モッチリ遅いコメの距離感

オーディオルーム、シアター、注文住宅などに関してのblog。

ネットワークオーディオプレーヤーについての雑感

2021-04-28 06:25:42 | オーディオ
玉石混交で各社がネットワークオーディオプレーヤーを出していた時代は終わり、その進歩も落ち着いた感のあるネットワークオーディオプレーヤーだが、ある程度落ち着いた所での自分の考えをまとめてみようというのが今回の記事(書いてみたら全然まとまらない)。

ネットワークオーディオプレーヤー(NAP)に関してはオーディオファイルの大半が使いこなせるものではないらしく、アナログ回帰、ディスク回帰の流れもあり主役とはならなそうだ。再生機器の選択肢の一つとして定着した感はある。その立ち位置に対して各社対応が分かれたようだ。
主力商品として出し続ける企業と、主力商品にはネットワークを載せず実質的には撤退した企業、機能としては組み込んでいるがあまり注力せずオマケ扱いで入っている企業である。
NAP機能は海外ではあった方が売り上げ増加が見込めるがメインに据えて馬鹿売れする訳でもない。そしてNAP機能は完成度を高めないと、完成度の高い他社と比較されて明確に劣ってしまう。NAP機能のノウハウは音質向上のノウハウと異なる所が多く、むしろソフトウェアのエンジニアの領域が多い。トランスポートからUSBで受けてしまえば、その下流はオーディオ技術のみでオーディオメーカーの領分である。という諸々の要素が絡んでいるからと思われる。

そして搭載されているのはOpenhome準拠のもの、独自規格によるもの、一般的なのもの、がある。独自規格も概ねOpenhomeを超えるような利便性を達成しているものもなく、基本的にはOpenhome準拠しているかどうかが「使えるNAP」かどうかの基準に現在でもなっており、今後もしばらくはその状態が続くと思われる。
Roonという再生ソフトもあるが、音楽ファイルの整頓やブラウジングを自分で思ったとおりにやりたいという用途では向いておらず、高額でもあり、日本語環境でのコンテンツもあまり力が入っていないので今回はメインには据えていない。今後も残るだろうが恐らくこの価格だと主役にもならないだろう。
ストリーミングは結局ハイレゾを含めて非圧縮音源を大量に揃えるという配信会社が出てこないようだ。amazon musicHDに至っては大半のプレーヤーが非対応であったりブラウジングに難があったりとオーディオファイルにとってのメインツールになる日はなかなか来ないような情勢である。

そしてuPnpのブラウジングであるが、一般的な用途では規定のブラウジングで良いのかもしれないが、クラシック音源を含む場合はアルバム単位という概念がほとんど不要であり、演奏者と作曲者の両方で探さなければならず、同じ演奏者でも録音が複数あるので特殊なブラウジングが必要である。それをなし得るために必要なツリー構造の編集が未だにasset uPnPしか対応していない。
asset uPnPは現時点ではオーディオ機器として売られているネットワークオーディオサーバー(DELAとかFidataとか)にはインストールできず、PCやQNAPなどの一般用途のものにしかインストールできない、比較的マイナーなサーバーアプリではある。
正直なところツリー構造の自由な編集は他のアプリでも可能であるべきだが、できないのであれば仕方ないのでオーディオ用として販売されているサーバーにもインストールできるようにして欲しいと思っている。
基本的には有料アプリではあるが機能制限版の無料でもDSDを扱わないならほとんど支障なく使え、不具合もあまりない良いソフトだと思っているのでマイナー扱いは残念である。

Openhome準拠のNAPは多少選択肢は増えたがよりどりみどりとは言えない状況だ。
主にLinnのプレーヤー、Lumin/Esoteric/TEACの似たようなコントローラーを持つプレーヤー、後はスフォルツァートのプレーヤーという選択肢くらいしか手頃なものがない。
Linnはデジタル機能からDACやアンプまで統合する傾向があり、アプローチも独特なのでやや万人向けとは言い難い。割高感も元々あったがさらに目立ってきている感もある。
LuminはD/A変換には特別高い評価はあまり聴かないのでトランスポートが選択肢として選ばれやすいのかもしれない。100万を超えるモデルもあるが、30万以内に収まっているものもあり、価格帯的にも懐は深い。
EsotericやTEACはディスクリートDACを乗せてD/Aに力も入れているが、デジタル出力がないので好きなDACと組み合わせることができないのが残念なところである。Esoのトランスポートを使えばデジタル出力も可能だが、内容からするとやや高価なものとなっている。
スフォルツァートはプレーヤーからトランスポートまで様々に取りそろえてあるが、新しいトランスポートが比較的にお手軽で力も入っているようだ。他社がDACに注力している中でそのあたりのトランスポートが重宝してくるのではないだろうか。
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雑記3

2021-04-22 13:37:56 | オーディオ
今のオーディオルームの音像はそれなりに使っていると音像の厚みが足らない、音像が近いと感じることがあるのはある程度はっきりした。
そこそこ後壁と距離は離しているが、十分とは言えないので主観的な認識と客観的事実との齟齬はあまりない。
ただそれが気になる時もあれば気にならない時もある。

結局のところ再現しようとしている音像がどのようなものであるかというのが一番の要素であるように感じる。
小編成の場合、後壁の近さや容積の小ささに起因する音像の近さ、平面な感じがあっても、小さめの部屋で演奏してたらこんな音になるという、それらしさがあるので大して気にならない。
逆にオーケストラのような大編成の音源の場合、再現しなければならない仮想の音像が幅が大きいだけでなく、音源となる奏者が何列も並んでいるので音源の厚みも大きい。
部屋の前後の幅を超えるような音像を再現しようとすると後壁の近さが音像の厚みを薄くしてしまい、薄くて近い音像の中に大編成が存在するという矛盾を感じるような音像になってしまっているように感じてしまう。

そういう意味でも再生音楽で生楽器の大編成を綺麗に再生するのはなかなか敷居が高い。
とはいえ、少しくらい大きな部屋で少しくらい後壁を開けたところで問題ない音像になるとはとても思えない。
再現すべき音像が大きすぎるからだ。
リスニングルームという明らかにオーケストラを扱うにはどうやっても小さくなってしまうものをそういう意味でも拡散をうまく取り入れてカバーしないといけないのかもしれない。
逆に言えば大編成を捨てれば拡散や大きな部屋も必須ではないのかもしれない。
大編成用の再生装置と小編成用の再生装置があることの合理性はある。
ただし大は小を兼ねると言うように大空間で小編成の音像を作っても何ら違和感はないことを考えると大編成でも違和感のない音像を作れる室内空間は上位互換であろうことは否定できない。
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雑記2

2021-04-19 21:42:24 | オーディオ
TechnicsのSU-R1000というデジタルプリメインがなかなか興味深い。
フルデジタルアンプということでデジタルネイティブでありアナログ信号は全てデジタル化する必要があるが、
独自のデジタル処理を通過してパワーアンプに送られるので汎用DACではない。
デジタル処理はD/A変換や音量調整(多分)やスピーカーを駆動したときの出力の不安定化を補充する処理やスピーカーのネットワーク通過する際に起こる位相特性の変化を修正するなどの処理を行っている。
なかなか汎用DACではできない処理を行っており、フルデジタルのメリットをしっかり利用しているのは好印象である。
原音を大事にせず積極的に変えてしまうというよりはパッシブスピーカーの弱点を補償するようなピュアオーディオという方向性を損なわない範囲でTechnicsならではの高音質化のアプローチを行っていることからオリジナリティを感じる。
電源やパワーアンプ部にGaN-FETを使っており、D級アンプとして次世代の性能を感じさせるところも興味を引く。

今のシステムはセパレートだが、プリメインが妥協の産物のように作られているわけでなければプリメインもアリだとは思っている。
このアンプはプリメインどころかデジタル回路も内包しているが、全部入りにしているのにも納得いく理由があり、単純にお得感を出してセールスで優位に立つというものではないと思わせるだけのことをしている。
フルデジタルプリメインというとそのメリットは余分な回路を通らない最短経路と思っていたが、スピーカーの癖を補償するという機能も含めているところに魅力を感じる。
トーンコントロールも付いているようでそれも好印象。

なまじ全部入りだけに既存の機材との組み合わせで苦戦しそうなことと、実際の音が良さそうなコンセプトの影響を受けて説得力のあるものかは見極めないといけないが、特別視するに足るだけの独自性はあるように感じる。
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雑記

2021-04-16 17:54:34 | オーディオ
エソテリックのN-05XD、UD-701Nは仕様が似ており兄弟機と思われるが、Openhome対応でほぼLumin同等操作感のネットワークオーディオプレーヤーでありかつ、それなりの品質が期待できるディスクリートDACを持っており、しかも一定程度の品質を持ったボリュームを有しているようだ。
ボリュームはテイアックのが可変ゲインでエソテリックのがアッテネータと書いてあるので多少クオリティは異なるだろう。
ネットワーク、DAC、ボリュームどれも個人的には合格点の仕様となっており、自分がN-01XDを持っていなければ即決レベルの欲しい機材だったかもしれない。試聴はしていないが。

機器が増えると接続の際に様々な機材とマッチングしないといけないことからある程度の範囲内に増幅or減衰させないといけないので余計な処理が増える。
良いケーブルを使うにしても端子やケーブルというやや不安定な導体を通過する量が増える。
プリアンプ専用機などでは入力が多数ある事がノイズの原因となり得るなどがあり、
ソースの種類があまりない自分の環境では一体型の方がメリットが多いように感じる。

ただ05のみプリアンプを付けているのは正直面白くない。
エントリークラス(といっても結構な高額だが)のみが一体型というスタンスは一体型は妥協の産物のような姿勢で作っているような印象を受ける。
そういう意味ではLinnのようにハイエンドクラスでも一体型の可能性を追求している方が好感が持てるが、いくら何でも新Klimaxは高額すぎて興味が湧かない。


日本音響学会会誌の4月の技術報告にオーディオインシュレータにおける円柱や円錐の振動伝搬特性の解析と実験的考察、というものがある。


https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/77/3/77_170/_article/-char/ja


抄録
オーディオインシュレータは,機器を上に置くだけで多かれ少なかれ効果を生じ,音質や音像定位など再生音の調整に広く用いられている。使用法を考慮すれば,機器への影響はその振動特性の変化が主と考えられる。本研究では,最も多く用いられる円錐を含むインシュレータを対象に,断面積一定の円柱との比較において固体ホーンの振動伝達特性の解析を行い,加振点から見たインピーダンス特性より振動エネルギー伝達特性を推定すると共に,実験結果との対応を検討した。解析結果から円錐形状を持つインシュレータは,特定の周波数を境に振動の伝搬し易い方向が入れ替わり,実験的に得られた振動速度減衰特性とほぼ一致することを確認した。

非会員への一般公開は半年後なので全文閲覧は秋になると思われるが、興味深い。
それぞれのインシュで得意な周波数が異なり、それを計算できるのであればウーファーとフルレンジでは最適なインシュレーターが異なりそれを予測して選択できるかもしれない。
そして逆円錐形のインシュレーターはそれなりに科学的見地から見てもジャスティスであると思われる。
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オーディオルーム構想の変遷ととりあえずのまとめ

2021-04-14 07:17:02 | オーディオ
ここ1年の趣味であった新オーディオルームを設計するという作業であったが、忘却したアイディアもありそうなのでひとまず時系列にまとめてみる

2020/05/28

現オーディオルームのチューニング後の特徴を簡易モデル化したもの


2020/06/19

RFZを意識したクサビによる一次反射面のRedirectionを中心としたオーディオルーム案
これはこれで理にかなっているとも思えるが、実際この響きがイマイチと感じた場合にリカバリーが相当に難しいと思われる。


2020/06/29

そこからさらに発展させ、吸音や拡散も組み合わせつつ一次反射面の細工の厚みも減らす努力をしたデザイン
防音のための二重扉や機材室も設計されている。
かなりタイトなエリアに色々な物を組み込んだ力作ではあるが、実際の建築で吸音材を分厚く入れられる余裕があるのか未知数であり、反射壁もしっかり剛性を維持できるのかもやや怪しい。
今考えると複雑に配慮された音響処理を壁構造に無理矢理組み込むことのつらさを感じさせる。


2020/08/15

一次反射を無くさないようにしつつ、半円柱を使ってそれを数個に分散し、時間差をつけて受け入れるログハウス風オーディオルーム案。
自然のままの形態が音響障害が少ないんじゃないかというナチュラル志向が強まっている時に考えた物。
半円柱の丸太の径を相当大きくしないと中低域が理屈通りに分散してくれない可能性があり、
そうだとしてもリカバリーがほぼ不可能で、大きな丸太を使うと壁が重くなりすぎて建物として怪しくなってくるという今考えると相当に低効率のアイディア


2020/09/11

上記の案でインパルス応答を自分の理想にさせるためにクサビを入れたり、縦横を計算して組み合わせている。
ある方向へは拡散するが別の方向にはあまり拡散しないという1次元の拡散体を用いてある程度はインパルス応答特性をコントロールをするという発想がこの辺りから採用している。
この発想自体は基本的には継続して採用しているスタンスである。


2020/09/13

スタンスがRFZに戻っているが、後方が吸音+拡散構造になっており、吸音層が定在波のような周波数にも対応できるような厚みになっている。
これはこれでいい気もするがRFZが自分にとって正解なのかという疑問がシミュレーションだけだと結論がでないことにより考察が続くことになる。


2020/09/16

飾り棚にもできるくらいの大きめの横リブを配置させ、リブ間に拡散や吸音や反射などの可変機構を必要に応じて入れられる構造を取り入れている。
望ましくない一次反射面には吸音+拡散を入れたり、高所には可変機構を入れずに旧来の縦リブを入れたりしている。
この飾り棚で響きを調整する発想はこれ以降メインになっていく。


2020/09/26

前回の案を微調整したもので拡散+吸音部をクサビにしたり、縦リブの量を調整したりで全体的なバランスを調整している。


2020/10/17

ここにきて横長の部屋も真剣に考えている。定在波シミュレーションもそんなに優秀という程でもなく空間効率もイマイチだったため、横長の構想は今回だけになっている。


2020/11/08

拡散と吸音を主体にした処理を推奨するAcoustic Fieldsのコンセプトに則りデザインした案。
これまでのコンセプトとは別のアプローチになっている。
当然ながらその処理に自信があるわけでもなく、側面壁はもはやすべて可変機構になっている。
そもそも建造物の構造として調音体を固定させる手法から大きく逸脱を始めている。


2020/11/13


最終的にはモジュール化された棚を敷き詰めることになる。特殊な壁を作ることで音響処理をするのではなく、棚に置くことで音響処理ができる。
なので建築として完成させた後で、反射、吸音、拡散のさせ方をどうするのが理想的か実践して確かめる、という部屋の設計時点では音響処理の正解を決めない手法になる。
壁面収納型がこのコンセプトにおいてベストな構造なのかは再検討の余地があるかもしれないが、コンセプト自体は個人的にはこれがベストと思われる。現実的に何回も部屋を作れる設計建築のお仕事をするか大富豪でもなければ机上の空論の域から抜け出せないからだ。
理屈だけで決め打ちができるだけの実践力がない以上リカバリーに全振りするしかない。


2021/03/19


可変機構に正解を見いだしたのはいいものの高所と天井の音響可変が厳しいというところから、後方の一部を中2階にする案を考え始める。
正規ポジションでの死角となる中2階が、現在の部屋でも感じていた高天井のメンテナンス性の悪さであったり、真面目にリスニングするための専用部屋を作るとだらしなくゴロ寝したり雑多に散らかしたりできないという「利便性と部屋の響きの両立」の難しさであったりというものを解決しようと考え始めるきっかけになる。
今回設計しているのは業務で用いるモニタールームではなく趣味の部屋。なのでいつも真面目に使う部屋ではない。真面目に聴かない時も使いやすいよう配慮することが大事になる。それでいて響きが良く、見た目も汚い部屋にならない工夫を盛り込むことの大事さに気づく。響きの良さだけ考えても使いやすいオーディオルームにはならない。


2021/04/08





中2階に加えて吹き抜けのキャットウォークを応用した格子床と格子の手すりで構成された作業用通路を組み込む案を考え始める。
格子の作業用通路自体が高所の拡散体になることもメリットだが作業用通路からであれば天井も簡単に手が届くという事実に目をつけて、天井リブと天井の隙間に吸音ボードを入れたり外したりできる機構を組み込む。
天井の調音を安全に容易に行うにはどうすれば良いのかは以前からずっと悩んでいたがようやくそれなりに納得できるレベルの発想にはなってきた。


2021/04/11




という変遷を経て先日の部屋のシミュレーションに至る。具現化できた場合は可変機構で以前に考えた案と同じような音響特性を作ってそれぞれを実践して検討する必要がある。
なので今回過去の案をまとめて見られるようにしておくことの意義はそこである。
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階段下を作業デスク+椅子の収納場所にする案

2021-04-11 03:05:12 | オーディオ
前回の中2階への階段を2つ作る設計で、階段下を棚にする案を考えたが、
それをカリモクの間取りシミュレーションを使って3次元で検討している時に別の案を考えた。
棚ではなくL字デスクを階段下に設置する案である。



作業デスクは雑多になりやすいので中2階への設置を考えていたが、スペースの限られた中2階に机と椅子と横になる布団を設置できるのかという疑問点と、中2階への狭い階段で机を搬入できるのかという疑問点である。
作業デスクを1階に設置してしまえばその辺りは解消する。作業デスクは雑多になり視覚的にすっきりしないものではあるが、階段下の陰になるスペースであればあまり目立たない。
そしてリスニングチェアと作業用の椅子を兼用できるというメリットも生まれる。

それに個人的にはリスニングチェアは以下の3種類くらい用意しておいて良いと思っている。
①リクライニングチェア+オットマン:メインで使用する物。
②ソファ(なるべくリクライニング機能つきのもの):響きよりもリラックスを重視して使用する物。
③背もたれの低いリクライニング機能のない椅子:コンサートホールの座席に近い条件の物でリラックスより真剣にリスニングするための物。

そしてこの③の機能の椅子を普段は階段下デスクの椅子として使用し、
リスニングで使いたいときだけリスニングポジションに移動してくるという利用を想定する。
これにより階段部の空間は3つの機能を持つことができる。
①階段を設置するスペース
②机で作業するスペース
③サブで使用するリスニングチェアを収納するスペース
こう考えるとかなりスペース効率の良い案にはなってくる。

そのほかに今回の設計の追加としては
1階の間取りとしては、現オーディオルームのように床を40cm掘り下げることでドアを床から階段2段分高い位置として階段2段分を省略した。
階段を狭く詰めることで階段面積を減らした。


中2階の間取りとしては少し広くなり(と入っても4畳程度)、フォルムも以前よりは単純化された。
機能としては作業用スペースの機能がなくなり、横になりながら怠惰に過ごすスペースと未使用機材の保管、視覚的に良好でない調音体の設置という機能を担うことになる。


3次元で簡易シミュレーション。
1階


2階


正面


前方から(階段や天井リブは性格に再現できないので適当)




ここまでいろいろ考えてきたが規模が大きくなりすぎていて、実現性がますます疑問視せざるを得ない感じにはなってきている。
ただ実現させるのが目的ではなく、自分としてどういうものがベストだと思っているのかを明確にすることが目的なのであまりそこは問題とは考えていない。
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本棚階段を2つ用いて中2階を設計

2021-04-09 08:00:00 | オーディオ
壁面収納を全面に設置して棚部分で室内音響を可変にしようというアイディアを以前から考えているが、
中2階を組み込む発想をしている以上、中2階への階段をどう組み込むか色々考えていた。
階段自体も上手く入れ込めば拡散効果が得られるが左右対称性を保つのが難しい。
真ん中に設置しようとするとリスニングポジションと干渉する。

考えているうちに本棚を敷き詰めたようなロフト階段を見つける。


引用:Smart+

これを見て発想がガラリと入れ替わる。
棚を全面に敷き詰めたオーディオルームのコンセプトで考えるなら、その棚の一部に階段の機能を持たせる、という考え方で階段を導入すればいい。
だから左右対称性を持たせるために階段が2つあっても問題ない、という考えに及んだ。

そのコンセプトで左右の後方に棚の階段を導入してみる。


階段自体が棚なので、棚として考えると下図の感じに奥行きに余裕のある音響調整が可能な棚が後方に配置される。


防音用の二重扉のスペースを確保した関係で真後ろに出入り口を設置したが、これだとリスニングポジションの後ろにソファを設置した際に導線が悪い。
後壁の一次反射面の処理も十分に行うことが難しい。
そもそもこれで隣接する部屋への防音を確保するのが難しそうだ。
階段の上がる直前の部分は棚を設置するスペースがないので、二重扉を諦めてその部分に出入り口を作ると下図のようになる。こっちの方が良さそうではある。


中2階部分は下図の感じの設計になる。
階段が2つもあるので空間がかなり変則的な形をしている


色付けするとこんな感じ。
天井の音響調整の設計が前回の記事のとおりにしたので作業用通路の幅を広くする必要性がなくなったので少し細くした。


だいぶ課題が解消されてきた感は出てきた。
別に実際に作る予定があるわけでもないし、チャンスが訪れない可能性もあるが、
仮にチャンスが訪れた時から考えても自分がどうしたいのか、したいことを具現化するにはどうすればいいのかが決まってなければ上手くいくはずない。だから予め考えておくことは必要なのだと思う。
一年以上長期間考え続けてようやく課題が解消されてきた、という段階であることを考えるとなおさらにそう思う。
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作業用通路を前提とした天井の調音の仕方を考える。

2021-04-08 08:31:58 | オーディオ
天井の調音をどうするかというのは以前から悩んでいたが、その理由は以下の通り。
・床がシンプルな反射になりやすいので、対向している天井でそれなりの吸音や拡散をさせる必要性が高い。
・重力による落下があるので天井に調音体の設置の難度が高い。基本的には固定が必要で、中途半端な固定だと落下事故の危険性がある。
・調音体の固定をすると調節が煩雑になる。
・天井は高所なので調音体の設置や撤去が困難になりやすい。

この辺りは解決が難しかったが、前回の記事のようにサイドの高所に格子の作業用通路を設置し、通路自体を拡散体にするというアイディアを書いたが、それを組み込むと高所の作業性が格段に改善する。
作業用通路があることが前提で以下の様なリブを入れると天井の調音がかなり現実的なものになることに気付いた。


引用:鹿島木材

上の写真のような感じで天井から少し隙間を空けて、天井下にリブを設置する。
今回は天井から10cm離して10cmの長さのリブを置くことにする。
イメージとしては下図のような感じ。



その設計でリブ自体が往復で40cm分の拡散効果が得られるので200Hz程度まで1/4波長以上の位相を分散できる。
それ以下は定在波になってくるので十分だ。
天井に拡散目的でリブを入れるのは以前も考えたことがあったが、今回新しく組みこんだ発想として、作業用通路からリブと天井との10cmの隙間に吸音ボードや拡散体などを下図のように設置することができる。



例えば天井の一次反射面あたりのリブの上にグラスウールボードを置いて一次反射を緩和することでの響きを測定したり試聴したりして気に入ればそのまま、気に入らなければ外すなど自由にできる。
リブがあるのでフラッターは起こりにくいだろうが、気になるようであれば対応できるし、天井の響きが多すぎるようであれば総量を減らすこともできる。

調音体の落下の危険はリブの間隔よりも十分大きければ多少の重量物でも基本的に心配ない。
固定している訳では無いので、固定が剥がれて落下の心配は基本的にいらない。固定してないので調整も楽ちんだ。

上から見るとリブを設置する位置はこんな感じ



作業用通路で隙間から挿入するので、地震の際に隙間から落下する可能性が、それは作業用通路に落ちるだけなので、人身事故や物損事故もあまり想定されるものではない。

天井の拡散や吸音を行いつつ、それを調整可能としつつ、安全性も損なわないようにするにはどうすればいいのかと長く考えていたが、
今回の案はそれなりに高水準に達成できているような感じがしている。
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格子床、格子手すりの作業用通路、ロフトを組み込む。

2021-04-06 13:19:48 | オーディオ
前回にオーディオルームの案に高天井は維持しつつ、空気が抜ける格子で2階スペースを作っても良いのではないかと考えた。

実際にそれを設計してみることにする。
設計のベースは前の壁面収納を敷き詰め、棚の中に調音体を設置して響きを調整するタイプのオーディオルーム




ここの後方に中2階のスペースを作るのは前回案と同様。



中2階部分の幅は2.1mを設定。なぜその大きさかというと、布団を縦に敷けるギリギリの大きさ。音楽鑑賞をしつつ、作業スペースや昼寝スペースや見栄えの悪い調音体を置いたりするスペースとして活用する。
そして前方の端に天井高の低い作業用通路として格子床と格子手摺でできたロフト部分を設置する。
吹き抜けのキャットウォーク(高所の作業用通路)は床面積としてカウントされないことがあり、今回の構造もそれに当てはめて固定資産税に含めないことが期待できる。
また、天井高1.4or1.5m未満の上階部分で下階の面積の半分以下のスペースは屋根裏部屋として固定資産税に含まれないことができる。
どちらでも適応できそうな通路のようなロフト空間となった。
格子床で完全に上方空間と下方空間を分けるとロフト面積が半分を超えてしまうし、作業用通路というよりは室内空間になってしまうので通路名目が通るか分からない。通路状の形態の方が無難そうなのでこのデザイン。
リスニングポジションの真上は吹き抜けているので開放感はそこそこ保てるのでその意味でもメリットか。
通路として分けることで転落防止用の手摺が必要になるが、それ自体も拡散体としての効用も期待できる。



横から見るとこんな感じ。
節税のためにロフト部分の天井が低いが天井部分の調音をしようとするときに容易に手が届くという一石二鳥になっている。
基本的に生活空間ではないので天井の低さはほぼ問題にならない。

天井や高所のメンテナンス性や音響調整の容易さと落下リスクの解消、ガチのリスニングとだらしなく聴く用途の併用などをどうにかしなければということで考え始めた考察だが、
それなりに解決した案はできてきた気がする。さらに良さそうな案があれば考えてみる。
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格子床を中2階に応用するアイディア

2021-04-05 13:08:09 | オーディオ
床の一次反射面の反射を緩和させたり調節したりするために取り外し式の格子床を使うと良いのではないかと書いたことがあったが、中2階の案にもある程度使うと良いような気がしている。

・格子床はそれ自体が拡散性を持つ
・空気はそれなりに抜けるので中2階を作っても響きが狭くなることを抑えることが出来る。
・採光がしやすい(日光や照明が格子で柔らかい光にしやすい)
・天井や高所に調音体を設置し、それが落下したとしても、格子の床が受け止めるので危険が少ない。


引用:HOUSE ZEN

そもそも上方に空気が抜けてくれるならオーディオルームの天井高が普通でも支障はなく、1階と2階を分ける区切り(床+天井)がスカスカの格子であれば、オーディオルームの階上に2階があっても支障はないことになる。
ただ格子が床のため使い勝手の微妙な2階が広々とあっても有効に使えなければ意味がないので、2階のスペースをどこまで作るべきかは検討の余地がある。
今後少し考えてみたいと思う。

また剥き出しの階段もそれなりに拡散体として有用な形態をしている。ただし左右対称性を保ちながら設置できるかどうかは疑問がありそうだ。


引用:藤井工務店
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