるために、二度と手放せなくなったのです。

【ゲームクエスト】ミスト

2010-12-24 19:24:59 | ゲームクエスト
ミスト(プレイステーション)

2008年2月28日掲載

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 今さらながらプレイしてみました「ミスト」! 難易度がとてつもなく高いと言われているのは知っていましたが、怖いもの見たさで始めてみると…。

 とある島にてさまよいながら感じるのは、あまりにも人工的な謎の気配。目的を得た後に行く先々は、死が支配する寂しい時代。そこで唯一動いているものは、謎を構成する奇妙な機械。そんな不自然さも当然で、全ては謎のために作られた世界。

 攻略情報を一切遮断し、バッドエンド3種とグッドエンド(+スタッフロール)に至るまでの総プレイ時間は12時間程度でした。平均よりは早く解けた方でしょう。

 昭和の時代、私はパソコンアドベンチャーゲームを色々とプレイしてきました。それらと比較した場合の「ミスト」の難易度は、まあ「並」といった感じでした。私のこれまでの「経験値」が生きていたようです。

 だからといって不満だったわけではなく、むしろ大いに満足しました。文書や装置を注意深く観察し、仕掛けの意味を推理し、何度か試行を繰り返せば、「あ、なるほど!」と解法がひらめきます。その時、自分の知性に感嘆することでしょう。それが最大の魅力です!

 ここにスイッチがある。押してみると何かが動く音がした。何が動いたのか? どのように動いたのか? 動いたことで自分に何ができるようになるのか? ここにスイッチがある。押してみても手ごたえがない。装置を動かす動力は何か? 装置はどこにつながっているのか? 謎には全て理論があり、それに気付かせる作りが実に見事! 気付いた自分も素敵!

 「アドベンチャーゲームはかくあるべし!」と言わんばかりの古典的な本作は、今ならPSPにも移植されているようです。ぜひとも攻略情報なしでクリアしてみてください。

 もし私より早く解くことができれば、その人はよほどのベテランゲーマーか天才に違いありません。そして私は、その武勇伝を聞きたいのです。才気あふれるプレイを自慢してほしいのです。そういうゲーマーが増えれば、ゲームはもっと知性を刺激するエンターテインメントとなるのです。

手放したゲームたち その9 いい加減にしやがれ!

2010-12-23 19:37:47 | ゲーム
・修羅の門(プレイステーション)
【一言】3Dポリゴン格闘ゲームみたいな何か。いきなり始まり延々と続く、じじいの健康体操。軽快なプレイ感覚は紙相撲によく似ている。左右の構えのスイッチングが特徴的だが、意味はあるんだか無いんだか?
【もう一言】馬乗りで無限にボコれるキャラもいる。オープニングはこちら


・フィスト(プレイステーション)
【一言】スーファミのプリティーファイターの続編。元のキャラクターイラストにとらわれないポリゴン造型、最もシンプルなシステムと憶えやすい操作方法、それでいて独特の動作感覚、衝撃の連続!
【もう一言】語るに足らん。


・ファイティング アイズ(プレイステーション)
【一言】3Dテケテケ格闘。動き、キャラ、価格、パッケージなどが相当ナニなことになってるのは耐えてみせるが、画面の右端がビカビカとバグっているのだけは脳に悪いから何とかしてほしい。
【もう一言】ケース裏にも書いてある「戦意喪失」の参考動画はこちら。プレイヤーが戦意喪失ですよ。


・超人学園ゴウカイザー(プレイステーション)
【一言】NEOGEO格闘の移植。だと思ったら大間違い。原作はいい意味で大味だったが、プレステ版はトレースモードがない、動きがパクパク、CPUがバカ、ジャギーだらけ、歌わない。スタッフの夜逃げが目に浮かぶ。
【もう一言】プレステはポリゴンを使ってスプライト表示しているのだが、本作にはそれを利用した3Dモードというのがあってね、学芸会を思い出してくれればいいんだけど。


 長く続いた「手放したゲームたち」、最終回で最低評価の4本は全てが対戦格闘という結末。プレステ対戦格闘には「ザ・マスターズファイター」という悪魔大将軍がいますが、あまりにも酷すぎるので逆に手放せないでいます。

【ゲームクエスト】信長秘録 下天の夢

2010-12-22 19:08:10 | ゲームクエスト
信長秘録 下天の夢(プレイステーション)

2008年2月8日掲載、不明瞭な点を修正

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 歴史シミュレーションゲームの業界は「信長の野望」のK○EIの天下だが、そんな中に発売されたのが「信長秘録 下天の夢」だ! 本作はテキストを読み進めるデジタルノベルである。本能寺の炎の中、死にたくないと願う信長が過去の人生をやり直すという、なんだかファンタジー青春映画みたいなお話なのだ。

 やり直す時点は「桶狭間」か「長篠」が選べる。まずは桶狭間のシナリオからスタートだ。この私が信長を戦国時代の覇者にするのだ!

 ところが何度かプレイしてみたんだが、うちのノブナガ君ときたら、桶狭間にて勝てるはずの今川義元に敗れ、その後九州で商人となったり、盗賊団のオカシラになったりしやがる。君それで人生満足なの? 将来ゲーム化されないぞ!? しょうがない、次は長篠の戦いのシナリオを進めてみよう。

 ノベルとゲームを分かつものは何か? 単に選択肢があればゲームというわけではない。勝負を懸けて行動を選択するのがゲームである。本作での勝利は、当然戦国時代の覇者になることだ。だがそれだけでは弱い。マイルールを設定しよう。「5回以内に本能寺の変を回避」できたら勝利とする! 以下、ネタばれも交えつつ勝負の行方を実況しよう。

 再開1回目、本能寺の記憶を持ったままのノブナガ君は、長篠前夜に明智光秀の顔を見ながら、奴がなぜ自分を殺すことになるのかを考える。思えば奴にはつらくあたっていた。だが今後は共に全国統一を果たそうではないか! 本能寺のことはチャラにしよう。ここは笑って許してつかわす!

 その後なにやら奇妙な回想シーンが続く。ふと我に返るとそこは本能寺の炎の中で、いわゆる走馬灯というやつだった。夢オチかよ!

 奴を許した後の選択を間違ったのかも知れぬ。2回目のプレイでは別の選択をしてみよう。ところがまた同じ夢オチではないか! プレイ1回分損した! ノブナガ君は光秀を許しては駄目なのだ。「殺してしまえホトトギス」を忘れてはならぬ!

 3回目は光秀をいきなりたたき斬ってやった。これぞホトトギスの精神じゃ! これぞ信長様でござる! すると信長様、間髪入れずに地獄に落ちてござる! ホトトギス駄目だぁ!! そこでは信長様が今まで殺してきた人々が鬼達と共に信長様を責め立てる。夢オチよりタチがわりぃや。というか、長篠の戦いは?

 4回目、今度は光秀に切腹を命じると、シーンはようやく長篠の戦場だ。さらりと勝利した信長様は、誰かが光秀に謀反を起こすようにしむけたのではと考え始め、ついに黒幕を見抜いた!! すると日本の歴史を司る神とともいえる存在が現れ、信長様の未来として4枚のカードから1枚を選べと言う! なんだこのオカルト的かつゲーム的展開は!?

 どうもこのカードによって信長様の運命が大きく変わってくるらしい。中には記憶を失ったり天に召されたりする物騒なカードもあるそうだ。なのにカードの絵柄からは、選んだらどうなるかというヒントは得られない。信長様にはカードの意味が分かっているらしいが、私は何も知らないぞ? 何を基準に選べと!? しょうがないのでヤマカンを頼りに1枚選んでみた。

 案の定、記憶を失いましたー! で、目の前では秀吉が信長とやらの葬儀を行っている。その後、何かありそうで何も無い人生をおくり、寿命が尽きる直前に本能寺で我に返った。夢オチ率たけぇよ!!

 勝負を懸けた5回目、別のカードを選ぶと、言わんことか天に召されましたー! しばらく不思議時空をさまよった後になぜか本能寺へ帰ってみると、信長様の魂が分裂して方々に散っていくのを目撃する。どうもこのシーンがカード選択の真相のようだ。なんというメタ的視点! そして信長様の魂は、分裂した魂の一つに取り憑いた! 魂が魂に取り憑くとはメタメタな展開だ!

 で、結局本能寺に戻って、回想シーンからの夢オチコンボ攻撃…。負け…。

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 もちろんその後もプレイを続けた。視点を変えながら何度も本能寺に戻り、時系列滅茶苦茶の「ドグラ・マグラ」的展開をたどったあげく、ついに光秀と二人で天下統一を目指すことになった! すげぇぞ光秀! かっこいいぞ光秀! マジで光秀萌え~! …何だ、最初に目指した方向じゃないか。

 それが11回目のプレイである。かなりの負けっぷりである。だが、勝負を懸けて本気でプレイしているうちに、光秀の心がわかってきたのである。

 このシナリオの後半は光秀の視点がメインであり、主人公は光秀であると言っていい。光秀は多くの武家・公家・商人・寺社と繋がりがあり、誰からも信頼された。だからこそ信長を討たねばならなかった。そんな光秀がとても立派な武将に見えた。

 私はゲームに負けて、光秀にも負けた。光秀萌えだ! 光秀の誠実さに萌えた! 光秀が欲しい! 上司でも部下でも友人でもいい! 光秀を讃え、「本能寺の変」を世界遺産にしよう!

 私は、天下人をプロデュースする光秀シミュレーション「光秀の大望」を提案する! 信長を助けるもよし、秀吉や家康、はたまた足利将軍に付くもよし、例の黒幕の使者となるもよし、いっそ光秀が天下を取るのもいいだろう。 K○EI以外のメーカーの方、いかがですか? きっと業界で天下が取れますよ!

 けど光秀だけに、三日天下で終わったりして。