ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

吉と凶

2013-12-14 02:36:39 | 日記
親友K、合格!
来年1月より、職業訓練校・介護サービス科の生徒となる。
そう、私の後輩となるのである。

やったね、K。
金に無頓着で“気づけば借金の山”であった元夫のお陰で
さんざんに苦労を背負い込んでしまったアナタだけれど
いよいよ再スタートだ。
“50女の生き伸びる道”として
職業訓練校と、その先の介護職をすすめた私。
この吉報を、喜ばずにいられない。

しかし悲しいかな
彼女からのメールを受け取ったとき
私は父の病室にいた。

パーキンソン病に肺炎を患って入院中の父を見舞ってみれば
痰吸引をさせられるほど咳き込む力がなく
スプーン一さじのゼリーさえ飲み込めないほど機能が低下。
さらに肺に溜まった水を尿として排出するための尿管カテーテルを
おチンチンに挿入されている。

お父さん、ウチに帰る準備をしてるからね。
だからもう少し頑張ってね。

そう言うと、父は喋れないが顔をクシャクシャにして
喜び一杯の気持ちを伝えてくれたのだった。

しかしその後、担当医から聞かされた話によって
私の心に暗雲が立ち込める。

「栄養状態が一向に改善しない。
劇的な異変がない限り、ご自宅に帰るのは無理でしょう」
「そろそろ、胃ろうについてご家族で話し合ってください」
(つまり、今の治療で栄養状態が改善されなければ
延命措置について決断を!というわけである)

姉妹三人が実家に集まり
父が家に帰ってきてからの介護について話し合った翌日
まさか、担当医からそんな話を聞かされるとは思っていなかった。

お父さん、みんなでお父さんがウチに帰ってきたとき
どう介護すればいいか話し合ってきたのよ。

彼の耳元でそう言ったときの、あの満面の笑顔。

そうだよね、帰りたいよね。
うんうん、だからみんなでその準備をしているからね。

彼の耳元でそう言ったときの、よかった!ありがとう!と
言わんばかりの飛び切りの笑顔。

それを目の当たりにした直後に聞かされた担当医の話は
過酷としか言いようがない。

身体機能が著しく低下し、もはや一さじのゼリーさえ飲み込めないが
それでも生きることの希望を捨てきれずにいるらしい父。
方や、医学的な見地から、延命治療をほのめかす担当医。

娘は今、父の“命”を預かって胸を痛めている。