スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ヴェステルボッテンのノリ

2008-07-16 21:00:04 | 2008年夏
朝は8時に起きて、8:30くらいに朝食を食べ、9時からレッスン。

今朝はマグヌス・ホルストレムの授業から。ヴェステルボッテン地方(マグヌスの出身)のショティシュ(2拍子のダンス曲)を習った。
昨日に引き続きまた知った曲だ。がっかり。
実は弾いたことはなかったのだけど、ヴェステルボッテンは若手実力プレーヤが多く、
ちょっとしたブームということもあり、弾く機会があまりない割りに聞いたことがは結構ある。
でも、新鮮だったのは、このショティシュの符点のついたバックビートのリズムの練習を結構やった。
ウップランド地方の曲にはあまりバックビートというものがない。
大抵はノルウェー近くの地方に集中するのだけど、この北の地方にもなぜかあるようだ。
楽器をおいて、足でとりながら手をたたく。何度もやった。結構むずかしい。
そしてボーナスといって、数曲録音させてもらう・・・(が、またもや良く弾いて知っている曲。
(ひょっとして世代的にもESI出身というとこからも、レパートリーが結構かぶっているかも!?)

さて、マグヌス、実はコース最終日にルームメートのKとも話していたのだが、ちょっぴり距離を感じる。
私はマグヌスに習うのは3回目。でも、個人的に話したことがほとんどない。
皆の前ではジョークを言い笑いをとるにぎやかなキャラなのに、私とは目線も態度もあからさまに避けているのが分かる。
2回目の再会で挨拶した時も、固まっていたので3回目はそっとしておいた。
で、ルームメイトのKに「私さけられてる気がしたけど、どう?」と聞くと、やはり同じように感じていたみたい。
悪気は全くなさそうだし、とてもナイス・ガイ。二人で話した結論は、おそらく、見かけによらずシャイ。
きっと、そういうタイプの人って、一度打ち解けるとすっごく仲間!って感じになるんだろうな。
またの機会に接近をトライしてみます(怖がられたりして)。

ランチのサーモンのクリームソースかけを食べた後、午後からはカイサのレッスンです。
カイサはこのブログにも何度も登場した、ウップランドの著名ミュージシャン。
普段は普通の仕事をしているけど「音楽を義務にせず、たのしみたい」という信条のもと。
そんなカイサの弾く曲はいつも、喜びに満ちたような音色。
と、ところが・・・。ここでもまた知った曲だ。
私が「知った曲ばかりなんだよね」と不満を同じグループの人に漏らしていたので、その人が「彼女、知ってる曲なんじゃ?」と
わざわざ言ってくれた。
でもカイサは「でも、この曲は結構レアだから、教えたいの。いい?」と。
そうね、そう言われると納得。
2曲目は気をつかって聞いてくれた。「コレは知ってる?」「知らないー!!」
やったー!知らない!という訳で、やっと新曲です。
聞いたことなかったけど、意外に有名な曲らしい。綴りを忘れましたが、モーテン・ブランクという曲。

夕方、すこし散歩した。Toboは小さい村だけど、今まで歩いたことのないところを歩いてみた。(写真左下
それから、向こうに馬がいたよなぁ・・・と思い出して行ってみると牛の集団がいた。
私がちかづくと一斉にこっちを見る。そういう時の牛は何を考えているのでしょう。

欧米人は朝シャワーをかかることが多いので、私はルームメートとかぶらないよう夕方シャワーを浴びた。
その後、19時より講師によるコンサート(写真右下)。
一番右のコントラバスは、留学中一度ブログでも登場したマッツ・アンデション。
今回はクラリネットの先生としてきている。でもキーボードから笛各種はじめなんでも弾くマルチな人です。
イェーイ、ブラボー。

fikaの後、ルームメートKと曲を教える約束していたので2階へ。
kはミュージシャンだけど、スウェーデンのトラッドは全くはじめて。
職業柄、曲はすぐおぼえるのでレッスンがスローに感じるとのこと。
もっと曲を知りたいというので、「テクは教えるほどじゃないけど曲なら・・・」という訳。
で、弾いていると、結構派手な音が階下から聞こえてくる。
結局、すぐに中断して二人で階下へおりていった。
昨日は部屋にこもってリハしていた講師たちが、今日はサロンで弾いていた。
こ、これは参加せねば!と勢いよく楽器をとりだしたものの、入っていく勇気が無い。
周りの人も遠くから取り囲んで入ろうとしないから余計。
うーん、留学中なら絶対誰かが「いいから、皆ではいったら怖くないよ」と数人で飛び込んだものだ。
でも一人じゃあねぇ・・・。ちょっと離れて弾いてみたものの、セッションの輪に入らなければ、
CDにあわせて弾いているのと変わらない。
セッションはコミュニケーションだからね。
つまんない。そんな自分の意気地なさにいい加減嫌気がけさし、弾くのはあきらめて聴くことにした。

以前紹介した私の録音機器オリンパスのLS10、10ギガメモリなので聞いてばっかりなのも飽きた頃、録音しっぱなしにして席をたった。
すると、先に席をたっていたカイサをはじめディッテ、ソーレン、アンナなどダイニングで酒を飲んで盛り上っている。
こっちのほうがまだコミュニケーション♪とばかりに一緒にテーブルを囲んだ。

早速、ディッテとカイサが「エケビホルムのコースと、ここのコース、正直どう思う?」って。
二人とも、どちらの講師もしている。
エケビホルムのコースは、個人レッスン30分とグループレッスン90分?が毎日。
自由時間がすごくある。ただ曲を沢山知っている人は朝も昼も夜もセッションできる。
初級~上級まで80人近くいて、自分と合うセッション仲間も必ず見つかる。
人も多いので講師も多い。夜のコンサートイベントなども充実する。
そんなのやだ、個人練習にはげみます、という人も時間があるので有効につかえる。
ただ、学びたいという人にはレッスンが少なすぎる。
個人レッスンが毎日といってもアドバイスをもらうくらいで30分ではたかがしれている。

トボのサマーコースは、9時から16時半までレッスンがびっしり。最後に1度、個人レッスンがある。
グループレッスンでは講師から、仲間から、と学ぶことが多い。より多くの人のフィードバックを一緒に聞けるから。
(ちなみにご飯は断然こっちがおいしい)
ただ、参加者は40人弱で、学校で開催という性格上「学びたい初心者」が多くなる。
前回私が参加した時はセッション好きの人も数人いたが、今回は弾きたい!という人がほとんどいない。
毎回参加する人に左右される部分ではあるけど、学校だからということと、人数が少なめということで、
自分と(演奏上)合う相手がいる可能性は低くなる。

だから、どちらが良いとは言えない。どちらも全く違いすぎる。

というと、ディッテとカイサは違う視点で考えていたみたい。
「エケビホルムは講師としていくと、個人レッスンを一日8時間やって、30分毎に同じことを生徒にいわないといけない。
すごく疲れるし、そもそも学習という意味で意義あるレッスンなのか疑問」
お酒も入っているせいか熱く語る。
確かに、30分の個人レッスンでは「適切なアドバイスをもらう」のが限界。
一対一だと、習って翌日また習えば前の日と同じアドバイスになる。
その点グループレッスンでは「やれること」が多くなる。

ソーレンが「お腹すいたなぁ。キッチンのぞこうかなぁ」とスタッフのアンナをちらちらと見ながら、
そーっとキッチンに消えていく。
そういえば、20時のFikaの時に「深夜のfikaの時に食べるんだ」とニコニコしながらナプキンでパンをくるんでいた。
それをどこに置いたか分からなくなったんだって。

さすがアンナ、酔っていてもすぐに気がつき「ちょっと待ちなさいよ。勝手なことしたらダメよ。」と後を追う。
アンナってば、さすが・・・と皆で笑う。
結局、皆のオーダーをとってクネッケブロードにハム(ディッテはベジタリアンなのできゅうり)をのせて
持ってきてくれた。いただきます。
この深夜のfika、イケナイことのような雰囲気が漂ってなんとなく好き。

そのうち、弾きつかれたダービッドとマグナスがやってきた。
ダイニングにいる私たちに「じゃ、おやすみ!」と去ろうとすると
アンナが「なーに、いってんの。ほら。座りなさいよ」とテーブルに座らせた。
実は、アンナ、今はここのスタッフだが、ESIの卒業生。マグヌスとダービッドとは同期なのだ。
二人が席につくと、スウェーデン語一色になり、ジョーク大会がはじまり、大爆笑の渦。ものすごい盛り上る。
もちろん私はそこまでスウェーデン語の理解力はなく一人盛り下がり・・・泣く泣く退散。
今日は退散してばっかりだ!
明日こそ!

部屋に帰ると先に寝たKが私のベッドサイドランプをつけていてくれた。Tack!
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みかたろう)
2008-07-23 23:33:02
明日こそ

いいな~その場所にいきたいです。

とりあえず、流行にのっかって(笑) ヴェステルボッテンの曲を何か覚えてみます!
返信する
Unknown (管理人)
2008-07-24 18:20:38
それでは弾いてみてください!

流行といっても、ステンマやセッションで朝まで遊んで、曲をがっちり仕入れていくタイプの人達の間でのことです。それもニッケルハルパで。
普通にフォークやってる人は、ヴェステルボッテンの曲は知られていないと思います。
返信する
Unknown (みかたろう)
2008-07-24 23:29:15
手持ちの楽譜の中に、“Sextondels-polska fran Vasterbotten”というのがありました。

av Hammargerg Hans
efter Steinar Johansen 9/2005

となってます。

これは有名な曲でしょうか?

でも、とても楽しくて易しい曲だったので、覚えてみます! そんなツワモノの仲間入りしてみたいですね☆

返信する
Unknown (管理人)
2008-07-25 01:05:19
そのキーワードで楽譜がヒットしたので見ました。
有名かどうかまで分かるほど詳しくないので分かりません…。すみません。
少なくとも私は知らない曲です。
情報が少ないので分からないのですが、avは「~によって」です。
「~によって作曲された」とか「~に習った」とかいう言葉が前に省略されています。
多分、Hansさんが作った曲をSteinarさんが誰かに教えたのでしょうね。
わざわざ教えるくらいだから、知られた曲なのかな?
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