ここ最近で様々な文献に当たったが、ここらで自分の考察をしてみようと思う。
まずはこの論文について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/74/3/74_130/_pdf/-char/en
この論文でオーディオリスニングに関して、8mの立方体と思われる大きい部屋での間接音を付加したものと5mの立方体のそれとでは、
間接音の方向で多少の違いはあれども、全体的に8mの方が明らかに聴感上優れていると明らかになった研究があるということだ。
また5m部屋の環境でも反射音を8m部屋レベルまで減衰させると聴感上の成績は良くなるが、減らしただけでは8m部屋に及んでいない。
8m部屋と5m部屋でどう違うのか考察してみた。
2次元鏡像反射シミュレーションではあるがそれで30~80ms(茶色の下線)のインパルス応答を調べてみる。
8m正方形

5m正方形

反射音の大きさは調整しても優劣は残っていたので大きさ自体は今回の問題ではない。
どちらにしてもおおむねなだらかに減衰しているので減衰の有無に違いはない。
こうやって見ると残っている要素として反射波の個数の違いが聴感上の善し悪しに関わっているとしか思えない。
この論文では横方向の反射波は減衰させれば5m部屋でも聴感上の印象はかなり良好だったので、以上から考察するに、
「30~80msの反射音を付加した際に小部屋でも明瞭に聞こえるようにするためには、大部屋の反射と同じくらいの大きさに減衰させることに加えて、正面と背面から入射する反射波の密度を均等に減らしていく必要がある。特に背面の密度は積極的に減らして良いと思われる。」
ということが言えるのではないだろうか。拡散してしまうと、反射波の本数が逆に増えてしまう。30~80msの反射波は直接音への位相干渉効果はほとんど無いと本文でも論じられており、非相関にする必要性はあまりない。反射波の本数を少なくしようとすると、方向逸らすか吸音材を使うかということになるだろう。
目的を達成できるようなピンポイントの吸音はできるのかどうか一考の余地はありそうだ。
第一波面の法則が成り立つ立ち上がりよりも、聴覚として感じている違いは立ち下がりにあるようなので、小さい部屋で大きな部屋のような響きを取り入れるためには、減衰の仕方を密度を小さく遅く、響きは短くなりがちなので吸音率を低めにしていかなくてはいけない。
ITDGはいろいろ考えてみたのだが、小さい部屋の場合、一次反射音は捨てつつ、距離が程よく稼げる二次反射でしっかり入れて大部屋の一次反射音に近似させていくと良いのではないだろうか。
まずはこの論文について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/74/3/74_130/_pdf/-char/en
この論文でオーディオリスニングに関して、8mの立方体と思われる大きい部屋での間接音を付加したものと5mの立方体のそれとでは、
間接音の方向で多少の違いはあれども、全体的に8mの方が明らかに聴感上優れていると明らかになった研究があるということだ。
また5m部屋の環境でも反射音を8m部屋レベルまで減衰させると聴感上の成績は良くなるが、減らしただけでは8m部屋に及んでいない。
8m部屋と5m部屋でどう違うのか考察してみた。
2次元鏡像反射シミュレーションではあるがそれで30~80ms(茶色の下線)のインパルス応答を調べてみる。
8m正方形

5m正方形

反射音の大きさは調整しても優劣は残っていたので大きさ自体は今回の問題ではない。
どちらにしてもおおむねなだらかに減衰しているので減衰の有無に違いはない。
こうやって見ると残っている要素として反射波の個数の違いが聴感上の善し悪しに関わっているとしか思えない。
この論文では横方向の反射波は減衰させれば5m部屋でも聴感上の印象はかなり良好だったので、以上から考察するに、
「30~80msの反射音を付加した際に小部屋でも明瞭に聞こえるようにするためには、大部屋の反射と同じくらいの大きさに減衰させることに加えて、正面と背面から入射する反射波の密度を均等に減らしていく必要がある。特に背面の密度は積極的に減らして良いと思われる。」
ということが言えるのではないだろうか。拡散してしまうと、反射波の本数が逆に増えてしまう。30~80msの反射波は直接音への位相干渉効果はほとんど無いと本文でも論じられており、非相関にする必要性はあまりない。反射波の本数を少なくしようとすると、方向逸らすか吸音材を使うかということになるだろう。
目的を達成できるようなピンポイントの吸音はできるのかどうか一考の余地はありそうだ。
第一波面の法則が成り立つ立ち上がりよりも、聴覚として感じている違いは立ち下がりにあるようなので、小さい部屋で大きな部屋のような響きを取り入れるためには、減衰の仕方を密度を小さく遅く、響きは短くなりがちなので吸音率を低めにしていかなくてはいけない。
ITDGはいろいろ考えてみたのだが、小さい部屋の場合、一次反射音は捨てつつ、距離が程よく稼げる二次反射でしっかり入れて大部屋の一次反射音に近似させていくと良いのではないだろうか。