6.深刻な生殖機能の低下・セックスレスとお墓の放棄
低成長、と言うよりかゼロ成長に近い日本経済のもう一つの根本的要因に、少子高齢化社会が上げられます。そして注目したいのは、子供が少なくなったのが必ずしも経済的な理由ばかりでないことです。日本の出生率は年間1.41人(2013年)で、16年ぶりに1.4人を上回ったそうですが、60年代から70年代の高度経済成長当時の2人から3人に比べても圧倒的に少なく、1.4人では成長はおろか老後の年金すら賄い切れないというのが冷厳な事実です。先進国の集まりであるOECD諸国の平均が1.7人ですから、いかに日本の出生率が低いかが分かります。
経済的理由ばかりでないといったのは、そもそも子作り以前に男と女の交わりがないことです。先頃NHKのニュース・ナインでも取り上げていましたが、20-40代で配偶者か恋人がいる男女関係で、セックスの回数が極端に少なくなっており、月1回未満をセックスレスと定義するとその数が圧倒的に増えているというのです。それによると、子供の誕生が期待される30代のセックスレスの比率は19%で、40台の16%よりも高くなっています。
イギリスの大手コンドームメーカー、Durex社の調査によれば、セックスの年間頻度数(2005年)は次のようです。
上位10カ国 下位10カ国
ギリシャ 138 中国 95
クロアチア 134 スウェーデン 92
セルビア・モンテネグロ 128 台湾 88
ブルガリア 127 ベトナム 87
チェコ 120 マレーシア 83
フランス 120 香港 78
イギリス 118 インドネシア 77
オランダ 115 インド 75
ポーランド 115 シンガポール 73
ニュージーランド 114 日本 45
この調査はインターネットを通じたサンプリング調査なので問題はあるとしていますが、瀬地山角・東大教授はそれでも統計的に意味があるとしています。この表からも明らかなように、調査対象41カ国の中で最低であるばかりは、下から2番目のシンガポールの6割ほどで、41カ国平均の半分以下でもあるそうです。その原因ともなっていると思われるセックスに対する満足度も、中国についで下から2番目で、41カ国の平均44%の約半分の24%に過ぎません。37カ国を対象にした2011年の調査でも、セックスの回数が週1回以上の比率で、日本は27%で最下位、次に少ないイギリスの55%の半分に過ぎなかったとされています。なお、一般社団法人日本家族計画協会が昨2014年9月に16-49歳の男女を対象に調査した報告書でも、夫婦の間で1ヶ月以上セックスのない割合は44.5%で、年々増えているとしています。これではいくら「生めよ、増やせよ」、と子作りを奨励しても少子化は避けられそうにありません。少子化を裏付けるもう一つ興味のある数字があります。総務省の発表によれば、日本全国の空家数は820万個、全戸数の13.5%に上っているという数値です。これも「核家族化」によって、代々継がれるべき家が消費財化され使い捨てにされていることを裏付けています。「資本の文明化作用」=飽くなき経済至上主義による負の成果といえます。その一方、年間所得112万円以下の世帯数は16%にも上っています。
低成長、と言うよりかゼロ成長に近い日本経済のもう一つの根本的要因に、少子高齢化社会が上げられます。そして注目したいのは、子供が少なくなったのが必ずしも経済的な理由ばかりでないことです。日本の出生率は年間1.41人(2013年)で、16年ぶりに1.4人を上回ったそうですが、60年代から70年代の高度経済成長当時の2人から3人に比べても圧倒的に少なく、1.4人では成長はおろか老後の年金すら賄い切れないというのが冷厳な事実です。先進国の集まりであるOECD諸国の平均が1.7人ですから、いかに日本の出生率が低いかが分かります。
経済的理由ばかりでないといったのは、そもそも子作り以前に男と女の交わりがないことです。先頃NHKのニュース・ナインでも取り上げていましたが、20-40代で配偶者か恋人がいる男女関係で、セックスの回数が極端に少なくなっており、月1回未満をセックスレスと定義するとその数が圧倒的に増えているというのです。それによると、子供の誕生が期待される30代のセックスレスの比率は19%で、40台の16%よりも高くなっています。
イギリスの大手コンドームメーカー、Durex社の調査によれば、セックスの年間頻度数(2005年)は次のようです。
上位10カ国 下位10カ国
ギリシャ 138 中国 95
クロアチア 134 スウェーデン 92
セルビア・モンテネグロ 128 台湾 88
ブルガリア 127 ベトナム 87
チェコ 120 マレーシア 83
フランス 120 香港 78
イギリス 118 インドネシア 77
オランダ 115 インド 75
ポーランド 115 シンガポール 73
ニュージーランド 114 日本 45
この調査はインターネットを通じたサンプリング調査なので問題はあるとしていますが、瀬地山角・東大教授はそれでも統計的に意味があるとしています。この表からも明らかなように、調査対象41カ国の中で最低であるばかりは、下から2番目のシンガポールの6割ほどで、41カ国平均の半分以下でもあるそうです。その原因ともなっていると思われるセックスに対する満足度も、中国についで下から2番目で、41カ国の平均44%の約半分の24%に過ぎません。37カ国を対象にした2011年の調査でも、セックスの回数が週1回以上の比率で、日本は27%で最下位、次に少ないイギリスの55%の半分に過ぎなかったとされています。なお、一般社団法人日本家族計画協会が昨2014年9月に16-49歳の男女を対象に調査した報告書でも、夫婦の間で1ヶ月以上セックスのない割合は44.5%で、年々増えているとしています。これではいくら「生めよ、増やせよ」、と子作りを奨励しても少子化は避けられそうにありません。少子化を裏付けるもう一つ興味のある数字があります。総務省の発表によれば、日本全国の空家数は820万個、全戸数の13.5%に上っているという数値です。これも「核家族化」によって、代々継がれるべき家が消費財化され使い捨てにされていることを裏付けています。「資本の文明化作用」=飽くなき経済至上主義による負の成果といえます。その一方、年間所得112万円以下の世帯数は16%にも上っています。