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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’18年「冬」 (42)

2018年02月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 天気は今回も良かった。抜けるように澄み切った冬の空に、入笠山よりもずっと親しんできた無名の山、取り敢えず名付けた権兵衛山が、機嫌よく迎えてくれた。11時20分だった。
 実は、いつも用心のために入れにておくビールがザックの中になかったため、道中、ない物ねだりの欲求を抑えてきた。それだけにまず、冷たいビールで喉を潤したかった。しかし、管理棟の〝お宝″はすっかり凍ってしまっていて、缶の一部は膨隆しているような有様、諦めた。
 もとよりビールを正妻とし、ウイスキーを愛妾とするような気持ちなぞない。両者とも愛すべき正妻である。ならばと、まずはドロドロになったウイスキーをカップに入れ、それから日当たりの良い玄関に椅子を出し、いつものように権兵衛山に乾杯し、それから含んだ、そして飲んだ、「ゴク」。途端、口中から体内へと、至福が駆け抜けていった。



 「みろく山の会」のご一行が姿を現したのは、薄雲の出た1時ごろだった。毎冬来てくれているが、顔触れは少しづつ変わっていた。その中で常連さんの中にリーダーであるA川女史がいて、OZWさんがいて、O槻さんもいた。他にも見知った顔があったが、何より参加が危ぶまれていた締三郎翁84歳が、変わらぬ笑顔を浮かべ、見覚えのある1年前と同じ衣装で現れて感動した。残念だったのは、いつもニコニコしている禿頭(とくとう)のA達さんがいなかったことだった。因みに、この会では若い会員でも立派に50台を超えている。A達さんのそれだけが例外というわけではない。
 その夜、宴が始まると、用意しておいた鹿肉がまずはステーキにされ、瞬く間に善男善女の胃袋に納まったらしかった。そして、アルコールの溶けた語らいのたけなわ、満を持してヒーロー・締三郎翁が登場した。一昨日紹介した譜面台は、そのときすでにヒーローの前に、従者のように置かれていたとか。
 やがて、朗々とした歌声が真冬の夜の静寂(しじま)の中に一条の光の帯のように流れ出ていった時、人ばかりでなく、クマと穴熊とタヌキが、じっと耳をそばだてて聞いていたという。
 冬物語、つづく。

 光の明度が上がる、3月の入笠牧場が待っています。3月の3,4日は約1名様の雪上講習を兼ね上にいます。人数にはこだわりませんが、要予約。
 営業については以下をクリックしてください。「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。



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