以下は『むすび』誌2018年1月号に掲載された短評記事の転載です。
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平和志向型の生活スタイルのために
周知の通り日本の国民医療費は約40兆円、国家予算のおよそ半分、これに介護費の15兆円を加えると55兆円、社会保障費の半分を占めています。高い経済成長の終えんと少子高齢化・人口減少、さらに戦後のベビーブームで生を受けたいわゆる団塊の世代もそろそろ後期高齢者の仲間入りで、厚労省は、医療費、介護費を含めて2025年にはその額は74兆円に上ると予測。加えて1000兆円を超える国の借金、さらに原発処理などを考えると、オリンピックどころでは? 宴の後、イソップ物語のキリギリスもどきにならねばと祈るばかり。
ところで私事、敗血症で九死に一生を得てから30有余年、齢77歳、世間でいう後期高齢者に属しますが、幸か不幸か、この間小生、化学薬剤のご厄介は一度もなし。それを支えてくれたのがマクロビオティックでした。そのマクロの世界は食生活に限らず、医食同源、一物全体、身土不二、経済学的に見れば今日のような暖衣飽食・浪費競争型社会とは無縁の平和志向型のシンプル・ライフがモットー。
そろそろ消費者は王様という甘言や、生き残りという強迫観念から解放され、夫々が自分の生活スタイルを工夫することに軸足を転じたい。本誌の役割と期待はこれまでにも増して大きい。(2017年10月26日記)
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平和志向型の生活スタイルのために
周知の通り日本の国民医療費は約40兆円、国家予算のおよそ半分、これに介護費の15兆円を加えると55兆円、社会保障費の半分を占めています。高い経済成長の終えんと少子高齢化・人口減少、さらに戦後のベビーブームで生を受けたいわゆる団塊の世代もそろそろ後期高齢者の仲間入りで、厚労省は、医療費、介護費を含めて2025年にはその額は74兆円に上ると予測。加えて1000兆円を超える国の借金、さらに原発処理などを考えると、オリンピックどころでは? 宴の後、イソップ物語のキリギリスもどきにならねばと祈るばかり。
ところで私事、敗血症で九死に一生を得てから30有余年、齢77歳、世間でいう後期高齢者に属しますが、幸か不幸か、この間小生、化学薬剤のご厄介は一度もなし。それを支えてくれたのがマクロビオティックでした。そのマクロの世界は食生活に限らず、医食同源、一物全体、身土不二、経済学的に見れば今日のような暖衣飽食・浪費競争型社会とは無縁の平和志向型のシンプル・ライフがモットー。
そろそろ消費者は王様という甘言や、生き残りという強迫観念から解放され、夫々が自分の生活スタイルを工夫することに軸足を転じたい。本誌の役割と期待はこれまでにも増して大きい。(2017年10月26日記)