以下は、信濃毎日新聞9月4日付けに写真入りで掲載された『苦界の美学』についての紹介記事です。
「松本市に「康花美術館」がある画家の主な作品を、文芸や映画などとの関連も探りながら紹介した鑑賞の手引き。「一見暗くて気難しそ
うな作品」(著者)の数々にはどんな思索が込められていたのか、それらが発する声ならぬ言葉と対話するかのような筆運びで綴る。
須藤康花は福島県出身。多摩美術大に在学中から版画の公募展などで注目されるが、同大学院を修了する頃にがんを発症。12年前、30歳
で他界した。本書の装画や口絵を見れば確かに重苦しい画風ながら、異星の大地や夜空も思わせる銅版画は幻想的で、さまざまな鑑賞を見
る者に促す。この画家が影響を受けたらしい野間宏の小説や彫刻家カミーユ・クローデルの伝記映画などに触れつつ豊かな解釈を試みる。
著者は画家の弟だが、実は41年前に他界している。本書は、彼が姉の表現世界を巡るという想定で父が執筆した。」
(而立書房・1980円)
上述のような本書の読み方もあれば、知人の以下のような捉え方もあるのでご参考まで紹介しておきます。
「夭折の画家康花の晩年の画を読み解くという形態で、先生の文学、思想、哲学などなど全てを黙示しておられる、それが私の全身
の中に摩擦音をだしながら食い込んでくる、という感じで読み終わりました。古今東西の文学・哲学・思想の古典が随所に引用されてお
り、しかもご自身の思想、哲学になっておられるので、康花さんの銅版画を読み解くときにごく自然に引用されて説得力があり本当に
感動しています。」(松村高夫・慶応大学名誉教授)
「松本市に「康花美術館」がある画家の主な作品を、文芸や映画などとの関連も探りながら紹介した鑑賞の手引き。「一見暗くて気難しそ
うな作品」(著者)の数々にはどんな思索が込められていたのか、それらが発する声ならぬ言葉と対話するかのような筆運びで綴る。
須藤康花は福島県出身。多摩美術大に在学中から版画の公募展などで注目されるが、同大学院を修了する頃にがんを発症。12年前、30歳
で他界した。本書の装画や口絵を見れば確かに重苦しい画風ながら、異星の大地や夜空も思わせる銅版画は幻想的で、さまざまな鑑賞を見
る者に促す。この画家が影響を受けたらしい野間宏の小説や彫刻家カミーユ・クローデルの伝記映画などに触れつつ豊かな解釈を試みる。
著者は画家の弟だが、実は41年前に他界している。本書は、彼が姉の表現世界を巡るという想定で父が執筆した。」
(而立書房・1980円)
上述のような本書の読み方もあれば、知人の以下のような捉え方もあるのでご参考まで紹介しておきます。
「夭折の画家康花の晩年の画を読み解くという形態で、先生の文学、思想、哲学などなど全てを黙示しておられる、それが私の全身
の中に摩擦音をだしながら食い込んでくる、という感じで読み終わりました。古今東西の文学・哲学・思想の古典が随所に引用されてお
り、しかもご自身の思想、哲学になっておられるので、康花さんの銅版画を読み解くときにごく自然に引用されて説得力があり本当に
感動しています。」(松村高夫・慶応大学名誉教授)