ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

入れ歯

2013-09-16 23:10:02 | 日記
先週、「死体は語る」でお馴染みの法医学者・上野正彦氏が
講義のため来校してくださった。

スライドに映し出される死体や部分的な解剖写真は
さすがに生々しい。
血や手術シーンは特に苦手でもないが
黒ずんだ全裸の死体は、“血”よりも惨たらしく見える。

そんな中に、喉から気管にかけて解剖した写真があった。
喉に、義歯(入れ歯)が詰まっている。

義歯が喉に詰まって窒息死するケースがあることは
授業でも学んでいた。
そんなバカな! ありえない!
そう思っていたが、実際は少なくないそうである。

高齢者はよくむせる。
“誤嚥”(ごえん)といって
食道に行くべき食べ物や唾液が気管に入りやすいのだ。
それに対処しようとする反応でむせるのだが
むせ続けると肺の中の空気が少なくなり
苦しくなって「ス~~~」っと過剰なまでに吸い込むことになる。
その大きな吸引力によって
あろうことか、義歯まで吸い込んでしまうというわけだ。

部分入れ歯ではなく、上下揃った立派な義歯である。
そんなにも大きなものが喉元に引っかかり
呼吸を妨げて死に至らしめるのだ。

恐い。恐すぎる。

身近に義歯をした高齢者がいたら、どうかお気をつけください。

洪水注意報。そのとき二人は・・・

2013-09-16 00:24:54 | 日記
おっさんと二人、のどかにテレビを見ていた。
その画面に突然、洪水注意報のテロップが流れる。
場所は茨城。
こっちは時折りザザ~ッとくるくらいでまるで緊迫感がないが
同じ関東でもアチラは大変らしい。

そうかそうかと、とりあえず情報を受け止め
再びテレビを見始める。

30分ほど経っただろうか。
今度は我が県内の川にも洪水注意報が発せられたとのテロップが。

家の裏は川である。
何十年か前、洪水で大きな被害があったと聞いている。

様子を見に行こう!

なぜか、というか以心伝心というか
30年連れ添った夫婦は気持ち悪いくらい同じタイミングで立ち上がる。

タバコを消し、鍵を持ち、二人で外へ。

歩きながら、おっさんが首をかしげながら聞く。
「お前、何背負ってんの?」

リュック。

「何が入ってんの?」

お財布。

「なんで?」

さあ・・・?

私の行動は、私にもよくわからない。

結果。
裏の川は何事もなかったように、静かに流れていた。
土手で、懐中電灯をもつ男とリュックを背負った女の横を
ジョギングする男がフツーに走り去っていった。

バカ夫婦か? 私たち。

夜10時過ぎの、ちょいと楽しい散歩であった。