農文館2

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都知事選とJR北海道処分

2014-01-23 11:07:49 | 日記
 都知事選挙が今日23日公示されます。皮肉と言おうか、これからの日本を暗示してでもいるかのように、前日の昨日、JR北海道の処分が発表されました。筆者が東京を離れ札幌の大學に赴任したのは、国鉄の民営化が実施された1987年、国鉄の処分を巡って最も激しかったJR北海道の労使紛争が火を吹いている頃でした。それは、蜥蜴の尻尾切りをされた北海道が更に過疎化への道をまっしぐらに下って行ったのに対して、バブルを謳歌する東京が益々肥大化してゆく過程でもありました。それから27年、その答えであり成果の典型がJR北海道処分でした。
 実はここに至る道は、ずっと以前から整備されていたのです。東京オリンピックが開催されたのが1964年、正に東京一極集中・繁栄があたかも国是の如く軌道化していた時代でした。その一方地方の実情はどこもかしこも空洞化の末、青息吐息、地方は東京への出稼ぎ・労働提供の場と化していたのです。23年後、国鉄の民営化という名の下に、北海道の国鉄職員が大量に処分されたのはその“悪しき”例でした(現在のJR北海道職員の4分の3が解雇)。昨年末このブログで「都知事選に一言」指摘したように、人のいないところ社会も経済も文化も成り立ちません。国鉄民営化ではJR北海道は成り立ちようがなかったのです。
 
 東京オリンピック、民営化そしてバブルの付けを地方、北海道が払わされたように、今又、規制緩和、マネーゲーム、TPP、来る東京オリンピックがその付けを地方に払わせようとしています。そもそもそれまでに地方が払えるものを未だ残しているかはなはだ疑問なのですが、今回の都知事選では、オリンピックに加えて、その歯止めになるかもしれない“原発廃止”問題が争点になる気配です。原発廃止に多少の希望を繋ぎ止めようとするのは、過大な期待になるのかもしれません。とは言え、東京一極集中を支えてきた象徴的な原動力が原発に他ならなかった事も事実です。東京新聞はそれを「原発文明」の岐路としています。筆者は更に持論とする「ゼロ成長社会」への岐路となるよう付言したいところですが、それこそ過大な期待、非現実的であることもこれまた確かな事、まずは争点として、石原さんや猪瀬さんを支持した人たちも含めて東京都民が原発問題で再び沸騰することを願うばかりです。

「年のはじめに考える 憲法を守る道を行く」

2014-01-05 09:54:52 | 日記
 東京新聞、1月5日付の社説のタイトルです。昨年亡くなった作家辻井喬の評論から、憲法改正について論じています。氏は戦後政治の保守派の流れを、吉田茂と岸信介とに二分し、前者が憲法護持派、後者を改憲派、安倍政権は後者の流れに沿うものとしています。氏自身は前者、憲法護持の立場に立っていますが、東京新聞は、保守政治家の中でも戦争を知る世代が少なくなってきている現状を踏まえ、辻井喬とともに「憲法を守る道を行く」ことを宣言しています。

 マスメディアが体制と大衆におもねって久しい今日、これだけはっきりと自社の見解を公にしたのは、商業マスメディアでは東京新聞だけです。元旦から大手の新聞の社説には大体目を通していますが、憲法問題に限らず、原発問題も含めて東京新聞のそれは、昨年同様他社とは違い、体制と大衆におもねることなく、社の方針をできるだけ明確に伝えようとする姿勢が窺われます。日本のマスメディアの現状を考えると、東京新聞の果たす役割は、今年こそ一層重みを増してくるように思われます。

 微力ながら僕たちも、「農文館」、「康花美術館」を通じて務めて行く所存です。今年もよろしくお願い致します。