ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

ゆ・ず・り・あ・い

2013-12-16 23:03:03 | 日記
公休日だが週一回のカンファレンスに出席するため
朝から出勤。

昼に自宅の最寄り駅に戻り
一人ランチをしようとクイック・ガストに入る。

選択に迷いはない。
表の看板にあった鶏の竜田揚げ丼、これにしよう!

店に入り、券売機で券を購入しようとしたら
あれっ、この機械の使い方、よーわからん!
え~っと、えっと・・・
悩んでいるうちに後ろに人が並んだ。
ま、まずい、これじゃご迷惑だ。

咄嗟に「まだ決まらないので、お先にどうぞ」
そう言って列を譲った。

後ろに並んだのは年配の男性。
「は、ではお先に」と券売機の前に立ち操作を始めたが
「あれ? なんだ?」と首を傾げながらつぶやいている。
そして照れくさそうに券売機の前を離れ
こう言った。
「私もまだ決まっていないんで、どうぞお先に」。

いえいえ、どうぞお先に。
いや、そちらこそお先に。

コンピュータ操作の券売機を前に、譲り合う中年男女。
傍目には謙虚な人たちに見えたかもしれないが
どちらも最先端の機械を扱いあぐねていただけなのであった。


惚れられた!という思い込み

2013-12-16 00:39:26 | 日記
どうやらOさんに惚れられたらしい。

Oさんとは、施設の入居者である80代の男性。
足腰がご不自由で認知症をお持ちではあるが
コミュニケーション能力はかなり残っており
援助に手こずることがない。
前歯が2本しか残っていない口を大きく開けて笑うさまは
愛嬌のあるカバさんみたいで
ヘルパーさんたちからも“かわいい!”と評判である。

そのOさんから、名前を聞かれた。
「いつも来てくれるけど、アナタは何ていう名前なの?」
「○○です。よろしくお願いしますね」

そしてその日の夕方も
ずいぶん離れたところから私に向かって手招きするOさんに気づいたので
慌てて走りよると
「ごめんね、あなたの名前、もう一度教えてくれる?」

その後、Oさんの着替えや歯磨きを手伝うために訪室し
ちょこちょこ働いていると
ふふっと彼の笑い声が聞こえた。
「え? 何がおかしいんですか?」
するとひと言。
「いいねえ、アナタは。なんだか楽しくなるよ」

おぬし、私に惚れたな!?

もちろん、そんなわけはない。
けれども、そう思うと仕事が楽しい。

惚れられている、愛されている、好感を持たれている
勝手な思い込みだが
そう思えば下(しも)のお世話も
苦痛に思うどころかむしろ張り切れるのである。

ただ、気持ちのON、OFFが激しいご高齢の方々を相手に
いつも“愛されている”と浮かれてはいられない。
きのうだって、いつも仲良くしているSさんの入浴介助で
「アナタ以外の人に来てほしい!」と
思いっきりノックアウトを食らった。

う~ん、それも仕方ないわね。

嫌われた日のことはサッパリ忘れて
愛された記憶を縁(よすが)にするしかない。

能天気な女でよかったわ!と
この仕事に就いてますます思う次第である。