大前研一のニュースのポイント

世界的な経営コンサルティング 大前研一氏が日本と世界のニュースを解説します。

志の低い学生が多すぎる日本。学生は、20年後のキャリアを見ているか?

2007年04月24日 | ニュースの視点
12日、リクルートがまとめた2008年春卒業予定の大学生の就職人気企業ランキングで、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)が初の1位になった。

ランキング上位は、次のようになっている。

1位:みずほFG、2位:全日本空輸、

3位:三菱東京UFJ銀行、4位:トヨタ自動車、

5位:日立製作所、6位:電通、

7位:JR東海、8位:JTB、

9位:博報堂、10位:松下電器産業

本来の銀行業務をまともに遂行できないような企業の人気が高まっていることに、私は閉口してしまう。

日本の学生はいかに志が低いかを露呈しているようなものだ。

学生がその企業を選んだ理由(02年から07年の最近5年間)の推移を見ると、さらに面白いことに気づく。

『自分がやりたい仕事ができる』と『仕事の成果や業績が正当に評価される』という理由が下降しているのに対し、『給与、福利厚生など待遇が良い』と『雇用が安定している』という理由が上昇しているのだ。

成果主義が叫ばれた時期から、再び学生の意識は「安定」へと戻ってしまっている。

この期に及んで「安定」を求めてどうするのか?

40代半ばになってようやく活躍の場が与えられるような企業に就職しようという学生たちは、自分の20年後のキャリアプランを考えているのだろうか?

私としては、20年後になって泣くことがないように頑張ってもらいたいとしか、今のところ言えない。

これからの時代は、今まで以上に、自らしっかりと考え、創造力を発揮できる人が価値を持つ時代になる。

学生には、ただ大局に流されてしまうのではなく、自ら考えて行動できる人になってもらいたい。

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