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ソーラーストライカー

2017-09-23 23:58:41 | ゲーム


 ゲームボーイのソフトは小さなカートリッジであるため、中古ゲーム屋さんでは盗難対策のためか壁にくくりつけてあることが多いのですが、投げ売り状態のタイトルはそのような手間がかけられることもなく自由に手に取ることができます。そんなソフトの常連の一つがこの『ソーラーストライカー』。どんなゲームかは知りませんでしたが、以前からなんとなく気になるタイトルだったので、シューティングっぽい名前にひかれてある日に数百円で購入。



 さてプレイしてみると、やっぱりシューティングでした。しかも任天堂が制作しているんですね。最近のことはわかりませんが、任天堂のシューティングってかなり少なかった印象があります。『ドンキーコング3』とか『スターフォックス』シリーズくらいしか思い当たりません。ゲームボーイ発売にあたり、とりあえず一通りのジャンルのゲームを揃える必要があったため、いわば数合わせのために発売されたのではないかと想像します。



 シューティングとしてはとてもシンプル。縦スクロールで、パワーアップは3段階ありますが、いずれも正面に撃つだけです。バリアも無敵のオプションもボンバーもありません。オート連射はありますが弾切れが激しいので、ボタン押しっぱなしよりは狙って撃つ必要があります。



 敵の攻撃はそれほど激しくはありませんが、少々クセがあります。敵は自機をきっちり狙ってくるわけではなく、8方向にしか撃ってきません。したがって常に動いていれば避けられるというわけにはいかないのです。さらに、敵の個体ごとに攻撃のタイムテーブルが設定されているのではなく、ゲーム全体でタイムテーブルが設定されていて、それを画面上の敵機に割り振っているような感じを受けます。これにより、敵の移動パターンと攻撃タイミングがシンクロせず、不意打ちをくらうことが多いような気がします。以上の点より、見た目以上に緊張感が必要なゲームです。



 そうだとしても、まあ誰でも4面ボスまでは到達できるでしょう。ところが4面ボスから急に難易度が上がります。上の写真はそのボスですが、こちらの攻撃は敵の中央にしかダメージを与えられず、それでいて周囲の砲台からの激しい攻撃にさらされることになります。こういう場合、敵が8方向にしか攻撃できないことを利用して安全地帯を探すのがセオリーですが、どうもこのボスは自爆したり逃げたりしないようなのでダメージを与えられる真正面のどこかにないか探してみました。その結果、上の写真の位置が半安全地帯と判明しました。自機の先端を砲台の前面より下側になるようにします。そして左上から自機の左下をかすめるような弾をちょっとだけ上によけたところでボスを倒すことができるでしょう。なぜか避ける必要がない場合もありまして、詳細は不明ですが、ひょっとしたらパワーアップが最強でない場合は自機の当たり判定が小さいのかもしれません(未確認ですが)。



 5面になると画面上から高速で硬い敵がまっすぐ突っ込んできます。これが一個5000点なので、スコアアタックには最も重要なポイントとなります。ただし結構やられやすく、やられてパワーダウンすると破壊困難になりますのでほどほどに。上の写真は5面ボスで、安全地帯に入っています。まともに戦うと4面ボスの次くらいに強いかもしれません。



 最終面である6面では中ボスラッシュがあります。それぞれは大して強くはないのですが、硬い敵が突っ込んでくるので要注意。そして最終ボスは上の写真のように簡単に見つかる安全地帯があって楽勝です。



 脱出シーンからのエンディング。クリアまで20分くらいで、ゲームボーイを手に持って遊ぶことを考えるとちょうどいい長さかもしれません。



 スタッフロールには故・横井軍平氏の名前。氏はゲームボーイの開発者でもありますが、その哲学に「枯れた技術の水平思考」というのがあります。これは、無闇に新しい技術に飛びつかずに、勝手の知った技術をこれまでにない分野に応用して新たな価値を生み出す、という考えです。しかもコストをそれほどかける必要がないというメリットもあります。ゲームボーイにはまさにこの哲学が込められており、シンプルなゲームが長く親しまれたのでしょう。本作もそのシンプルさに価値があると言えます。



 ちなみにクリアすると難易度が上がったハードモードを遊ぶことができます。この記事の一番上のタイトル画面の写真は実はクリア後のもので、SELECTボタンを押すと敵弾がかなり増加したハードモードが始まります。とはいえ、通常モードをクリアできた人ならば慣れればすぐクリアできると思われます。ボスの安全地帯はそのまま使えますが、突っ込んでくる硬い敵が弾を撃ってくるのには気をつけなければなりません。

 というわけで、シンプルすぎるシューティングですが、手軽にプレイできる割にはそこそこ緊張感もあって思った以上に楽しめました。音楽もなかなかいいので、安かったらぜひどうぞ。

暗黒神話 ヤマトタケル伝説

2017-09-03 20:22:24 | ゲーム
 漫画雑誌「ウルトラジャンプ」の2014年3月号には付録として諸星大二郎『妖怪ハンター』のコミックス復刻版が付いておりました。今でも手元にありますが、これを読んだ時、なんか子供の頃に見た覚えのあるシーンがいくつもありました。どうも私はこの作品をどこかで読んだことがあるようです。友人の家か本屋での立ち読みかわかりませんが、間違いありません。諸星大二郎の描く漫画は独特の絵柄と作風でマニアックなファンが多いと思われますが、もし私が諸星大二郎作品を集め始めたらどっぷりとハマりそうで、今一番気になる漫画家です。

 そして先日、秋葉原で中古ゲーム屋を巡っていた時に見つけたのが、この諸星大二郎原作のファミコン版『暗黒神話 ヤマトタケル伝説』です。原作を読んだことはありませんが、数百円だったので即購入。



 タイトル画面ですが、なかなか重々しいロゴ。メーカー表記はありませんが、制作は東京書籍。トンキンハウスのブランド名でも有名でした。

 プレイヤーは主人公である中学生タケシ。父親が変死したとのことで、その真相を探るのが目的です。ゲームシステムは普通のコマンド選択式。とにかく状況を見て、話を聞くのが基本姿勢です。プレイ開始は土曜日の午前11時。果たしてどれくらいの日数でクリアできるでしょうか。



 事件の手がかりを求めて長野県の考古館にやってきました。そこでタケウチという老人に会い、父は蓼科の山奥で殺されたとの情報を得ます。二人で事件のあった周辺の遺跡を探り、タケウチからいろいろな解説を聞きながら遺跡の奥へ進んでいくと……。



 いきなりアクションゲームの戦闘シーン! プレイヤーキャラはすでにヤマトタケルのイメージです。説明書によるとこの怪物はタケミナカタ(オオクニヌシノミコトの子)で、大和朝廷に倒されて両腕をちぎられたとのことです。本作では探索中に得られた情報量が多いとボス戦が有利になるらしいです。とりあえず適当に剣を振り回していたら倒せました。これで第一章が終了。ここまでプレイ時間10分程度。なんかあっけないなあ。



 第二章はタケウチの導きによって古代出雲での前世を体験。どうもタケシの前世はヤマトタケルのようです。その妻オトタチバナもちょっぴり顔出し。草薙の剣を取ってオロチを倒すと第二章クリア。なんだかテンポが良すぎますが。



 第三章はいきなり現代の大分県の国東半島。なぜかオオガ ミヤという考古学者に出会って周辺の遺跡を探ることになります。彼女は邪馬台国の女王ヒミコが不老不死であったことを研究しているようです。

 ところでアドベンチャーゲームではゲームで想定されていない行動をしようとすると「それはできません」とか表示されるのですが、本作はこの第三章あたりからふざけたメッセージが目立つようになります。特にプレイの支障にはならないのですが、「データーくうから、へんなコマンドつかわないでね」というメッセージが出た時は「だったらそんなの入力しないでもっと別のところを充実させたらどうか」とは思いました。



 その後タケウチと合流し、ボスの餓鬼との戦闘。この餓鬼の正体は……。



 第四章は奈良県御所市の白鳥陵。ヤマトタケルの御陵の一つです。その地下でキクチカズヒコなる者に出会いました。ただし、こいつに会うタイミングが悪いとゲームオーバーになるので、2回はプレイすることになるかもしれません。白鳥陵の地下は黄泉の国とつながっており、イザナギノミコトの例にならって黄泉醜女(よもつしこめ)に襲われながら黄泉の国から現世へと逃げ帰ります。



 こちらがその醜女さん。なかなかいいデザインです。それにしても日本中をあちこち飛ばされて遺跡の探索をさせられています。そして各章をクリアすると体のあちこちに聖痕が現れます。これらの場所は何か対応しているのでしょうか。

 このあたりで昼になったので、食事のためプレイ中断。1時間程度で第四章までクリア。



 午後1時にプレイ再開。第五章は奈良の興福寺、我が家から徒歩圏内が舞台です。興福寺宝物館で阿修羅像を見るタケシ。現実の興福寺阿修羅像はもっと少年のような顔立ちの国宝です。本作の興福寺の中は小さな部屋で仕切られていて、各部屋の謎を解いて扉を開くという、のちのトンキンハウス(雨月奇譚ジャガーノート)によく見られる仕掛けが待っています。もちろんできることは極めて限られていますので、ひたすらコマンドを選んでいればなんとかなりますが。



 第六章は静岡県の焼津。ここのお寺には石のようなものがまつられていて、これは古代のタイムカプセルだそうです。実はタケウチも古代人で、これを使って現在まで生き長らえたようです。そのタイムカプセルの一つにヤマトタケルの妻オトタチバナが入っていて、この現代に一瞬だけ覚醒しますが、タイムカプセルの不具合ですぐに溶けてしまいました。何しに出てきたかと思ったら、八咫の鏡を古代から持ってきてくれました。



 第七章は関西に戻って京都の妙見山。キクチカズヒコと再び対峙。第三章あたりからちょいちょい出てきた馬頭観音を召喚してきましたが、さっさとクリア。



 そして第八章、東京の三鷹にあるタケシの家が舞台です。誰だか知りませんがこのオガタという人物が家にまでついてきました。父の死にはなんと母も関わっていたという衝撃の事実を知りますが、その母の助けもあって八尺瓊勾玉をゲット!



 そしていきなり暗黒神との対決です。攻撃の死角からジャンプして適当に火の玉を撃っていると倒せました。エンディングが流れてクリアです。これが午後2時。

 というわけであっという間にクリアしてしまいました。コマンドが少なくできることが限られているので、コマンド総当たりしても時間をくいません。どうすればいいかわからない時は土偶を投げればなんとかなります。まあ謎解きを楽しむというよりは、日本の神話や遺跡の雰囲気が最大の魅力かもしれません。しかも(原作漫画の魅力でしょうが)インド神話やSF要素、オリオン座とその脇腹に食い込む馬頭星雲(暗黒星雲)などの意味づけが何重にも絡み合っており、その練り込まれた設定に強い興味をそそられました。

 で、その日の夕方に近所の本屋に「暗黒神話 完全版」があるか探しに行ったら3200円+税だったので断念。もうちょっと金持ちになったら買うとします。