「伊那谷」という呼称に疑義を唱える人がいるらしい。あれは、天竜川と付かず離れずに走る飯田線の車窓から眺めた風景で、実際は「谷」というよりも「盆地」ではないか、というのがその言い分のようだ。確かに、他所から移住してきた人らしい意見だとは思う。何しろ伊那市は東京23区よりも広いのだから。
そういう人には言いたい、どこでもいいから近くの里山にでも登ってみろと。中央アルプスと南アルプスの間にできた南北に細長く続くこの土地を眼下にすれば、地元の人たちが「伊那谷」と呼ぶことを少しは納得し、違和感も薄れるだろう。
きょうも福与の山際にある「郷沢」という地区に行ってみた。今でこそ、天竜川の流域にも人々の生活はあるが、遠い昔のわれわれの祖先は、河岸段丘の上の方から少しづつ、恐るおそる「暴れ天竜」の流れる低地へと、つまり谷へと、生活の場を移していったことが想像できる。
「伊那谷」は天竜川が造った美しい土地だ。それも春がいい。きょうの写真には集落の背後、東側に広がる丘陵地の桜と、そしてその奥に名峰千丈岳が写っている。この場所から眺める実際の名峰は、はるかに雄大・壮麗で、風景の奥にまさしく鎮座している。家からすぐにこの平原に出る。明日からは毎日のように挨拶を交わす山になる。きょうで5か月の休みが終わる・・・。
そろそろ5月の連休の予定を立てようとしている読者の中には、当施設の利用を考えてくれている人もいると信じます。とりあえず、カテゴリー別「H28年度の営業案内」と「続H28年度の営業案内」を参考にしてください。若干の料金改定があったとしても、前年度実績のある方については、据え置く方針でいます。