菅直人首相は、小沢一郎前幹事長が政策財源を捻出するため提案している国有財産の証券化について「場合によっては流動性が少なくなり、国債より高い金利になるのではないか」と否定的な見解を示した。
今回小沢一郎前幹事長が提案した「国有財産の証券化」による政策財源を捻出するという方法は、全く「意味不明な政策」だ。そもそも「国債とは国有財産を証券化したもの」であり、この上さらに「国有財産を証券化して」「国債とは別の形」で販売するとなると、一体どちらの優先順位が高いのか?と問いたくなる。
そしてもし国債とは別に国有財産の証券化などを進めれば、それは「金目になるもの」だけを国債ではない形で証券化してしまうので、国債の担保には「値打ちのないもの」しか残らないことになるだろう。その状況で国債の不履行などが発生したら、小沢一郎前幹事長はどうするつもりなのか? 残された資産は「日本国民だけです」と、国民を外国に売り払うつもりなのかと言いたくもなる。
この議論に関して言えば、小沢前幹事長だけでなく、学者の中にも勘違いの見解を述べている人がいる。私が日本国債のデフォルトについて警鐘を鳴らしているのに対して、「900兆円の負債に対して、日本には600兆円の資産があるから大丈夫だ」と言うのだ。しかし私に言わせれば、彼らが言う600兆円の「資産」に本当にそれだけの価値があるのか、本当に証券化できるのか大いに疑問だ。
彼らが言う600兆円のうち100兆円には、防衛施設(自衛隊)、皇居、国立大学、在日米軍などが含まれているが、例えば自衛隊や皇居などの証券化は現実的ではないだろうし、100兆円を全て資産価値として計上するのは無理があると思う。そして残りの500兆円の資産として挙げられているのは「港湾」や「国道」などで、さらに現実的ではない。
私はかつて著書の中で「日本にある約1250の港湾のほとんどが赤字だ」と書いたことがあるが、この時国土交通省・港湾局から面白い訂正の指摘を受けたことがある。それは「ほとんどの港湾が赤字」ではなく、「全ての港湾が赤字」が正しいと言うのだ。
結局、600兆円の資産を証券化したいと言っても、キャッシュフローを生まないものを債権化することは意味がなく、私に言わせれば、キャッシュフローを生まないものは正味現在価値としてマイナスと考えるべきである。この点を理解していない人が多すぎる気がする。
ゆえに、「かんぽの宿」の売却にあたっても「なぜこんなに安く売るのか?」という発想になるのだ。いくら投資していたとしても関係はなく、赤字でキャッシュフローを生まないならば正味現在価値はマイナスだと認識するべきだ。
代表選中にニュースを見ていると、小沢前幹事長の攻勢に対して、菅首相が守勢に回っているような展開だと報じられているが、両者ともに「議論」以前の問題だ。この程度のことを理解できずに「的はずれな議論」で舌戦を繰り広げているなど、愚の骨頂だ。
そんな小沢前幹事長が「米国人は単細胞だ」という趣旨の発言をしたとして、TIME誌で批判されているかと思えば、菅首相の方は「円高以上の問題に気づいていない」「抜本的な対策をせずに、絆創膏を貼るような対策しかしていない」とBusinessWeek誌から指摘を受けている。私も同じような説明を何度もしているのだが、たまには別の方面から手厳しい指摘を受ける方が効果的かもしれない。
【今週の問題解決視点のポイント】
ロジカルに考え、議論することはとても重要。つまり議論すべきことであるかをまず見極めること。
今回小沢一郎前幹事長が提案した「国有財産の証券化」による政策財源を捻出するという方法は、全く「意味不明な政策」だ。そもそも「国債とは国有財産を証券化したもの」であり、この上さらに「国有財産を証券化して」「国債とは別の形」で販売するとなると、一体どちらの優先順位が高いのか?と問いたくなる。
そしてもし国債とは別に国有財産の証券化などを進めれば、それは「金目になるもの」だけを国債ではない形で証券化してしまうので、国債の担保には「値打ちのないもの」しか残らないことになるだろう。その状況で国債の不履行などが発生したら、小沢一郎前幹事長はどうするつもりなのか? 残された資産は「日本国民だけです」と、国民を外国に売り払うつもりなのかと言いたくもなる。
この議論に関して言えば、小沢前幹事長だけでなく、学者の中にも勘違いの見解を述べている人がいる。私が日本国債のデフォルトについて警鐘を鳴らしているのに対して、「900兆円の負債に対して、日本には600兆円の資産があるから大丈夫だ」と言うのだ。しかし私に言わせれば、彼らが言う600兆円の「資産」に本当にそれだけの価値があるのか、本当に証券化できるのか大いに疑問だ。
彼らが言う600兆円のうち100兆円には、防衛施設(自衛隊)、皇居、国立大学、在日米軍などが含まれているが、例えば自衛隊や皇居などの証券化は現実的ではないだろうし、100兆円を全て資産価値として計上するのは無理があると思う。そして残りの500兆円の資産として挙げられているのは「港湾」や「国道」などで、さらに現実的ではない。
私はかつて著書の中で「日本にある約1250の港湾のほとんどが赤字だ」と書いたことがあるが、この時国土交通省・港湾局から面白い訂正の指摘を受けたことがある。それは「ほとんどの港湾が赤字」ではなく、「全ての港湾が赤字」が正しいと言うのだ。
結局、600兆円の資産を証券化したいと言っても、キャッシュフローを生まないものを債権化することは意味がなく、私に言わせれば、キャッシュフローを生まないものは正味現在価値としてマイナスと考えるべきである。この点を理解していない人が多すぎる気がする。
ゆえに、「かんぽの宿」の売却にあたっても「なぜこんなに安く売るのか?」という発想になるのだ。いくら投資していたとしても関係はなく、赤字でキャッシュフローを生まないならば正味現在価値はマイナスだと認識するべきだ。
代表選中にニュースを見ていると、小沢前幹事長の攻勢に対して、菅首相が守勢に回っているような展開だと報じられているが、両者ともに「議論」以前の問題だ。この程度のことを理解できずに「的はずれな議論」で舌戦を繰り広げているなど、愚の骨頂だ。
そんな小沢前幹事長が「米国人は単細胞だ」という趣旨の発言をしたとして、TIME誌で批判されているかと思えば、菅首相の方は「円高以上の問題に気づいていない」「抜本的な対策をせずに、絆創膏を貼るような対策しかしていない」とBusinessWeek誌から指摘を受けている。私も同じような説明を何度もしているのだが、たまには別の方面から手厳しい指摘を受ける方が効果的かもしれない。
【今週の問題解決視点のポイント】
ロジカルに考え、議論することはとても重要。つまり議論すべきことであるかをまず見極めること。
訳わからねー。
借金の担保を、さらに別の借金の担保に出来る訳無いじゃない!
メディアもなんでこんな政策を非難しないの?
メディアも政治家も本当にバカだね…。
国債の暴落でしか、この国は変わらないかもな…。
2チャンネルみたいなのは、必要とされていません。
IMFに口出しされるのも時間の問題。のような意見を言う人がいますが、大前氏もそうです。100パーセントありえません。いいですか?IMFはその国では発行できない通貨を貸し付けるのです。日本に足りない外貨ってありますか?
前例を破ってIMFに日本円を借りるのですか?もし、自国で発行出来る通貨を借金するなら当然日本の信頼は失墜しますが。
菅氏は議論してない。小沢氏は一理ある。(国債を増発する方が早いけど)そんなのを批判しても話にならない。
国債を償還したいなら円を増刷したら済む事で、副作用としては、円高の進行が止まる事ですね。大所高所から言えば円高の進行が止まるのは困ったことなので、そこまでいうなら
このまま行けば、日本は数十年後危ないかもしれない。
とは言ってもいいかも。
http://www.mof.go.jp/jouhou/zaitou/investor.htm
確かに日本は無駄な事業が多かったが、
全国数か所にできた港湾は赤字だというが、公共施設に採算性を求めるのもどうなの?
大前氏は少し心配のしすぎではないか?
「赤字国債」というマイナスイメージを少しでも和らげるための苦肉の策なのだと私は思います。
国の資産を担保に金を借りると言うことなのでしょう。
そのうち、日本と言う名前の借家に住む日本人と言うことになりませんかね。
「証券化」といいますが、ここまでくれば「借用書」でしょうね。私はそう思います。
大前さん、それは間違いです。
単純に考えても、黒字国である日本が直ぐに潰れるわけがない。数字だけで追っかければ日本が潰れる前に、アメリカやイギリスやイタリアスペイン・ポルトガルが潰れる。
国益を考えれば、”米国債を買うのを止めること”である。日本が大量保有している米国債を売って日本に資金還流すれば、まだ海洋資源開発や核融合など新エネルギー投資などできるんだが・・。
米国債は事実上売れない・米国に塩漬け資金である事を流石に国民は知りつつある。
今からでも、日本国債を米国債代わりに買うべきである。むやみに、日本が潰れる・潰れると不安を煽るのは愚の骨頂である。
世界の資金の逃避先である、世界最強通貨"円”であるうちに、円高を利用して成すべき事が沢山あるのではないでしょうか?
個人的には、小沢氏の案は確かに無理があると思いますが、貴殿のような賢人・識者ならば、批判と同時に対案をもっと出して戦って欲しいものです。
港湾のような公共財は、普通にビジネスとして提供したら赤字になり、誰もやらなくなるから、政府が提供しているのではないでしょうか。
運営してどんどん黒字がでるようなら民間に譲るべきで、国が下手にビジネス的な成功を追求する必要はないと考えています。
逆に税金で運営している国の事業が黒字をどんどん出すとしたら、日本国民から強制徴収した資本金を元に日本国民からさらなる利潤を巻き上げていることになりますから、その方が問題と言えるかもしれません。
国の事業は全て赤字でも、それが必要なものであれば、国民に対するサービス、国による慈善事業として許容されるのではないでしょうか。
少なくとも私が税金を払う時、これで利益の出る事業をして欲しいなどとは微塵も思いません。利益は出なくても絶対に必要なこと、重要なことにしっかりと使って欲しいと思います。