2日、国際オリンピック委員会(IOC)は、2016年夏季五輪の開催地にリオデジャネイロを選出した。
一方、落選となった東京では石原慎太郎知事の求心力が低下。招致活動だけで100億円もの税金を投入し、オリンピックの会場予定地の新たな用途も見通せない状況だ。
石原知事曰く、「東京のプレゼンテーションはほかの国に比べて圧倒的によかった」らしいが、私には全くそのように感じられなかった。
むしろ無理やり英語で行った日本勢のプレゼンテーションのレベルは、最も低いものだったと思う。
対して、ルラ・ブラジル大統領の演説は素晴らしかった。ポルトガル語で話した内容を英語に通訳するという形式だったが、言葉から発せられる「生きたリズム」のようなものが伝わってくるものだった。
演説の論旨展開を見ても、ブラジルが最も説得力があったと言えるだろう。
アフリカとともに南米大陸では、未だ五輪が開催されていない。
五輪の基本理念から考えても五輪未開催の大陸で初の開催というのはそれだけで「大きな理由」になるからだ。
一方、日本や米国の場合には「なぜ今東京なのか?」「なぜ今シカゴなのか?」という点がしっかりと説明されていなかったのが致命的だった。
特に東京は「なぜ2度目の開催なのか?」という点を説明しなければ、必然性は伝わらないだろう。
石原知事に対しては100億円以上の税金を無駄にしたという批判が多く寄せられているということだ。
だが、私はそれ以上に、築地・勝どき・晴海といった東京都にとって最も重要な土地をオリンピック用地という理由で今まで有効活用できない状態にしておいたことが問題だと思う。
そもそも、東京がリオデジャネイロに勝つ見込みが極めて薄いということは、過去の歴史を振り返ってみても、すぐに理解できることだ。
今、ブラジルのルラ大統領と言えば、あのオバマ大統領が羨ましいと言うほどの絶大な人気を誇る政治家だ。
ロンドン招致の際のブレア英首相、ソチ招致の際のプーチン露大統領(当時)を見ても分かるように、オリンピック招致にあたって絶対的な人気を誇る政治家の名演説は大きな影響力を発揮する。今の日本の政治家では全く歯が立たないのは明らかだろう。
さらに私に言わせれば、立候補すること事態、今の東京都の立場からすれば優先順位が違うと思う。
今の東京に必要なのは、オリンピックのようなイベントで一時的に盛り上げることではなく、日々「人・企業・情報」が集まってくるような、毎日を活性化するような街づくりを考えることだ。
東京にとって重要な土地を無駄にしたという事実を、なぜマスコミが糾弾しないのか? 私は非常に残念に思う。
おそらく殆どのマスコミは電通への配慮から、表立ってオリンピック招致への反対意見を述べにくいのだろう。
電波に大きな影響力を持つ電通とあらゆる利権構造が背景に見え隠れしているからだ。
現代は、間違った圧力のかかった情報にまみれている。今回の件ついて言えば、最初から東京には勝ち目は殆どなく、「期待できる」などと言うべきではなかった。
日々私たちが接する情報、特にテレビから発信される情報には注意するべきだ。
それらを鵜呑みにすることなく、正しい情報と状況認識ができるように心がけてもらいたいと思う。
一方、落選となった東京では石原慎太郎知事の求心力が低下。招致活動だけで100億円もの税金を投入し、オリンピックの会場予定地の新たな用途も見通せない状況だ。
石原知事曰く、「東京のプレゼンテーションはほかの国に比べて圧倒的によかった」らしいが、私には全くそのように感じられなかった。
むしろ無理やり英語で行った日本勢のプレゼンテーションのレベルは、最も低いものだったと思う。
対して、ルラ・ブラジル大統領の演説は素晴らしかった。ポルトガル語で話した内容を英語に通訳するという形式だったが、言葉から発せられる「生きたリズム」のようなものが伝わってくるものだった。
演説の論旨展開を見ても、ブラジルが最も説得力があったと言えるだろう。
アフリカとともに南米大陸では、未だ五輪が開催されていない。
五輪の基本理念から考えても五輪未開催の大陸で初の開催というのはそれだけで「大きな理由」になるからだ。
一方、日本や米国の場合には「なぜ今東京なのか?」「なぜ今シカゴなのか?」という点がしっかりと説明されていなかったのが致命的だった。
特に東京は「なぜ2度目の開催なのか?」という点を説明しなければ、必然性は伝わらないだろう。
石原知事に対しては100億円以上の税金を無駄にしたという批判が多く寄せられているということだ。
だが、私はそれ以上に、築地・勝どき・晴海といった東京都にとって最も重要な土地をオリンピック用地という理由で今まで有効活用できない状態にしておいたことが問題だと思う。
そもそも、東京がリオデジャネイロに勝つ見込みが極めて薄いということは、過去の歴史を振り返ってみても、すぐに理解できることだ。
今、ブラジルのルラ大統領と言えば、あのオバマ大統領が羨ましいと言うほどの絶大な人気を誇る政治家だ。
ロンドン招致の際のブレア英首相、ソチ招致の際のプーチン露大統領(当時)を見ても分かるように、オリンピック招致にあたって絶対的な人気を誇る政治家の名演説は大きな影響力を発揮する。今の日本の政治家では全く歯が立たないのは明らかだろう。
さらに私に言わせれば、立候補すること事態、今の東京都の立場からすれば優先順位が違うと思う。
今の東京に必要なのは、オリンピックのようなイベントで一時的に盛り上げることではなく、日々「人・企業・情報」が集まってくるような、毎日を活性化するような街づくりを考えることだ。
東京にとって重要な土地を無駄にしたという事実を、なぜマスコミが糾弾しないのか? 私は非常に残念に思う。
おそらく殆どのマスコミは電通への配慮から、表立ってオリンピック招致への反対意見を述べにくいのだろう。
電波に大きな影響力を持つ電通とあらゆる利権構造が背景に見え隠れしているからだ。
現代は、間違った圧力のかかった情報にまみれている。今回の件ついて言えば、最初から東京には勝ち目は殆どなく、「期待できる」などと言うべきではなかった。
日々私たちが接する情報、特にテレビから発信される情報には注意するべきだ。
それらを鵜呑みにすることなく、正しい情報と状況認識ができるように心がけてもらいたいと思う。
ついでに、ですが、大前先生が、何かを評価してる(ほめたたえている)記事などは、ありませんか?あれだけ鋭い視点持っていながら、いつも批判ばかりで、もったいないなぁと思います。それこそ、貴方(そして多くの国民も)に必要なのは批判ではない、といつも思ってしまって、目をそむけてしまうんものですから。
所詮、傍観者、野次馬ですな。地に落ちたねぇ。
池袋の住宅街にある工事途中の放置道路ご存知ですか?ここだけではありません。高い地方税を払ってこれです。外国人の友人は「どうして都民はイシハラのやり方に声を上げないのか?」と。国の政治が変わった今、東京も変わる時ですね。
地方分権が本当に実現すれば「人・企業・情報」が自動的に集まってくる状況は無くなる。地方がそれぞれ得意分野で企業や人を引き抜く状況になる。もちろん、皆が狙っている草刈場は東京だ。○○をするなら、A県で!と言うPRを46道府県が展開したとして、全勝しなければ東京のパイが小さくなると言う現実を分かっていないようだ。ギャンブルに行って僥倖を待つようでは、縮小均衡が進路に待っているだけだろう。
ちなみにリオで良かったですね。すばらしい大会になるよう、運営に期待します。
終わった後には何でも言えますね。
せめて大前さんには、今回の五輪招致の結果が判る前に論評していただきたいと感じました。
100億円でどれだけの国民を救えるのか考えると石原氏の責任は非常に重いですが。
(…)さんのおっしゃる夢や希望も分かりますが、東京で開催しても都民に一時の夢や希望を与えるだけで、世界への影響力は薄いでしょうね。世界イベントに相応しい会場だとは思えません。
今回の落選、私はとても残念です。
財政も含めた総合的な能力を考えても、日本で行われるならば東京開催が良いのではないでしょうか。
いろんな方が言っていますが、後付けの言い訳のような気がします。ここ数回の立候補で当選出来ずにいたブラジルがなぜ今回当選したのか?
南米発だからという理由では今回の当選の説明は出来ません。
招致に費やした100億円は誰が責任をとる?という話もありますが、仮に招致に成功していた場合の経済効果は数兆円と言われています。
だからなんだ?
と言われそうですが、立候補しなければ当選しませんし、今回はどう考えても東京だ、という状況にはなかなかならないと思います。
なので、可能性は低くとも立候補することに意義はあると思います。
ただ、あのプレゼンでは当選する気はしませんね
国民を馬鹿にしてるのだろうか?
石原知事も歳をとりましたね。。