24日、世界最大の携帯電話メーカーであるフィンランドのノキアと米ネット検索大手ヤフーが携帯電話を中心とするネットサービス事業を統合すると発表した。
スマートフォンが世界的に急速に普及するなか、携帯電話のサービスを共同で拡充し、この分野でシェアを伸ばしている米アップルや米グーグルに対抗する狙いとのこと。
米国での実態を見る限り、ほぼアップルとグーグルが勝者になることは間違いないと私は見ている。
おそらくノキアは世界最大の携帯電話メーカーとして「焦り」を感じているのだろうが、アップルやグーグルが進めるビジネスのスピードには追いつけないと私は思う。
アップルやグーグルの戦略は自社としてはプラットフォームだけを提供し、その上で動作するアプリケーションを開放して、どんどん外部の力を借りて作ってもらう点にある。
ノキアのように「自社で設計して自社で作り上げる」という従来型の手法では、アップルやグーグルのスピードには絶対に追いつけないだろう。
私は拙著「新・資本論」の中で「21世紀の富はプラットフォームから生まれる」と述べたことがあるが、アップルが発売した話題のiPadを取り巻くビジネス環境を知る上でも、この考え方は非常に重要だと改めて感じている。
プラットフォームビジネスにおいては、トラフィック(アクセス数)が最も重要な要素であり、そこに集まる人が増えることで商流や情報流が発生して富が生まれる。
米アマゾンは自前の電子書籍端末「キンドル」というプラットフォームをすでに持っていたが、4月に「iPad」が発売された途端、自社が販売している電子書籍をiPadでもダウンロードできるようにしてしまった。
アマゾンにしてみれば、ハードウェアとしての「キンドル」では「iPad」に敵わないので「自分はコンテンツ屋」だと割り切ったのだ。
iPadというプラットフォームに便乗して「コンテンツで稼ぐ」という考え方は、プラットフォームビジネスの本質から見て、理にかなっている。
こうした電子書籍ビジネスの世界的な広がりを受けて、欧米で電子書籍ビジネスを展開してきたソニーは27日、同社の電子書籍専用端末「リーダー」の新しいモデルを、日本国内で、年内に発売すると発表した。
さらには、ソニー・KDDI・凸版印刷・朝日新聞社4社で電子書籍配信事業に関する事業企画会社を設立する方針とのことだが、この取り組みは上手く行かないと私は思う。
なぜならソニー・KDDI・凸版印刷・朝日新聞社が、電子書籍ビジネスを展開する上で最も考慮すべき事項は、ハードウェアではなく、様々な本や雑誌などソフトを取り揃えることだからだ。
日本で電子書籍ビジネスを展開する上で、最も大きな障害となるのはトーハン(株式会社トーハン)と日販(日本出版販売株式会社)の存在だ。
印刷業界に君臨するトーハンと日販を通さずに、直接書籍をダウンロードさせる仕組みを展開する「勇気」があるかどうか。
そこをクリアしない限り、日本で電子書籍ビジネスを成功させることはできないだろう。
プラットフォームビジネスという概念は今後ますます重要になってくると思う。
他社(者)が積極的に参加してくれる魅力あるプラットフォームとはどのようなものかをしっかりと理解しておいてもらいたい。
スマートフォンが世界的に急速に普及するなか、携帯電話のサービスを共同で拡充し、この分野でシェアを伸ばしている米アップルや米グーグルに対抗する狙いとのこと。
米国での実態を見る限り、ほぼアップルとグーグルが勝者になることは間違いないと私は見ている。
おそらくノキアは世界最大の携帯電話メーカーとして「焦り」を感じているのだろうが、アップルやグーグルが進めるビジネスのスピードには追いつけないと私は思う。
アップルやグーグルの戦略は自社としてはプラットフォームだけを提供し、その上で動作するアプリケーションを開放して、どんどん外部の力を借りて作ってもらう点にある。
ノキアのように「自社で設計して自社で作り上げる」という従来型の手法では、アップルやグーグルのスピードには絶対に追いつけないだろう。
私は拙著「新・資本論」の中で「21世紀の富はプラットフォームから生まれる」と述べたことがあるが、アップルが発売した話題のiPadを取り巻くビジネス環境を知る上でも、この考え方は非常に重要だと改めて感じている。
プラットフォームビジネスにおいては、トラフィック(アクセス数)が最も重要な要素であり、そこに集まる人が増えることで商流や情報流が発生して富が生まれる。
米アマゾンは自前の電子書籍端末「キンドル」というプラットフォームをすでに持っていたが、4月に「iPad」が発売された途端、自社が販売している電子書籍をiPadでもダウンロードできるようにしてしまった。
アマゾンにしてみれば、ハードウェアとしての「キンドル」では「iPad」に敵わないので「自分はコンテンツ屋」だと割り切ったのだ。
iPadというプラットフォームに便乗して「コンテンツで稼ぐ」という考え方は、プラットフォームビジネスの本質から見て、理にかなっている。
こうした電子書籍ビジネスの世界的な広がりを受けて、欧米で電子書籍ビジネスを展開してきたソニーは27日、同社の電子書籍専用端末「リーダー」の新しいモデルを、日本国内で、年内に発売すると発表した。
さらには、ソニー・KDDI・凸版印刷・朝日新聞社4社で電子書籍配信事業に関する事業企画会社を設立する方針とのことだが、この取り組みは上手く行かないと私は思う。
なぜならソニー・KDDI・凸版印刷・朝日新聞社が、電子書籍ビジネスを展開する上で最も考慮すべき事項は、ハードウェアではなく、様々な本や雑誌などソフトを取り揃えることだからだ。
日本で電子書籍ビジネスを展開する上で、最も大きな障害となるのはトーハン(株式会社トーハン)と日販(日本出版販売株式会社)の存在だ。
印刷業界に君臨するトーハンと日販を通さずに、直接書籍をダウンロードさせる仕組みを展開する「勇気」があるかどうか。
そこをクリアしない限り、日本で電子書籍ビジネスを成功させることはできないだろう。
プラットフォームビジネスという概念は今後ますます重要になってくると思う。
他社(者)が積極的に参加してくれる魅力あるプラットフォームとはどのようなものかをしっかりと理解しておいてもらいたい。
出版社も新聞社も大赤字でそれぞれ大手二社の合併話がすすんでいるとか。
もう、メディアが倒産寸前なんですから、新ビジネスの余裕もない。
『トーハンと日販を通さずに、直接書籍をダウンロードさせる仕組み』となればアマゾンの一人勝ち。
自分の場合、去年一年間で書籍を200冊買いましたが、80%がアマゾンで、20%がブックオフでした。
でも魅力あるプラットフォームとは一体どんなものなのでしょうか?
より多くの人が参加できるよう設計されたもの?(敷居が低いもの?)使い勝手がいいもの?参加するプレイヤーに十分な裁量権が与えられているもの?つまり、プレイヤーが主体的に関われるもの?排他的でないもの?でも、他のプラットフォームとは明らかに違うもの・・・
大前さんは「・・・少なくともパソコンの世界には、日本発のプラットフォームは1個もない。・・・」と著書で述べていらっしゃいますが、それはまさしくこの視点が今の日本企業に欠けているからなのでしょう。
ノキア似ていて、困っているのが日本の携帯メーカですね。まぁ、ガラパゴス戦略がいつまで持つことやら・・・。