スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

Trosaはセーデルマンランドです!

2008-06-23 23:36:46 | 2008年夏
個人レッスンは事前にメールがきて、先生の希望を二人書く。

私は今まで習ったことのないエドヴァルドとヘンリクを書いていた。
(講師紹介については昨日のものを参照)
前夜の張り紙をみると私はヘンリクだ。

昨夜エスビョンにそう言うと「それは良かった!」って。
もし今回の講師の中で誰を私に薦めるか聞かれたら、マチガイなくヘンリクだ、とエスビョン。
正確さ、緻密さで群を抜いていてパーフェクトな演奏なんだって。
FatangのCDは持っているけどミキシングのせいで、実際どんな演奏なのか、そのCDじゃよく分からなかった。
シャイだという噂もKさんから聞いたので、ちょっとドキドキ・ちょっと楽しみにヘンリクの部屋をたずねた。
(講師の部屋が決まっていて、グループ・個人レッスンでその先生の部屋に行くというやり方)
ちょっとはにかんだ笑顔がシャイのような感じもするけど、話してみると結構話す。
「何が学びたい?」とヘンリク。
「技術面もだけど、曲の収集も日本じゃ難しいから色んな曲が知りたい」と言うと
ふむふむとちょっと考えるヘンリク。
Bondpolskaを一つ習った。エスビョンの言うとおりむちゃくちゃウマイ。
ため息ものの繊細かつ完璧な演奏。
30分という感覚になれていなくて、色々話をしてしまったのですぐ時間になってしまった。
効率よく進めるプランニングが必要だ。

ここEkebyholmではシャワーが実は共有。鍵もかからないドア一つ。
やっぱりちょっと恥かしいので、皆がシャワーを使いそうにない時間帯に浴びようと思うと今がベストだ。
朝一8:45のレッスンの後、次のグループレッスンは15時だけど、結構あっという間だ。
シャワーの後、音や写真のデータ整理をし、ドアの外で何人か弾いているのが聞こえるとすぐに楽器を持って部屋を飛び出す。
そうこうするうちにランチになる。ランチは皆で話しながら(←スウェーデン語だからついていってないけどね)ゆっくり食べ、
その後はコーヒーでたっぷり90分は使う。一人でも食べ遅れている人がいると必ず待ってくれる。
時がゆっくりと流れるスウェーデンにいると、日本で20分でランチを食べていたのが信じられなく思える。
午後も練習やセッションであっという間だ。

15時にはエドヴァルドのレッスン。
彼ははアメリカにコンサートで行ったりしていて、YouTubeなんかでもよく動画がアップされているので
日本でも実は有名かもしれない。
エドヴァルドは、曲を探すのが上手い。古い本から探しだした曲を弾き、そしてその曲がすぐに流行る。
たとえば「1814」もそうだしスモーランドのポルスカも、ヘルフォスネシュのポルスカもそう。
今回も古い本からみつけたというちょっと変わった曲をならった。

その後はレイフとの個人レッスン。
レイフとエスビョンは、張り出した紙に自由に名前を書くて予約するというオープンスタイルの講師。
空いていれば何度でも名前をかける。
主にレイフは曲のアレンジなど。
エスビョンは主にエリックサルストレムの伝統や楽器についての相談。
エスビョンは今日はすでに予約がいっぱいだったので、まずレイフの部屋をたずねた。

ノルウェイのポルカで、イマイチぱっとしない伴奏しかつけれなかった曲があったのでそれをレイフならどうする?
と聞きにいったのだ。
するとレイフはその曲に、即興でとても素敵な伴奏をつけた。
私のを弾いてみろというので弾いてみた。イケテないから相談しにきたので、私の伴奏は本当にイケテない。
するとレイフがアドバイスをくれた。
「もっと曲を聞かないと。この曲はメロディアスな曲というより、Komp(コード)とリズムだけでできたような曲だ。
だから自由にKompをつけようにも難しいし、リズムセクションに徹するしかないと思うよ。君のKomp(伴奏)にはメロディが持つリズムが入ってない。もっとよく聞いて」
なるほど。
「それにノルウェーの曲は、スウェーデンのトラッドとは随分違う特徴だから」と。
なるほどねー。確かにこの特徴はスウェーデン・フォークの典型ではない。あるならノルウェイよりの西側かな。
そして私はちゃんと曲を聞いてなかったのだ。
なんだか目が覚める思い。
雑談をしながらレイフは部屋にあったピアノでジャズを弾き始めた。
しばし聞きほれ、夕食の時間になったので一緒に移動しながら雑談をした。

「最近、ハーディンフェーレ(ノルウェイの伝統楽器)とあわせる機会があって、伴奏がむずかしっくて」というと
「だって、もともとソロの楽器でソロ用の曲ばかりだからね」とレイフ。
そうは言っても、そこをなんとかしたい。
そしてレイフは実は去年、エスビョンの家で会ったことがある。
私がそういうと「そうだっけ?僕は全然記憶にないけど」って。
昨日のトルビョンに引き続きレイフまで・・・。
私はどうやら印象がとっても薄いようです。


17時の夕食後、18時からはダンスのレッスン(自由参加)がある。
昨日は話しているうちに終わってしまったので今日こそと思っていたのだ。
今日は、ビングシューのポルスカとハンボ。
ビングシューのポルスカは、女性は2拍目で足を出す初心者向けのポルスカだ。でも踊ったことがなければ1拍目で動きたくなるので、初級といっても本当の初心者だと難しい。

そして今日も19時からコンサート。知らない二人が出てきてシルベルバスハルパの演奏をした。
ところが・・・二人には申し訳ない。失礼なことに居眠りしてしまった。
昨日の1:30就寝で寝不足のところに半年ぶりくらいに踊って体も丁度よくダルくなっていたのだ。
ごめんなさい!

20時のfikaの後は気をとりなおしてガンガン弾きます!目もぱっちり覚めたし!
先週6/15にステンマで会った、日本びいき一家の娘さんのLSも実は来ていて同じグループ。
そのLSに一緒に弾こうよと言われ早速二人で弾きはじめた。
すると他のESIグループの子や、日本人と結婚していて数年前も会ったことがあるNなどもやってきて一緒に弾いた。
なかなか盛り上ります!
あっという間に0時をまわった。腕もだるいし、他は誰か弾いてるかな?と楽器を置いてぷらっとみに行くと、
「あ、ソニア!」
ソニア(ESIの先生)一家が来てる。私と同期生のLも一緒に弾いている。
これは一緒に弾かないとだめでしょ。走って楽器をとりに戻ると早速「Hej!(こんちわ!)」と飛び込んだ。
ソニアも「Hej på dig!」と返し楽器をもったままギュッとされた。
ソニア一家はいつも変な場所(通路とか廊下とか)を陣取って演奏する。
この日は階段の踊り場だ。なんでいつもこんなヘンテコな場所を好むの?
人が階段を行き来するのでそのたびに弾きながらよけるのが大変。

上は上で、またエバが歌をやっているようだ。
しばらくして歌が終わったようで、同じグループにいる双子がバイオリン持ってやってきた。
この双子、バイオリンもニッケルハルパもめちゃくちゃ上手い。その辺のプロよりはるかに上手い。二人ともものすごくダイナミックに弾く。

私がある時「スウェーデンのどこからきたの?」と聞くと面白いことを教えてくれた。

「Trosaから来たの。でもTrosaってスウェーデン語で女性用パンティーと同じ単語なの。だからいつも人に言うときに
Jag kom från Trosa(トロサから来ました)って言うと「は?」って顔されるから」

「"i Sördermanland"(セーデルマンランド地方のね)って続けて言わないといけないの」ともう一人の双子が続けた。
そして双子は目を合わせてにっこり。
演奏も会話もぴったり息のあった二人だ。
私も思わずにっこり。

ソニア達は1:30amには「そろそろ」と帰った。
Lはもっと前に疲れてしまい楽器をおいてでも部屋には戻りたくないようで楽しそう
に聞いている。
私と双子とフィンランドから奨学生できた子の4人でしばしそのまま階段踊り場で弾いた。何時まで弾いていたんでしょ。
2時半くらいまわっていたのかな。部屋に戻ると、Kさんを起こさないようにそうっと身支度。
歯磨きしていると階下からまだ誰か弾いている音が聞こえる。
歯を磨きながら音のする部屋までのぞきにいくと、マグヌス達だ。
コースに奨学生で来たちびっ子たちもいる。
翌朝聞いたら、ちびっ子達は朝まで全く寝てないそうです。
それは・・・さすがにマネできない。
今日も倒れるように寝ました。

写真はランチとエドヴァルド。
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