スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ハーモニーと16部音符のポルスカ

2007-01-19 23:25:06 | 授業 その他
外はチラチラと粉雪が舞っています。

さて今日はマニアックな音楽ネタ。
Stämspelとsextondelspolskaについて。

Stämspel
メロディにstämma(ステンマ;ハーモニー)をつけて弾くこと、つまりハモって弾く。
これはスウェーデンの民族音楽の伝統スタイル。
このハーモニーはメロディに沿って一緒に動く。(クラシックとのハモり方の違いなど例を挙げて説明があったけど話が込み入るので別のときに)。

そして伝統スタイルは、即興でハモる。
「譜面に起こして紙で考えるのはニクラスとやるので、このクラスでは伝統的な方法になれて欲しい」とディッテ。練習では、一人がメロディをゆっくり弾いてもう一人がそれを聞きながらハーモニーを探す。「En gång till! (もう一回!)Långsamare!(もっとゆっくり!)」というやりとりを繰り返しながら考えてきてね、ということで毎回二人ずつ発表しないといけない。

この一環として曲の構成や流れを知る練習のために(曲の流れが分かるとハーモニーもつけやすい)、作曲の宿題も。
TSDT(T=トニカ、S=サブドミナント、D=ドミナント)という一番スタンダードなコード進行に沿って、それもグループごとに曲を作るというもの。ルールはこのコード進行のみ。

さっそく授業後、取り掛かった。
私たちは3人なので、Aパート、Bパート、Cパートまであるstorpolskaにすることに。一人、一パートずつ担当。私たち3人とも暗い曲がいいということで、G-moll(Gマイナー)で。でも私は転調好きなので、私が最後のCパートを担当してHb-dur(Bbメジャー)に。どんな曲になるのかな!?まだ未完成です。
ウロフからもD-ドリスクで(一番かんたん)ショティシュを作曲するよう宿題が出ている。これもやらないといけない!最近、宿題が増えてきた…。

Sextondelspolska(16部音符のポルスカ)
-slängpolska(スレングポルスカ)
-polones(ポロネーズ[ス])
などもsextondelspolskaに分類できる。

私が日本に一時帰国したときに弾いたVästerbottenのsextondelspolskaを「slängpolskaじゃないの?」と尋ねられたとき、上手く説明できなかった。そこで今日ディッテに確認したのでここにまとめます。

slängpolska(スレングポルスカ)は、南の地方の方言。だから、北には本来は無いし、ウップランド地方にもビスカレ(Byss-Calle)の有名なスレングポルスカがあるけど言葉が混ぜこぜになってしまっただけ。あれはスレングポルスカではない」とのこと。
スレングポルスカの特徴である”均等に刻むビート”に似ていると、ごっちゃになってそう呼ばれてしまうことがある、という訳。
また、スレングポルスカのダンスが踊れる曲も、ごっちゃになってそう呼ぶ人がいる。Svängpolskaも16分音符のポルスカだけど、これも単なる方言だと言っていた。確かにヘルシングランド地方のCDを聞いていたときにこの言葉を見たことがある。

poloneseは、もう少し奥が深い。17~18世紀に、ポルスカのことをこのフランス語で(色々なスペルで記録されている)呼んでいたそう。フランス語との関係は歴史的背景があるみたい。もともとポルスカの原型は大陸から来ている。(ポルスカの歴史については今度、授業があるのでその時に。)
南の地方の古い記録にあるポロネーズと同じ曲のことを指してスレングポルスカだと(同じ南部なので)呼ぶ人もいる。
:ダンスの種類としてのポロネーズもあり、ダンサーにとっては単純にポルスカだと言い切れない場合があるらしい。
コメント (2)
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