荻野洋一 映画等覚書ブログ

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佐伯洋江展(清澄町 Taka Ishii Gallery)

2008-01-24 10:59:00 | アート
 清澄3号倉庫内のSHUGOARTSでは、森村泰昌の新作写真展をやっている。今回は、20世紀のファシストとコミュニストをモチーフに自己擬態化に勤しんでいて、ヒトラーとレーニンについてはビデオ作品も用意。いやもちろん、森村にあってはスチール写真もビデオムービーも、並列化され、静物化された笑劇であろう。

 だが、もっと感銘を受けたのは、Taka Ishii Galleryで開かれている、きわめて緻密なる佐伯洋江展。大小ケント紙の真っ白な余白の隅っこに、シャープペンシル、鉛筆、インクなどで、不思議な花卉、宝飾品、薬草、昆虫らしき風物が一緒くたに微細な筆致で描かれ、まるで象形文字を未来に向けて繊細な観点から発明し直しているかのようだ。

 また、Taka Ishii Galleryが『Fun Palace』なる機関誌を創刊し、販売している(下の写真)。手ごろな価格(¥1000)なので購入してみた。森山大道のエッセー、竹村京の日記、海外で活動する若手日本人建築家の特集など。ヘルツォーク&ドムーロンが手がけるサラゴサ市ゴヤ美術館のリポートおよびキャプション写真に興味を惹かれた。

P.S.
【備忘録】
この日は他に、小山登美夫6Fにて大竹利絵子『とりとり』展(木彫の子ども、天使像)。同ギャラリー8Fにて小出ナオキ『In These Days』(身近な親類や風景を強化プラスティックでデフォルメした彫刻)。


佐伯洋江 展(Taka Ishii Gallery)1月26日(土)まで
http://www.takaishiigallery.com/


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